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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------135号--2002.06.09------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「中国野菜」「アルカリイオン水・再冷凍・蜂蜜(Q&A)」
「食品表示の信用性」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 中国野菜の情報で、ちょっと危なそうなものがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

平成14年5月21日

中国産ほうれんそうに対する輸入検査の強化について

 下ゆでされた野菜の残留農薬については、平成14年3月20日
より、検査を実施していたところですが、下ゆでされた中国産ほう
れんそうから、国際的に製造・使用が原則禁止されているディルド
リン(アルドリンを含む。)が検出されたことから、ディルドリン、
アルドリン及びエンドリンについて、輸入届出毎に検査を実施する
こととしましたので、お知らせします。

 また、パラチオンについては4月22日から、及びクロルピリホ
スについては5月14日から、すでに輸入届出毎に検査を実施して
いるところです。

 なお、残留農薬が検出された食品は、食品衛生法第7条に違反す
るため、全量について、廃棄又は積み戻し等の指示を行ったところ
です。

違反数

パラチオンの違反   1件
クロルピリホスの違反   7件
ディルドリン(アルドリンを含む。)の違反   1件

中国産ほうれんそう輸入実績

 輸入届出重量

平成13年1月〜12月
  生鮮・冷蔵・冷凍       898,478kg
  加熱後冷凍食品(未加熱)49,902,964kg

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/05/h0521-1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このうち、ディルドリンはかなり危険なもので、ずいぶん以前に
製造中止になったものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 有機塩素系殺虫剤の1種。殺虫剤、防ダニ剤等として使用される。
日本では、昭和46年以降実質的に使用が中止されている。農薬取締
法に基づく登録が昭和48年度に失効しており、昭和56年に至り、化
学物質審査規制法の特定化学物質に指定され、現在では使用されて
いない。

 ヒトの場合、皮膚、口、呼吸器から速やかに吸収され、頭痛、め
まい、吐き気、嘔吐、疲労感ののち、筋のれん縮、けい動を起こす。
動物実験によれば、塩素系殺虫剤に共通な肝臓障害のほか、受精率、
妊娠、生育性、乳汁分泌に異常、肝臓細胞がん発生率増加、先天異
常の増加等が認められている。

食品衛生法
 アルドリンを含めて規制。農産物残留基準 ND〜0.02 ppm
 暫定的規制値(厚生省環境衛生局長通知) 輸入食肉 0.2 ppm、
                     牛乳 0.005 ppm
分解性等

 代謝は未詳。濃縮性の結果から分解性は低いと予想されている。
濃縮性は高い。

人の体内に取り込まれる経路

 皮膚、口、呼吸器から速やかに吸収される。アルドリンと同様
に、呼吸器よりも皮膚からの取り込みが重視されている。

http://www.fsinet.or.jp/~k-center/hormone/sheet/062.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この件に関しては「農薬の話」のページに解説がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 中国産ホウレンソウからディルドリン(アルドリンを含む。)が
検出されたという報道があった。厚生労働省のHPにも21日付でそ
の旨記載されている。検出量はわからないが,コンタミなどではな
くホウレンソウそのものの害虫防除に使われたことに間違いはある
まい。私はこの報道にかなりの衝撃を受け,中国に対する見方が
「破廉恥極まる国」にまで急落した。ディルドリンの検出は,パラ
チオンやクロルピリホスやメタミドホスの違反とは質が異なる。

 アルドリンやディルドリンはドリン類といわれ有機塩素系農薬に
分類される。DDTやBHCと同系統の化合物だが,これらよりは
るかに毒物学上の問題は大きい。私は,DDTやBHC(γ異性体
のみ)は使用方法を限定すれば現在でも農薬として使用可能だが,
ドリン類は地上から消滅させるべき化合物と考えている。実際に,
ドリン類は国際的に製造・使用が禁止されている。

http://members.tripod.co.jp/gregarina/AK02.html#0522
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このように国際的に禁止されているドリン類を、中国では今でも
生産していたらしいのです。土壌中で使われる薬剤が加工処理をし
たほうれん草の葉の部分から検出されたのですから、意図的な大量
使用が疑われています。

