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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------112号--2001.12.30------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「広島産カキ」「食物繊維・環境ホルモン・MCP・増粘多糖類
(Q&A)」「海洋深層水」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 先日のカキによる赤痢ですが、新しい情報がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 11月以降、西日本を中心に赤痢感染者が急増した問題で、厚生労
働省は28日、国立医薬品食品衛生研究所などで検査した結果、原因
の1つとして、韓国から輸入した生食用カキが赤痢菌に汚染されて
いたと断定した。厚労省は同日、韓国産の生食用ガキの輸入を禁止
した。

 厚労省によると、海外渡航者を除く赤痢の感染者は、例年、夏場
がピークで、11月以降の冬場は毎月数人程度だという。今年は11月
以降の感染者は27日現在、30都府県で187人。そのうち110人の便と、
輸入時の検査機関に保管してあった韓国産生食用カキの赤痢菌のD
NAパターンが一致した。

 生食用ガキの輸入は、韓国との2国間協定で、大腸菌数などをも
とに指定された海域のものしか輸入できない。これまで輸入された
生食用カキも指定海域で採取された韓国政府の証明書が添付されて
いた。

 また、山口県内の2業者が、韓国産生食用カキを広島産生食用カ
キとして販売していた疑いがあり、調査をしている。

http://www.asahi.com/national/update/1228/024.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 どうもひどい話ですが、問題は2つ。韓国で生食用とされている
海域で育ったカキが赤痢菌に汚染されていたこと、韓国産のカキが
広島産と偽って販売されていたこと、です。

 前者については、詳しい事情は判りませんが、とりあえずは韓国
での「生食」基準は信用できない、ということになると思います。

 後者はどうも常態化していたようです。別に国産の方が優れてい
る、と思っているわけではないですが、不当表示というか、嘘はい
けませんね。

 特に生物ですから、原料を輸入してきて、国内で加工したものと
は違って、詐欺商法というべきものです。「広島産カキ」全体の信
用が損なわれた、と思います。さて、広島産カキが全滅するのか、
事態を打開する、自己改革ができるのかどうか、ですね。

 私としてはしばらく広島産カキには近づかない方が良いと思いま
す。(あ、業者は山口でしたね。山口でも広島産とは?)

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.食物には食物繊維やミネラルを豊富に含むものがありますが、
食物繊維とミネラルは悪い組み合わせって本当なんでしょうか?

 サプリメントのホームページなどで、「食物繊維がミネラルを
包み込んで排出してしまう」ので「食物繊維とミネラルは悪い組
み合わせ」とありますが、一方で、食物繊維の働きを調べると
「イオン交換能」があり、”イオン交換能は欠乏ミネラルの供給
に関与する”と書いてあるホームページもありました。(食物繊
維の分子中の基が多価の陰イオン(または陽イオン)となってい
るのでカルシウムのような陽イオン(または他の陰イオン)と交
換能をもつとのこと)

 サプリメントのように多くとる場合だけ、気をつければよいと
いうことでしょうか。よろしくおねがいします。

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A.食物繊維と言っても、いろいろありますので、一概には言えな
いようですね。また、食べ物を食べたときに体内でおこるいろんな
反応については、実は完全にわかっているわけではありません。

 今でも、その食べ物が実際にどれほどの栄養価を持つのか、とい
うことを調べるのには、マウスなどに食べさせてみて、体重の増加
なんかで評価しています。

 分析結果だけでわかるわけではないのだと思います。

 食物繊維についての、このような話は、いちいちもっともらしい
のですが、どれも確証があるわけではないです。どちらかといえば、
思い込みに近いものです。

 食物繊維が大腸ガンを予防する、という話もそういう思い込みだ
ったようですので、それより信頼性が低い、「ミネラルの吸収を妨
げる」とか「欠乏ミネラルを供給する」とかいうのは、話半分に聞
いた方が良いと思います。

 サプリメントで一番大切なものは実は感覚的なものではないか、
という気がしています。「効いたような気がする」で充分だという
ことです。そういう意味で、こういうことを云うのは無粋なんです
が、あまり悩んでも仕方ないと思いますよ。

 私も今杜仲茶に凝っていて、なかなか効いたような気がするので、
これでいいんじゃないか、と思っています。

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Q.カップラーメンの容器であるプラスチックの発泡材について、
以前環境ホルモンが溶け出すとかで問題になっていましたが、今も
使われています。結局どうなったのでしょうか?

