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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------139号--2002.07.07------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「アレルギー表示・胡麻(Q&A)」
「賞味期限」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 前回の硝酸塩の記事について、農家の方からメールをいただきま
した。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 いつも楽しみにMM拝見させていただいています。

 さて、今回のMMの野菜の硝酸についての数字ですが、残留してい
るだろうとは思っていましたが、あまりの多さにびっくりしました。
私は、農業をしていますので、私の知っている範囲でのこのデータ
の感想を書かせていただきます。

 この硝酸は、肥料から来たの物でしょう。いわゆる窒素ですね。
窒素分は、通常、畜産糞尿を堆肥化したいわゆる堆肥や尿素、硫安
などの形で(こちらはいわゆる化成肥料です)畑に施されます。これ
らは、微生物により体内に取り込まれ、硝酸の形になり始めて植物
に吸収されます。

 窒素分は、植物の体内で、C6H12O6 いわゆる光合成により植物が
生産したブドウ糖と結びつき、アミノ酸になりたんぱく質になりま
す。つまり植物にとっては、自分自身の体を大きくするための肥料
です。現在日本の農業では、作物体の味よりも収量を多くするため
の技術指導がいまだに行われていまして(時代錯誤もはなはだしい
のですが)、世界的に見ても非常にけた違いに多くの窒素肥料を畑
に投入しています。植物体が大きくなると言うことは、それだけ体
内の光合成産物を消費してしまうわけですから、病害虫に対する抵
抗力も無くなり、多農薬栽培へとなってしまいます。おまけに、収
穫物の味も悪くなってしまいます。昔に比べて、農作物の栄養素の
含有量が少なくなったり、味が悪くなったのは、このせいでしょう
ね。

 更にそれ以上に過剰に窒素分を吸収した場合には、体内で消化し
きれない分は、体内に残留したまま収穫されてしまうことになりま
す。これがいわゆる、農作物の残留窒素です。

 悲しいことに今現在、日本の農地は、ことごとく全てこの窒素肥
料過剰の状態にあります。農薬の害が声高に叫ばれ、時代は、省農
薬無農薬へと向かっているかに見えますが、農薬の害以上に私は、
この残留窒素分のほうが危険性が高いと思うのですがいかかでしょ
うか。

 最近、有機栽培がブームになっています。しかし、ほとんど現在
畑に堆肥として施されています物は、畜産物の糞尿を発酵堆肥化し
た物で、非常に多くの未消化窒素分を含んでいます。これらは、年
々畑に蓄積していきます。

 硝酸の害が、初めて言われだしたのが、ご存知のように畜産を伝
統的に昔から大規模に行ってきたヨーロッパでした。家畜の糞尿を
畑に撒き牧草を育て、それをまた牛に食べさせと言うサイクルを繰
り返していたわけです。その牛に初めに出たそうです。そして地下
水を汚染し、人へと広まっていったそうです。

 ですから、堆肥を使っているから安全とはいえないんですね。化
成肥料にしても堆肥にしても、どちらも適正な量を使えば、非常に
農作物の生産に有利なことは言うまでもありません。問題は、その
使う量です。このあたりにこれからもっと焦点があってきませんと、
日本人の健康に大きな害をもたらすのではないかと私は思っていま
す。本当にそれくらい、多くの農地で窒素の多肥料施肥が、おこな
われているんです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 窒素肥料が多すぎるというのはご指摘のとおりでしょうね。

 さて、またまた食べ物関係の不祥事が新聞をにぎわしています。
「USJの賞味期限切れ」の話は別の欄に書きましたが、それ以外
のものを紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 東京都がコメの表示調査で、DNA分析を実施したところ、商品
の半分から表示米とは違うコメの混入が見つかったことがわかった。

 昨年4月からJAS法でコメの袋に品種、産地、産年の表示が義
務づけられたことを受け、都消費生活部が同6月から今年3月にか
けて調査した。対象は「コシヒカリ」「ササニシキ」「あきたこま
ち」「ひとめぼれ」「はえぬき」の5種類で、いずれも100%の
単品種と表示された商品。スーパーや米店などで売られている34
業者の45商品(5キロ入り)について、それぞれコメ8粒をサン
プリングし、DNAを分析。その結果、11業者の22商品で、表
示されているもの以外のコメが混じっていた。

http://www.yomiuri.co.jp/00/20020701i212.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 たった8粒のサンプリングで見つかったのですから、混入率はか
なり高かったでしょうね。コシヒカリが一粒もなかった「コシヒカ
リ」もあったとか。

