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--安心!?食べ物情報---Food-Review----------------------------
--------------------------------------10号--2000.01.10------
--〔今週の内容〕--------------------------------------------

     「たらこ」
     「お便り紹介」
     「かまぼこ」

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--〔話題〕--------------------------------------------------

 前に「かずのこ」のことを書きましたが、今回は「たらこ」につ
いて。

 たらこはもちろん、たらの子ですが、普通のたらではなくて、か
まぼこなどの原料になる、「スケソウダラ」の卵です。

 スケソウダラについては、思い出があります。少年時代に、和歌
山県は串本大島の友人の家に遊びに行ったとき、海で泳いでいると
漁船のおじさんが手招きするので行ってみると、大きな魚を一匹、
くれたのです。

 喜んで持って帰ると、おばあさんに「これはスケソといって、誰
も食べない魚だ」と笑われました。焼いてもらいましたが、確かに
美味しくなかったです。

 その美味しくない魚が、冷凍すり身の原料として脚光をあびたわ
けですが、たらこは昔から食べていたようです。

 普通食べるたらこは「塩たらこ」です。塩漬けされるまでに、冷
凍されていた卵を使ったものは、あまり品質が良くなくて、近海で
とれた魚から、卵を取出して、すぐに塩漬け加工したものが良い品
とされています。

 北海道では「さし網漁」という、漁法があって、産卵のために近
海に寄ってくるスケソウダラをとっています。近年はこの漁も不漁
で、浜での卵価もたいへん高くなってきています。

 スケソウダラは遠洋漁業でとれる魚ですので、最近は母船ですぐ
に加工したものが多くなっています。

 たらこは赤く色をつけているものがまだ多いです。塩漬けのとき
に「発色剤」(亜硝酸塩)を使用するのですが、そのあと、赤色の
色素を使ったものも多いようです。

 無着色のものは、茶色くて、見るとすぐにわかります。色が悪い、
と思っている人もありますが、ぜひこのような色のものを選んでく
ださい。

 いいものは「生」で食べてこそおいしいものです。でも、塩漬け
品の場合、衛生管理がいきとどかなくて、細菌数の多いものが多い
のです。一応、生食用としては、1グラムあたり5万個以下、とい
う生菌数の基準があるのですが、これを上回っているものが多いと
思ってください。できれば冷凍のまま販売しているものが安心でき
ると思います。

 よいものは食べたとき、卵の一つぶ一つぶがコリッとした感じが
します。

 安物はちょっとべとっとした感じで、卵の一つぶ一つぶが感じら
れません。このようなものや、古くなったものは、焼いたりして食
べます。我が家では「たらこスパゲティ」をよく食べました。

 昔は無着色のたらこを手に入れるために、加工業者に前渡金をわ
たして、全量買い取ったりして、苦労したのですが、このごろでは
少しずつ、無着色のものも増えてきているようです。

 毛皮を批判している動物愛護系の人に、さなぎを大量に殺してで
きている「絹」はどうなんだ、と茶々を入れているのを聞きました
が、魚の卵を食べる、というのも、億という数の生命の元を食べる
わけですから、罪深いことではあります。

--〔Q&A〕------------------------------------------------

 「安心!?食べ物情報」では、みなさんからの質問を常時受け付け
ています。質問の宛先は

why@kenji.ne.jp

です。いつでもどうぞ。

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 おたよりをいただきました。(改行を変更して引用)

---〔↓引用はじめ〕-----------------------------------------

<意見>:1号に『と殺場』という記載があります。確かに一般的
に『と殺場』と言うことがありますが、あまりにも強烈な表現でも
あり、関係者の間では『と畜場』と表現しています。また、法律用
語としても『と畜場』の方が望ましいです。ちなみに、と畜場法の
第2条で『〜「と畜場」とは、食用に供する目的で獣畜をと殺し、
又は解体するために設置された施設をいう。』と書かれています。
そこで今後は『と畜場』として記載していただきたいと思っていま
す。

