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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
-------------------------------------100号--2001.10.07------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------
「いただいたメール」「酵母・ジャム(Q&A)」「狂牛病」
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--〔話題〕--------------------------------------------------
引き続き、たくさんのメールをいただいています。その中で、さ
るメーリングリストのコピーを送っていただいたものを一部紹介し
ます。内容は、
学習会(2001年9月24日)
−アメリカの専門家を緊急招聘−
「狂牛病の実態を学ぶ」
講師:シェルドン・ランプトン氏、通訳:伊庭みか子氏
というシンポジウムの紹介です。講演内容はほぼ今までの情報と同
じですので、省略して、【質問コーナー】を紹介します。
--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
【質問コーナー】
Q1:鶏に肉骨粉を与えても大丈夫か?
A1:あまり心配はない
⇒ but鶏だけでなく牛も飼っている場合区別なく与えられるこ
ともありうる
⇒さらに、牛肉骨粉→鶏→牛という感染ルートもありうる
⇒使わない方が無難
Q2:牛の餌となる汚泥は熱処理されているのか?
A2:汚泥はコンポスト化される(熱処理されるかどうかは不明)
Q3:USAでは記事の修正(間違った際のお詫び)をするのか?
A3:紙面の隅で訂正を発表
Q4:現在出回っている牛肉及び牛乳は安全か?
A4:安全とはいえない、100%の安全など保証できない
⇒そうではなく、リスクの程度(感染・発症確率)を数字で示
す必要がある
(タバコだって肺ガンのリスクを承知で皆吸っている)
・国内産の物は10年前の英の牛よりは安全だろう
・英では今後20年以内に狂牛病で最悪10万人以上が死ぬと予
想されている
・安全度は外国産より国内産の方が大きいとハッキリといえ
る
・ハンバーガーよりミルクの方が格段に安全(ミルクも100%
といえない)
⇒菜食主義者でもヤコブ病にかかる人はかかる
★危険な肉骨粉の供与を止めずに検査をしても意味がない
Q5:今日の英における狂牛病に対する取り組みについて
A5:火力発電で処理している
⇒ butこの処置にも反対意見あり(煙によって病原がばらまか
れているのでは?)
・狂牛病で死んだ人を埋葬できない場合もある
・とりあえず肉骨粉の供与を止めたことで感染例が減ったこ
とこそ重要
Q6:肉骨粉と狂牛病の関連は明らかなのか?
A6:英では統計的に明らかになっている
・英ではペットフード向け以外は肉骨粉の利用を禁止している
・灰からの感染ルートは分からない
★輸出国から輸入国へは不利な情報は流さない
⇒輸入国自らが水際で食い止めることが重要
Q7:酸・アルカリ処理のものは大丈夫か?(コラーゲン、ゼラチ
ンなど)
A7:安全かは不明、きちんと処理されているのか調べる必要があ
る
・高熱処理によって感染力を弱めることはできる
Q8:牛の骨髄・内蔵等が入っている補助食品は大丈夫か?
A8:何を食べて発症したかは分からない(分かりようがない)
⇒プリオンが多く存在するのが脳、頚椎、脊髄等の神経系統
⇒この部分を除くのが効果的(除いたからといって100%安全と
はいえない)
Q9:今まで通りの普通の食生活で大丈夫か?
A8:脳、脊髄、頚椎の危険性は高い
⇒ but他の部分が安全とは限らない(体中どこにでもプリオン
はある)
Q10:牛の検査方法とその期間の対応について
A10:いろいろな検査方法ある(ex.プリオニックス)
⇒5時間でできるものもあれば、キッド形式の物もある
⇒生きている牛対象の物もある(30カ月以上の牛で発症直前の
場合のみ判明)
・潜伏期の牛が安全かどうかも分からない
・ドイツでは昨年全ての牛をチェック(疑惑の牛は全て処分)
・USA:1985年以来チェックは目視のみで杜撰(国内検査
はザル状態)
・歳をとっている牛の方が感染率高い
・いくつかのテストを平行して行うのが効果的では
Q11:英における狂牛病の最先端の研究について
A11:USAも最先端(英で干された研究者がやってきた)
・スタンレープリズナー博士が狂牛病でノーベル賞を受賞
・ドイツの研究も進んでいる
・英で狂牛病患者を使って新薬の投与実験:状況が改善され
た
⇒将来狂牛病に効く薬が開発される可能性もある
Q12:普通のプリオンも熱に弱いのか?
