安心!?食べ物情報>Q&A>51−100


Q.100 アメリカに住んでいる主婦です。すき焼きなどの食事の場合、 どうしても生卵が欲しくなります。が、サルモネラ菌がこわくてな かなか食べる勇気がでません。温泉卵状態であれば殺菌されている のでしょうか?なんとか半熟状態でもいいので、食べられる方法は ないものでしょうか?教えてください。


A.生卵を食べるのは日本人だけだというのは本当なのでしょうか。 でもすき焼きに生卵はつきものですし、子供のころはご飯に生卵、 というのもよくやりました。

 最近では、旅館の朝食にも、生卵はつかなくなりましたね。

 さて、アメリカ在住ということですが、アメリカでは卵は冷蔵販 売されている、と聞いたことがあります。そちらの店では、冷蔵庫 に入って売られていますか?

 アメリカでは、養鶏場の寡占化が進んでいて、たしかあの広大な 国土で、養鶏場の数は日本より少なかったと思います。

 これらの要素もあって、アメリカの卵は比較的サルモネラ汚染か らは安全ではないか、と思います。

 サルモネラは大腸菌O−157などのように、ごく少数の菌でも 中毒を起こす、というものではありませんので、卵の中で繁殖して、 菌数が増えない限り、食中毒にはなりにくいと思います。実際、サ ルモネラ中毒のほとんどは、家庭ではなく、外食や給食などで起こ っています。

 卵を実際に検査してみると、サルモネラを卵の中から検出する率 はかなり低いのです。1000個に1個、検出されたら、かなり汚 染されていると見た方が良いので、買ってきた卵から、サルモネラ が検出される確率はそんなにありません。また、たとえサルモネラ がいたとしても、繁殖して菌数がふえていなければ、大丈夫です。

 それでも食中毒がよく起こるのは、給食の調理などで、卵を大量 に割って、大きな容器に入れ、加熱するまでに時間がたつと、卵全 体に大繁殖します。こうなれば、集団食中毒は避けられません。

 サルモネラは熱には弱いはずなのですが、卵の中では、卵のたん ぱく質に保護されて、割と熱に耐えるようになるそうです。だから、 大繁殖してしまえば、その後の調理でも、殺菌しきれないのです。 中途半端な加熱より、鮮度と温度の方が決めてになると思います。

 菌数を増やさない工夫としては、

1.新鮮な卵を買う(生産日・消費期限などがわかるものを選ぶ)

2.必ず冷蔵庫で保管

3.食べる直前に冷蔵庫から出して、割ったらすぐに食べる

というところです。

 アメリカ人はたぶん、生卵をほとんど食べないと思いますので、 自分だけ生で食べるのは、気持ち悪いですね。もし、食中毒を起こ したら、生卵を食べるなんて、クレージーだ、などと言われるので しょうか。

 日本だと、かなりの率で生で食べますから、ちゃんとした店で売 っているものなら(できれば冷蔵庫入りで)何となくみんなも食べ ているから、という安心があります。

 そういう意味で、日本人がよく利用している店を探す、というの もありですね。(日本人以外でも、生卵を食べる人たちがいれば同 じです。)

注意して食べれば、そんなに怖くないと私は思います。刺身を食べ る勇気があれば、卵の方も大丈夫です。(たぶん、刺身の方がリス クは大きい)

 生卵も刺身も避ける、というのが賢明なのでしょうが、それでは 日本の食文化としては情けないですよね。


Q.99 最近、良く、「還元水」とか「活性水」と言う言葉を良く聞き ます。水の粒子が細かく、自然の水に近く健康に良いと聞きますが、 「還元水」と「活性水」というのは異なるものですか?また、どの ように体に影響を与えるのでしょうか。


A.インターネットでは、このような「水商売」が花盛りです。

 ものによっていろいろとありますが、基本的には浄水器の仲間の 宣伝です。(天然水を売っているところもあります。)

 さて、よく言われる水のクラスターということですが、これにつ いては、もう一つよくわからない、ということに尽きると思います。

 核磁気共鳴などという、専門的な話もでてきますが、どの程度、 信用できるものなのか、私にはわかりません。

 水というのは、酸素原子1個と水素原子2個の化合物で、分子と してはごく軽いものです。普通、このように軽い分子は、常温では 気体でいるものなのですが、水は不思議なことに、常温で液体です。

 これは水分子が単独で存在しているのではなく、水分子どうしが つながって、大きなかたまりを作っている、というふうに考えられ ます。

 このかたまりをクラスターと呼び、この大きさが水の味とか、生 理的な作用に影響がある、というのが、クラスター理論です。

 わりと真面目に取り組んでいる人もいますし、まったくの嘘とい うわけではありませんが、まだ実証されたものでもないと私は思い ます。特に、蛇口に磁石をとりつけて、その作用で水のクラスター が小さくなる、などというのは、限りなく眉唾物の世界です。

 純粋の水、というものは普通はありませんので、さまざまな不純 物、特に金属イオンなどが水分子と共に、いろんな構造を作ってい る、と考えるのは、矛盾のない考えです。その構造についての、く わしい解明は、まだ取り組みの途上にある、と思います。

 先走って商売に利用するのは、私はあまり感心しませんね。

 次に、「還元水」ですが、これは酸化還元電位で、還元された方 の水、ということなのでしょうか。要するに、電気を通して、酸性 の水とアルカリ性の水を作る、というやつです。

 これは事実としては、これで良いのですが、特に身体に良い、と いう理由がわかりません。普通のミネラル分に富んだ水と、どう違 うのでしょうか。

 その他にも、いろんな「理論」でいろんな水を売っています。 「波動」や「念力」などに近いものについては、申し訳ないのです が、インチキとしか思えません。

 浄水器一般については、以下の〔浄水器〕のページに書きました。


Q.98 フェニルケトン尿症の人がアスパルテームを摂ってはいけない のはなぜですか?


A.フェニルケトン尿症の人って、そばにいらっしゃいますか?私 は見たことがないのですが。

 この病気は、新生児にまれにある、一種の遺伝的な病気です。ア ミノ酸のなかに、フェニルアラニンというものがありますが、この アミノ酸を分解することができないので、分解途中の物質がたまっ てしまう病気だと聞いています。

 今、病院で生まれた赤ちゃんは、この病気かどうかをチェックさ れ、もしフェニルアラニンを代謝できないようなら、フェニルアラ ニンをほとんど含まない乳を与えるようにするそうです。もちろん、 母乳もあげられません。

 必須アミノ酸ですので、まったく0にする、というのではなく、 必要最低量にコントロールする、ということらしいです。

 本当に厳重な管理をするのは、赤ちゃんのうちだけ、ということ ですが、とにかく、その間、普通のたんぱく質を含む食品は食べら れないのです。

 フェニルアラニンというたんぱく質は別に珍しいものではなく、 どの食品にも、たんぱく質が含まれるものであれば、必ず入ってい る、と考えてよいと思います。

 ご質問のアスパルテームはフェニルアラニンとアスパラギン酸の 化合物なので、当然、フェニルケトン尿症の赤ちゃんにはあげられ ませんが、上記のように、これは別に特別なことではありません。 見た目はたんぱく質のように見えませんので、フェニルアラニンを 含んでいることを知らせるため、必ず「L-フェニルアラニン化合物 含有」という表示はしてあります。

 というところが、「アスパルテームがフェニルケトン尿症の人が とってはいけない」理由です。しかしこのことだけをとりあげて騒 ぐようなことではありません。(フェニルケトン尿症の赤ちゃんは、 普通の食事をしてはいけないのですから。)

 つまり、「アスパルテームはフェニルケトン尿症の人に危険だか ら、危険な添加物だ」というのは、嘘を言っているのではないので すが、事物の一面を過大に取り上げて、この添加物のことを悪く言 っているだけだと私は思います。

