安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>108号


-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------108号--2001.12.01------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「牛肉・キウイ・アルカリイオン水・鯨肉(Q&A)」「鯨肉」

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--〔話題〕--------------------------------------------------

 メールをたくさん戴いていますので、今週はQ&A特集というこ
とにします。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

Q.アメリカ産や、オーストラリア産の牛肉は狂牛病の心配がない
と聞きましたが、あるところで、それは、出荷月齢が若いために、
発症していないというだけだと聞きました。

 アメリカや、オーストラリアでの、感染の検査はどうなっている
のですか。それから、日本に輸入するときには、どのような検査を
しているのですか。

------------------------------------------------------------

A.発症例がないだけだ、というのは反論しにくい言い方ですが、
単なる言いがかりですね。

 考古学で、そんな発掘例はないじゃないか、と言われた方が、
「発見されていないだけだ」と開き直るようなものです。

 日本でもそうだったように、狂牛病は主に乳牛がかかる病気です。
乳牛の場合、はっきりとした症状が出ますので、まず見落とされる
心配はありません。

 肉牛で、発症していない牛については、検査の方法はありません。
また、検査すること自体、無駄なことのようです。

 ということで、国家をあげて隠蔽工作をしている場合以外、アメ
リカやオーストラリアで狂牛病が発生していない、ということは本
当だと思います。

------------------------------------------------------------

Q.(上のQ&Aに関連して)それでは、狂牛病に感染していても
潜伏期間内の牛なら食べても大丈夫ということでしょうか?

------------------------------------------------------------

A.大丈夫ということも、なかなか難しいです。

 要するに、「率」の問題なのです。

 狂牛病が発症した牛の肉を食べても、感染の確率はそれほど高く
ない、とされています。

 また、感染は病原体の異常プリオンそのものによります。異常プ
リオンと正常プリオン(これは体内に普通にあるたんぱく質)が接
触して、正常プリオンが異常プリオンに変る、という過程を繰り返
して、異常プリオンが増えていく、と考えられています。

 ということは、牛の体内で、異常プリオンは指数関数的に増える、
と予想されます。(確認されたわけではありませんが)

 発症直前の牛には、発症時点の半分の異常プリオンしかないだろ
う、ということです。こうして、一定周期遡るごとに、半分になっ
ていきますので、もしその肉を食べたときの感染の確率は、発症時
点から時間を遡るごとに、それに比して下がっていくだろう、と考
えられています。

 通常、肉になる30月齢以前の牛では、もし幼少時に感染してい
ても、実際問題として、人に感染を引き起こすほどの異常プリオン
の蓄積はまだないだろう、と思います。

 もちろん、この辺は率の問題ですので、絶対に安全、ということ
は違います。この感染の率は、ある程度下がったところで、他の危
険性の確率と比べて、無視できるほどに小さくなります。また、狂
牛病だけのことを考えても、まだ全て解明されたわけではありませ
んから、未知の要素(思わぬところから感染する、または発症する)
との関係で、あまり意味をなさなくなってくる、と思います。

 こうして、国全体として、発症例がない場合の、若い牛について
は、感染の恐れはない、といって間違いではないと思います。

 危険な部位であるとか、高齢の牛であるとかすると、それに比例
して危険性は増えていきます。この辺は用心すべきところでしょう
ね。

------------------------------------------------------------

Q.キューイーフルーツの熟成の仕方を教えてください。熟成する
前の加工の方法 調理法を教えてください。

------------------------------------------------------------

A.キウイは追熟が必要な果物です。収穫直後は硬くて食べられま
せんし、加工や調理もできないと思います。

 他に追熟が必要な果物としては、バナナが有名です。バナナは青
いものを輸入して、国内で追熟させます。

 追熟は時間が経てば自然と起りますので、待てば良いのですが、
急ぐときは「リンゴと一緒に置く」などと言います。

 これはリンゴが出すエチレンを利用するのです。

 エチレンは植物ホルモンの作用があり、老化や熟成をうながす物
質です。別にキウイだけではなく、すべての植物に有効です。果物
が熟すとき、このホルモンが働いているわけです。

 キウイ自身もエチレンを出しますから、風通しの良い場所より、
密閉された場所の方が、追熟は早くなります。

 リンゴは特にエチレンを出す量が多いそうです。
(バナナの追熟では、エチレンを室に投入します。)

 エチレンは追熟が必要な果物には必要ですが、普通は老化を促進
しますので、エチレンを分解する冷蔵庫などというのも販売されて
います。

 また、エチレンを吸着するポリ袋に入れ、日持ちを良くする、と
いう方法もあります。

------------------------------------------------------------

Q.こんにちは。アルカリイオン水をつくる機械について、教えて
ください。これは、本当に身体にいいのでしょうか。コーヒーなど
もアルカリ性食品だそうですが、お砂糖などをいれたとたん、酸性
のものにかわると聞きます。ということは、いくらアルカリ性のお
水を使っても、料理中に砂糖その他をいれているうちにそれは酸性
のものにかわってしまうということですよね???そのまま飲む以
外は、アルカリ性の水としては機能しないのですか?

