安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>116号


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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------116号--2002.01.27------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「硫酸第一鉄・ココナッツミルク・ヨーグル
ト(Q&A)」「鶏肉」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 今回もいただいたメールを紹介します。以前からいただいていた
メールの続きなので、これだけ読んでも意味のわかりにくいところ
があるかも知れません。あまりわかりにくいところは申し訳ないが
カットしています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 畜産農家の言い分への感想は、引用されたメールも含め、私もま
ったく同感でした。よくぞ言って下さったと言う感じです。

 上白糖については、私の知り合い(ある健康食品の販売人)も、
化学合成されたものだと力説していて、うんざりしたものです。こ
れだけ大量の炭水化物が人工でまかなえるのなら、大勢の植物学者
たちが、必死になって光合成の研究してる意味がない。いい加減な
情報を商売に利用しようとする人がいるため、業界全体の信用が足
を引っ張られます。

 雪印食品の詐欺に、日本中お怒りですね。短期間でしたが、親会
社(雪印乳業)に在籍していたことがあります。(私って、色んな
ところに出没してるな〜 ^^;)

 確かに、あの会社の仕事に対する甘さのようなものは印象深く、
問題を起こした時も、やはり、と思ったものですが、あんな大きな
事件を起こした後で、子会社がまた事件を起こすとは驚きました。
昔のよしみと思って、雪印製品はあまり毛嫌いしたりせずに、他の
メーカーと同じく、普通に買うようにしてましたが、それも今日ま
でですね。

 とは言え、……・あの詐欺の罪は、お金絡みだけなんですよね。
1. 2t × 1100円/kgは132万円??120tでし
た? それでも、1億3200万円。たかがこんな金額の詐欺で、
みなさんここまでお怒りとは。他の隠された悪事の実態を知った時
には、憤死でもしてしまうのじゃないかと心配してしまいます。

 金銭的な犯罪として、不正入札やインサイダー取引など、現場の
人が、「全部が全部、100%不正なのに、どうしてたまにニュー
スになるの?」と言ってるのを聞いて笑ってしまいました。「内部
告発があったかどうかの違いじゃない?」と言ったら、酷く納得し
て下さってました(^^;)

 もちろん悪いことに変わりありませんが、この場合、誰かの身体
に危害を加えるものでもないし、金額も少額。犯罪としてはかわい
いものだと思ってしまうのは、私だけでしょうか?(^^;)

 牛肉の詐欺としては、検査前の牛肉が食用として流れることは本
当にないのか、その方がずっと心配です。個人的には、正直に言っ
てくれたら、食べられますが、不正は起こらないのか、運営はちゃ
んとしてるのかと言う問題で。

 雪印食品の詐欺が露見したのも、どうも倉庫の内部(?)告発の
ようですよね。ならば、告発がなければ、詐欺は上手く行っていた
のではないか? もっと小さい規模の他の詐欺は見落とされている
のではないか? と言う疑問が湧きます。そして、検査肉と非検査
肉の区別は、こんな詐欺が通用しないように出来ているのだろうか?
とも。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 上記のメールでも指摘されているように、詐欺事件としては金額
的に、国中で大騒ぎするほどのこともない、と言えます。でも、こ
の事件は普通の詐欺ではないんですね。

 何にしても、「それをやってはおしまい」というのがあります。
詐欺師が詐欺をするのは当然なんですが、大企業が、社会のルール
を悪用して、私腹を肥やした、というのがまずいけません。

 この買上げ計画が発表された当時から、買い上げた肉の中身なん
か、わかったものではない、という憶測がありましたが、畜産業界
全体の信用を台無しにしたという点で、社会的な罪は非常に大きい
と思います。

 それにしても、買い上げた在庫の肉を全部検査すれば、どれだけ
不正が発覚するのか、ちょっと想像してしまいますね。屑肉や輸入
の冷凍肉ばかりで、国産の肉はとっくに市販されていたりして…。

 こういう勘繰りをされるだけでも、業界に与えた被害は深刻です。
雪印グループ全体はともかく、この会社(雪印食品)には「ルール
を破ったものはレッドカード(退場処分)」ですね。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.硫酸第一鉄って、危険なんでしょうか。あまり情報がないよう
ですが、とあるリストで「危険」と書かれていました。

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A.たぶんこういう記事だと思います。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

概要・・・中毒死した人に、激しい腸管閉塞、虚脱、チアノーゼが
みられた。上記同著によると、ラットに対して、体重1キログラム
当たり 0.319グラム経口投与すると、その半数は死亡する。ヒト推
定致死量は、20-30グラム。ウサギに体重1キログラム当たり、硫酸
第一鉄を0.75〜 1グラムを経口投与すると、中毒症状を起こす。肝
臓には激しい出血性壊死が起こる。中毒死した人に、激しい腸管閉
塞、虚脱、チアノーゼ(皮膚や粘膜が青くなること)がみられた。

http://homepage2.nifty.com/insight/syokuhin/syousai.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------


