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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------101号--2001.10.13------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

「いただいたメール」「狂牛病(Q&A)」「狂牛病」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 以下のような丁寧なメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

渡辺 宏 様

 突然のメールで失礼いたします。私は、小学校で学校給食に関わ
る仕事についているものです。また、メールマガジンの一読者とし
て毎回いろいろと勉強させていただいております。

 さて、この度の狂牛病騒動について情報収集をしていたところで
すが、渡辺様のサイト情報は大変分かりやすく、とても参考になっ
ております。

 つきましては、私の個人運営のホームページからリンクを張らせ
ていただきたくお願いする次第です。私のサイトは、学校給食の関
係者によく来訪いただいております。渡辺様の情報は学校給食関係
者に大変役立つものと感じております。

リンクページは

http://homepage2.nifty.com/mirepoix/kyougyu/index.htm

です。

リンクについての条項が特になかったようですので、事後承諾とさ
せていただきました。もし、問題があるようでしたら、ご連絡いた
だければ直ちに解除いたします。

それでは、渡辺様の益々のご活躍をお祈りいたします。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 このサイトは充実した狂牛病のリンク集になっています。このリ
ンク集で目立つのは、メーカーのサイトへのリンクが充実している
ことです。カレールウをはじめ、私のところへもいろいろと心配の
メールをいただいていますが、メーカーの言い分はどうか、ぜひ確
かめてほしいと思います。

 どれも似たようなことを書いています。正しいかどうかの判断は
私にはわかりませんが、皆さんはいかがお考えでしょうか?

 狂牛病のニュースに関しても、よくまとめられていますので、ぜ
ひ参考にしてください。

 また、もう一つ、

http://www1.odn.ne.jp/koyama/bse.htm

にも、リンク集があるという連絡をいただきました。こちらの特徴
は、「私の意見」欄があるということ。

「私たちの心配は、「これからの狂牛病対策」ではありません。今
までに食肉にされた牛の、解体処理過程(背割りなど)での二時汚
染を心配しているのです。発症前の感染牛が食肉にされていたので
はないか?と言うことです。」とおっしゃっています。

 私はどちらかというと、「これからの狂牛病対策」の方が問題だ
と思って、そう書いてきましたが、もちろんこういう意見も多いこ
とと思います。なかなか迫力のある内容になっています。

 ここに私の意見として、「狂牛病に(人間が)感染する可能性は
ほぼ0」だと書かれています。確かにそう書いたので、それで結構
なのですが、ちょっと言い訳をします。

(1)日本では、狂牛病は1例だけしか報告されていません。他に
感染がなかったとは考えられないのですが、今、見つかっていない
ということは、すでに処分されてしまっている、ということかも知
れません。

(2)しかし、その頭数は非常に少ないと考えています。

(3)また、発症前に、その牛の体内にある狂牛病の病原体は、ま
だそれほど増えていないはずです。

(4)したがって、現在市販されている食品に、狂牛病の感染力を
もっているものが存在する可能性は極めて低い、と思います。(原
料が国産の場合)

(5)もちろん、絶対ではありませんが、安全性とは、そういうも
のです。

(6)以上のような考えで、私は日本で、食べ物が原因で人間が狂
牛病に感染する可能性はほとんどない、と考えています。

(7)もちろん、これは現状の話で、狂牛病が牛の間に広がってい
くことがあれば、話は違ってきます。

(8)全体として、感染者が出る可能性はあるかもしれません。そ
れは、食べ物より、医療関係とか、思わぬところから感染する、と
いう可能性は無視できないのではないか、と想像しています。

 また、次のようなご指摘をいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 安心食べ物情報のMMで、イギリスと日本の食肉消費量が1桁以
上違うとありましたが、世界の牛肉統計というHPで調べてみたと
ころ、あまり違わないと思います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 げ、またやっちゃったかな、と思って、早速調べてみました。

http://www.e-chikusan.com/youton/youtonjyoho/youtonjyoho7.htm

主要国における牛肉の消費量(一人当たり年間消費) 
1998年推定値

日本 11.4kg
アメリカ 42.9kg
カナダ 30.9kg
イギリス 15.1kg
デンマーク 20.4kg
ドイツ 13.5kg
フランス   26.9kg

ということらしいです。どうも表現が間違っていたようで、申し訳
ありません。

 イギリスは狂牛病によって、消費量が減った後の数字です。ドイ
ツなども少し減っていると思います。

 また、日本は輸入自由化以後、だいぶ増えているようです。

 昔のうろ覚えの数字で、大げさな表現をしてしまいました。

 狂牛病に関しては、遺伝的に日本人の方が感染しやすい、という
指摘もあります。また、食文化としては、牛肉の食べ方の豊富なイ
ギリスなどの方が、危険な部位も食べていただろう、ということも
あります。

 決定的なのは、狂牛病の発生数です。

 日本人の狂牛病感染者数が、今後イギリスを上回ることはあり得
ない、ということは確実だ思っていたことは、そのとおりでよいか
な、と思っています。

 以上、お詫びして訂正します。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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Q.現在、牛関連だけが問題になってますが、そもそもスクレイピ
ーというのは羊の病気で、現在羊の肉などの加工食品、健康食品が
多く出回ってます。特にアミノ酸系の健康食品は 羊肉が使用され
ている場合が多いです。このルートでのBSE感染はありえるので
しょうか?