------------------------------------------------------------

A.まず、酸性食品とアルカリ性食品について、これは食品中のミ
ネラル分のバランスを示す指標で、簡単に言ってしまうと、カルシ
ウムが多いのがアルカリ性食品、リンが多いのが酸性食品です。

 だから、コーヒーがアルカリ性食品、とか、砂糖が酸性食品とか
いうのは、単なる嘘です。

 アルカリイオン水というのは、水に電圧をかけて、プラスイオン
を持った分子の濃度を高めたものです。ナトリウムなどのイオンが
増えるので、たしかにアルカリ性を示しますが、別に生理的な活性
があるわけではありません。

 ということで、ご質問については、残念ながら、すべて実際的に
は無効である、というお答えになります。

 酸性食品・アルカリ性食品については、以下のページに書きまし
たので、ご覧ください。
http://www.kenji.ne.jp/food/food17/food1706.html

------------------------------------------------------------

Q.鯨やイルカの料理は汚染されていると聞いたのですが、実際は
どうなのですか?食べない方が良いのでしょうか。

------------------------------------------------------------

A.海洋の大型生物は汚染物質の蓄積が多いのは事実のようです。
マグロなんかでも多いのですが、海洋哺乳類の場合は寿命が長く、
たぶん汚染物質の蓄積はそれ以上でしょうね。

 水銀やカドミウムなどの重金属やダイオキシンなんかの有機物が
蓄積されている、と思います。

 ただ、あくまで食べる量との関係ですので、食べてはいけない、
というほどではないと思います。

 アメリカでは、水銀の多いと思われる魚については、妊娠中には
食べ過ぎないよう、勧告が出されていますが、この程度の用心が妥
当なところと思います。

 普通の人にとりたてて害があるほどではありませんが、常食した
りしない方が良いし、リスクの高い人や時期にはできれば避けた方
が良い、といったところでしょうか。

 鯨やイルカを食べる必要性の方がないような気がしますが…。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「鯨肉」
------------------------------------------------------------

 上記の鯨の件で、気になったので調べてみました。まず「日本鯨
類研究所」というサイトから

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

ダイオキシン類及びコプラナーPCBsの濃度(pg-TEQ/g)

種   名     部位 標本数 ダイオキシン類 コプラナーPCBs
                (pg-TEQ/g wet) (pg-TEQ/g wet)
南極海ミンククジラ 脂皮  4   0.10〜0.13   1.1〜2.2
          筋肉  3    N.D.    0.004〜0.03
北西太平洋(同上) 脂皮  4   0.49〜1.4   10〜41
          筋肉  4    N.D.    0.19〜0.76

総水銀の測定値(単位ppm)
                  筋肉  肝臓  腎臓
南極海ミンククジラ 平均値    0.03  0.07  0.05
北西太平洋ミンククジラ 平均値  0.21  0.67  0.83

http://www.icrwhale.org/02-A.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この数字がどんなものか、私にはよくわからないのですが、南極
海と北大西洋とでは、どうも差があるらしいことがわかります。

 また、部位によってもかなり違い、筋肉に少なく、内臓や脂肪に
多いようです。水銀では肝臓などの内臓に、ダイオキシンは脂肪に
多く含まれています。

 特にダイオキシンは水に溶けにくく、脂肪に溶けますので、一般
的に脂肪組織に多く検出されるようです。

 ( pg-TEQ/g) というのは、ダイオキシンの分析では、たくさんの
種類があるので、それらを最も毒性の強いものに毒性の率によって
換算したものです。1グラム中にその最も毒性の強いダイオキシン
が1兆分の何グラム含まれているか、という値です。

  ppmというのが1グラム中に百万分の1グラムという単位ですか
ら、同じような数字が並んでいますが、百万倍も濃度が違います。

 この表では南極海と北大西洋ということで出ていますが、肝心の
日本近海、または北太平洋のものは出ていません。日本近海の調査
については、以下のような記事がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 第一薬科大薬学部の原口浩一助教授(物理分析学)らは、東京や
大阪など6都府県で、魚市場やスーパーで売られている鯨肉食品を
無作為に調査。赤身やベーコン、皮付き脂身などDNA鑑定で種類
や生息地域の判明した61点について、重金属やPCBなどの有機塩
素系化合物の汚染実態を調べた。

 その結果、日本近海の小型鯨類(クジラ、イルカ)の肉20点のう
ち、 85%の17点から食品衛生法で定められた暫定基準値(総水銀1
グラム辺り0.4マイクログラムかつメチル水銀同0.3マイクログラム
=マイクロは100万分の1)を超す水銀が検出された。中には総水銀
で基準値の500倍を超すイルカの肝臓の煮物もあった。