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A.あれは結局、ガセネタだったようです。

 まず、スチレン樹脂のダイマー(スチレンが2個、つながったも
の)が溶出するかどうか、というのは、特殊な条件では溶出するが、
通常の使用ではほとんど溶出しない、ということだったと思います。

 ということは、全く溶出しない、ということとは少し違いますの
で、ちょっと心配になった人もあったのですが、肝心のスチレンダ
イマーの環境ホルモン作用が否定されてしまったのです。

 以下は社団法人日本即席食品工業協会の報告ですが、書かれてい
ることは事実です。


--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 平成12年10月31日、環境庁「平成12年度第2回内分泌撹乱化学物
質問題検討会」において、今後の環境庁の方針や取り組み状況、新
しい知見等を追加・修正した報告がなされました。その中でポリス
チレンに含まれる「スチレンダイマー」「スチレントリマー」につ
いては現時点で内分泌撹乱作用に関してこれ以上の科学的検討を必
要としないとして、今後の検討対象から外すとの判断が環境庁から
正式に報告されるとともに、「内分泌撹乱作用を有すると疑われる
化学物質(平成9年10月外因性内分泌撹乱化学物質問題に関する研
究班中間報告)」、いわゆる環境ホルモンリストから削除されまし
た。

http://www.instantramen.or.jp/kankyo/001225/01.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これで疑いが最終的に晴れたか、と思いましたが、東京都立衛生
研究所では研究を続けていて、今年になって、こういう論文を発表
しているようです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 「一部のSD・STがヒト乳ガン細胞増殖活性及びヒトエストロ
ゲン受容体結合親和性を持ち、女性ホルモン様作用が認められ、内
分泌かく乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)である可能性が示唆
された。」

http://www.eisei.metro.tokyo.jp/shokuhin/know/k7/pressshokuhin010702.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ということで、この物質に対する研究はまだまだ続きそうです。
ただ、人体に害があるかどうか、という点に関してはほぼ結着がつ
いていて、このために環境省のリストからは外された、ということ
だと思います。

 環境省の言っている「これ以上研究の必要はない」というのは、
無害というのとは違うのですが、研究しても意味はない、というこ
とです。その意味のない研究を続けている人がいる、というのもま
た面白いですね。

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Q.新式醤油製造時に出る発ガン性物質MCPについて、ヨーロッ
パ オーストラリア アメリカなどではすでに法規制されているよ
うですが日本では一向にその気配が無いようなのですがどうなって
いるのでしょうか?

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A.そうですね、規制の話はさっぱり聞かないです。たんぱく加水
分解物がそれだけ広く使われているのと、致命的な度合いは少ない、
ということが理由なんでしょうね。

 MCPというのは、たんぱく質を塩酸で加水分解した、アミノ酸
系調味料に含まれる、有機塩素化合物ですが、「発ガン性」は初耳
ですね。いずれにせよ、好ましくないものであるのは事実です。

 しかし、狂牛病との関連では、煮出したままのものより、塩酸で
分解したもの方が安全ですので、なかなか悩ましいところではあり
ます。

 醤油に関しては、最終製品にはあまり残留していない、という話
もあるようです。

 ただ、私としては「新式醸造」というのは醤油としては論外のも
のである、と思います。これは日本酒の「三倍醸造」と同じで、日
本が貧しかったころの遺物で、現在に至ってはこんなものが残って
いるのは、日本の恥だと思っています。

 また、食品の安全については、規制のあるなしよりも、生産者自
身が情報を収集し、より安全なものを目指していく、という姿勢が
必要だと思います。

 狂牛病を出してしまった農家が、「農水省の責任だ」などと言っ
ているのは、ちょっと悲しいことです。

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Q.カラギーナンやタマリンドといった物は表示の際、増粘多糖類
と表示していいんですか?

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A.表示の規則は次のようになっているそうです。

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 甘味料,着色料,保存料,増粘剤・安定剤・ゲル化剤・糊料,酸
化防止剤,発色剤,漂白剤,防かび剤(防ばい剤)として使用され
る添加物については物質名と用途名を併記する。ただし,着色の目
的で使用される添加物は,物質名の表示中に「色」の文字を含む場
合には,用途名表示は省略できる。増粘安定剤の多糖類を2種以上
併用する場合は簡略名として「増粘多糖類」を使用してもよくこの
場合,「増粘剤又は糊料」の用途名は省略することができる。

http://www1.odn.ne.jp/~cak40870/m-ST1.html
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したがって、普通は「カラギーナン(増粘剤)」で、カラギーナン
+タマリンドのときは「増粘多糖類」ということになるようですね。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「海洋深層水」
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 前回、日本の近海で深い所、としてあげた中で、駿河湾だけは海
洋深層水の商品は聞かなかったのですが、やっぱりそういう動きは
あるようです。

