安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>12号


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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
--------------------------------------12号--2000.01.23------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

     「こんにゃく」
     「Q&A(小麦粉)」
     「うどん」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 私の住んでいる地域では、日曜日の朝の放送ですが、「所さんの
目がテン!」という番組があります。

 身の回りのいろんなモノにスポットをあてて、面白い事実などを
紹介するのですが、これがなかなか面白いのです。

 先週の番組では、「おでん」をとりあげていました。

 その中で、煮物は沸騰しつづけるよりも、途中で火を落として、
温度をさげた方がよく煮える、という実験を紹介していました。他
のところでも、鍋を火にかけつづけるより、保温容器に入れておく
方が、よく火がとおる、というのを、やっていました。

 やってみると、実際そのとおりのようで、大根の煮物など、沸騰
させては火を止める、というテクニックを使うと、確かに早く煮え
ます。

 カレールウは火を止めてから入れないと、溶けにくくなる、とい
うのもありまして、やって見ますと、たしかにその通りです。商品
には必ず「火を止めてから入れてください。」と書いているのは知
っていましたが、どうでもよいことのように思っていました。

 メーカー側は当然、このことを知っているわけですが、案外、家
庭には浸透していないようです。

 それとも知らなかったのは私だけなのでしょうか?

 そういえば、インスタントラーメンにも、「火を止めてから、ス
ープの素を入れてください。」と書いてあります。これも同じなの
でしょうね。

 おでんい入れるこんにゃくですが、こんにゃくを一緒に煮たもの
と、こんにゃくなしのおでんとでは、同じおでんだねでも、固さが
違う、という実験もやっていました。

 これはこんにゃくに含まれるカルシウムのせいだそうです。

 こんにゃくをカルシウムを含む食品として紹介している本もあり
ましたが、別にこんにゃく芋がカルシウムを多く含んでいるわけで
はありません。

 こんにゃくを固めるとき、カルシウムで固めるからで、このカル
シウムは食品添加物としての「水酸化カルシウム」を使います。

 水酸化カルシウムの代りに、「卵殻カルシウム」や「貝殻カルシ
ウム」を使ったものもあります。メーカーの人にどうして?と聞く
と、こちらの方が、アルカリが弱いので、味が良いと思うので、
といっていました。こんにゃくの「あく」というのは、どうも水酸
化カルシウムによってアルカリ性になることによるらしいのです。

 食べ物はほとんど、PH(ペーハー)では酸性を示します。食べ
て酸っぱいものは、かなり強い酸ですし、それ以外のものでも、食
べて美味しいものは間違いなく酸性です。
(アルカリに傾くと、「えぐい」味になるようです。)

 ということで、「無添加」のこんにゃく、というのは、残念なが
らあり得ません。

 こんにゃくの原料はもちろんこんにゃく芋です。関東の特産物な
ので、関東のかたはよくご存知と思いますが、巨大なサトイモ、と
いった外観の、特殊な芋です。

 普通は生の芋ではなく、精製された「こんにゃく粉」を使います。
これはこんにゃくの主成分である、「こんにゃくマンナン」をこん
にゃく芋から取出したものです。

 この「こんにゃくマンナン」はでんぷんなどと同じ、炭水化物な
のですが、人間はまったくこれを消化できません。こんにゃくがカ
ロリーゼロなのは、このためです。

 こんにゃく粉は真っ白な粉末です。ほんのわずかで固まるので、
たいへん高価なものだそうです。

 最近は「芋こんにゃく」といって、こんにゃく芋から直接作るも
のもあります。入荷したこんにゃく芋は冷凍庫で冷凍保管している
ので、どうしても高くなりますが、こんにゃく粉から作ったものよ
り、美味しいと思います。これは精製の度合いの違いでしょうか。

 「芋こんにゃく」は、普通の板こんにゃくより、色がしろっぽい
のが普通です。これは、芋こんにゃくの色が、実はこんにゃく芋の
皮の部分の色なのに対して、板こんにゃくが着色しているためです。

 地域差はあるのでしょうが、関西では、板こんにゃくは黒っぽい
色に着色しています。「着色料?」と思われるでしょうが、これは
昔からで、アラメなどの海藻で着色しているのです。

 なぜ、そんなことをするのか?と聞いても、昔からしているから、
という返事しかありません。不思議といえば不思議なことです。

 糸こんにゃくは着色の習慣はないので、糸こんにゃくの色がこん
にゃく本来の色です。(最近は黒っぽい糸こんにゃくもありますが、
同じことです。)

 海藻といえば、ほんものの海藻である「ひじき」も着色していま
す。これもアラメの煮汁で煮るので、黒くなるのですが、黒い方が
おいしそうに見えるのでしょうか?

