安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>119号


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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------119号--2002.02.17------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「キシリトールガム・プアール茶・レトルト
食品・硫酸鉄」「無洗米」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 雪印問題に関連して、偽ラベル事件が次々に発覚しています。一
昨年の異物混入騒ぎのときと同様ですが、こんどは笑っていられな
いですね。

 法律の罰則強化という話もあるようですが、私は偽ラベルが発覚
した時点で、市場からその企業に死を宣告すればよいだけの話だと
思っています。

 一度でも偽の表示をした企業からは一切仕入れしない、というこ
とをすべてのバイヤーに実践してほしいと思います。それが自らの
信用を守る道です。(グルなんだったら、何をか況んやですが。)

 前回いただいたメールに、次のようなコメントがありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

>ただ、我が家でも無洗米を買っています。買った以上しょうこと
なしに時々食べています。なぜ買うかと言えば水で洗米しないでご
飯が炊けるからです。非常時用の備蓄食糧として素晴らしいです。

ということですが、

 ある都内の生協で 80人くらいの主婦を対象にお米の食べ比べ
をしたときのことです。

 比較するのは、普通精米を研がないもの、研いだもの、無洗米。

 驚いたことに、普通精米を研がないものが一番美味しいとの結果
が出たそうです。

 実は、毎日 精米していて「あ、これは甘味があっておいしそう
だな」と思いながら白度(きらきら感)を出すために もう一回機
械を回します。今の精米機の精白度は 昔の機械に比べれば非常に
高く父親などは「こんな真っ白じゃ、甘味も旨みもないなぁ」と言
っています。

 また、「消防署でも災害時の心得ということで、災害時に水は貴
重品なのでとてもお米を研ぐ無駄はできないから研がないで炊いて
ください、と言われ聞いていた人はエーと言う感じでしたが、実際
お米を研がずに炊いたものを試食したところまったく違和感はあり
ませんでした。」という話を聞いたこともあります。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 意外なツッコミですね。でも当たっていそうな気がします。改め
て何のために「米を研ぐ」ということをするんだろう、という気が
してきます。

 それから、次は「焼きプリン」について。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 プリン(正しくは英語でプディング)は、蒸し焼きにしたものです。
日本でいうプリンはカスタードプリンのことです。凝固材で固めた
ものは、類似品のようなものです。イギリスでは、クリスマスに食
べるプラムプディングやライスプディング、パンプディングなどい
ろいろな種類があります。

 それから、日本酒純粋法に照らし合わせた場合、最近うられてい
る安い米だけのお酒(数社が販売している)がよくて、吟醸酒が不適
法となる場合があるのでしょうか。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 日本酒の話は113号で書いた話です。ドイツのビールやフラン
スのワインのように、法律で米以外の原料を禁止してはどうか、と
いう話題です。以下は私からの返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 プリンについての情報ありがとうございます。

 お酒については、以前私の書いた話の関係ですよね?

 あれはまあ、冗談みたいなものなんですが、日本酒の原料を「米
と米麹、米由来の醸造用アルコールに限る」といった内容だったと
思います。

 「安い米だけの酒」というのは実際にはどのようなものか、把握
しているわけではないのですが、表示にウソがなければ、上記の基
準に該当するでしょうね。

 吟醸酒はほとんどOKなんですが、醸造用アルコールが問題にな
ります。(たぶん使っていないものの方が多いとはおもいますが。)

 私はこの醸造用アルコールの原料も米だけにすべき、という主張
をしたつもりです。

 これを変えるのはそんなに難しくありませんし、米の消費拡大に
も役立つと思います。

 もし、醸造用アルコール以外にこの基準に適合しない吟醸酒があ
れば、醸造用糖類なんかを使っているわけですから、吟醸酒の名に
値しないと思います。

 安い米だけの酒というのは、原料に秘密があると思います。古米、
輸入米、破砕米など、安価な米はいろいろとあります。

 ただ、かつての三倍醸造などとは、全く違った技術だと思います
ので、私はあえて批判する必要はないと思います。

 何でも昔に帰れ、と主張しているわけではないのです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.友人同士で、話をしていたことなんですが、子供の歯を磨いた
後キシリトールガムを食べさせる習慣をつけた方がよい。と言って
いた人がいて、私も上の子が小さい頃しばらくつづけていたのです
が、いやがるようになり、今は歯磨きだけなんですがキシリトール
ガムを習慣にしてよいものか疑問に思います。内容成分をみると、
人工的に作られているものなので心配です。体には、本当に無害な
のでしょうか?

