安心!?食べ物情報>メールマガジンバックナンバー>107号


-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------107号--2001.11.25------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「亜硫酸・ヨーグルト(Q&A)」「狂牛病」

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
--〔話題〕--------------------------------------------------

 今回もいただいたメールから。> の部分がいただいたメールから
の引用で、あとは私の返信です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

> こんにちわ、いつも興味深く購読させていただいています。さて、
> だいぶ収まった感のある狂牛病関連の話ですが、少し前に「農業
> 協同組合新聞」の第1830号において米国ジャーナリストのS.ラン
> プトン氏は以下の内容で講演をされたと書かれています。
>
> 「家畜を最小限のコストで最大限に成長させる米国の近代的肥育
> 農場では、細かく粉砕した新聞紙、セメント・ダストなどの産業
> 廃棄物、処理済みのふん尿、都市下水の汚泥などを肥料に使って
> いる。だが産業界は、これによって産業廃棄物の処理に貢献し、
> ハンバーガーなどを低価格にして消費者に利益を還元している」
> 以上の内容は本当のことなのでしょうか。ちょっと信じられない
> のですが。ご存じないでしょうか。

 あまり外国の事情はわからないのですが、なんだかありそうな話
ですね。

 リサイクル、ということを考えると、このような取り組みはもっ
と評価して良いのではないか、という気がします。

 お金にならない「リサイクル」には、あまり実際的な価値がなく、
このようにリサイクルすることによって、価値を生むのが本当のリ
サイクルなんだと思います。

 ただ、狂牛病の肉骨粉でもわかったように、リサイクルというの
は、かなり危険を伴う行為でもあります。

 私は食べ物に関しては、あまりリサイクルは好ましくない、と考
えています。とにかく、リサイクルも安全も、両方が可能だと考え
るのは間違っていると思います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 関連して、日本でも、こんな記事もありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

食品廃棄物のリサイクル飼料で豚・牛がスクスク育つ[山形:天童
市]
  −養殖魚の餌にも期待−

 現地情報24巻第9号(平成10年12月25日公表)で「厨芥から優良
な飼料生産」という見出しで天童市の(有)A社が厨芥を飼料化す
るプラントを稼働させたことを紹介したが,現在は,このリサイク
ル飼料「エコフード」 100%でスクスク育った豚の良質な肉の評判
が良い。A社グループでは市内で豚肉のしゃぶしゃぶや,すき焼き
を出す会員制レストランを経営したり, 生肉や加工商品の全国配送
をしたり事業は順調に伸びている。このリサイクル処理プラントで
出来た「エコフード」は,養豚業の利用ではなく、現在は上山市の
B食品会社において肉牛の飼料に栄養補助剤として混ぜ与えている。
B社でも栄養価が高く,牛本来の食味が増したと好評である。また、
A社グループでは試験的に牛についても,リサイクル飼料「エコフ
ード」 100%で飼育を始めてみたが,成長度合いが非常に良く獣医
さんも驚いており, 肉質についても期待がもてると話している。さ
らに,養殖魚の餌として利用できないかどうかも現在研究中である。

http://www1.odn.ne.jp/toukei06/4gen_jyo/gj00/gj0006.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 やっぱりこれは危険ですね。こういうのはやめた方が良いと私は
思います。リサイクルということがどんな危険性を持ったものなの
か、よく考えてほしいものです。

 新聞なんかで、「牛に動物性飼料を与えるというのは間違ったこ
とだ。」などとよく書いていますが、それなら「リサイクルは良い
ことだ。」というような書き方はしない方が良いかと…。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

------------------------------------------------------------

Q.コーンスターチを買おうと思って原材料をみたら、無水亜硫酸
と書いてありました。どうも、どのコーンスターチにもつかわれい
るようなのですが、毒性はあるのでしょうか。また、これはどうい
う加工の段階で何のためにつかわれるのでしょうか。

------------------------------------------------------------

A.いわゆる亜硫酸はワインの酸化防止剤として使われているので
有名です。その他にはエビやカニの黒変防止剤としても、よく使わ
れています。

 コーンスターチに使用されているのは、製造時、コーンを亜硫酸
水につけて、溶解させてからでんぷんを取り出す、という方法がと
られるためです。

 小麦粉のように粉砕するやり方もあるのですが、コーンスターチ
の場合、コーンの粉ではなく、でんぷんだけを取り出したいので、
こういう方法が主にとられているようです。

 亜硫酸の毒性はそれほど高くありません。ほとんど気にしなくて
もよい程度だと私は思っています。

 以前、フランス人でエビ養殖の研究者の人に、亜硫酸使用をやめ
ることはできないか、と聞いたら、亜硫酸が有害である、という根
拠を示せ、といわれてしまいました。

 有害だという根拠はないが、できるだけ使わないでほしい、と言
うと、それでは話にならない、と断られました。そのときはさすが
フランス人、亜硫酸が有害だったら、ワインが飲めないものね、と
思ったのですが…。

