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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------114号--2002.01.13------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「狂牛病 その後」「着色料・アイスクリーム・豚肉や鶏肉・アス
パルテーム(Q&A)」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 久し振りに「狂牛病 その後」です。

 先週、回転寿司屋に行ったのですが、すごく混んでました。正月
だから当然なんでしょうが、やっぱり狂牛病の影響なのかな、など
と思いました。

 で、今週、牛丼店をのぞいてみたら、結構混んでました。以前ほ
どではないかもしれませんが、ようやく騒ぎも落ち着いてきたよう
な気がします。

 そんな中、こんな記事が…。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 廃用牛の捨て牛は昨年12月28日に埼玉県で3頭、今月7日に
は熊本市で6頭が発見された。熊本市の牛には「能なしタケベ」と
武部勤農相を中傷したり、「小泉HELP」と小泉純一郎首相に助
けを求めたりする落書きがあった。

(略)

 乳牛は脂肪分やカルシウムを補給するため、狂牛病の感染源とさ
れる肉骨粉類を餌に混ぜて与えていた例が多いとみられる。4〜5
回出産すると乳量が落ちるため、農家は「廃用牛」として食肉処理
場に出荷するが、高齢の牛には病原体の異常プリオンが蓄積しやす
く感染の危険性が高い。国内で発見された3頭の感染牛はすべて廃
用牛だった。

 感染牛が出ると牛の価格が下落するため、農家は廃用牛の出荷を
自粛する。食肉処理場も一定期間閉鎖しなければならないため、多
くの自治体が農家に出荷を控えるよう求めており、農水省によると
、昨年12月時点で推計4万4000頭の廃用牛が全国で滞留して
いる。

 飼い続ければ餌代がかさみ、場所をとるのでほかの牛も飼えない。
体重500キロの廃用牛は狂牛病発生以前なら10万円の値がつく
時もあったが、今は5000円程度という。処理場までの輸送費を
考えれば赤字だ。こうした事情が「捨て牛」の背景にある。

http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/disease/2002-1/0109-1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「捨て牛」の状況は深刻みたいです。確かに困っているのは事実
なんでしょうが、「捨てる」というのは良くないですね。

 マスコミではすっかり悪者になっている農水省とその大臣ですが、
この間の状況では、私はこうした行為に走る生産者の方が悪いと思
います。

 「(牛の肉骨粉を牛に与えてはいけないという)行政指導を知ら
なかった」と言う農家がある。それは恥ずかしいと思わないのか。

 というのは大臣の発言ですが、私は今こそ、畜産農家はこのこと
を考えてほしいと思っています。

 対策の方はつぎのようなことが報じられています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 農水省は、食肉処理場に出荷される前に酪農家のもとで死亡した
「へい死牛」のうち、生後24カ月以上の全頭について、狂牛病
(牛海綿状脳症=BSE)検査を実施する方針を固めた。すでにサ
ンプリング調査が行われているが、検査を厳密化し、狂牛病の感染
実態を把握することが狙い。今後、酪農家側に協力を求め、2月中
にも実施したい意向だ。

 同省衛生課によると、全国のへい死牛は毎年約16万頭で、うち
生後24カ月以上の牛は約7万5000頭と推計される。

http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/disease/2002-1/0106-1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 牛の個体識別を行う農水省の総背番号制事業が、狂牛病(牛海綿
状脳症)対策として02年から本格化する。今年度内には、すべて
の乳牛・肉牛約453万頭に、バーコードと識別番号が書かれた耳
標を両耳に装着する方針だ。全国47都道府県には、県と畜産関係
団体で構成する推進協議会が設置され、すでに33都府県で計17
5万頭分の耳標が発注されたという。

http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/disease/2001-6/1230-2.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 何だか農水省が焼け太りしていますね。「役所の不手際」→「マ
スコミが批判」→「最大限の対策を講じる」→「役所の予算と仕事
が大増加」