 ここで、「上記同著」というのは、「食品添加物危険度事典 渡
辺雄二著 KKベストセラーズ」です。この著者は「買ってはいけな
い」の著者でもあり、結構有名ですが、はっきりいって信用できる
人ではありません。

 中毒死云々については、詳細はわかりませんが、ラットの半数致
死率319ミリグラムというのは、そんなに強い毒性ではありません。
以下のデータを参考にしてください。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

経口毒性 LD50
毒 物    30mg/kg以下
劇 物    30〜300mg/kg
普通物   それ以外

http://www7.plala.or.jp/organicrose/glossary.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

物質        LD50     用途
100%アルコール 10,600    飲料、保存剤
アセトン      10.7     マニキュア除光液
アスピリン     1,000     医薬品、鎮痛剤
カフェイン     355      コーヒー、コーラの成分
エチレングリコール 8,540     不凍液
イブプロフェン   626      医薬品、鎮痛剤
ニコチン      0.3      タバコの成分
食塩        3,750     食品添加剤
ビタミンA     7,910     ビタミン
ワルファリン    323      殺そ剤、抗凝固剤

http://www.bayer-doyaku.com/roach/chapter8.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 半分が死んだ、というとぎょっとしますが、あれは死ぬまでやる
実験ですので、どんなものにもLD50(半数致死率)はあります。1
キログラムあたり1グラムを越える数字のものは、全く無毒と考え
て良いでしょう。 300ミリグラム以上もそれに準じます。こんなも
ので死ぬことは現実には不可能です。

 食品添加物としては、鉄の強化剤として使われることがほとんど
だと思います。使用制限は特にありませんので、特に毒性が問題に
されている、ということはありません。

 ただ、無機鉄より有機鉄(たんぱく質などと結合させたもの)の
方が効率が良い、とされているようです。また鉄イオンはビタミン
Eをこわす、という記述もみかけました。ビタミン剤と鉄剤の併用
には注意がいるようです。(普通の食事で問題になる、ということ
ではないと思います。)

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Q.この頃、ココナッツミルクを使ったお料理をし始めました。お
いしいのですが。油分が多くて少し心配です。コレステロールとの
関係で悪い影響はないのかどうか、植物性油脂としての評価はどう
なのでしょうか。食品成分表を見ても、ココナッツミルクに含まれ
る油脂の種類と割合の表記が詳しくかかれていないので気になって
います。お教えいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

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A.ココナッツミルクは使ってみるとなかなか美味しいものですね。
ココナッツ=椰子の実というのが案外ピンとこないものですが、昨
年の夏に高速道路のサービスエリアで、椰子の実を売っていました。

 椰子の実の殻にドリルで穴をあけて、ストローで中のミルクを飲
むのですが、あまり冷えていなくても美味しく飲めました。あれが
ココナッツミルクなんですね。

 飲んだ感じでは牛乳より脂肪分が多いという気がしませんでした。
調べて見ると、
http://www4.ocn.ne.jp/~katonet/syokuhin/kudamono.htm
脂肪の含有率は0.1グラム/100グラム中ということで、低脂
肪の食べ物に入ってしまいます。

 検索してみましたが、組成についてはよくわかりませんでした。

 ミルクを飲んだあと、殻を割ってみると、内側は白い脂肪の固まり
のようなものが付いています。ここから椰子油を作るわけです。

 椰子油は日本でもたくさん使われています。主に石けんの材料にな
るのですが、植物性油脂の中では最も強力な石けんを作ります。一般
の粉石けんは椰子油と牛脂の配合、というのが多いのです。

 いずれにせよ、ココナッツミルクの脂肪については、心配するよう
なものではないですね。

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Q.最近、フツーのヨーグルトを半冷凍させて、シャリシャリさせ
て食べるのがお気に入りなんですが、ヨーグルトの体に良い菌にと
ってあまりよくないのでしょうか?せっかくのヨーグルトの健康効
果が消えてしまうともったいないな・・と気になっています。

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A.本来のヨーグルトを作る細菌は、人間の体内にいるものとは違
う種類なんだそうです。ヨーグルトが体に良い、というのは生きた
細菌を取り入れることではなくて、牛乳を発酵させた後の、栄養成
分のことを言っています。

 だから、ご質問の件は心配ないと思います。

 このごろ、発酵に使う細菌を工夫して、人間の体内にいるのと同
じ、ビヒィズス菌や乳酸菌を使ったものが登場してきて、よく宣伝
されていますので、誤解されているようです。

 また、普通、口から入った細菌は、胃の中で胃酸にふれると死ん
でしまいます。また、人間の腸の中には、すでに満杯の細菌がいま
すので、外部から少しくらい侵入してきても、ほとんど定着できな
いのです。

 そういう意味で、私は以前は「乳酸菌入り飲料」なんかは細菌に
関しては意味がない、と思っていました。

 今でもそういうものは多いのですが、このごろ宣伝しているもの
は、体内で腸まで到達し、定着する能力がある、という内容で宣伝
しています。まさか嘘ではないでしょうから、すごいことができる
ようになったんだなあ、と思っています。

 実験では効果あり、なんでしょうが、実際はどうなんでしょうか?