 前回で「農薬」をみんなひっくるめて悪者にするのは間違ってい
るのではないかと書きました。でもこんどは農薬からも排除された
本物の悪者の登場です。

 「登録されている農薬の残留量が規制値を超えていた」とか「国
際的には使われているが日本では登録されていない農薬が見つかっ
た」というのではありません。

 「国際的に製造も使用も禁止されている農薬が中国で製造・使用
されていて、日本への輸入食品に残留していた」ということですか
ら、事態は深刻です。

 中国国内でも、規制値を超えた農薬が残留している野菜が半数以
上あった、という報道もあります。国ぐるみで違法な農薬づけの農
業をしていると見て間違いないでしょう。

 このような状態が改善されるまで、中国からの野菜輸入を全面的
に停止する必要があると思います。事態を改善するためには、日本
のこうした態度が最も強い「外圧」になると思います。

 すでにヨーロッパではこうした方向に進みつつあるようです。毎
度おなじみのヨーロッパの人種的偏見によるものかと思っていまし
たが、この件に関してはあちらの判断が正しいように思います。

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--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.アルカリイオン水(ポカリスエットなど)は、酸性なのにどう
して体内に入るとアルカリ性になるのでしょう。又、梅干や酢も同
じ性質でしょうか。

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A.「体内に入ってアルカリ性になる」というのは、正確な言い方
ではないと思います。

 食品を酸性食品、アルカリ性食品と分けるのは、含まれているミ
ネラルによります。本当は食品を燃やして残った灰が酸性か、アル
カリ性か、ということだそうです。普通はもっと単純に、カルシウ
ムなどの陽イオンをつくるミネラルが多いとアルカリ性、リンなど
の陰イオンをつくるミネラルが多いと酸性食品というのです。

 さらに簡単に、カルシウムとリンの比率でカルシウムが多いとア
ルカリ性、リンが多いと酸性なんだそうです。

 食品はたいてい酸性を示しますが、この酸性は有機酸がもとにな
っています。有機酸(お酢の酢酸なんかもそうです。)は炭素・酸
素・水素でできていますので、こういう分類には関係ないのですね。

 もう一つ、こういう分類は分ける根拠は上記のようにはっきりし
ています。しかし、だからどうなんだ、というと、別にそれ何か効
果があるわけではないのです。

 極端な肉食では酸性食品ばかり、また厳密に菜食すればアルカリ
性食品ばかり、ということになります。

 酸性食品ばかり、またアルカリ性食品ばかりとっていてはよくな
いですよ、ということだと思います。

 普通の人はこんな極端な食生活をしているわけではありません。
アルカリ性食品が身体に良いということについては、根拠はありま
せんので、酸性、アルカリ性という食品の分類は、普通は気にする
必要はないと思います。

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Q.冷凍の鶏肉や魚などを一度解凍したものはまた冷凍してもいい
のでしょうか?よくないとしたらそれはどうしてですか?

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A.肉などを冷凍したときの問題は、氷の結晶ができることです。
冷凍時には細胞内の水分も氷ます。ゆっくり冷凍すると、細胞の中
で氷の結晶がそだってきて、細胞膜を傷つけてしまうのです。それ
で解凍したとき、破れた細胞膜から、水分が出てきてしまいます。

 これがドリップになるのですね。

 冷凍するときのスピードが早いと、この現象はかなり抑えられま
す。冷凍設備は氷の結晶が育つ温度帯をすばやく通過するように設
計されているのです。また、液体窒素などで瞬間凍結をすれば、ほ
とんど問題はありません。