 お役人と権益団体の一人勝ち、といったところです。でも、役所
の責任だと言ったんだからしょうがない…。

 狂牛病の余波はいろんなところに及んでいます。その中から2つ
拾ってみました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 当社では原料の鶏肉はタイ産、中国産を使用しておりますが、欧
州での狂牛病の影響から鶏肉の需要が増し、供給不足からこれらの
鶏肉の相場が高水準で推移しておりました。

 さらに日本国内での狂牛病の発生により、一層、牛肉代替として
鶏肉の需要増に拍車がかかり、タイ国産・中国産ともに前年比17
0〜180%と大幅高騰となっております。

 鶏肉加工品では鶏肉が原料コストの大半を占めますが,当社はこ
れまで価格を維持すべく企業努力に取り組んでまいりました。しか
しながら、11月度の直近相場は前年比200%を超え、また今後も
この価格水準は継続すると見込まれており、やむなく価格の改定を
決定いたしました。

http://www.ajinomoto.co.jp/ajinomoto/press/2001_12_03_ffa.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 鶏肉業界は長い間、低価格で苦しんできましたが、去年から急に
儲かっているようです。畜産というのは儲かるときは本当に儲かる
んです。こちらの方面にはご同慶のいたりです。

 でも、儲かった金を使ってしまわないで、より高品質の鶏肉を生
産できるよう、研究や設備に投資してほしいところです。よけいな
お世話ですが。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 狂牛病(牛海綿状脳症)問題の影響で、牛の「骨粉」で作った有
機肥料が、新年以降に大幅に不足する恐れが出てきた。牛の骨が混
じっている可能性のある骨粉の生産、輸入が10月に全面的に禁止
されたためだ。関連業界からは「肥料に使うだけなら安全なのに、
一律に禁止するのは過剰反応だ」と不満の声が上がっているが、消
費者団体などには慎重論も強く、なかなか解禁に踏み切れないのが
現状だ。

 骨粉(蒸製骨粉)は、解体処理した家畜の骨を高温高圧で処理し
て乾燥させ、砕いて作る。リンを多く含む安価な有機肥料として年
間11万トンが使われてきた。肉骨粉と違ってもともと脳などの特
定危険部位は含まれず、専門家の間では「(狂牛病の病原体とされ
る)異常プリオンが土を通して植物を汚染することはあり得ない」
と言われている。

http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/disease/2001-6/1231-1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これは難しい問題です。私は肉骨粉の一律無期限の使用禁止とい
うのは早く見直した方が良い、と思っています。

 「有機農業」という改まったものでなくても、有機肥料を使うメ
リットとリスクを考えると、使用した方が良い、と思います。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.食品につかわれる着色料は何種類ぐらいあるのでしょうか?

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A.http://www.fcg-r.co.jp/additive/
というサイトで食品添加物の検索ができます。

 「着色料」で検索してみると、 200件以上ありました。(使用不
可のものもありますが)

 合成の着色料は少なくて、天然のものの方が多いようです。

 合成着色料は以下のようなものがあります。

食用黄色4号、食用黄色5号、
食用青色1号、食用青色2号、
食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、
食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色40号、
食用緑色3号

 天然着色料は多過ぎてよくわからないです。よく見かけるのは、
ベニバナ色素、クチナシ色素、アナトー、コチニールなんかですが、
他にもいろいろあります。上記のサイトで確かめてください。

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Q.始めまして、質問ですが家では冬でもアイスクリーム食べてま
すがゼラチンの表示が増粘多糖類と記載され、製造元に確認しても
回答に相当時間がかかり信用ができません、どの様なアイスクリー
ム等が信頼できますか

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A.アイスクリームには普通、乳化剤が使われています。これは主
として界面活性剤で、蔗糖脂肪酸エステルとかグリセリン脂肪酸エ
ステルなんかが多かったと思います。