A12:異常プリオンに比べて弱い
・正常プリオンの螺旋構造が異常になるとクチャッと潰れて
しまう
⇒なぜ周りのプリオンが影響をうけるのか分からない
⇒おおもとの病原菌がそもそも分かっていない
⇒結果的に異常プリオンが多くなる
Q13:体内へのプリオンの吸収形態
A13:プリオンはタンパクの防壁によって守られている
⇒プリオンの正式名「プロテクティド・・・・」
⇒通常の酵素では分解されない
・プリオンは無生物、単なる有機物
⇒自分では増殖できない(周りに働きかけるだけ)
⇒非常にゆっくりゆっくり周りの正常プリオンを巻き込んでい
く
⇒潜伏期間が長い
・全国で牛は453万頭(14万戸の畜産農家)
★★★報告を聞いて思ったこと★★★
「安全」という言葉を気軽に使うべきではない、というか使うこ
とはできない
(∵この世に100%安全な物などない)
⇒「これは安全」「あれも安全」と言い張ることがかえって疑惑
を招く(ex.農水省の対応)
⇒そうではなく、「危険性」「リスク」の存在を認めることから
スタートし、それらを小さくし、「安全性」をより高める取り組み
をすることこそが重要
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
私としては、全てに納得、というわけではないのですが、まじめ
な議論には大いに好感をもちました。こんな感じで情報が伝わるの
はとても良いですね。
特に最後の感想は、送っていただいた方のものですが、これは私
も全く同感です。日本では、安易な消費者が「100%安全」を求め、
お役人がこれも安直に「安全です」と言っては被害を大きくしてき
た、という歴史があります。
官僚の側には危険度を率直に説明し、消費者の側も一定のリスク
は受け入れる態度をとらないと、事態は解決しません。私ははっき
り言って、この状況には消費者の側に大きな責任があると思います。
--〔Q&A〕------------------------------------------------
「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は
why@kenji.ne.jp
です。いつでもどうぞ。
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Q.酵母が発酵に関わるときっていうのは、嫌気状態ですよね?で
は、好気状態にいるときには、酵母はどんな事するのでしょうか?
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A.酵母は好気性の環境では、糖を二酸化炭素と水にまで分解する、
わたしたちと同じエネルギー取得の方法をとるようです。
以下のサイトにこんな説明がありました。
http://tag.ahs.kitasato-u.ac.jp/tag-wada/frame/fe007.htm
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パストゥールは、酵母が生き物であることを証明しようと考えま
した。ワインを作るときと同じように、タルに栓をした状態に保つ
と酵母の数はあまり多くなりませでした。栓をしないで空気を送り
込むと酵母の数は急激におおくなりました。この奇妙な現象にパス
トゥールは幻惑させられましたが、すぐにその原因を考えました。
空気を送ることは酸素を供給することで、酵母は酸素が多いと糖
を分解して大量なエネルギーを生み、そのエネルギーを菌体の生産
に使う。一方、タルに栓をして酸素を少なくすると、酸素の多いと
きに比較して産生されるエネルギーは少ないので菌体の数も少なく
る。ところが酸素が多いと菌体数も多いが、生産されるアルコール
量は少ない。酸素を少なくすると菌体数は少ないが、生産されるア
ルコールは多くなる。すなわち、酸素のあるとき(好気性)の呼吸と
酸素のないとき(嫌気性)の呼吸の違いに気がつきました。
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Q.ジャムの糖度は50必要なんですね。50以下ではやはりカビ
が生えやすいのでしょうか。
糖度が低い物は素材の味ってことなのでしょうか。食品は難しい
です。
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A.低糖度のジャム、というのはかなり無理のある食べ物だと思い
ます。完全冷蔵で、短い賞味期限でよければ、何とかなるのでしょ
うが。または防腐剤を使うとか。
あまり甘いものより、甘さ控えめなものの方が美味しいと感じる
のは、時代のせいなんでしょうが、甘さの持つもう一つの力という
のが問題なのですね。
甘さということと、保水力があって、微生物の繁殖をふせぐ、と
いうこと、良質のカロリー源であること、などはもともと一緒のこ
とだったと思います。
こういうことからいうと、甘さを押さえて保存料を使ったり、カ
ロリーのない甘味料を使ったりするのは、かなり不自然なことです。
豊かな社会がもたらした矛盾だとは思うのですが。