 混入率が低いものも入れればほとんどの米が表示に偽りありだと
思って間違いないと思います。

 これは品種の話です。さらに古米の混入ということもあります。
まもなく新米の季節がやってきます。去年の米はまだまだたくさん
余っているのですが、だれもその米の処分を心配していません。新
米がでてきても、古米も混ぜて売るのがあたりまえになっているか
らです。

 肉業界を上回って、米業界が不正表示のチャンピオンでしょうね。
流通、販売業者まで、別に不正と思っていないのでしょう。こんな
ことをしていたら、そのうち米自体が国民から見放されるときがき
そうに思います。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 インスタントコーヒー最大手のネスレジャパン(本社・神戸市)
が、在庫品を溶かし、原材料として再利用していることがわかった。
主力商品の「ゴールドブレンド」などインスタントコーヒーの全銘
柄に及び、社内では「リワーク(製品の再生)」と呼ばれている。
違法性はなく、同社は安全面でも問題はないとしているが、再利用
については表示しておらず、事業者団体の全日本コーヒー公正取引
協議会が事情を聴いている。

http://www.asahi.com/life/food/020505b.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 なんだかなあ、と思います。たしかに不正ではないでしょう。自
ら事実を認めて開き直っているのですから、いい根性をしています。
でも、競争きびしいおり、こんなことをしていて大丈夫なんでしょ
うか。

 手間がかかったレギュラーコーヒーも、安くて簡単にできるコー
ヒーメーカーが売られています。我が家の1980円のコーヒーメーカ
ーでも充分おいしいコーヒーが飲めるのですから、インスタントコ
ーヒーを選ぶ理由なんかあまりないように思えてきました。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.食品の原料表示についてですが、今はアレルギーの症状の出る
疑いがあるものは表示されるようになっていますが、油等はとくに
その種類によってアレルギーが出たりするようですね。だから、そ
の種類には注意していると思うのですが、たとえば、お菓子などを
焼くときに型や天板に塗る油というのは表示されるものなのでしょ
うか。

 ネットでパン屋のHPを見ていたら「型に○○油使用」と表示さ
れているところがありましたが・・・でも、市販されているお菓子
は大抵表示されていません。どら焼きなどは多分焼くときに油を敷
いているはずです。表示義務はないのでしょうか?それとも使用さ
れていないのでしょうか?

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A.アレルギー表示で必ず表示しなければならないものは、

「小麦、そば、卵、乳、落花生」

 表示を奨励するものは

「あわび、いか、いくら、えび、オレンジ、かに、キウイフルーツ、
牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、豚肉、まつたけ、もも、
やまいも、りんご、ゼラチン」

です。

 したがって落花生油を使ったときは表示の必要があります。大豆
油の場合は任意の表示、それ以外の油の場合は表示の必要はありま
せん。

 業界では大豆油は表示の方向だと思います。しかし全部のメーカ
ーが表示するというわけではないでしょう。

 アレルギーの個人差も大きいものです。どうしても妥協の産物に
なってしまうのは仕方ないです。また、非常にまれなアレルギーに
ついては、はじめからこの制度の対象外ですね。

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Q.かなりのスーパーパワー食品といわれているについてご質
問します。胡麻は非常に素晴らしい成分をもっているようですが、
市場の製品の95.5%は輸入品だそうです。国産は殆ど小売りされて
いないと聞きました。(乾物専門店の話)

 その効能に注目してこれから大量に摂取しようかと思っています
が、殆どが中国産だったりすると、心配になります。胡麻というも
のに農薬は使われるものなのか、使用しているとして残留は考えら
れるか、その辺がもしお解りなら、教えて頂きたいと思います。

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A.胡麻はほとんどが輸入のものです。原産国は中国が多いと思い
ます。それ以外ではミャンマー、トルコなどからも輸入しています。
アフリカ・中南米あたりもあるそうです。

 残留農薬の検査結果の報告は
http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/tp0130-1.html
にありますが、「ゴマ」は見かけません。