 私自身はこの添加物の味は嫌いなので、あまりお勧めするわけで はありませんが、普通の人が食べても、別に問題はありません。


Q.97  先日、始めて行ったスーパーで、セセリという鶏肉を見つけま した。焼いて食べた所とても柔らかくおいしかった。セセリとは、 鶏肉のどの部分なんですか?以前、のど肉を食べたことがあり、そ れに似ているようなきもしますが・・・。


A.通常、鶏は内臓を取り除き、そこから精肉をとっていきます。 頭と足は一番先にとり、首をフックにかけて、吊るしておいて解体 します。(足はモミジと呼びます。ちょっとグロですが、食べる人 もいるとか。)

 鶏肉の部位は割と簡単で、モモ・ムネが主な部位です。ササミと いうのは、ちょうど牛や豚のヘレにあたる部分です。それ以外では 手羽(手羽元・手羽先)という肉があり、これは鶏の翼の骨につい ている肉で、普通、骨付きのまま売られています。

 また、キモやスナズリというのもありますが、これは肉ではない ですね。

 残りはいわゆる鶏ガラになるのですが、まだ細かな肉が残ってい ます。

 私の見学した処理場では、その残りの肉を、専門の人がいて、首 のあたりの小さな肉をとっていました。この肉がセセリとか、コニ クとか呼ばれています。せせってとるからセセリ、小さい肉だから コニク、というわけです。

 だから、のど肉と同じと思ってよいと思います。

 おいしい部位なのですが、量が少なく、手間がかかるので、あま りお目にかからない部位です。専門店では普通においてあると思い ます。


Q.96  小麦粉にする過程でふすまが出ますが、そのふすまだけを、購 入したいのですが、(便秘に良いとのこと)宜しくお願いします。


A.ふすまというのは、米のぬかのようなものです。米と違い、小 麦はかなり大規模な工場で製粉されますので、ふすまを販売できる のも、そういう工場だけ、ということになります。

 飼料用などで販売されているようですが、消費者向けの小売り、 というのは聞いたことがないです。

 小麦粉でも、1キログラム100円あまりのものですから、ふす まだとたぶん10円もしないのでしょうが、包装や流通経費は小麦 粉と同じだけかりますから、まず採算はとれません。

 それから、市販のルートにのせるだけの需要もないと思います。

 ということで、工場から直接買いつけるか、飼料用のルートを見 つけるか、ですが、どちらも見込みはほとんどない、と思います。

 また、ぬかと同じく、変質しやすいでしょうから、はっきり言っ て、食用にはむかないと思います。(競馬の馬なんかはよく食べて いますが・・)

ご期待に添えなくて申し訳ありませんが、この程度しかわかりませ ん。 (メールアドレスが間違っていて、メールでお答えできませんでし たので、ここに掲載しています。)


Q.95  水道水に塩素0.1ミリグラム以上となったのはいつ頃でしょ うか?昔は「鉄管ビール」などと称し冬などその侭飲んでおいしか ったと思いますが多分経済成長期期に入ってからではないでしょう か?家庭、工場などから汚れた排水を流したからではないかと思う のですが。


A.水道法ができたのは昭和32年ということですから、1957年で すか。ただ、それ以前にも、都市には水道があり、塩素消毒はされ ていた、と思います。

 世界の都市で、水道水がそのまま飲めるかどうか確かめるため、 残留塩素を調べるとよい、という話ですので、おそらくこれは世界 中で共通のことなのでしょう。

 残留塩素はあくまで微生物による汚染を防ぐためのものですので、 原水がどんなにきれいでも必要です。したがって、川の汚れとは直 接関係はないと思います。

 ただ、水道法以前の時代は、都市部でも、井戸水を使用していた りするのがよくあることでした。今の衛生レベルから考えると、ち ょっとこわいものがありますが、当時はみんな平気だったと思いま す。

 井戸水がだんだんと使用されなくなり、水道に比重が移って行っ た背景には、ご指摘の水の汚染、という問題は確かにあったと思い ます。

 井戸水、氷冷蔵庫、七輪、などというものをかろうじて覚えてい ます。当時、夏になると、大量の蛍が舞っていました。よくタオル やうちわで取りにいったものですが、あれも当時の水質汚染による、 異常発生だった、ということです。水がきれいな時代には少なく、 汚くなりすぎてやっぱり少なくなった、ということですから、ちょ うど良い時代に行き合わせたわけです。

 現在は最悪の時代からはやや持ち直しているのな、と思っていま す。先日、久し振りに蛍の大群を見たせいでしょうか。 (これは人間が放流しているものもあります。)


Q.94  豆腐の凝固剤による凝固メカニズムをおしえてください。


A.豆乳中のたんぱく質を凝固させるのは、金属イオンの働きだと いうことです。2価の金属イオン(カルシウム・マグネシウムなど) にその働きがあります。

 カルシウムの方が働きが安定していて、凝固させやすく、そうい う意味でも、硫酸カルシウムの使用が主流になっているようです。

 マグネシウムも、ちょっと難しいところはあるようですが、凝固 力は変わりない、といいます。

 全体に、カルシウム使用のものの方が、豆乳の濃度も低く、味わ いが足りない、という傾向はあると思います。ただ、京都の老舗で は、淡白な味を強調するため、あえてカルシウムにこだわっている、 という話もありますので、一概には言えないようです。

 グルコノデルタラクトンはちょっと作用のメカニズムが違い、酸 による凝固です。これはグルコノデルタラクトンが加熱するとグル コン酸にかわり、酸性になる、ということを利用しています。

 酸凝固の特徴は、非常になめらかな凝固状態になる、ということ です。もちろん、酸ですので、容器から出して直接口に入れると、 酸っぱいです。水で洗い流せば問題はありませんが。

 生物の組織から、カルシウムイオンを完全に取り除くと、細胞が バラバラになる、という話を聞いたことがあります。筋肉の収縮に も、カルシウムイオンの存在は不可欠だそうです。たんぱく質の凝 固と、こういうことには共通点があるのでしょうが、その辺の詳し いメカニズムについては、よくわかりません。

 化学・生物学関係のサイトで調べてみてください。


Q.93  だんな様が中性脂肪がすっごく高くて、食事制限をしようとお もっています。本人から、夕食には、炭水化物をできるだけ取らな いような食事にしてね!といわれ、どんなものが炭水化物なのか知 りたいです。そして、どんなものを夕食のメニューにすればいいか、 もし、アドバイスしていただけるとうれしいものです。


A.脂肪の値が高いのに、炭水化物を制限するのですね。「たんぱく 質」「糖質」「脂肪」が三大栄養素ですが、「糖質」はまたの名を 「炭水化物」といいます。炭素と水(酸素+水素)がくっついたよ うな、ということなのでしょう。

 また、食品の成分としては、「デンプン」として存在するか、 「糖」として存在するか、というくらいです。

 ご飯を長く噛んでいると、だんだん甘くなってきますが、あれは デンプンが分解されて、糖(この場合は麦芽糖)ができてくるから です。

 このことからも、「デンプン」と「糖類」が栄養の上からは同じ 仲間ということがわかります。

 炭水化物を多く含む食品というのは、「ご飯」「パン」「めん類」 「芋類」などです。

 ただ、これらを少なくして、本当に血液中の中性脂肪が減るのか どうか、私には疑問なんですが・・。


Q.92  こんにちは。今、学校の方で着色料が人間に与える害について 調べています。できれば情報をください。お願いします。


A.着色料も、許可された食品添加物である以上、人間に影響を与 える、というデータを探しても見つからないと思います。

 だって、そんなデータがあって、研究者がみんなそれを認めてい たら、許可されるはずがないからです。

 一部に、こんなに危険だ、などと書いているサイトもありますが、 実際のデータで証明できたわけではありません。

 証明できるようなデータがあれば、それを持って行って、許可を 取り消させるのは簡単なことだからです。

 とりあえず、今許可されている食品添加物については、基本的に 食べても安全だということになっています。

 ただ、必要もないのに使うことはありませんし、危険である、と いうデータがないことが、絶対に安全である、と証明することには なりませんので、「君子危うきに近よらず」で、避けた方が賢明で ある、と私は思っています。