 また、解凍の仕方によってもずいぶん違うようで、マグロなどは
専用の解凍機を使って解凍します。

 マグロはほとんど冷凍ものですが、生でおいしく食べられるのは、
こうしたいろいろな方法をとっているからです。

 こうして冷凍されているものをもう一度家庭で冷凍すると、最初
の冷凍である程度痛んでいることと、家庭用冷凍庫の能力が低いこ
とで、できる結晶がより大きくなり、解凍時のダメージが大きくな
ります。

 それで再冷凍は避けてくださいということになるのです。

 肉類は冷凍流通しているものも多く、解凍して生で売られている
ものもあります。こうした肉は家庭で冷凍すれば再冷凍したことに
なってしまいます。

 ただ、これはあくまで生のものとの比較の上のことです。刺身な
どで食べるとき以外は、それほど気にならないと思います。

 刺身用の魚を再冷凍するのは、味もよくないし、衛生的にも心配
なので、絶対にやめましょう。それ以外は必要があればしてもよい
のでは?

 我が家では、週末に買い物にいって、ある程度冷凍庫に入れてお
くことが多いです。普通に料理に使うものについては、それでかま
わないと思います。

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Q.蜂蜜の成分分析表を教えてください。オリゴ糖や果糖がどの程
度のパーセントかを知りたいのです。

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A.成分項目 一般的なハチミツ
果糖 40%
ブドウ糖 32%
水分 18%
オリゴ糖 7%
その他の成分 3%

という表がありました。以下のページをごらんください。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 花の蜜の成分はショ糖(砂糖)が主体でおおむね10%ぐらいの糖
液です。この花蜜を蜜蜂の体から分泌されるインベルターゼという
酵素によって消化します。ショ糖は果糖とブドウ糖が結合したもの
ですので花蜜は蜜蜂の体内で果糖とブドウ糖に変化します。また、
花蜜は糖度が10%程度ですが蜜蜂はこれを巣に持ち帰った後、羽を
はばたかせ、この花蜜を乾燥させます。たとえば、100gの花蜜は10
gの糖分と90gの水分ですが、この90gの水分の87.5gを乾燥させ10g
の糖分と2.5gの水分にします。つまり100gの花蜜を採ってきても12
.5gのハチミツしかできないわけです。

http://www.yk.rim.or.jp/~itoshin/ashoney/HONEY3/HONEY333.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 サクラハチミツ(株)のページですね。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「食品表示の信用性」
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 雪印の食肉偽装事件からはじまって、最近のミスタードッナツの
違反食品添加物事件まで、食品の品質表示の信用が大きくゆらぐ事
件が頻発しています。

 私もかつての仕入れ担当者としての経験から、人ごとではないよ
うな気がしています。

 仕入れ担当者(以下バイヤーと表記します)としては、自分の仕
入れた商品についての情報にウソがあった、というのは致命的なミ
スです。しかし、これを完全に防げる方法があったら教えてほしい
とたいていのバイヤーは思っていることでしょう。

 バイヤーが取引先から商品を仕入れるときは「仕様書」というの
をとるのが基本です。普通の商店の場合、ナショナルブランドとい
って、全国的に知られた大手メーカーの商品については、仕様書も
省略されることが多いと思います。

 生協などではオリジナル商品とか、特別に訴求点のある商品が多
いので、省略されることはほとんどありません。しかし、この仕様
書にウソがないかどうか、確かめる手段がないのです。

 確認の方法として、各種の検査成績書の提出、工場の視察、営業
担当者からの聞き取りなどをします。しかし、これらはその気にな
ればごまかせることばかりなのです。

 そこで最終的にはバイヤーがその取引先を信用できるかどうか、
というかなり主観的な判断によることになります。長くやっている
と営業マンや経営者と話をすれば、だいたい見当がつくものです。

 これはヤバイな、と感じたら取引しないのが原則です。継続して
取引があったところでも、自分が担当してみて、よくないと判断し
た場合は、できるだけ早く取引を中止することを考えます。