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--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「狂牛病」
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何だか騒ぎが大きくなってきました。ここまでのところ、狂牛病
が拡大していく、という事態にはなっていなくて、肝心なところと
は違うところで騒いでいる、という感じです。
狂牛病が広がるかどうか、よりも自分の健康の方が大事な人が多
いのですね。
現在までの世界の発生状況は以下のとおりです。(農業技術研究
機構動物衛生研究所のページより)
--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
北
イ ア ア
ギ イ イ ポ
リ ル ル フ ル ス ベ
ス ラ ラ ラ ド ト ス ペ ル
本 ン ン ン イ ガ イ イ ギ 日
年度 島 ド ド ス ツ ル ス ン | 本
1987年以前 442 0
1988年 2,469 4
1989年 7,137 29 15 0 0 0 0 0 0 0
1990年 14,181 113 14 0 0 1 2 0 0 0
1991年 25,032 170 17 5 0 1 8 0 0 0
1992年 36,682 374 18 0 1 1 15 0 0 0
1993年 34,370 459 16 1 0 3 29 0 0 0
1994年 23,945 345 19 4 3 12 64 0 0 0
1995年 14,302 173 16 3 0 14 68 0 0 0
1996年 8,016 74 73 12 0 29 45 0 0 0
1997年 4,312 23 80 6 2 30 38 0 1 0
1998年 3,179 18 83 18 0 106 14 0 6 0
1999年 2,274 7 91 31 0 170 50 0 3 0
2000年 1,512 14 149 161 7 163 33 2 9 0
2001年(*) 311 6 56 103 102 72 25 64 25 1
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178,164 1,809 647 344 115 602 391 66 34 1
http://niah.naro.affrc.go.jp/disease/bse/count.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
イギリスの狂牛病はようやく下火になってきたようですが、相変
わらず発生数は断然トップです。また、昨年大騒ぎしたフランスで
は、実は以前から発生していたのですね。どうして昨年、急に騒ぎ
だしたのでしょうか。
イギリス以外では、アイルランド、スイス、ポルトガルなどのよ
うに以前から一定の数で発生している国と、ドイツ、スペイン、ベ
ルギーなどのように近年急に発生しだした国があります。遅ればせ
ながら、日本もここに仲間入りしたわけです。
でも、この数字を見る限り、あまり騒ぐとヨーロッパの人に笑わ
れそう。ヨーロッパといえば、こんな話もありました。
--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
【ベルリン4日共同】ドイツ消費者保護・食糧・農業省のスポーク
スマンは4日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対し、価格調
整のため同省が買い上げた牛肉6000トンを、同国に向け発送し
たことを明らかにした。
対象となるのは、狂牛病騒ぎに伴う価格暴落を防ぐため、政府が
買い上げて廃棄処分する予定だった牛肉で、汚染されていない。
牛肉を積んだ貨物船は9月24日にドイツ北西部のウィルヘルム
スハーフェンを出港、11月上旬に北朝鮮の港に到着するとしてい
る。牛肉は世界食糧計画(WFP)を通じ、北朝鮮国内の子供や老
人、病人らに提供される。
http://www.kahoku.co.jp/news_s/20011005KIIAIA33600.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
以前から話は聞いていましたが、やっぱり送り出したようです。
私はやっぱり、ドイツ人は恥知らずだと思います。
肉骨粉はようやく禁止の方向に進みそうですが、こんどは逆に、
牛関連の廃棄物処理が問題になると思います。
日本でも、いったん肉骨粉に加工したあと、買い上げるとかする
んでしょうが、その費用はともかく、あとの処理は心配です。どう
するんでしょうか。
狂牛病の危険性をいっているところは多いのですが、どうしたら
良いか、ということを横浜国大の中西準子さんが発言しています。
http://www.kan.ynu.ac.jp/~nakanisi/index.html
から引用します。
--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
何をするか?