 もし、着色料の危険性を証明するデータを見つけた場合は、ぜひ 連絡してください。私も見てみたいです。


Q.91  ここにこんな質問をするのはどうなのかな?と思いつつ、どう しても気になって仕方がないので質問させてもらいます。

 私は現在妊娠18週(5ヶ月)の妊婦です。先日某メーカー(明 ○乳業)のアイスクリームを購入したのですが、原材料名の所に、 安定剤(増粘多糖類)という文字を見つけてしまいました。

 安定剤と書いてあると何だか恐い?っていうイメージがあって、 市場で売られている物だから大丈夫なんだろうとは思うのですが、 お腹の赤ちゃんに何か影響があるんではないのかと気になって仕方 がないのです。


A.「増粘多糖類」というのは、主に海藻などからとった成分です。 要するに寒天の仲間だと思って間違いありません。

 アイスクリームには普通、「乳化剤」が使われます。これはどち らかというと石けんの仲間で、水と油を混ざりやすくするのに使い ます。グリセリン脂肪酸エステルとか、ショ糖脂肪酸エステルとか、 大豆レシチン(これは天然物です。)なんかを使います。

 ご質問の添加物は、この代りに使われているのだと思います。ど ちらも、安全性は問題ありませんが、感じとしては、海藻抽出物の 方が、安心な気がしますね。

 別に食べる必要がある食べ物ではありませんので、お勧めするわ けではありませんが、商品として売られているアイスクリームに、 このような添加物が使われていない、ということはまずありません ので、心配することはないと思います。


Q.90 こんにちは、私は神奈川県に住んでいるのですが、最近飲み水 について心配になりました。以前は水道水でも沸騰させて蒸発させ ればかなり安全になると聞いていたのですが、ある浄水器のホーム ページで沸騰させるとトリハロメタンが2〜3倍になるという研究 結果が出たと載せられていました。本当でしょうか???教えてく ださい。


A.水道水を沸騰させると、トリハロメタンが一時的に増える、と いうのは本当のようですね。(2〜3倍というのは大げさなようで すが。)

 これは水道水の残留塩素が原因です。一時的には増えますが、沸 騰を続けていけば、こんどはだんだんと減っていきます。

 完全に除去するには長時間沸騰させねばならないのですが、数分 間の沸騰で充分減らすことはできるようです。

 ただ、これはどうもエネルギーの無駄遣いだと思います。

 トリハロメタンを取り除くには、上記の長時間沸騰させる、とい う方法以外に、浄水器を使う、という手があります。現在、インタ ーネットでトリハロメタンを検索すると、ほとんどが浄水器の宣伝 のページですね。

 ただ、浄水器にもいろいろあり、トリハロメタンを取り除けるの は、かなり高価なものになります。簡易なタイプはほぼトリハロメ タンに関しては効果がない、と考えてください。

 高価な浄水器でも、使用とともに除去率は悪くなり、最終的には、 元の水道水よりトリハロメタンが増えてしまう、などということが おこりますので、管理(この場合はカートリッジの交換)が大変で す。

 というようなことで、家庭で完全に取り除くのは難しいようです ね。

 水道水に含まれるトリハロメタンは、リスク要素ではありますが、 すぐに健康被害に結びつく、というような濃度ではありません。一 生涯飲みつづければ、発ガンリスクが少し高くなる、という程度で すので、気にしない、ということでも、別にかまわないと思います。

 とはいえ、それでほっておくのもどうかと思います。最良の選択 は、トリハロメタンを出さないような浄水方法に変えることです。

 トリハロメタンは水道の原水中の有機物と塩素とが反応してでき るものです。水道水には残留塩素といって、蛇口から出た時点で、 塩素が含まれていることが義務づけられています。このために水道 水は細菌に関しては安全な水なのです。

 ただ、この残留塩素のために投入される塩素とは違い、原水中の 有機物を取り除くために、浄水の早い段階で投入される塩素が、ト リハロメタンの原因だそうです。

 原水が充分きれいなときは、このような塩素は必要ありませんの で、トリハロメタンは生成しないと考えられています。

 都市部では、そういうわけにもいきませんので、浄水の方法が 「高度処理」という、新しい方法に変わりつつあります。これはオ ゾンや活性炭などを使用して、より高度な浄水をおこなう方法で、 トリハロメタンに関しても有効だそうです。

 この方法はコストがかかりますので、今まで採用されなかったの ですが、浄水器を買うことを思えば安いものですので、住民として は、水道料金の値上げを認め、高度浄水の導入をすすめる、という 選択肢もあると思います。

 住民の側から、水道料金の値上げを言い出す、というのは何だか 変なようですが、これからの新しい住民運動として、一考の価値は あると思います。

 ということで、トリハロメタンの対処方法としては、

(1)気にしない

(2)高度浄水を導入するよう、行政に働きかける。

(3)コストと手間をかけて、浄水器を使用してみる。

(4)長時間沸騰などのトリハロメタンを減らす方法をとる。

といったところでしょうね。私としては、(1)(2)あたりをお 勧めします。


Q.89  先日、ししゃもを焼こうとしたのですが、よく見ると賞味期限 切れでした。このししゃもは最初から冷凍されたものなので、賞味 期限は関係ないと聞きました。本当に、冷凍物は賞味期限が切れて いても大丈夫なのでしょうか?


A.冷凍魚介類というのは、特に輸入品の場合、冷凍された状態で 輸入されてきます。ダンボール函などに入って輸入されてきた魚介 類を、国内で一旦解凍し、消費者向けの商品に仕立て直します。

 冷凍魚介類の包装に、製造年月日がついている場合、このリパッ クの日付です。賞味期限は、この日付から半年〜1年半くらいの期 間を見て、設定されていると思います。

 冷凍保管の状態もいろいろと変ってきます。

(1)輸入された姿のまま、業務用の冷凍庫で保管

(2)リパックしてから、業務用の冷凍庫で保管

(3)店頭の冷凍庫で保管

(4)購入後、家庭の冷凍庫で保管

(1)の状態では、それこそ何年でも、ほとんど品質は変わりませ ん。これは、リパックするまで、何年たっているかわからない、と いうことでもあります。

(2)もそれに準じます。

 賞味期限は、(3)の状態で保管するとして、考えられています。 実際、商品となってからの大部分の期間は、このような状態で保管 されています。

 家庭の冷凍庫は一段と能力が劣りますので、賞味期限に関わらす、 1ヶ月くらいが限界です。

 賞味期限よりも、購入後の期間の方が、品質に影響があります。 賞味期限は購入するまでの目安にした方が良いと私は思います。

 これは、購入時、期限まで1ヶ月残していれば充分、ということ ですし、家庭で1ヶ月以上、保管したら、賞味期限が残っていても、 多分ダメだろう、ということです。

 また、あくまで冷凍品なので、冷凍状態がそれほど悪くなければ、 賞味期限に関わらず、気にしない人ならば別に何ということはあり ません。

 ご質問の件では、そのししゃもが見た目に変わりないようでした ら、私は食べても良いのではないか、と思います。

 ただし、これ以降はあくまで自己責任になりますので、食べてみ て悪かったからといって、文句を言わないように・・。


Q.88  コーンフレークは 緑黄色野菜などのビタミンが不足してしま うように思えますが 本当に朝食に良いのでしょうか。


A.コーンフレークと牛乳というのは、割と栄養的には優れている、 という評価のようですね。

 栄養の評価というのは難しくて、一食ですべての要素を網羅する、 というのはあまり現実的ではありません。

 朝食がパンとコーヒー、というのと比べると、コーンフレークと 牛乳の方が優れている、といった感じで理解しておけば良いのでは ないか、と私は思っています。

 要するに、こういう評価は絶対的なものではなく、比較的良い、 ということではないでしょうか。

 黄緑色野菜も、栄養的に良い、とされていますが、そればかり食 べていれば、やはり栄養が偏ります。

 バランス良く、バラエティー豊かな食生活をとりあえずの目標と すれば、コーンフレークなんかも、その対象にはなりうるものだと 思います。

 あとは個人の好みでしょうね。


Q.87 ホルモン剤を使うと、どういう効果が出て、どういう害がある のですか?  あと、狂牛病についても教えてください。


A.牛の成長ホルモンはアメリカでは、普通に使われているそうで す。牛肉の生産コストは、飼育期間とその間に食べるエサ代が大き な部分を占めていますが、成長ホルモンを与えることで、飼育期間 の短縮、飼料効率の向上がはかれる、ということのようです。