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A.キシリトールというのはキシロースという天然の糖(ブドウ糖
などが炭素原子を6個持っているのに対し、5個でできていますの
で「5炭糖」などと呼ばれています。)から作った糖アルコールで
す。(ブドウ糖の糖アルコールがソルビトールです。)

 白樺の樹液から作るんだそうです。

 キシリトール自身、野菜などに普通に含まれているものですので、
安全性には問題ありません。

 砂糖というのは別に体に悪いものではありませんが、虫歯の原因
になることは事実です。

 ガムというのは、歯の表面の歯垢をとる効果があるので、本来歯
には良いのですが、砂糖入りだと却ってよくないことになります。

 そこで、甘味料として、砂糖以外の糖分を使ったものが開発され
てきました。これにはいろいろな糖類があるのですが、キシリトー
ルは甘味が強く、虫歯の菌を抑える働きがある、とされています。

 だから、子供が好きで噛むのなら、良いことなのですが、好きで
ないのに無理に噛む、というのもどうかと思います。

 最近、子供の虫歯は急激に減ってきているようです。甘さ離れな
どもありますが、こうした代替甘味料の普及も効果があったのでし
ょう。

 一番大きな要素は、市販のハミガキにほとんどフッ素が含まれる
ようになったから、ということだという説もあります。

 フッ素入りハミガキの効果は確かに大きいようです。ということ
で、歯磨きだけで大丈夫と思いますよ。

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Q.プアール茶にはダイエット効果があるということですが、体に、
どのように作用しているのでしょうか。

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A.プーアル茶は烏龍茶とはまた違った、特殊な発酵をしたお茶で
す。中国茶は一般に、脂肪分をよく溶かす働きがあって、油を多用
する中華料理にはよくあうとされています。

 で、その脂肪分を溶かすということから、体の余分な脂肪も溶か
すのでは…という発想のようです。

 テレビのコマーシャルでやっている、「ありえないともいいきれ
ないんじゃないか…」というのが正直なところですね。

 お茶をたくさん飲むのは悪いことではないですので、その気にな
って、どんどん飲んでみるのも良いと思いますよ。でも食べ過ぎれ
ば逆効果かも。

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Q.カレーと牛丼のレトルト食品を愛用し、常に在庫を切らさない
ようにしていましたが、狂牛病問題が出てからは買い控えておりま
す。しかしいつまでも我慢できません。

 牛生肉は安全だという報道がありますが、レトルト食品のような
加工食品の安全性はどうなのでしょうか?とにかく早く食べたいの
です。

 感染源も感染ルートも特定できていないのに全頭検査をしている
からといって安全宣言が出されているのはちょっと疑問です。全頭
検査をする以前の肉は完全に処分できているのでしょうか?とても
心配です。

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A.まず安全宣言というのは、ちょっと問題があると思います。狂
牛病はまだ完全に駆逐されたわけではありませんので、そういう意
味では狂牛病から安全になった、という誤解を狙っているような言
い方だと思います。

 でも、全く嘘かというと、そうでもありません。昨年から、市場
に出る牛の全頭検査が始まっていますので、たとえ狂牛病に感染し
た牛があっても、その牛の肉は市場に出回らない、という意味です。

 何にせよ、完全ということはありませんが、毎日、全国でたくさ
んの人がこの検査に従事しています。大変な努力だと思いますし、
この結果、普通の肉で狂牛病に感染する可能性は限りなく低くなっ
ている、と思います。

 雪印の事件でも明らかになったように,それ以前のものが不正に
出回っていないか、ということに関しては心配ですね。

 また、レトルトカレーなんかに使う肉は乳牛が廃用になった肉も
あると思いますので、ちょっと心配です。

 不正行為がないとすれば、ほぼ心配することはないと思います。
イギリスでの感染例でも、何か特別のことがあった地域で感染例が
集中しているようにも思います。

 その不正行為とか、危険な肉とかが、はたして使われているのか
どうか、私たちにはわからないです。

 そういう意味で、不正行為には厳しく対処しなければなりません
が、全体としてのリスクは、一切食べてはいけない、というほどの
ものではないと思います。

 さあ、それでどうするか、問題ですね。

 私は今年に入って一度食べました。これは「インド風ビーフカレ
ー」という何とも変なものだったので、怖いもの見たさというか何
というか…。

 インド人はビーフなんか食わないぞ、とツッコミを入れながら食
べました。

 ということで答えになっているでしょうか。

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Q.ベビーフードの成分の中に、硫酸鉄とあります。どんな成分で、
なにから作られているんでしょうか。安全な物ですか?

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A.鉄分の補給用に入れているんでしょうね。「硫酸第一鉄」とい
う化学名です。

 食品添加物としては「強化剤」(栄養強化)ということになると
思います。この場合は無機の鉄ですから、普通の鉄を硫酸に溶かし
たものです。もちろん、食品に入れるものですから、それなりの純
度のものですが、物質としては学校の理科室にでもあるものだと思
いますよ。

 鉄分の補給というのは大事なものです。たくさん食べて良いもの
ではありませんし、食べられるものでもないですが、ベビーフード
に入っている量では問題ないと思います。

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--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「無洗米」
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 無洗米というものについて、どうも情報の混乱があるようで、私
もちょっとよくわらなくなっていたので、整理してみます。