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A.不思議なことに、スクレイビーは人間には感染しないようなん
です。以前からあった病気ですが、大量に発生するわけではないの
で、割と放置されてきた、という経緯があるのは、そういったこと
もあります。

 狂牛病が発見されたとき、イギリス政府の対応が遅れたのは、狂
牛病が単なる牛のスクレイビーだと考えたからです。つまり人間に
は感染しないだろうと。

 ところが、どうも狂牛病の病原体はスクレイビーとはかなり違っ
て、「種の壁」を越える力がケタ違いに強いようです。

 今のところ、狂牛病の病原体は一種類だけだと言われています。
スクレイビーには多様性がありますので、どうも単にスクレイビー
が牛にも感染した、というのではない、という説もあります。(単
独発生説)

 ということで、スクレイビーと狂牛病とは、既に違う病気だと理
解した方が良い、と思います。(人間の新型ヤコブ病と狂牛病とは
同じ病気です。)

 スクレイビーもいつまでも人間には感染しない、と言って良いの
かどうかはよくわかりません。

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Q.僕はビーフのドッグフードをずーと食べています、ドライフー
ドですが、犬の僕にも狂牛病は発病するんでしょうか?とても心配
です。是非、教えてください。

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A.どうも、犬には狂牛病はうつらないみたいなんです。猫にはう
つるのに、なぜかはわかりませんが、いまだに犬に発病させる実験
は成功しないそうです。

で、たぶん大丈夫と思いますよ。

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--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「狂牛病」
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 もうご存じのことと思いますが、12日、東京で狂牛病の疑いの
ある牛肉が発見された、というニュースがありました。その件につ
いて。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

東京都は12日、狂牛病(牛海綿状脳症)に感染したと疑われる肉
牛が1頭見つかったと発表した。都中央卸売市場食肉市場で解体さ
れた肉牛の延髄が狂牛病に近い反応を示し、厚生労働省では詳しい
検査を進めている。牛は10日に解体処理され、一部は店頭に並ん
でいる可能性もあり、都は11日処理分を含めた509頭すべての
流通を止め、回収を急ぐ一方、安全が確認されるまで食肉市場から
の出荷を停止した。狂牛病と確定すれば、9月に千葉県白井市で感
染が確認された乳牛に続き国内で2頭目となる。

狂牛病と確認された牛は、生後30カ月以下の肉牛。10日に同市
場で解体処理され、延髄を取り出し、検査を行ったところ、陽性反
応がでた。さらに11日に同様の検査を行ったところ、陰性と陽性
の中間のラインの反応が出た。

この検査は今月18日から全国の肉牛すべてに行われる検査に向け、
横浜市に全国の検査員が集まって実施された技術研修として行われ
た。いわば「リハーサル」で、10日の技術研修では「疑陽性」の
牛以外に別の1頭から「陽性」反応が出たが、再試験の結果「陰性」
になったという。

http://news.msn.co.jp/articles/snews.asp?w=74281
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この時点で東京都は牛肉の出荷を止める処置をしています。ただ、
内蔵肉は流通ルートが全く違うので、止められていないと思います。

 また、この検査に使用した牛が、どの牛だったかわからない、と
いう驚いた事実も報告されています。要するに、検査員を集めた研
修で、試しにやってみたら、まさか出ないと思っていた陽性が出て
しまった、ということのようです。

 また、検査を行ったのが10日で、発表が12日だった、ということ
も目をひきます。ずいぶん困っていたんでしょうが。

 で、この後、確認のために専門家に検査を依頼した結果、次のよ
うなことになっています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

狂牛病疑いの牛は「シロ」=厚労省、別の検査法で最終判定−都流
通差し止めを解除

東京都中央卸売市場食肉市場(港区)で10日に処理した牛の1頭
に狂牛病の疑いがあることが判明した問題で、坂口力厚生労働相は
12日深夜、同省内で記者会見し「最終的な検査結果は陰性だった。
わたしたちもほっとしている。お騒がせし心からおわびしたい」と
述べ、この牛が狂牛病でなかったことを発表した。これを受け、同
市場で10、11の両日に処理された牛の枝肉や内臓などについて、
流通を差し止めていた都は直ちにこの措置を解除した。 

http://www.jiji.com/cgi-bin/contents.cgi?content=2001101310084&genre=real&spgenre=eco
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ここで、検査方法の違いについて、東京都はこう報告しています。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