 害については、アメリカでは当然無害を主張しています。ホルモ ン類は一般に生理活性があるわけですから、牛に使っているホルモ ン剤を人間に投与したら、ちょっと問題があると思います。

 肉の中に残っているような量では、実際問題としては、ほとんど 影響がないでしょうから、あまり心配はありません。

 この問題は、「遺伝子組換え」と同じく、ヨーロッパとアメリカ の農産物輸出競争の争いの道具に使われている、という面が強いと 思います。

 だから、あまり騒ぐこともないとは思いますが、こういうものを どんどん使う、というやり方は、そろそろ反省して、もう少し目先 の利益を追わないやり方に変えていくべきだろう、と私は思います。

狂牛病については、以下のページをごらんください。

http://www.kenji.ne.jp/food/food18/food1810.html


Q.86 食品添加物の食べ合わせで、「ダイエットコーラ(アスパルテ ーム)とハンバーガー(炭水化物)を食べると精神障害になる」と いう記事がありました。本当でしょうか?


A.どうも悪質なデマが多くて困りますね。こういうのは、全部、 真っ赤な嘘だと思って、間違いないです。

 そもそも、「精神障害」というのは,どういうことでしょうか? こういう、実態は不明だけれど、恐ろしげな言葉を使うのが、この 手の嘘を言う人の常套手段です。

(「環境ホルモンで子どもがキレる」などというのも、同類です。)

 ハンバーガーは、少し前は「ミミズが使われている」などと言っ ていました。牛肉だったら良いのかと思っていたら、「牛肉はガン になる」とか、「狂牛病になる」とか言ってきました。こんどは 「炭水化物」ですか・・。

 要するに、こういうことを言う人は、「私はコカコーラもマクド ナルドも嫌いだ」ということを言いたいだけなのだと思います。そ ういっても、誰も聞いてくれないので、こういう、人を驚かすよう な言い方をするわけです。

 つきあうだけ時間の無駄ですので、無視されたほうが良いと、私 は思います。


Q.85 蜂蜜を乳児に与えてはいけないというのはわかったのですが、 授乳中に母親が食べるのはいけないのでしょうか?  あと、国産には抗生物質が検出されたということは、そういうも のを食べると抗生物質を口にしているということで、妊娠中、授乳 中はよくないということなのですか?  外国産のものは抗生物質が検出されてないのですか?


A.乳児ボツリヌス菌症は、ボツリヌス菌が乳児の体内で繁殖する ことでおこります。同じものを大人が食べても大丈夫なのは、普通、 体内ではボツリヌス菌は繁殖できないからです。したがって、母乳 中にボツリヌス菌が出てくることは絶対にありませんので、ご安心 ください。

 蜂蜜にはボツリヌス菌の芽胞が存在していることが多いのですが、 1歳未満の赤ちゃんに直接与えない限り、別に問題はありません。

 抗生物質については、国産の蜂蜜からはよく検出されるというこ とです。輸入のものはどうなのか、といいますと、蜂蜜から抗生物 質が検出されてはいけないことになっていますので、輸入時に検査 を受けているのですね。

 もちろん、生産現場で使用されているかどうかはわかりませんが、 少なくとも、検出限界以下であることは確かと思います。

 同じ基準が国産にも適用されるのですが、国産の蜂蜜で検査を受 けているものはまずないので、実質上は野放し状態です。

 したがって、国産蜂蜜には抗生物質が入っている、と思った方が よいです。

 ある生協で国産蜂蜜を扱っていたのですが、やっぱり抗生物質の 検査もしよう、ということになりました。そこで納入業者は、抗生 物質が検出されないように、輸入の蜂蜜を混ぜて出荷していたのが ばれて、騒ぎになった、ということがありました。

 形式上は業者が約束違反した、ということなのですが、私は実情 を知りながら、国産である、ということと、抗生物質が検出されな いこと、の両方を要求した、生協側がいけなかった、と評価してい ます。

 抗生物質というのは、カビなどが細菌を殺すために作る物質です。 人間などの動物には直接には全く害はありません。ただ、人間の体 内や身体の表面に、多くの細菌が存在し、いわば人間と共生してい る状態になっています。そこで、不用意な抗生物質の摂取は、この 細菌を殺して、バランスをくずす、という問題があります。また、 耐性菌の問題などもあり、通常の食品には抗生物質は検出されては いけないことになっています。

 量的には微量ですし、人間に直接害があるわけではありませんが、 やはり授乳中なんかには、できるだけ摂取しないようにしたいです ね。


Q.84 市販のキムチに「サイリウム入り 食物繊維」とあり 漬け込 み原材料の中に増粘多糖類(サイリウムシード)と表示されていま したが サイリウムは何から作られた、あるいは抽出されたものな のでしょうか。


A.サイリウムというのは私は初耳ですね。それで、調べて見まし たら、以下のようなものだそうです。


サイリウムシードガム
【和名】 サイリウムシードガム(ブロンドサイリウムの種皮から得 られた、多糖類を主成分とするものをいう。)
【英名】 Psyllium seed gum
【和名別名】 サイリウムハスク
【和名簡略名・類別名】 サイリウム
【許可状況】 日本での使用が許可されており、使用に制限がない
【主な用途】 増粘安定剤
【基原・本質・製法】オオバコ科ブロンドサイリウムの種子の外皮 を、粉砕して得られたもの又はこれを温時〜熱時水で抽出して得ら れたものである。主成分は多糖類である。

ということで、増粘多糖類の一種のようですね。まあ、ほとんどの 増粘多糖類は食物繊維でもありますので、積極的に宣伝するのも手 なのでしょう。

こういうことを調べるのは、「食品添加物を調べてみよう」 http://fcg.japan-site.com/additive/index.html などに行くと、簡単にできますので、行ってみてください。


Q.83 「燻液」なるものについてお聞きします。スモークチーズ風味 の食品やスモーク風味のチーズ製品などの原料表示のところに「燻 液」とありました。ものによっては「スモーク」なんとかというカ タカナの名前でしたが、正確なところは忘れてしまいました。

 語感的にちょっと気味が悪いのですが、これらのものは一体どう いうようなものなのでしょうか?名前が違っても成分などは似たよ うなものなのでしょうか?また,それらの成分は,そもそも普通の 製法で作られたスモークチーズに含まれているものなのでしょうか?