 PCBも近海の小型鯨類から、最高で暫定基準値(1グラム当た
り0.5マイクログラム)の約18倍に当たる8.9マイクログラムが検出
された。小型鯨類、北半球のミンククジラとも半数に基準値を超え
るPCBが含まれ、汚染は広範囲に広がっていた。

 また毒性が強くダイオキシン類に分類されるコプラナーPCBは、
小型鯨類のダイオキシン毒性換算では最高1グラム当たり209ピコグ
ラム(ピコは1兆分の1)も検出され、通常の魚介類の 100倍以上の
濃度だった。野生クジラ類など海産ほ乳類は化学物質の分解酵素が
弱く、水銀などが体内に残留しやすいといわれる。

 今回の調査結果について、水産庁遠洋課では「鯨肉は日本人1人
当たり、年間30グラム程度と消費量は少なく、即座に影響は考えら
れない」としている。ただ、伝統的に食生活に根付いている地域も
あり、データを見た上で考える必要があるとしている。

http://www.din.or.jp/~makiura/read/1999/99_10t.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 新聞記事らの引用のようですが、よくあるタイプの書き方で、こ
れでは実態は全くわかりません。

 どうも先の表の北大西洋のものと同じくらいかそれ以上の汚染が
あるようです。

 似たような記事はあちこちにあるのですが、みな同じような表現
のため、同じ記事が元になっているようです。私としては、この記
事の元のデータが知りたいのですが…。

 とにかく、いつも鯨肉ばかり食べている、という食生活には問題
があるようです。実際問題として、鯨肉をそんなに食べている人は
日本にはいないと思いますが。

 肉にしても、魚にしても、危険性は幅広く存在しています。一部
を取り上げて騒いだりしますが、安全なものなど何もない、と思っ
て、できるだけ危険を分散させるように考えるのが一番だと思いま
す。

 「健康に良い」とか言って、同じものばかり食べるのは良くない
ということです。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 鯨肉と言えば、給食なんかによく出てきたものです。私なんかは
あまり良い印象を持っていなくて、安物の肉というか、まずいもの
の代表のように今でも思っています。

 鯨肉を美味しい、という人は、よっぽどお金持ちで、よいところ
を食べているんだな、と思います。私たちが昔食べていたのは、ス
ジだらけの、硬くてまずいものでした。

 いったん、まったく見なくなっていた鯨肉ですが、最近はしばし
ば見かけます。「調査捕鯨」のものなのか、沿岸漁業のものなのか
でしょうが、結構抜け道はあるようです。

 捕鯨についてですが、捕鯨反対運動というものはやり方もきたな
くて、私は良い感情も持っていません。どちらかというと捕鯨反対
に反対なんですが、積極的に捕鯨賛成、という気にももう一つなれ
ないです。捕鯨が事業として成り立っているのならともかく、現状
ではこだわる必要があるのかな?という気もしますね。

 ついでにこんなニュースも…。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 1月12日、日新丸乗組員のたび重なる退去警告にも関らず、グリ
ーンピースのエコテロリストが日新丸のスリップ・ウエイに侵入す
るという過激な行動をおこした。大隅博士は、このような過激行動
が再び繰り返され、彼らが不法に調査船への乗船を試みるなら、日
本国内法に従い、日新丸船長が船上でその身柄を保護することにな
るとグリーンピースに通告した。また、大隅博士は、日本側は乗組
員の人命と安全を最優先させるポリシーをとっているが、グリーン
ピース側の船舶の異常接近や渡鯨中の鯨に取り付く行為などがエコ
テロリスト自身並びに調査船乗組員の身を危険にさらしていること
を強調した。船長は船籍国の法に従って法を執行する権限を有して
いる。日本国船籍船へのさらなる侵入がおこれば、船長は日本国船
員法第25-27条、日本国刑法130条に則して対処する。さらに、大隅
博士はグリーンピースのこのような暴力的行動のエスカレーション
は国連海洋法条約 101条が定義する海賊行為に該当するという私見
を述べた。

http://www.icrwhale.org/02-A-4.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「エコテロリスト」とか「海賊行為」とか、表現が過激ですね。
私は全く同感で、こんなのがいるら、捕鯨反対運動がうさん臭く感
じられる、というのが私の感想です。

 今週も週末は出掛けますので、一日早く配信します。何かと忙し
い…。

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
-108号--------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://www.kenji.ne.jp/food/
------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------
 購読者数1512名です。ご購読ありがとうございます。
------------------------------------------------------------
私あてのメールのあて先は、
why@kenji.ne.jp
私のホームページ(「安心!?食べ物情報」)は
http://www.kenji.ne.jp/food/ です。
バックナンバーもすべて、このページで読めます。
【まぐまぐ】
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )
マガジンIDは21668です。
このメールマガジンの登録や解除は
http://www.kenji.ne.jp/food/food2.html へ。
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/