 こんにゃくメーカーは夏場はヒマなので、よくゼリーやキャンデ
ーなどを作っています。最近のヒットはもちろん「こんにゃくゼリ
ー」ですが、これは子供にはかなり危険な食べ物です。

 実際、咽喉につまっての死亡事故が起こっていますので、小さい
子供には、絶対たべさせないでください。

 ゼリーのサイズが中途半端で、噛み切って食べるには小さいし、
飲み込むには大きすぎるのが一番の原因ですが、食感を良くするた
めに、強度を上げたこともあったようです。

 「有機栽培」のこんにゃく芋、の話は別の機会にします。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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前回の小麦粉の話に、メールをいただきました。(改行は変更)

---〔↓引用はじめ〕-----------------------------------------

パンやパスタ、うどんなどは国産小麦は適していないようなのです
がケーキも同様なのですか?

---〔↑引用おわり〕-----------------------------------------

 適していない、といっても、違いはいろいろです。

 パスタはそもそも品種が違いますので、論外です。

 パンにはかなり厳しいものがあります。パンが膨らむというのは、
酵母が糖を二酸化炭素とアルコールに分解するとき、できた二酸化
炭素(炭酸ガス)で膨らみます。このとき、パン生地のグルテンの
量と強度が問題になります。

 国産小麦はグルテンの量も少ないのですが、(ハルユタカでも)
強度にも問題があります。練っていると、グルテンがすぐに切れて
きてしまうのです。大手メーカーの連続式の発酵では、まず無理な
ので、小さなパン屋さんで手作り、ということになって、かえって
良いかもしれませんが。

 うどんはもともと、日本の食べ物なので、別にむいていないわけ
ではありません。というより、国産小麦を美味しく食べる最高の方
法と思っています。ただ、極端に「コシ」の強さを求める、「さぬ
きうどん」などでは、オーストラリア・ホワイトになってしまって
います。これは比べればすぐに分かる違いがあります。

 昔は輸入小麦粉を「メリケン粉」、国産小麦粉を「うどん粉」と
呼びわけていたそうです。先ほども書きましたが、うどんは国産小
麦に最も適した食べ方と思うのですが、残念ながらここでも輸入も
のの方が評価は高いようです。

 外国の品種を導入しても、どうしても同じようなものが出来ない
のは不思議ですが、今のところ、現実には国産小麦は品質的には苦
戦をまぬがれません。

 ケーキについてですが、ケーキには普通、「薄力粉」を使います。
国産小麦はグルテンに弱点があるので、薄力粉としては問題ないは
ずですが、やはり品質では輸入ものに及ばないのが現実です。ただ、
適さない、というものではありませんから、どんどん使ってやって
ください。

 私は普通の料理はしますが、ケーキなどは作ったことがないので、
ケーキ作りの具体的なことはわかりません。クリスマス用にスポン
ジケーキを焼いてもらったときは、業者側では、国産小麦でも、作
ること自体はあまり問題はない、といっていましたが、出来たもの
は、すこししっとりと、「重い」感じのものでした。

 パンでも同じようになりますので、こうしたもの、と思っておく
しかないでしょうね。風味がある、という気もします。うどんでも、
味は国産小麦が良いように、私は思っています。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「うどん」その1
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 前の文章に引きずられて、うどんについて書いてみます。

 うどんは、小麦粉を塩水で練って、伸ばしたあとを切って麺にし
たものです。

 手打ちというのは、この作業を人手でするのですが、手打ちの良
さは、伸ばすときにいろんな方向に力が加わることだそうです。

 ただ、伸ばす力は機械に及びませんので、素人がおいしいうどん
を作るのは難しいです。麺類は「手打ち」に挑戦しても、あまり良
いことはない、と思っています。

 機械では、圧力をかけたロールの間を通して作ります。この圧力
はかなりのもので、2〜3回も通すと、もう出来あがりです。出来
た生地はロール状にまかれて、熟成させます。