A.くん液=スモークフレーバーということのようです。

「くん液(サトウキビ、竹材、トウモロコシ又は木材を燃焼して 発生したガス成分を捕集し、又は乾留して得られたものをいう。)」

ということです。ようするに香料のように使用するのだと思います。 燻製の不足を香料で補う、という感じでしょうか。

 安全性については、製法からもわかるように、特定の物質という わけではありませんので、不明、とした言いようがないでしょうね。

 燻製(スモーク)というのは、本当に木片をいぶして、その煙に あてるわけです。燻製にした食品は日持ちがよくなる、という昔か らの知恵なんですが、その保存性の実態は、結構毒性の強い物質 (たとえばホルマリンとか)が関係している、という話です。

 一つ一つの物質は量的にすくないので、それほど問題ではないの ですが、本当に燻製したものも、危険性はある、ということです。

 フレーバー成分と味や保存性が密接に関係しているわけです。直 接、煙にかける代りに、煙の成分を付けるということですので、本 質的には同じようなものだと思います。どちらの方が安全性が高い かは、よくわかりません。

 味はきっとちゃんと燻製したものの方が美味しいんだと思います が。

 スモークチーズなんかも同様で、ちゃんとしたものは直接燻製し ているのでしょうが、くん液で安直に作った、などというものがあ るのかも知れません。その場合は「スモークフレーバー」使用と表 示しているはずです。

 くん液は、「安全性が確認かれていないが、使用に制限がない」 ということになっています。何だか奇妙ですが、これはくん液を規 制するなら、燻製した食品全部を規制しないとおかしいからだと思 います。

 少しくらい危険があっても、燻製食品がなくなるわけではありま せんから、くん液を使用した食品も、燻製食品と同等の危険性であ るなら、許容範囲としよう、ということです。


Q.82 アルミニウムは安全な容器なのでしょうか。


A.アルミニウムの危険性、というのは、ステンレスの鍋(うんと 高価なやつ)を売っている人達が言っています。だから私はあまり 信用していません。

 アルツハイマーの症状がある人の脳を解剖すると、普通よりアル ミニウムを多く含む、ということが見られるそうです。このことか らの類推で、何らかのアルミニウム化合物がアルツハイマーの原因 物質ではないか、ということを言っているようです。

 この事実は、今のところ、アルツハイマーの原因なのか、結果な のか、よくわかっていないと思います。原因である可能性もあるか も知れませんが、今の時点でアルミニウムは危険だ、ということを 積極的に言うのは、商売がらみでしょうね。

 ステンレスに含まれるニッケルやクロムは安全なのか、などとい うつっこみもありそうです。

 アルミニウムは地球上で最も多い金属です。どこにでも過剰にあ るのに、あまり栄養的には役立たない、というイメージです。アル ミニウムの食器が登場してから、まだあまり経っていませんが、そ のことによって、健康被害が出た、という証拠はどこにもないと思 います。

 鍋では、ステンレスではなく、鉄製のものが、料理中に鉄が溶け てくるため、栄養補給になる、という話があります。鉄分は不足し がちなので、もろの金属イオンでも、利用するんですね。普通、金 属のイオンは、たとえ食物といっしょに体内に入っても、吸収する のがホネなので、あまり利用されていないと思います。

 ということで、アルミニウムについては、安全という保証はどこ にもありませんが、危険というはっきりとした証拠もない、といっ たところです。

 なんだかはっきりしない話ですが、自然界のものの安全性、とい うのは、まあこうしたものです。


Q.81 牛乳の賞味期限について今調べています。家庭で、簡単に調べ る事ができるのか、あったら教えて下さい。それに、保存方法など も。牛乳に関する事でよい資料がありましたら宜しくお願いします。


A.牛乳の賞味期限はだれが決めているかというと、牛乳メーカー の人です。商品としてできあがった牛乳を、一定の条件で保管して、 どれくらいの期間、飲んで大丈夫な状態か、調べています。

 同じ日の牛乳をたくさん保存しておいて、毎日、少しずつ開封し て、細菌検査をしていきます。それをグラフにして、何日目まで大 丈夫かを見るのです。

 普通のUHT(超高温殺菌)の牛乳で、製造日から7〜8日、低 温殺菌牛乳で、5日くらいが普通です。

 これは、10℃くらいで保存して、牛乳の中の細菌数が1ミリリ ットルあたり5万個を超えない、ということを基準にしています。

 5万個、というのは、牛乳として売るとき、これ以上の細菌があ ってはいけない、という基準です。実際には5万個を超えても、別 に腐っているわけではなく、普通に飲めてしまえます。腐っている、 とわかるのは、数億個、というような数になってからです。

 したがって、これくらいの細菌数を調べるには、細菌の培養検査 をしなければなりません。これは専門の設備と知識がいりますので、 家庭で調べるのは無理です。

 自分で飲んでもうだめかな、と感じるときには、もう随分と細菌 が増えています。ちょっとあぶないので、やめたほうがよいと思い ます。

 保存方法は、できるだけ低い温度で保管する、ということです。 凍ってしまってはだめですが、凍らない範囲で、低いほど長持ちし ます。

 5℃以下にしてやれば、賞味期限の倍ほどもつと思いますが、家 庭の冷蔵庫ではそんなに冷えないものです。

 これらはいずれも、開封前の話です。開封後は、賞味期限は適用 されません。開封後はその翌日くらいまでに飲んでしまうようにし ましょう。

 メーカーは資料を持っています。また、生協などでも、詳しい資 料を持っているところが多いと思います。なかなかインターネット で公開するところまではいっていませんので、身近なところで聞い てみるのが良いと思います。

 牛乳については、以下のところに、いろいろな情報があります。

http://group.lin.go.jp/nopla/


Q.80 炭酸カルシウムとか、リン酸塩とかが即席麺の調味料に入って いるのが、どうもよくわからないのですが、これらはなんなのでし ょう?できればとらないほうがいいんですよね?


A.炭酸カルシウムというのは、要するに石灰です。貝殻とか、卵 殻とかの主成分でもあります。

 食品添加物としての用途は「強化剤」「製造用剤」です。カルシ ウム強化のために入れているのではないでしょうから、「製造用剤」 でしょうね。調味料がサラサラの状態でいるために、必要なのでは ないかと思います。

 リン酸塩にはいろんなものがあります。コーラなどの酸味はリン 酸塩が主役です。

 調味料に使っているのでしたら、たぶん酸味料でしょう。ラーメ ンのスープというのは、結構酸味もあります。

 どちらも、毒性としては別に問題はないです。リンについては、 カルシウムとの対比で、取り過ぎは良くない、とされていますが、 調味料に含まれるくらいの量では、別に影響はないと思います。

 問題はインスタントラーメン自体の栄養評価でしょうね。何とな く、「食品添加物のかたまり」のように思われているインスタント ラーメンですが、私はそれよりも、栄養的に問題のある食品だと思 っています。

 いろんなものをバランスよく食べるのが、良いと思うのです。と ころが、インスタントラーメンは、麺とスープだけ、というシンプ ルさなのに、それだけ食べても結構食べられる、ということが問題 です。今時、白い御飯だけをかき込む人はいないと思いますが、イ ンスタントラーメンでは、そういうことが実際におこってしまいま す。

 インスタントラーメン業界に言わせれば、それはインスタントラ ーメン自身のせいではなく、そういう食べ方をする人の責任だとい うことになるのでしょうが、それだけ食べても美味しいと感じる人 も多いですよね。(特に子供は好きです)

 ということで、ご質問の炭酸カルシウム、リン酸塩については、 別に心配ありませんが、いずれにせよ、食べ過ぎというか、食生活 の偏りにはご用心、と私は思います。


Q.79 (家庭で作った堆肥を農家で使ってほしいという申し出に対し て)「私は農家とも相談したうえ、断固それは断ってきました。何 よりも、安全性を保証できないからです。(有効性も)」(前回の メールマガジンの記事より)

 有効性については、塩分など、いろいろ問題あると思っています。 さて、安全性ですが、具体的にどのようなリスク(感染症など?) があるのかご紹介いただけると嬉しいです。


A.あくまで私の個人的な意見なので、参考程度に聞いてください。 やっぱり、感染症、毒物の循環だと思います。

 寄生虫が人糞肥料によって蔓延していたのは、そんなに古いこと ではありません。リサイクルにはこのような危険がつきまとうもの です。

 土壌で病原菌が生き延びることはまずないと思いますが、最近話 題の狂牛病の病原体などは、土壌に排出されてからも、非常に長期 に存在しているようです。

 今では、エサからの感染は止まっていると思いますが、牧場の土 壌が汚染されているところでは、こうした水平感染が実際に起こっ ているという話もあります。

 こういうことは他にも可能性のあることですので、食べ物の生産 に関しては、リサイクルというのはあまり良いことではないと考え ています。

 やっぱり、俗に「どんなものが入っているかも知れない」という 感覚でものを言っているのかもしれませんが、エネルギー的にも、 堆肥を運ぶということはあまり得策とは思えないのです。