 書いてしまってから、駿河湾が深い、というのは本当だったかな、
と不安になっていたのですが、ほっとしています。

 で、最新のニュースがこれです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 焼津商工会議所の海洋深層水事業化部会は十日、焼津市役所で戸
本隆雄市長と懇談し、深層水の利用度を高めるため、「焼津市とし
て深層水の脱塩装置の設置を」と要望した。戸本市長は「海づくり
大会後の市活性化に向け、深層水活用は大きなポイントと考える」
などと述べ、一定の理解を示した。

 同部会は、深層水の焼津ならではの活用方法を模索するため、昨
年八月から研究を進めている。この秋には市内の水産会社など五十
二社を対象に、将来の深層水使用予定量をアンケート調査した。回
答のあった四十社のうち開発中や検討中を含め、約七割の組合・企
業が深層水を使用する可能性があり、予想使用量のうち九割以上は、
脱塩水を必要としていることが分かったという。

 同部会の山中一成副会長らは、「脱塩水を使いたい企業が多いが、
中小企業では設備投資が難しい。脱塩装置があれば、東海地震など
緊急時には飲料水としても使える。ぜひ、市で建設していただきた
い」と求めた。戸本市長は「公設か民営か、どの種類の脱塩水がど
の程度必要か―などの課題を検討し、一定の方向を見出していきた
い」と述べた。

http://www.sbs-np.co.jp/shimbun/kikaku/sinsosui/sinsousui01121101.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 先行している高知なんかでは県がかなりの役割を演じていますの
で、駿河湾でも、というところでしょう。

 「海洋深層水」といっても、まさか海の水をそのまま飲んだりす
るわけではないと思いますので、脱塩しているとは思っていたので
すが、やっぱりこうした脱塩装置というのを使っているわけです。

 私はこうした行政へのタカリのような話は感心しないのですが、
なかなか実情のよくわかる記事です。

 さて、「海洋深層水」使った商品としては、まず「塩」「水」が
あります。

 塩が海の水から作られるのは当たり前ですが、深層水だとちょっ
ときれいかな、という感じはあります。販売方法としては、神秘性
を前面に出したものが多いですが、成分が普通の塩と違うわけでは
ありませんので、こういうのはどうかと思います。

 また、値段も高いです。

 「水」については、上記の脱塩されたものを使うのでしょうね。
美味しかったらそれでいいんですけれど、やっぱり羊頭狗肉、と
いう感じは免れないです。

 豆腐・醤油・味噌・漬物なんかも、「海洋深層水使用」というも
のがあります。これらも少ししか使っていないか、塩分を除いた後
に使用しているかでしょう。きちんと作ったものなら、悪くはない
と思います。

 化粧品の類も多いようです。化粧水、というのが、もともとあま
り意味のよくわからないものなのですが、逆浸透膜を通った水で作
った化粧水というのもありましたので、案外効果があるのかも知れ
ません。

 どうもこの辺は感覚の世界なので、根拠を求める人からはいくら
でもツッコミが入るところなんでしょうが、私としては、化粧品く
らい、「夢」を売る、ということでもいいんじゃないか、と思って
います。

 でも、眉にツバをつけておいた方がよいかも。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 今年も最後の配信になりました。一年間、どうもありがとうござ
いました。来年もよろしくお願いします。

 今年の話題は何といっても、「狂牛病」でした。このメールマガ
ジンでは、昨年のヨーロッパの騒ぎのときから、ずっと紹介してい
ましたし、日本でも発生の可能性、という情報を狂牛病発生以前の
段階でお届けできたので、お役にたてたかな、と思っています。

 ところで、最近、農水大臣の発言が話題になっていますが、私に
はどうも理解できません。この発言のどこが問題なのでしょうか?

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 農相は、「肉骨粉を牛に与えないよう求めた1996年の行政指
導が農家にまで伝わらなかったことで農家にも責任はあるのか」と
の質問に、「私はみんなの責任だと思う。何もかも国に求めるので
なく、それぞれが自立し情報も集める自立自尊の農家にならなけれ
ばならない。もちろん政府の認識の希薄さはあった。きちんと体制
ができていたら、(1頭目)の牛は肉骨粉製造工程に回らなかった。
しかし農業団体も自治体も生産者も、『絶対ということはない』と
の意識で自立し連帯することが大事だ」と話した。

http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/841312/8bb68b8d95a-0-5.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私はそのとおりだと思うのですが…。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://www.kenji.ne.jp/food/
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