---〔↑引用おわり〕-----------------------------------------

 ご指摘のとおりです。お詫びして訂正します。m(__)m

---〔↓引用はじめ〕-----------------------------------------

 ところで、ダイオキシンなどの微量分析ですが、これはかなり大
変な技術です。例えば水中のダイオキシンを分析する場合は、

 分析する水に微量のダイオキシン類似物質(内標と呼ぶ)を加え
る。ガラスフィルターでろ過して、ガラスフィルター付着物から塩
化メチレンという有機溶媒でダイオキシンを抽出。ろ液も塩化メチ
レンで抽出。両方を合わせたのちに、塩化メチレンを蒸発させて濃
縮。濃縮液から、高分子化合物などをカラムで分離して、GCMS
という機械で分析します。あらかじめ、いれておいた内標と検出さ
れたダイオキシンの量比からダイオキシンの量を求めます。

 時間的には非常にうまく行って全部合わせて24時間ぐらいかか
るでしょうか?

 ダイオキシン分析用のGCMSはだいたい3000〜5000万
円ぐらいです。
 
 pgオーダーの分析でしたら1桁ぐらいずれるのは当たり前です。
感覚としては桁があえば分析成功といったところでしょうか?

---〔↑引用おわり〕-----------------------------------------

 これは農薬にかんするホームページ「正しい農薬の知識を身につ
けるページ」

 http://member.nifty.ne.jp/TATEKI/PESTIC/KANKYOU.html"

 を運営されている、たてきさんから。

 「内標」というものを使用するのがポイントですね。この話をき
くと、新聞などで、2〜3倍の数字の違いを大きくとりあげている
のが無意味であるのがよくわかります。

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------
「かまぼこ」その1
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 最近、急速に消費量を減らしているかまぼこですが、その原料に
は変動が見られるようです。

【生魚のすり身】

 最も上等のものは、魚市場で生の魚を仕入れてきて、手でさばい
てすり身を作ります。その作業を見学したことがありますが、20
cmくらいの「グチ」などを、ほんの2〜3の動作で、あっという
間にさばいていきます。どうも1分間に数十匹もさばくようでした。
(タイムを測っておけばよかった・・・)

 さばいて頭と骨、内蔵をとった魚は、水にさらして、臼ですりつ
ぶします。皮などはその途中で、機械的に取り除きます。魚肉のな
かの成分は、たんぱく質以外はほとんど水に溶けて、除去されてし
まいます。このため、すり身は真っ白な色になっていきます。

 この生魚のすり身100%のものは、かなり高価ですが、なんと
いっても美味しいものです。100%でなくても、このようなすり
身を少しでも使用したものは高級品と思って良いです。

【冷凍すり身】

 普通、かまぼこの原料は冷凍のすり身です。主に北洋漁業のスケ
ソウダラのすり身で、冷凍すり身生産の技術が確立されたのは、今
から40年くらい前だったと思います。この技術には、塩を使って
作る「加塩すり身」と塩を使わない「無塩すり身」の2系統があり
ました。

 「無塩」の方には「重合リン酸塩」を使いますので、私たちのと
ころでは、「加塩」の方を使ってもらっていましたが、全体には、
「無塩」の方が圧倒的に優勢でした。

 最近、タイなどの南方から、新しくすり身が輸入されてくるよう
になりました。イトヨリなどの魚を原料に、「加糖」して作るもの
で、以前、リン酸塩不使用のすり身は手配できない、といっていた
近在の業者が、急にできるようになった、と言ってきたのは、この
ような新しいものが入ってきたからです。

 最新の情報では、「トレハロース」という糖の仲間を使って作る
技術も実用化されてきたようで、これからまだまだ変わっていくよ
うです。

 すり身にこのような製造技術が要求されるのは、解凍したあとで
も「かまぼこ」にできるようにするためです。

 「かまぼこ」は魚のすり身を固めたものですが、あの弾力を出す
のは簡単なことではありません。塩を入れてよく練ったすり身を整
形して、加熱すると、たんぱく質が変性して、弾力が出るのですが、
その際にすり身のたんぱく質の性質が問題になります。