 専門家のかたに言うのもなんですが、リサイクルというのは、

(1)安全性の確保

(2)トータルでの投入エネルギーがはっきりと少なくなること

の2点を無視してはいけないものだと思います。


Q.78 ハワイで出会った日系人の方から質問されたのですが、彼女た ちが小さい頃、お葬式があると精進料理が出て、その中に”くろめ” (漢字が私には分かりません。)の煮た物があったそうです。
 その”くろめ”は、ひじきと同じようなものだった。と言ってい ましたが、皆は、”ひじき”と呼ばず、”くろめ”と呼んでいたそ うです。もともとは、広島出身だそうです。また、山口出身の友達 に聞いてみたら、やっぱり”くろめ”の事を知っていて、彼女いわ く、2つは似ているけれども”大きさ”が違うので、同じ海草の違 う場所では??...と、いうことでした。
 私は、東京出身ですが、”くろめ”事体を知りません。どんなも のなのか、どうか教えてください。

A.「くろめ」というのは、私も初耳です。「あらめ」という海藻 があるのですが、どうもそれのような気がします。

 あらめは、ひじきよりやや太い、真っ黒な色をした海藻です。ひ じきとほぼ同じところでとれます。というより、同じところでとっ て、まずあらめを鍋で煮ます。そうすると、煮汁が真っ黒になりま すので、その煮汁でこんどはひじきを煮るのです。

 つまり、ひじきといえば、黒い色をしていますが、あれはひじき の色ではなく、あらめの色をつけているんですね。

 味はひじきの方が美味しいので、あらめはひじきより安く売られ ています。真っ黒なので、「くろめ」という呼び方はなんだかぴっ たりだと思います。

 東京でも、「あらめ」といえば手に入ると思いますので、確かめ てみてください。私の推測ですので、当たっているかどうかは、わ かりません。


Q.77 イギリスに旅行に行きます。それで狂牛病が気になりネットで 情報を集めています。こちらのサイトを拝見してお訊ねしたいので すが、ヨーロッパ旅行はやはり危険なのでしょうか?

 ベジタリアンで通す事も考えていますが、他の肉類、鶏・豚・ダ チョウ等はどうでしょうか?

 文章の最後の方に「豚にも狂牛病をうつすことは実験で成功して います」とありましたが、こちらは何処から情報を得たのでしょう か?また、乳製品は大丈夫でしょうか?乳製品は大丈夫というサイ トもありました。

 色々なサイトを見ていると大丈夫という所もあれば、危険だとい う所もあります。あるサイトでは気にするのは交通事故にあう確率 より少ないという所もありました。まだ分かっていない事も多いと 思いますが、旅行者の視点に立ったものが少ないように思えました。

私事で大変恐縮なのですが、楽しんで旅行したいと思っていますので 何に気をつければいいのかを教えていただければ幸いです。


A.私はヨーロッパへ行く人には、やっかみを込めて、危ないぞ、 などと言っています。

 はっきり言って、私はあまり行きたくない(行けないってば)の ですが、所要があって行く人には、気分の良いものではないですよ ね。

 ご質問の件ですが、まず、

・豚への移行

 これはあの記事を書いたころのニュースで読みました。具体的に は覚えていないので、申し訳ないですが、実験室では成功した、と いうのは本当だと思います。

・鶏肉など

 今、マクドナルドでも、チキンバーガーを宣伝しています。牛か ら鶏へ、かなり需要がシフトしているようですが、これは鳥類は哺 乳類とは関係が浅いので、狂牛病の心配は当分ない、と考えられて いるからです。そういえば、牛・豚・羊は偶蹄類ですので、近縁と 言えます。「種の壁」を越えて伝染する、ということで問題が大き くなっていますが、今のところ、鳥類に伝染する、という証拠はな いと思います。食べるのなら鶏肉!ですか。

・乳製品

 私の読んだ本にも、イギリスの学者が、「乳製品は大丈夫だと思 う」と書いてありました。でも、「もちろん安全だという証拠もな い」そうです。問題のたんぱく質(プリオン)は、乳たんぱく質に は含まれていないので、安全だろう、というのは信用しても良いと は思います。

・交通事故

 これは本当です。世界中で交通事故より死亡者が沢山出たら、そ れこそたいへんです。エイズはそうだったんでしょうが。いまのと ころ、狂牛病は騒ぎの大きさのわりに、まだそんなに犠牲者がでて いるわけではありません。

 問題としては、潜伏期間が非常に長いと思われますので、今後、 どれだけの患者がでるかわからない、という不気味さがあります。

 将来、莫大な数の死者をだした、などということにならないよう に、今のうちに用心しておくに越したことはありません。

 そこで、私の意見は、

(1)不急不用のヨーロッパ旅行は避けたい。

(2)イギリス産の牛肉にはちょっとビビって敬遠する。

(3)ベジタリアンも良いですが、肉類の本場ですから、美味しい ものを食べたいですね。

(4)事故にあったり、ドロボーにあったりする確率の方が高いの で、その用心も怠りなくする。

(5)できるだけ早く帰ってくる。

 というところでしょうか。イギリスにしばらくいると、献血も受 け付けてくれなくなるそうです。

 個人のレベルでは、そんなに心配することはないと思うのですが、 被害の実態のない、「環境ホルモン」などの話と違って、かなり恐 ろしい病気ですので、上記(2)の用心くらいはしておいたほうが 良いと、私は思っています。イギリス以外では、そんなに心配はな いと思います。

 なお、牛の糞などを通じての感染もあり得るそうで、野菜類など も、必ずしも安全ではない、という話もあります。もちろん、真偽 のほどはわかりませんが、牛肉だけを避ければ良い、というもので もないようです。

 脅かしてすみません。お気をつけて、行ってきてください。


Q.76 以前取り上げていたこともあるのですが、食品添加物のソルビ ン酸、ソルビトール、ソルビット。名前は似ているけど違うモノで すよね。名前が似ているのはどうしてなんでしょうか。


A.ソルビトールとソルビットとは同じものだと思います。ブドウ 糖が一つ酸化して、水素が水酸基(−OH)に変わったものですか ら、ソルビトールというのが正しいのだと思います。(水酸基を持 ったものはアルコール類といいますが、アルコール類は、メタン→ メタノールのように、語尾に「オール」がつくのです。)

 ソルビン酸は脂肪酸の仲間ですので、糖アルコールである、ソル ビトールとは違う物質ですが、たしかに、分子式は似たようなとこ ろがあります。名前が似ているのもそのせいかもしれませんね。

 物質的には全く違うのに、名前が似ているので混乱している人が いる、という話は、以前にメールマガジンに書いたとおりです。


Q.75 たんぱく加水分解物についてご質問いたします。

・塩素分解法と酵素分解法の2通りがあると思われますが、包装資 材の原材料一括表示に記載されている場合、区別されず、両方とも たんぱく加水分解物と表示されているのでしょうか?

・動物性、植物性ともに両方の分解法で製品がそれぞれ市場に存在 しているのでしょうか?一般的な商品も紹介していただきたいです。

・塩素分解法には、DCP、MCPが副産物として生成されますが、 動物性、植物性に関わらず発生するのでしょうか?それらの副産物 は体に害を与えますが、酵素分解法は、そういった体に害を与える 物は発生しないのでしょうか?