 麺に切るのも機械で、ロールの歯の間で切られて出てきます。麺
の太さはこの歯で調整します。そのままでは延々と長い麺になるの
で、適当な長さに切断するところまで、自動です。

 製品は「ゆでうどん」「生うどん」「干うどん」とありますが、
普通に袋入りで売っているのは、「ゆでうでん」です。

 ゆでうどんは麺を作ったあと、30分くらいゆででいます。だか
ら買ってきて、温めるだけで食べられるのです。「冷凍うどん」
というのも、いったんゆでてから冷凍しています。

 ガス会社が「冷熱サービス」というのをしていて、これを利用し
た冷凍うどんがあります。これは液化天然ガスを気化するときにま
わりから熱を奪いますので、その冷却効果でたべものを冷凍しよう
というのです。冷凍庫で凍らせるより、高性能でコストも安くなり
ます。(冷凍関係の話は別の機会にします。)

 うどんの原料の小麦粉は、どちらかといえば「中力粉」です。最
近はコシの強いうどんを有り難がる人が多いのですが、うどんメー
カーに云わせると、コシの強さを出すのは実に簡単で、強力粉を使
えばいいんだそうです。

 でも、本当に美味しいうどんは、力の弱い粉を使って、加水率を
上げて、柔らかく、風味があって、しかも噛んだときに、しかりと
したコシがあるもの、なのだそうです。

 加水率、というのがポイントで、水分の多いものほど、よいうど
んだそうです。もちろん、へたに水分を増やせば、べちゃべちゃに
なります。

 麺の表面は水分が多く、柔らかくて食感が良く、中心部は比較的
水分がすくなく、しっかりとした状態、というのが良いということ
ですが、ゆでてから時間がたつと、全体の水分が均一化していきま
す。

 うどんはある程度の太さがいること(細いうどんはおいしくない)、
ゆでたてが一番である、ということは、ここからきています。ゆで
たてを急速冷凍すると、この水分移動の時間がなく、いい状態のま
ま凍りますので、一般に、冷凍うどんの方がゆでうどんとして売ら
れているものより美味しいのです。

 家庭で冷凍してもダメですよ!

 うどんの添加物としては、「プロピレングリコール」がよく使わ
れます。これはとろりとした液体で、他の添加物の溶剤としても使
われています。使用すると、食感を改善することと、カビなどが発
生しにくくなりますので、重宝されているようです。

 中華麺に色をつけるのに、「ビタミンB6」を使いますが、この
製品をみせてもらったら、プロピレングリコールに溶かしたもので
した。このようにして、あまり意識されずに使われている添加物で
す。分類としては、「製造用剤」というわけのわからないものにな
っています。

 別に毒性がある、というものではありませんが、やはりこういっ
たもので食感を改善しなければいけない、というのは、食べ物とし
てはランクが低くなります。でも、ラベルの表示ではたぶんわかり
ませんから、困ったものです。

 食べ比べれば、たぶんちゃんと作ったものの方が美味しいと思い
ます。やはり味が基準になる、ということでしょうか。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 不定期の発行でしたが、10号から、毎週日曜日に発行しようと
思っています。

 「まぐまぐ」は安定しているのですが、「Macky!」の方は
22日にもダウンしていました。日本最大のプロバイダといってい
るわりに、お粗末です。この辺にも、時代の流れを感じます。

 というのは、私の経験では、衛生面からいって、大手のメーカー
と対抗できる小さなメーカーというのはほとんどなかったからです。
これは設備の差ではなく、経営者の意識の違いでした。

 インターネットの世界では、逆に、大手の方が意識の面で遅れて
いるところがあって、面白いものだ、と思います。

 前回から、私のもう一つのメールマガジン「宮沢賢治 Kenji Review」
を発行部数で「安心!?食べ物情報」が抜きました。やはりこちらの
方が、需要というか、興味を持つ人が多いようですね。

 「宮沢賢治 Kenji Review」もよろしくお願いします。
( http://why.kenji.ne.jp/ を見てください。)

 ホームページの方は、「宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス」
は順調にアクセスが増えていますが、「安心!?食べ物情報」はまだ
まだです。

 早くコンテンツを充実させないといけませんね。質問、意見、情
報など、お寄せください。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://www.kenji.ne.jp/food/
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