 冷凍してもたんぱく質が劣化しないようにするための成分が、塩
であったり、重合リン酸塩、砂糖、ソルビトール、トレハロースと
いろいろなのです。

 冷凍すり身に保存料が使われている、と言っている産直団体があ
ったので、よく聞いてみると、ソルビトールとソルビン酸を混同し
ていたのです。このような話は通常、情報としてはたれ流しになり
ますので、今でも、冷凍すり身に保存料が使われている、と信じて
いる人もいると思います。

 「無添加食品」などを扱っている業界は、比較的このような新し
い情報に弱いところや、一度流布した間違った情報に振りまわされ
ているところがあるのは気になるところです。

【かまぼこの原料】

 すり身の原料としては、いろいろな魚が使われます。私の住んで
いる近くでは、「太刀魚」を使ったものもあります。大阪では「ハ
モ」が人気です。

 イワシからでも、冷凍すり身が作れるそうです。一時、アメリカ
産の冷凍すり身が高騰したとき、実用化されそうな雰囲気だったの
ですが、その後、相場の落ち着きや消費の減退で、見送りになって
いるようです。イワシの漁獲量も最近は少なくなっています。

 それにしても、イワシから真っ白な、タラすり身と見分けのつか
ないものが出来る、ということには本当に驚きました。

 ちくわなども生食用は基本的にかまぼこと同じです。加熱調理用
(おでんに入れたりするもの)には、かなりの量ででんぷんを入れ
ています。(生食用にも、少量入っていることが多い)でんぷんが
少ないと、加熱すると固くなってしまって、美味しくないのです。

 でんぷんの多いものは、生では当然、美味しくありません。

【添加物など】

 魚肉は味の強いものですが、すり身にするとき、たんぱく質以外
の成分はできるだけ洗い流してしまうので、かまぼこにするとき、
調味してやる必要があります。おなじみの化学調味料はここでもよ
く使われています。

 保存料としては、ソルビン酸が使われています。かまぼこは冷蔵
流通していますので、必要がないと思うのですが、メーカーはたと
え冷蔵庫にいれていなくても、賞味期限内の苦情には抵抗できない
ので、こうしている、と言っていました。

 消費者の思いとメーカーの思いはこんな風にすれ違うのですね。

 ソルビン酸は殺菌剤ではなく、保存料です。脂肪酸の一種なので、
細菌はソルビン酸を食べるのですが、そうすると繁殖ができなくな
っていくのだそうです。

 ソルビン酸自体はほとんど毒性のないものなので、別に食べても
問題はないのですが、食べ物は時間がたてばどうせ食べられなくな
るのですから、無駄な使用は控えていきたいものです。

 エネルギー消費の問題はありますが、コールドチェーン(冷蔵流
通・販売)の充実と生産者から消費者までの適正な管理で対応すべ
き問題です。どうせ「賞味期限」がすぐれば、まだ食べられるのに
捨てられてしまう、贅沢な社会なのですから。

--〔後記〕--------------------------------------------------

 新年2回目の配信です。最近、仕事が込んできていますので、当
初の計画どおり、週刊に戻そうと思っています。

 今回も2通のおたよりを紹介しました。最初はいちいち、メール
の発信者に許可を求めていたのですが、今年から、いきなり引用し
ています。

 今後も、「安心!?食べ物情報」あてのメールと判断した場合、該
当部分を公開しますので、よろしくお願いします。(もし公開した
くないときは、その旨、書いておいてください。)

 皆さんからのお便りは励みにもなりますし、実際のメールマガジ
ン作りにも役だっています。これからもよろしくお願いします。

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--発行--渡辺--宏------- URL http://www.kenji.ne.jp/food/
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