A.市販の調味料の分類としては、

(A)化学調味料
     (A-1)グルタミン酸ソーダ単体
     (A-2)イノシン酸、グアニル酸などを配合したもの
(B)たんばく加水分解物
     (B-1)塩酸使用のもの
     (B-2)酵素使用のもの
(C)各種エキス類
     (C-1)酵母エキス(ビール酵母など)
     (C-2)こんぶエキスなど
     (C-3)肉エキスなど
という感じです。

 うま味はどれも、たんぱく質が分解してできる、アミノ酸類なので すが、その方法が違うわけです。

 (A)では、醸造や加水分解でできた目的のアミノ酸類を、いっ たん結晶させます。このため、「化学調味料」と呼ばれていますが、 (B)の塩酸分解物より、過激な方法ではありません。(C)も、 煮詰めたりすることで、結局はたんぱく質を分解しているのですが、 効率が劣ります。その分、高価ですが、原料の風味が残りますので、 結構使用していることが多いようです。

 調味料として販売されているものを見れば、だいたいどのような 製法か、わかるようですが、添加物として使用した食品の表示とし ては、「調味料(アミノ酸等)」という表示が一番多いと思います。 どのようなものを使用しているのかは、わかりません。

 原材料というか、どのようなたんぱく質を分解したものか、とい うことも、いろいろとあって、不明としかいいようがないです。

 畜肉・骨やゼラチン、魚肉、植物性のものでは、小麦グルテンや 大豆たんぱくとさまざまです。小麦グルテンはグルタミン酸の量が 飛び抜けて多いので、できた加水分解物にグルタミン酸が多く、味 が良い、などといっていました。

 DCP、MCPは塩素と有機物の反応で、不純物としてできてし まうので、原料のたんぱく質が何であるかは関係ない、と思います。

 また、酵素分解物は酵素を使いますので、DCP、MCPはまっ たくできないはずです。

 ところが、「酵素分解物」という表示のものからも、検出される ことがあるようです。それどころか、上の分類で(C)にあたるは ずのものからも出ることがあります。

 一般向けに販売されているのではなく、専門メーカーから、食品 メーカーへ、という閉鎖された流通をしているものなので、どうも 真相は闇の中、という感じです。

 安全性を言うなら、いっそ(A)の分類の、いわゆる化学調味料 が最も安全なのではないかと私は思っています。複雑なものほど、 何が入っているか、わかりません。

 ただ、DCP、MCPの害自体は、摂取量との関係もありますが、 それほど心配する必要はないと思います。

 よりよい商品、ということで、私たちは、「たんぱく質の塩酸分 解物」を使わない商品を目指していましたし、それはそれで正しい 方針と思っていますが、DCP、MCPを含む食品を食べたとき、 すぐに被害が出る、ということとは違います。

 もし、そうであれば、化学調味料を選択すべきですが、私はやっ ぱり、化学調味料ではなく、もう少し複雑な成分のものを使用して ほしいと思います。

 このような調味料を使用しないで製造するのが理想なのですが、 コスト、生産量などを考えると、なかなか難しいものがあります。 何らかの方法で、消費者がそのような商品を手に入れる努力をして いくしかないでしょうね。


Q.74 この4月から遺伝子組み換え原料の表示が義務づけられました ね。でも、ビール、醤油、油などは表示しなくてもいいそうですね。

 最終製品からの組み換え原料のDNAの検出が困難だし、だいた い入っていたとしても分子レベルに分解されているから問題ない、 という理由からだそうですが(厚生省時代のホームページの記述に よると)、この2つの理由は、正当なんでしょうか?よくわかりま せん。

 2つめについて言えば、たしかに分子レベルに分解されていれば かまわないと思いますが、原料を発酵させたぐらいで、分解される ものなんでしょうか。ご意見をお聞かせください。


A.今回の制度は、今までのように、製造者の善意による表示では なく、検査して真偽をあきらかにできる、ということをポイントに したようです。

 醸造して作る食品では、たんぱく質はアミノ酸・ポリペチプドに、 核酸(DNA)もイノシン酸なんかに分解されますので、確かに検 出は不可能と思います。

 油にはそもそもDNAは含まれませんので、これも同様です。

 遺伝子組み換えの結果、異常が発生するおそれがあるのはたんぱ く質でしょうが、上記の食品にはたんぱく質はそのままの状態で含 まれているわけではないので、論理的にも整合性があると思います。

 今までのやり方だと、使っていればすべて表示、ということにな ったと思いますが、今回はルールを厳しくすることで、逆に範囲外 を作る、ということになっています。

 範囲を限定することで、ルールを厳しく運用する、とも言い換え られますが、これは有機農産物なんかにも共通する考え方で、欧米 風のものですね。

 有機農産物の欧米でのルールは、日本人の常識的な考え方と違っ て、農薬の使用は禁止されていません。日本風のやり方は、すべて 禁止と言ってしまって、あとは運用のサジ加減(実態としては?) ということになりがちなんですが、欧米のルールは、使用できる農 薬を限定し、それ以外の使用は厳しくチェックする、というやり方 になります。

 遺伝子組み換えの件では、珍しく欧米風の条件を出してきました が、これはルールを厳しく運用するためではなく、範囲を狭くする ために、無理やり考えたんだと、私はにらんでいます。

 範囲を狭く限定し、ルールの運用は今までの無限定なルールのと きと同じく、行政のサジ加減、というやつを使って、ルーズにやる に違いないです。

 私はこのような基準を作ること自体、必要があるのかどうか、疑 問に思っています。遺伝子組み換え作物が、結果として、健康被害 をもたらす可能性はありますが、それはすべての新品種でそういう ことがおこる可能性と比べて、有意に高い、とは思えないからです。

 手段としての遺伝子組み換えは、在来の手法よりも過激な手段で すので、作物の中身をより大きく変えてしまい、上記の危険の確率 は上がると思いますが、一方、安全性の審査は、遺伝子組み換え作 物ではかなりされています。

 一般の新品種は、品種の特性については研究しますが、安全性に ついては、ほとんどノーチェックだと思いますので、遺伝子組み換 えの手法を使ったものと、使わない新品種とで、どちらが危険が大 きいかというと、あまり変わらない、要するにどちらも気にするほ どのことはない、と思うのです。

 私は遺伝子組み換え作物の普及には反対しています。その普及を 阻止する手段として、このような表示義務が出てきたと思いますの で、あえて反対する理由はないのですが、消費者の誤解(なんとな くこわい)をあおるやり方は間違っている、と思います。

 業界の方では、「遺伝子組み換え作物不使用」という表示をして みても、売れ行きが良くならなかった、ということで、この問題に 関しては、もうあまりやる気がなくなってきている、という感じで す。

 あとは消費者の選択の問題なのですが、はたしてどうなるのでし ょうか。


Q.73  保存料の有無を調べる検査機器は流通しているのでしょうか?


A.これは意外に難しいと思います。私は見たことはないですね。 まず、「保存料」というもの全てを自動的に検出する、ということ は不可能です。どのようなものが「保存料」として使われているか、 わからないからです。

 農薬検査なんかでも、同じことがいえます。農薬として許可され ていない物質を使った場合、まさかそんなものを使っているとは思 わないので、分析してもなかなかバレない、ということもあるよう です。

 ようするに、検査機器で検査する、という場合、ターゲットとな る物質は、あらかじめ特定されている必要があるのです。

 通常、このような食品添加物の検査は、検査機関に依頼しますが、 依頼するとき、必ず検査する物質を聞かれます。

 このとき申請しなかった物質については、検査結果は感知しませ んので、アッと驚く物質が使われていた場合、気付かないことは大 いにあり得ます。

 分析機器を購入して、自分でやるのも、不可能ではないので、生 協などでも、規模の大きいところでは、自前で検査室を設けたりし ているようです。このような場合、それなりの教育を受けた技術者 を雇用します。

 いずれにせよ、素人に歯が立つ領域ではないと思いますので、専 門家に依頼することになります。

 保健所などの附属機関で、食品検査を受け付けてくれるところは、 ある程度の都市なら、必ずあると思いますので、そこに依頼するの がいちばん簡単と思います。

 1検体、1物質あたりいくら、という料金が普通です。「保存料 を検査してください」というと叱られます。「ソルビン酸とパラオ キシ安息香酸を検査してください。」というふうに頼みます。これ で2物質分の料金になります。

 料金の単価は、公共機関なら安いのですが、このような事情で、 費用は結構かかります。個人的にやる、というものではないでしょ う。

 メーカーなどが、証明用に、検査結果を持ってくることがありま すが、このときは日本食品分析センターとかいうところのものが多 いようです。ここは大変単価が高い、という話でした。