 天然物としては、大豆レシチンとかも使います。

 また、増粘多糖類を乳化剤として使うこともあるようです。

 「ゼラチンの表示が増粘多糖類と記載され」という言葉の意味が
ちょっとよくわからないのですが、増粘多糖類と書かれているのな
ら、ゼラチンではないと思います。

 ひょっとして、ご家庭ではゼラチンを使用されているのでしょう
か。

 増粘多糖類というのは海藻などからとったもので、寒天の仲間と
いうイメージで良いと思います。食物繊維の一種、ということでも
あります。

 界面活性剤というわけではないのですが、ドレッシングなんかで
も、乳化剤として使います。増粘多糖類入りのドレッシングは酢と
油が分離しませんから、結果としては似たような働きがあるようで
す。

 アイスクリームにこうした乳化剤を使う、というのはどうも避け
られないようです。もともと加工度の高い食べ物ですので、仕方な
いかなあ、という感じですね。

 なお、狂牛病の関連での話でしたら、ゼラチンはWHOの見解で
は、感染の心配はない、とされているようです。ゼラチンは骨や皮
のコラーゲンが原料なんですが、かなり加工度が高いため、感染力
が残ることはないそうです。

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Q.豚や鶏が肉骨粉入りの餌を食べて、その豚肉や鶏肉を人が食べ
ても安全だと言っていますが、本当に大丈夫なのでしょうか?

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A.狂牛病の件だと思います。狂牛病の病原体はプリオンというた
んぱく質だといわれています。このたんぱく質は実は健康な動物は
はじめから持っているものです。

 たんぱく質というのは各種のアミノ酸がたくさん結合したもので
す。この結合の順序は遺伝子(DNA)の分子構造を元に決められ
ます。

 たんぱく質が増えるためには、DNAがいるわけです。普通、病
原体というのは、自己増殖の機能が必要ですから、細菌やウイルス
はみんなDNAを持っています。

 ところが、狂牛病では、このDNAを持った細菌やウイルスは関
係せず、異常なプリオンが増えていく、ということで感染します。

 このメカニズムは次のような順序と考えられます。

(1)たんぱく質はアミノ酸がつながったものです。単に直線的に
つながっただけではなく、アミノ酸のひもが複雑にからみあって、
立体的な構造を作っています。

(2)プリオンというたんぱく質は神経組織に普通に存在するもの
です。狂牛病の原因は立体構造が異常になったプリオンたんぱく質
です。

(3)異常プリオンを摂取すると、胃や腸で消化分解されず、その
まま体内に入ることがまれにあります。

(4)体内に入った異常プリオンと、もとからなる正常プリオンが
接触すると、正常プリオンの立体構造が変化し、異常プリオンにな
ります。

(5)こうして体内で異常プリオンがどんどん増えて、一定レベル
に達すると神経系に異常をおこし、狂牛病を発症します。

(6)狂牛病で死んだ動物の神経組織(脳など)を食べると上記の
サイクルで感染していきます。

 だいたい以上なんですが、プリオンたんぱく質は動物の種類によ
って、少しずつ違います。したがって、違う種類の動物には感染し
にくいのです。これを「種の壁」と呼んだりします。

 羊と牛は偶蹄類という種類に属します。比較的近い種類なので、
狂牛病の元は羊の病気だった、という説もあり、実際に狂牛病は羊
にも感染することがあるようです。

 豚も同じ偶蹄類なのですが、比較的遠い関係で、実際に豚に狂牛
病が感染した、という例はないようです。

 鶏は哺乳類ではなく、鳥類です。種類としてはかけ離れています
ので、鶏が狂牛病に感染する可能性はまずありません。

 狂牛病の原因は細菌・ウイルスなどの自己増殖能力を持っている
わけではありません。したがって、感染していない動物を介して、
感染力をもった病原体が移動してくる、ということは全くあり得ま
せん。

 感染している可能性は鶏に関しては全くなく、豚もまず感染した
ものに出会う可能性はない、ということで、ご質問のように豚や鶏
は肉骨粉を食べていても大丈夫、ということになるわけです。