ELISA法  異常プリオン蛋白に結合する抗体を反応させ、その抗体
に結合する色素により、発色の度合いで異常プリオンの存在を見る
方法。(今回、スクリーニング試験で使われた方法。異常プリオン
以外の蛋白に反応してしまうことがある)

ウェスタンブロット法  正常プリオンは分解するが、異常プリオン
は分解しない酵素を反応させた後、電気泳動方により識別する方法。
(今回確定試験で使われた方法)

http://www.eisei.metro.tokyo.jp/shokuhin/news/pressshokuhin011012.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 検査の方法には、手順が簡単で、感度が高いが確実性に欠けるも
のと、確実だが手間がかかるものとがあり、前者でスクリーニング
してから後者で結果を出す、というやり方はよく使われます。

 たとえば、発ガン性の検査は、最終的には動物実験によるのです
が、細菌を使った変異源性のテストでひっかかったものを実験する、
ということをよくやります。最初にひっかかったからといって、発
ガン性があるわけではないのですが、多くの発ガン物質は変異源性
を持っているため、こうしてあらかじめより分けておくのです。

 ということで、今回の件は、最初はひっかかったけれど、最終的
には狂牛病ではなかった、ということになります。

 このことは最終結果が出る前から、予想していた人も多かったと
思います。牛が若かったこと、最初の検査でも、判定が微妙だった
ことから、私もたぶんそうだろうと思っていました。

 検査の途中の段階で、情報が公開されたことについては、ちょっ
と判断に迷うところです。牛の生産や流通に係わっている人からす
ると、大変迷惑な話だとは思いますが、私はやっぱり情報の公開と
いうことでは、良かったと思います。

 今までの「隠す→バレる」というやり方では、「隠す→隠し通す」
というのがありですが、「発表する→取り消す」というのは、ちょ
っとみっともないですが、もし事実だったら、一刻も早く発表した
方が良いわけで、基本的には正しいのだと思います。検査結果を10
日に発表しなかったのは、批判もあるでしょうが、私はこれは理解
できると思います。

 ただ、検査する牛を特定できない状態だった、ということは、大
いに困ったことだと思います。練習気分だったのでは?そのことと、
間違った検査結果が出たことと、無関係ではないと思うのです。

 18日からは、東京都では、全部の牛をこうした検査にかけ、合格
した牛の肉だけを出荷する、という体制をとるようです。これはな
かなか大変なことで、私はとても評価できる体制だと思います。
(詳しいことはまだ判りませんが)

 全国的に、すべてそうする方針のようですが、今までの報道でも
わかるように、なかなか全国一律に、とはいかない現状があります。
やばそうな牛は東京都には出荷しない、などということは現実に起
こりそうです。

 例の狂牛病の牛について、肉骨粉は食べさせていない、という報
道でしたが、どうもホクレンの餌の工場で、肉骨粉の混入が起こっ
ていた、という報道がありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

狂牛病に感染した牛が生まれた北海道佐呂間町の牧場で使われてい
た牛の飼料が、肉骨粉入りの豚や鶏の飼料と同じ生産ラインで製造
されていたことが6日、分かった。96年に牛飼料への肉骨粉使用
が「禁止」された後も業者の間では肉骨粉混入の危険性が指摘され
ていたが、農水省が牛用に専用ラインを設けることなどを定めた混
入防止のガイドラインをつくったのは今年6月になってから。混入
と感染牛との関連は不明だが、徹底を欠いた農水省の対応が改めて
問われそうだ。 

http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/disease/2001-5/1007-1.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 どうも原因はこのあたりのようです。ということは、狂牛病に感
染した牛は他にもあった可能性が高い、ということになります。

 おそらく、すでに処分されてしまった、ということだとは思いま
すが、今しばらくは目が離せないですね。

 それから、イギリスでは狂牛病は人には感染しない、という論文
が発表されたとか。また、クロイツェル・ヤコブ病は日本でも、少
しですがかかる人はいます。今年もすでに数人、亡くなっているよ
うです。もし、この中に、狂牛病からの感染が入っていても、おそ
らく判らないでしょうね。今から心配しても仕方ないのですが。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 狂牛病の話はもうおしまいにしようと思っていたのに、びっくり
するようなニュースが飛び込んできました。

 情報を公開しろ、と今までずいぶん言ってきましたが、情報が公
開される社会というのは、余計な心配もついてまわるものです。

 それでも、良い方向に向かっているのだとは思います。

 週末、旅行(今行っている会社の社員旅行)ですので、いつもよ
り一日早いですが、13日の土曜日に発行します。ニュースの鮮度の
問題もありますので・・。

 情報がお役にたてれば幸いです。

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-101号--------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://www.kenji.ne.jp/food/
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