 徹底的に調査するのが正しい方針なんでしょうが、貧乏組織のバ
イヤーとしては、そこに投入する時間や労力がさけないのです。

 問題はこうした判断が間違っていて、それでも騙されてしまう可
能性と、取引先自身が騙されていた場合です。

 この間、生協で偽装食肉を扱っていたという事件はたくさんあり
ました。たいていはバイヤー側にも責任があると私は思っています。

 ある程度組織が大きくなると、仕入れ先を自由に選択できないと
いう悩みができてきます。充分な供給量を確保できるメーカーとい
うのはそんなに多くないのです。

 そういう事情はあるのでしょうが、発覚してからのメーカーの態
度を見ていると、事前にあやしいのは察知できたはずだ、と私は感
じています。察知できなかったのはバイヤーの怠慢なのか、バイヤ
ー自身も加担していたのかはよくわかりません。

 なかには同情せざるを得ないケースもありますが、全体的にいっ
て、私はバイヤー側にも責任があり、そうした責任をとってしかる
べきだと思っています。私がやっていても同じような目に会いそう
ですが、あえてそう言わせてもらいます。

 さて、メーカー側ですが、これは企業というか業界ぐるみで、ひ
どいの一言です。とにかく隠蔽しようとする体質も問題ですが、そ
れ以前に、利益が出ればなにをしてもよいと本気で思っていたよう
です。

 事件の発覚後には、当然改善策を求められます。メーカーはお詫
びをして(広告まで出したりして)、改善策を発表します。しかし
これに魂が入っていないと私は思います。

 どんな立派らしいシステムを改善策として発表しても、メーカー
としての姿勢が変わらないかぎり、同じことを繰り返すはずです。
雪印が牛乳の食中毒事件から牛肉の偽装事件に走ったのを見て、雪
印の特殊な事例だと思ったら間違いです。こんなに見事に連続して
発覚することは珍しいでしょうが、ほとんどみんな、同じようなも
のでしょう。

 最後に、最も反省しなければいけないのは、メーカーを根拠もな
く悪者扱いしてきた消費者側だということです。

 消費者団体やそれに加担してきた評論家などは、鬼の首をとった
ような勢いです。しかし、メーカー側をこうしたところに追い込ん
だ原因の一つは、消費者とメーカーを敵味方に分断し、相互の意志
交流を阻んできた彼らにあると私は思います。

 メーカーを悪者にし続けていては、彼らは本当の悪者にならざる
を得ません。理由のない攻撃を受けつけづけながら、それでも消費
者に対して絶対的な善意を要求されるとしたら、気の毒だと思いま
す。

 現状では、メーカーの自浄能力に多くを期待できないと思います。
その事態を打開するのは、消費者側の後押しです。被害者という顔
をして非難しているだけではだめです。どう行動すれば消費者は支
持してくれるのか、その一点が問題なのです。

 今後、根本的な改善策を講じ、それをアピールしたメーカーが飛
躍的に業績を伸ばすというようなことがおこったとき、この国の食
品業界は本当に立ち直ると思います。

 今、メーカーは苦しんでいます。そのメーカーの声をじっくり聞
いてやってほしいのです。そしてどのメーカーが支持できる方針を
とっているか、見極めてほしいと思います。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 しばらく「いただいたメール」と称してメールの紹介を続けてき
ました。今回は久しぶりに私の意見というか、感想を書いてみまし
た。

 この間、メールをいただいた方には申し訳ないですが、次回まわ
しということで、ご了承ください。

 「香料」に違反添加物が使われていた事件では、今までよりもメ
ーカーの対応はずいぶん早かったようです。隠すよりも一刻も早く
公表する方がよいことをメーカーも認識しているようです。

 消費者の対応も、意外と冷静なのでは?と思います。あとはマス
コミが悪のりして煽らなければいいのですが…。

 ご意見、お待ちしています。

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