 ついでに言うと、この「種の壁」のせいで、人が感染する可能性
も、当初いわれていたよりかなり低いようです。

 イギリスでの発症例は一昨年まで徐々に増えてきていて、大発生
を予想する人もいましたが、昨年はこの増加も止まったようです。

 もうピークを過ぎたのだとすれば、日本で発症者が出る可能性は
ほとんどないでしょう。

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Q.食品添加物についての記載を読んでいたところ、「血中の分解
性悪し胎児の血中に高濃度のフェニールアラニンが残る可能性の報
告・・妊婦は注意するように」の記述がありました。つわりで炭酸
飲料を多量に飲み続けていたので、すごく不安です。そのせいで子
供が「フェニルケトン尿症」になったりしませんか?

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A.これは「アスパルテーム」についてですね。アスパルテームは
フェニルアラニンとアスパラギン酸の化合物です。下のサイトに化
学構造なんかが出ています。
http://www.intio.or.jp/kenta/yuuki/aspartame/aspartame.html

 私はこの添加物はあまり好きではないのですが、ご質問の件は全
くの嘘でしょうね。

 まず、「炭酸飲料」とのことですが、アスパルテーム入りの炭酸
飲料というのはそんなにありません。「ダイエット・コカコーラ」
なんかがそうですが、「アスパルテーム使用」という表示がありま
したか?

 表示していないものなら、何の関係もありません。

 また、分解性が悪いということも、胎児の血中に…というのも根
拠のない話です。

 アスパルテームをとってはいけないのは、「フェニルケトン尿症」
という病気の新生児だけです。この病気ではアミノ酸の一種である
フェニルアラニンの代謝に欠陥があって、フェニルアラニンを過剰
にとると重大な症状を引き起こします。

 フェニルアラニン自体はどのたんぱく質にも普通に含まれている
アミノ酸なので、この病気の新生児は母乳も調整粉乳も、与えては
ダメで、フェニルアラニンの量をコントロールした特別の調整乳を
与えます。

 無事に赤ちゃんの時期を過ぎると、なんとか普通にやっていける、
という話です。こんな時期の赤ちゃんにダイエットコカコーラを与
えることを心配するなんて、どうかしています。(もちろん、親が
飲んでも関係ありません。)

 最後に、このフェニルケトン尿症というのは遺伝病ですので、感
染したり、食べ物のせいで病気になったりするのではありません。

 珍しい病気なのですが一定の率で発生しています。病院で赤ちゃ
んを産んだら、必ずこの病気の検査はしているはずです。そこでフ
ェニルケトン尿症と判定されたら、上記のコントロール食がはじま
るわけです。

 検査でひっかからなければ、一生、この病気とは無関係です。

 こういう悪質なデマを流している人は未だに存在しているようで
すが、その理由は、

(1)無知(どこかで聞きかじったことを流している)

(2)アオリ(何かの運動や宗教のための宣伝材料として利用して
いる)

(3)利益追求(こういうデマを流して自分たちの商品を売りつけ
る)

のいずれかだと思います。私としては(2)や(3)の人は許し難い、
と思っています。

 そういうことですので、ご心配なさらないようにおねがいします。
(ついでに、その本の内容はみんな信用なさらないように…)

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--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
今週は休みます。
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--〔後記〕--------------------------------------------------

 13日(日)はまぐまぐが休みだそうですので、12日(土)に
送信しています。

 このメールマガジンは自作のエディタで書いています。去年から
バージョンアップしてきまして、ようやく安定してきたので、先日
私のもう一つのホームページで公開しました。
http://why.kenji.ne.jp/
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 ・マルチページで複数ファイルを同時更新
 ・HTMLのタグをボタンクリックで挿入
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 なんかが主な新機能です。

 「安心!?食べ物情報」のページ
 http://www.kenji.ne.jp/food/
では、遅くなっていましたが81〜100号の圧縮ファイルをアッ
プしています。

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-114号--------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://www.kenji.ne.jp/food/
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