1)農水省は、佐呂間町X家の同居牛と白井市Y家の同居牛の焼却処
分を決めた。焼却の前に、当然検査が入るだろうが、この検査が重
要だと思う。
2)ホクレンの飼料を使った牛の追跡
4〜5歳齢以上の牛の抜き取り調査が必要。
3)全国での抜き取り調査(急げ!)
何らかのかたちで、汚染経路が特定できればいいが、それができな
い時は、現在飼育されている牛の抜き取り調査を大至急行い、それ
から、現在売られている食肉のリスクを推定するしかない。
厚生労働省は、食肉用全牛(30ヶ月齢以上)の試験を言っているが、
それは、こういう事態なら必要だろう。しかし、その前に、抜き取
り調査で現状のリスクを推定しないと、現在すでに加工されてしま
った食肉が売れなくなってしまう。
抜き取り調査の結果によっては、すべての加工された食肉の廃棄と
いうことも考えられるが、その可能性は小さいだろう。
4)外国からの輸入牛の評価
外国からの輸入牛についての何らかの評価と指示が必要。その際、
EUのリスク評価は余りにも一方的なので、独自の判断基準を作ろう。
5)肉骨粉の輸入禁止
これについて、農水省は何回か口にしている。しかし、すでに国内
産がほとんどという結果があり、他国で日本からの牛が輸入禁止に
なっている状況で、これはほとんど意味がない。
では、肉骨粉すべてを禁止するか?これは、全国調査の結果をみて
から決めればいいのではないか。これも、リサイクルの一つなのだ
から。もし続けるなら、製法を変えた方がいい。
序でに言っておきますが(今までも何回も言ってきましたが)、リ
サイクルは危険なことが多いことに留意が必要。ベルギーのPCB
(ダイオキシン)汚染も、リサイクルが原因。狂牛病もしかり。
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
佐呂間町の農家が、ホクレンのエサしかやっていない、と言って
いる以上、ホクレンのエサが怪しいとにらんでいるようですね。
それから、全頭検査より、抜き取り検査を、と言っているのは、
全頭検査というのがこんなのだからです。
--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------
農水省は1日、狂牛病対策として、国内のすべての生きている牛
(約459万頭)を対象に狂牛病の症状の有無を調べた結果、異常
な牛は確認できなかった、と発表した。各都道府県の家畜防疫員が
9月12日から、すべての牛の飼養農家に立ち入り調査を実施して
いた。検査は牛の健康状態などを外見上の所見から調べたもので、
細胞や血液などへの特別な検査は実施していない。
http://www.asahi.com/national/update/1002/002.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------
こんな検査をいくら全頭にしても、意味はありません。それより、
限られた数で良いから、無作為抽出した牛を、きちんとした検査に
かける方が、よっぽど本当のことがわかる、ということです。
まあ、今現在は狂牛病の症状が発見できなかった、というのは、
それはそれでちょっと安心できることではあります。この状態で人
間に被害が出ることはちょっと考えにくいのですが、思わぬところ
から感染した、という事件がないともかぎりません。変な食べ物に
はやっぱり注意が必要ですね。
--〔後記〕--------------------------------------------------
ここしばらく、狂牛病関係の話ばかりになってしまいました。い
ただいたメールも、今回はついにご紹介できなくなってしまいまし
た。
私としては、このメールマガジンではこれで一応完結、というこ
とにしたいと思います。散発例として事態が終息することを願って
やみません。
おっと、100号になっていました。記念号を出すのを忘れてい
ました・・。次回は100号突破記念、ということで、何か記事を
考えます。ご投稿などもよろしくお願いします。
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-100号--------------- e-mail why@kenji.ne.jp -------------
--発行--渡辺--宏------- URL http://www.kenji.ne.jp/food/
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