 まず、「無洗米」といっても、みんな同じものではない、という
ことがあります。

 「無洗米協会」という団体があって、ホームページも持っていま
す。
http://www.musenmai.com/

 ここは東洋精米機という会社のつくった、「BG無洗米」という
ものを扱っている団体です。
(東洋精米機のホームページ)
http://www.toyoseimaiki.co.jp/

 無洗米には、他にもいろいろあって、

株式会社 サタケ
http://www.satake-japan.co.jp/
株式会社 クリキ
http://www.nnc.or.jp/~kuriki/

 といったところをネット上でみつけました。それぞれに特徴があ
るようで、特許がらみの係争もあるようです。

(1)東洋精米機が以前に、水で洗うタイプの特許をとっていた。

(2)しかし、BG無洗米はこの特許とは違う技術で、特許の申請
をしていない。(技術は公開されていない。)

(3)サタケなどの無洗米機がこの水で洗うタイプの特許に抵触し
ている、ということで東洋精米機側が提訴している。

 というややこしい話で、しかも昨年、特許庁がこの特許を取り消
したとか、東洋精米機が勝訴したとか、サタケが逆提訴した、とか、
いろいろと大変なようです。

 さて、無洗米の主流は東洋精米機のBG無洗米ですが、これの特
徴は基本的に水を使わず、ヌカを湿らせたもので米の表面に残って
いるヌカを吸着させて取り除く、というのが原理です。

 この結果、無洗米と吸着ヌカが残りますが、ヌカの方も肥料など
に利用することを考えている、ということです。東京では生協など
でよく利用され、シェアはだんだんと増えています。

 評価は一般的には高いようですが、前々回のいただいたメールで
もありましたように、批判も強く出されています。

 まず、この機械は技術の内容をまったく公開せず、設置した装置
は東洋精米機からリモート回線を利用して遠隔操作している、とい
う徹底ぶりです。

 新しい技術を知的財産として守るためには、有効な方法ではあり
ますが、日本の企業がここまでやるのは珍しく、いろいろと反発も
あるようです。

 アメリカではコカコーラとか、ケンタッキーフライドチキンとか、
よくあるやり方ですけど。

 また、特許係争の件からも、業界ではなにかと軋轢があるように
感じられます。

 サタケの方の無洗米も、最新のものは単に水で洗うのではなく、
タピオカ澱粉でヌカを吸着させる、というものになっているようで
す。

 各地の大手精米業者では、次々とこうした装置を導入している状
況ですが、消費者にとってはどれも同じ「無洗米」としてしか認識
されていませんので、この辺に混乱があると私は思います。

 問題は「安全性」「おいしさ」「環境への影響」といったあたり
ですの。

 まず、安全性については、別に問題はないと思います。保存性に
ついても、白米はもともと保存性のよいものではありませんので、
無洗米にしてもたいして影響はないと思います。

 おいしさについては、美味しいという意見もあるようですが、私
はちょっと疑問があります。元の米にもよりますし、一概には言え
ない、といったところです。

 環境への影響については、前々回のメールで詳しく書かれていま
したが、この辺が争点になっています。私としては、無洗米は少な
くとも環境負荷を増大させるものではない、と考えています。

 環境負荷をどれだけ低減させる効果があるのか、ということはよ
くわからないので、積極的に環境によい、というのは躊躇します。
少なくとも家庭で米のとぎ汁を流すより、悪くはないだろう、とい
うことです。

 私はどちらかというと利便性に注目しています。無洗米の一番の
利点は、やっぱり研がずに炊ける便利さだと思うのです。味や環境
負荷でマイナスではない以上、便利なものを選ぶというのは消費者
の普通の反応です。

 やっぱり冬に米を研ぐのは、手が冷たいです。研がずに炊ける米
を選んでもよいのではないでしょうか。

 そういう意味で、私はコンビニで無洗米を1回分ずつ包装したも
のが売られていて、家庭ではそれを直接炊飯器にかけて炊く、とい
うスタイルを、近未来として予想しています。

 しかし、この混乱はまだ尾をひきそうですね。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 「食品成分表」を見ていると、やっぱりココナッツミルクの脂肪
分は0.1%になっています。「ココナッツミルクとココナッツジ
ュース」は違う、というご指摘をうけましたが、どうも「ココナッ
ツジュースのことをココナッツミルクという」ということのようで
す。だんだんわからなくなってきました。

 詳しくご存じの方はぜひ教えてください。

 テレビのコマーシャル(「ダカラ」だったかな)の「ありえない
ともいいきれないんじゃないか…」というフレーズは傑作ですね。
あれを先に言われたのでは、悪口もいえないです。健康食品という
ものはそういうものだし、それでいいんだ、という開き直りのメッ
セージです。

 詐欺にあって被害をうけないためにも、健康食品というのはそう
いうものなんだ、と認識して使いたいと私も思います。(決して健
康食品がきらいというわけではないんです。)

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--発行--渡辺--宏------- URL http://www.kenji.ne.jp/food/
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