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--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「鶏肉」(地鶏)
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 先日、新聞の地方版に「紀州鶏がJAS認定」というニュースが
ありました。もちろん和歌山版なんですが、この紀州鶏というのは
開発の経過をよく知っているので、ちょっと懐かしいものでした。

 新しいJAS法で、「地鶏」として表示できる、という基準が設
けられています。今回、紀州鶏というブランドがその基準を満たし
ている、という認定を受けたということです。

 この基準ですが、だいたい次のようなものです。

素びな:「在来種由来血液百分率」が50%以上の者であって、出
生の証明(在来種からの系譜、在来種由来血液百分率、および孵化
日の証明をいう)ができるものを使用していること。

飼育期間:孵化日から80日間以上飼育していること。
飼育方法:28日齢以降、平飼いで飼育していること。
飼育密度:28日齢以降、1平方メートル当たり10羽以下で飼育
していること。

 在来種としては、

会津地鶏、伊勢地鶏、岩手地鶏、インギー鶏、烏骨鶏、鶉矮鶏、ウ
タイチャーン、エーコク、横斑プリマスロック、沖縄髭地鶏、尾長
鶏、河内奴鶏、雁鶏、岐阜地鶏、熊本種、久連子鶏、黒柏鶏、コー
チン、声良鶏、薩摩鶏、佐渡髭地鶏、地頭鶏、芝鶏、軍鶏、小国鶏、
、矮鶏(ちゃぼ)、東天紅鶏、蜀鶏、土佐九斤、土佐地鶏、対馬地
鶏、名古屋種、比内鶏、三河種、蓑曳き矮鶏、蓑曳鶏、宮地鶏、ロ
ードアイランドレッド

 といったものが指定されています。こうした鶏種は、種鶏会社の
養鶏場で、品種維持のため、純系で保存されています。商業ペース
の養鶏では、この原種鶏を配合して、種鶏を生産し、その子を販売
用に育てる、ということになります。

 紀州鶏の場合は、父系にシャモ、母系に横斑プリマスロックを使
っていますので、在来種の割合が100%ということになります。

 品種的には、JASに適合する地鶏は多いのですが、上記の要件
を満たすための認証が必要なので、紀州鶏は確か3件目の認証だっ
たと思います。一番乗りは徳島の「阿波尾どり」でした。

 「孵化日から80日間以上」ということですが、通常の鶏肉の場
合は60日以下です。だいたい80日から100日くらいが肉にす
るのには良いようで、100日を越えると性的な成熟が始まり、雄
はときを作るようになりますし、120日くらいから、雌は卵を産
みはじめます。

 「28日齢以降、平飼いで飼育」ということですが、私は残念な
がら、平飼い以外で肉用の鶏が飼育されているのを見たことはあり
ません。ケージ飼いのブロイラーが存在するのでしょうか?普通、
ブロイラーというのは、屋根と壁だけの鶏舎で平飼いされているも
のだとおもいますが。

 「28日齢以降、1平方メートル当たり10羽以下」というのも
どうなんでしょうか。1坪は3.3平方メートルですから、1坪=
畳2枚の広さに33羽…。これでも充分多いような気がします。

 ということで、「地鶏」のポイントは、「品種」と「飼育日数」
にあると思います。双方とも、味には大きく影響してきます。また、
飼育日数を伸ばしても、60日以下で出荷されるブロイラーより大
きくなるわけではありません。

 ブロイラーは早く肥らせるため、カロリーの高いエサを与えます
が、このような地鶏に与えられるエサは「育成用」などと呼ばれる
タイプのものになります。これは産卵用の鶏を成鶏になるまで飼育
するためのもので、カロリーはうんと低くなります。

 したがって、餌代は日数が増えるほどには増えないはずです。コ
スト的に言って、日数が増えてかかってくるのは、養鶏場の回転率
です。同じ広さの施設で、年4回出荷できるか、3回なのか、では
ずいぶん違いますから。

 いろいろなコストをかけても、より良い商品を作ろう、という努
力に対して、もっと積極的に評価したいものです。

 養鶏には、飼育の苦労、加工処理の苦労、販売の苦労といろいろ
ありますが、JAS規格の取得にあたっては、今までにない苦労を
されたと思います。なんでこんな書類がいるんだ!とぐちも出るで
しょうが、こういうところから、生産の現場が変っていってほしい
と、私は思っています。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 雪印食品の事件について、どう書こうかと思っていたら、メール
でご意見をいただいたので、便乗してしまいました。

 それにしても、この手の事件はどうも関西で起ることが多いよう
な気がします。道路でも駅でも、ルール無視は関西の専売特許のよ
うなものなので、どうにも困ったものです。(私の住んでいる和歌
山も、一応関西ですので。)

 スーパーの出入り口近くに設けられた、身体障害者用のスペース
に堂々と駐車する車、駅前のバス停を占拠している自家用車、すれ
ちがう時、ヤケドをしそうなくわえタバコ、車の窓から灰皿の中身
を捨てる人……。

 こんな人があんな事件をおこすんだ、と私は思っています。

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-116号--------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://www.kenji.ne.jp/food/
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