 また、生で食べるものではありませんので、最終の食品にはこの
亜硫酸はおそらく残っていないと思います。

------------------------------------------------------------

Q.牛乳でお腹をこわす人がいますが、ヨーグルトを食べても壊さ
ないのは、何故ですか???栄養学的に教えて下さい。

------------------------------------------------------------

A.牛乳でおなかをこわす、というのは、たいてい牛乳中の乳糖の
せいです。乳糖というのは砂糖なんかの仲間なんですが、ブドウ糖
とガラクトースからできた、二糖類です。

 砂糖はブドウ糖と果糖から、麦芽糖(水飴)はブドウ糖2個から
できています。

 その乳糖を消化する酵素がなくて、乳糖をとりすぎると、下痢を
する、という人がいます。これは遺伝的なものです。

 また、ふだん牛乳をとらない人が急に飲むと、酵素が間に合わな
くて、やっぱり同じようになります。この場合は慣れれば大丈夫で
す。

 ヨーグルトというのは牛乳が乳酸菌で発酵したものです。乳酸菌
は牛乳中の乳糖を、乳酸に変えるのですから、ヨーグルトには乳糖
はほとんど残っていません。

 これが牛乳がだめな人でも、ヨーグルトなら大丈夫、という理由
です。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「狂牛病」
------------------------------------------------------------

 しばらく落ち着いたかと思っていた狂牛病の話題ですが、2頭目
の感染牛が発見されてしまいました。

 今回は発病していない牛でしたが、感染は確かなようです。発病
はしていないが、感染が確認できる程度には異常プリオンが増えて
いた、という段階で検査にかかった、ということのようです。

 これはなかなか難しいことだと思います。私は国の言う全頭検査
なんかあまり信用していなかったのですが、こういうものを見付け、
それをすぐに公表した、ということにはなかなか好感を持ちました。

 どうせ隠蔽するんだろう、という勘繰りが間違っていたのですか
ら、ここは素直に反省しておきます。

 例の「安全宣言」ですが、あまり良い言い方ではなかったので、
かえって誤解を生んでしまったように思います。「安全宣言」を出
したのに、また狂牛病の牛が出たなんて、やっぱり信用できない、
というような意見があるようです。

 確かに、「安全宣言」がこの国から狂牛病が駆逐された、という
意味ならその通りです。この意味は、「全頭検査の体制をとったの
で、今後は狂牛病に感染したことが確認できるような牛の肉が市場
に出ることはない」ということだったのです。

 だったら「安全宣言」などと言うな、というのが私の感想なので
すが、それはともかく、このこと自体はウソではなかった、という
ことになったと思います。

 ほとんど同じ時期に生まれ、同じエサを食べていた、ということ
です。最初の1頭だけでは、偶発的な要素が多過ぎて、なかなか推
理できなかったのですが、これで事態はほぼ明らかになったように
思います。

 まず、狂牛病の感染例は、この2頭だけでは終らないだろう、と
いうことです。イギリスのように増えることもないと思いますが、
今後、もう少しの感染例は見つかると思います。

 それから、エサはホクレンのもののようですが、感染源はおそら
くこれでしょう。もう少ししたら、やっぱりイギリス産の肉骨粉を
使っていた…というような話が出てくるかも知れません。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 国内2頭目の狂牛病と確認された北海道猿払村の乳牛が、北海道
佐呂間町で生まれた1頭目の乳牛と同じ道内の大手飼料会社の工場
で製造された配合飼料を食べていたことが22日、関係者の話でわ
かった。この飼料に狂牛病の感染源とされる肉骨粉は使用されてい
ないが、工場では牛向け飼料と同じ製造ラインで、肉骨粉の入った
鶏・豚向け飼料を製造しており、混入した可能性は否定できない。
道も2頭の新たな共通点として着目している。

http://www.yomiuri.co.jp/00/20011123i401.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 昨年の雪印事件といい、どうした北海道?という気がします。

 前回のQ&Aのときも書きましたが、私たちが普通に食べる牛肉
は、主にホルスタイン去勢牛の弱齢のものです。その辺の事情を、
もう一度書いておきます。

 乳牛は毎年、子供を産みます。(生まなければ乳は出ません)そ
の子が雌であれば、普通はそのまま育てて、乳牛にします。雄の場
合は、半年くらい飼育してから、去勢して、約一年肥育し、肉とし
て出荷されます。この段階では、たとえ危険なエサを食べていたと
しても、発症することはないようです。