 ごまの栽培方法はよくわかりませんが、あまり心配するほどでは
ないと思っています。

 ただ、何にせよ同じものを大量にとるのはリスクをともないます。
ほどほどがよいと思いますよ。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「賞味期限」
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 最近大きくとりあげられたニュースです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市此花区)の
運営会社「ユー・エス・ジェイ」は4日、園内のレストランで冷凍
牛肉や冷凍ボイルエビなど賞味期限が切れた44品目を食材として
使っていたことを明らかにした。期限切れの食材は計約2トンにの
ぼるという。(略)

 ユ社や大阪市によると、昨年6月〜今年2月、委託会社の倉庫で
保管していた食材の一部について、飲食部の総料理長が「賞味期限
が切れても大丈夫だ」と判断したという。賞味期限は1カ月から最
大9カ月切れていた。(略)

http://www.asahi.com/national/update/0704/015.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 けしからん、と思われるでしょうが、私はちょっと同情的です。
レストランで出す食べ物は調理した人が責任をもつのであって、原
料のメーカーが責任を持つのではないと思います。

 賞味期限はそれを使用する人への注意です。賞味期限がすぎてい
ても、状態をみて異常なしと判断して自己責任で食べる分には何も
問題はありません。

 とくに冷凍品の場合、メーカーの冷凍倉庫に保管されている状態
では賞味期限は別にありません。出荷の段階で賞味期限がつけられ
ます。そしてこの賞味期限がすぎたころになっても、メーカーの倉
庫には同じ商品があり、相変わらず一年程度の賞味期限をつけて販
売されていたりするのです。

 家庭での保管はむずかしいでしょうが、専用の冷凍倉庫をもって
いる場合、メーカーの倉庫にあるものと同じように、もっと長い賞
味期限があってもよさそうに思います。

 調理人が責任を持つのは提供する食べ物の安全性であって、原料
の賞味期限の厳守ではありません。自分の判断で使用したのですか
ら、ネスレのインスタントコーヒーのように、「何も問題はない」
と開き直ってもよさそうに思います。

 まあ、開き直っても客が逃げていくでしょうけれど。

 賞味期限についてはこのような矛盾があります。まず、出荷時に
つけられますので、原料については何も決まりはありません。原料
にも賞味期限がついていることがありますが、それを守っていると
ころは少ないのではないでしょうか。

 変質したものを使って事故を出してはいけませんから、使用にあ
たって注意が必要です。しかしこの注意は賞味期限を守っていれば
よいだけの甘いものではありません。

 もっと厳しく、味や衛生面で問題がないことが要求されます。逆
に賞味期限がすぎていても、合格ならば使ってよいのです。

 こうしたことから、製造の現場では原料についている賞味期限な
んか気にしていないところが多いと思います。賞味期限がすぎたか
らといって捨てていたのでは、その方が無駄なような気がします。

 出荷する商品の賞味期限については、半製品のままで保管してお
く手があります。正月用のかまぼこは大量に出るので、直前の製造
だけではたりません。そこで早くから製造したものを冷凍しておき
ます。

 このとき最終の包装をせずに冷凍しておくのがコツです。正月前
になって、冷凍庫から出して外装の包装をして、そのときを基準に
賞味期限をつけるのです。

 これは合法ですし、品質にも問題はありません。大きく変動する
需要に対して、このようにしてメーカー側は対応してきたのです。

 かずのこなどは年に一度しか販売チャンスのない商品です。売れ
残って正月をむかえてしまった数の子は倉庫で一年間まつことにな
ります。それでも翌年には新しい賞味期限をつけて売られるのです。

 また塩や砂糖には賞味期限をつける必要はありません。生協など
ではそれにも賞味期限をつけるように言ってくるそうです。これも
売れ残ったら新しい日付の袋に入れなおすのではないでしょうか。

 このように賞味期限だけを見ていてはわからないことも多いので
す。賞味期限は単なる目安だ、といってしまってはいけないでしょ
うか。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 このところ、食べ物に関するニュースが多いですね。これらのニ
ュースはだいたい内部からのリークのようです。

 確かに時代は変わっているようです。でもマスコミもちょっと騒
ぎすぎのような気がします。

 USJの件も2トンの食品が廃棄されることになるのでしょう。
私はマスコミの人にもったいないと思わないのかと聞いてみたいで
す。

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