 実際、ヨーロッパでは30月齢以下の牛は検査もしない、という
のが普通です。

 これが最も普通の国産牛肉です。だから、「全頭検査」というの
はちょっと過剰反応気味です。問題は乳牛の方です。

 乳牛は5〜6産くらいとって、廃用になります。もちろん、固体
差もあって、早くに廃用になった場合は、肥育しなおして、肉牛と
して出荷することもありますが、普通は肥育の効果が見込めないの
で、そのままの状態で出荷されます。

 乳牛全体の頭数が多いので、こうした廃用牛の出荷数は多いので
すが、とても食べられるようなものではないので、全部加工用にま
わることになります。

 枝肉になったのを見ても、すぐにわかるほど違いますので、この
廃用牛の肉を消費者が買うことはまずありません。また、レストラ
ンなんかでも使いません。

 それでは何に使うのか、というと、いろいろな加工食品やエキス
の原料になるわけです。加工食品には「ネズミ」だの「ミミズ」だ
のを使っている、などというウワサが絶えませんが、おそらくそん
なものの方が高価でしょう。

 とすると、やっぱり牛肉そのものより、加工食品の方がやばそう
な気もしてきますね。これから、1996年に北海道で生まれた乳牛が
順次廃用になっていきますので、こうして検査にひっかかる牛はま
だ出てきそうです。

 私としては、ちゃんと検査をしている限り、検査にひっかかった
牛が出る、ということに一々過剰に反応することはない、と思いま
す。出るものは出るのですし、騒ぐことによって、廃用牛を通常の
出荷ができず、闇のルートができてしまったりすることの方が怖い
ですね。

 狂牛病の件について、もう少し補足情報を。

 イギリスでの新型ヤコブ病の発症例は思ったほど増えていません。
当初は右肩上がりにしばらく増加すると思われていたのですが、今
年ははっきり頭打ちの傾向です。

 最初は数十万人と予想した人もあったのですが、どうも最終的に
は1000人に達しないようです。

 また、この新型ヤコブ病が、狂牛病とは直接関係ない、という論
文も提出されています。これはヤコブ病全体の発症例が増えていな
い、ということに関係あるのですが、私としては事実関係を含め、
詳しいことはわかりません。

 とりあえず、人に対する狂牛病の影響は、当初よりは少なく見積
もれるかな、という情報が出てきているようです。

 それから、肉骨粉を禁止してから、数年たつイギリスで、まだ世
界最大の発症例が出続けています。急激に減少していますので、肉
骨粉が原因であった、という可能性は高いのですが、どうもまだか
なり長期にわたって、なくなってしまうということはなさそうです。

 この原因に「ダニ」による媒介、ということも可能性はあるよう
です。牛から牛への水平感染?ということで、私は牧場の土に病原
体の異常プリオンが残っている、という話は聞いたことがあったの
ですが、どうもこのダニを通して、という説の方が説得力があるよ
うです。

 イギリスで起ったような、爆発的な流行ということは、もうない
と思いますが、他の病気と同じく、これからはそういう病気もとき
どき発生している、という環境の中でやっていくしかないようです。

 だから牛肉を食べない、というのも一つの判断と思いますし、気
にしても仕方ない、というのもそれはそれで結構だと思います。少
なくとも、牛の脳を食べる、という習慣を持っている人は、やめた
方が良いとは思いますが…。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 厚生労働省のホームページで、狂牛病の検査結果が公表されてい
ます。

http://www.mhlw.go.jp/houdou/0111/h1121-3.html

 検査結果の写真まで出ています。こういうのを見ても、私なんか
はわかりませんが、見る人が見ればわかるんでしょうね。それにし
ても、こういう情報を公開する、というのはとても良いことと思い
ます。

 当初は混乱しましたが、「備えなければ憂いなし」という無責任
体制ではなくなってきたようです。いつまでも行政批判している人
もいますけれどもね。

 当事者である、狂牛病に感染した牛の生産者が、「国の責任だ」
などと言っているのは、もし本当だったら、ちょっと情けないです。
マスコミがそう伝えているだけだと思いたいものです。

 土曜日から日曜日にかけて、ちょっと出掛けますので、このメー
ルマガジンは24日(土曜日)に発行しています。

------------------------------------------------------------
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/
-107号--------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://www.kenji.ne.jp/food/
------------------------------------------------------------
------------------------------------------------------------
 購読者数1503名です。ご購読ありがとうございます。
------------------------------------------------------------
私あてのメールのあて先は、
why@kenji.ne.jp
私のホームページ(「安心!?食べ物情報」)は
http://www.kenji.ne.jp/food/ です。
バックナンバーもすべて、このページで読めます。
【まぐまぐ】
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を
利用して発行しています。( http://www.mag2.com/ )
マガジンIDは21668です。
このメールマガジンの登録や解除は
http://www.kenji.ne.jp/food/food2.html へ。
-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=-=/=--=/=-=/=-=/