 ガスクロマトグラフィーなどという機器を使うのですが、何度聞 いても、目に見えないどころか、電子顕微鏡でも見えない、極小の 分子を特定し、その量を測る、ということが、どうしてできるのか、 実に不思議なものです。

 専門家にとっては簡単なことなのでしょうが、感覚的にはなかな かついていけないものがありますね。まあ、しかるべき機関の出し た検査結果は信用するしかない、というところです。

 それから、最近は「保存料」なしで、保存効果を高める添加物、 というものもいろいろとあります。中にはソルビン酸より、安全性 の疑わしいものもあるのではないか、という気もしますので、保存 料を使用していない、ということだけでは安心できないと思います。

 検査というのは、メーカーの言っていることが信用できるかどう かの目安として、利用するのが妥当な方法と思います。最初に言い ましたが、悪意をもってインチキすることはいくらでもできますの で、やっぱりメーカーとの信頼関係が一番大切です。

(「ソルビン酸は使っていません」と言っておいて、安息香酸を使 う、などという手口です。私は「化学調味料は使っていません」と 言って、こんぶエキスを使うのも、同罪と思っています。)

 私が仕入れ担当をしていたときには、やはりメーカーの人間を見 ました。偉そうなことをいう人、大げさな表現をする人がだいたい 怪しいです。真面目にやっている人はみんな謙虚で、控えめな言い 方をするものです。


Q.72 パスタに限らず、食品の放射能汚染は10年で解消するようなも のではありません。ヨウ素剤を飲んで一時しのぎをしたあとも、何 万年といった半減期を持つ放射性物質の影響を受けなければならな いのです。国の機関で放射線検知器の貸し出しも行われているよう ですが、食品ひとつひとつに測定結果を表示して販売されるべきで しょう。国内でももちろん放射能汚染食品は発生しうるでしょう。 ワタシは、国内産小麦100パーセントのものしか、スパゲティは 摂取したくありません。


A.こういうことに関しては、個人的な選択の範囲ですので、ヨー ロッパ産のパスタはイヤだ、というのは、それで結構だと思います。

 いくつか誤解があるようですので、少しコメントします。

 まず、国産パスタの原料である、輸入デュラム小麦ですが、これ は主にカナダからの輸入品です。例のチェルノブイリ事件での汚染 でいえば、カナダと日本とは同じようなものですので、放射能汚染 の問題で、カナダ産の小麦をいやがる理由はないと思います。

 放射能の問題ですが、いろいろとある放射性物質の中で、ヨウ素 が特に問題となったのは、放射性ヨウ素の半減期が短く、またヨウ 素が体内(特に甲状腺)に蓄積される性質があるからです。

 放射性ヨウ素の半減期は確か8年くらいだったと思います。半減 期というのは、文字通りその期間で半分の原子が核分裂を起こし、 残りは半分になる期間、ということです。8年で半分ですと、16 年で1/4、24年で1/8、32年で1/16というように減っ ていきます。

 放射性物質には、半減期が非常に長いものがあります。こういう ものは、放射性物質としては安定な原子で、半減期が10万年もあ るようなものは、人が接触するような短い時間では、ほとんど放射 能がない、ということでもあります。

 半減期は、放射性物質の壊れやすさの指標です。半減期の期間が たてば、半分くらいの確率で、この原子は壊れているだろう、とい うことです。放射性物質が放射能を持つ、というのは、この原子が 壊れる(核分裂する)ときに、同時に放射線を出すからなのです。

 逆にいうと、原子が壊れない(核分裂しない)かぎり、その原子 は放射線を出しません。同じ数の原子があっても、元素の種類によ り、壊れやすいもの(半減期が短い)ものほど、放射能が強い、と いうことになります。

 半減期が長いと、放射能として強いように思うのは、全くの誤解 です。人間の健康にとって問題なのは、半減期の短い、すぐに核分 裂を起こす物質なのです。

 ヨウ素は半減期から言って、ヨーロッパの広い範囲で、まだ無視 できる程に減っているわけではないと思います。このことで、ヨー ロッパ産の食品を危険視するのは、ちょっと心配性ですが、根拠と してはあると思います。

 以上を総合して、私はカナダ産のデュラム小麦で作ったパスタを 避ける理由はない、と思っています。国産小麦で作ったパスタを、 美味しいと思えるのであれば、それはそれで結構なことでしょう。

 ヨーロッパ産のデュラム小麦は日本には入っていませんので、ヨ ーロッパで製造されたパスタについてですが、微妙な問題がありま す。私はあえて、安全であるとは言えない、と言っておきます。 (現実には、無視できるほどのリスクなのでしょうが。)


 例によって、ご指摘のメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 放射性ヨウ素の半減期は、8年ではありません。8日です。一昨 年の東海村の臨界事故でも環境に放出された放射能は、主に放射性 ヨウ素でした。半減期は8日ですから、約2ヶ月で1%以下、約3 ヶ月で0.1%以下になります。あの臨界事故は9月末ですから年 末には、仮に食べ物に残っていても無視できる量になっていました。 ところが、茨城産のさつま芋や干し芋は、嫌われてました。半減期 8年ですと、今でもほとんど残っていることになります。

 また、チェルノブイリの事故でも、短期的には放射性ヨウ素が問 題となりました。それに汚染された子供たちに何が起きているのか、 改めて述べる必要もないと思います。長期的にはセシウム137による 汚染です。この放射能は半減期30年です。チェルノブイリの事故 は86年に起きていますから、そのほとんどが残っていることにな ります。事故で放出されたセシウム137は、ガンマ線という放射 線を出して崩壊せずに残っていることになります。

 

「半減期が長いと、放射能として強いように思うのは、全くの誤解 です。人間の健康にとって問題なのは、半減期の短い、すぐに核分 裂を起こす物質なのです。」

 この言い方は単純化しすぎていると思います。プルトニウム24 0の半減期は6600年、プルトニウム239は2万4000年で す。放射性ヨウ素の8日、セシウム137の30年にに較べて長い 半減期です。

 しかしプルトニウムは理論的には約2kgで全人類にガンを起こ させうるほど毒性の強い放射能(放射性物質)です。この強い毒性 は、プルトニウムがアルファー(α)線という放射線を出すからで す。α線は、原子核、中性子2ヶに陽子2ケのヘリウムの原子核が 飛んでくる放射線です。こんなに重い、エネルギーの高いものです から他の物質、例えば遺伝子などにぶつかれば、それを電離し壊す 力が強い。逆に目の前にあっても大気やビニールなどが間にあれば、 そちらと反応して人体には無害です。α線は紙一枚で遮蔽できます。 ちなみに、ビルに設置されている煙探知機には、アメリシウムとい うα線をだす放射能が密閉されて使われています。α線検知器との 間に煙が入ると、α線が煙に吸収され検知数が減りますから、それ で煙が出た、火事と警報する仕組みです。

 つまり、このプルトニウムは微粉末などの形で、呼気や食べ物か ら体内に入り定着した時に、周囲の細胞組織、例えば肺の細胞を傷 つけガンなどを起こす。それが問題なわけです。

 事故が起きて、放射能が出た場合、当初は半減期の短い放射能を 浴びないようにする、放射性ヨウ素を摂取しないようにするために ヨウ素剤を飲んで甲状腺を満杯にしておくなどの対策が有効で必要 です。しかし長期的には半減期の長い、つまり環境中に残留する放 射能から如何に身を守るのかが問題になるのではないでしょうか。

 半減期の長短は、対策の立て方や優先順位には関係するでしょう が、その放射能(放射性物質)の毒性、健康への影響には直接には 関係しないのではないでしょうか。

「人間の健康にとって問題なのは、半減期の短い、すぐに核分裂を 起こす物質」というのは単純化しすぎていると思います。

 

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 8日と8年じゃ、えらい違いです。(8しかあっていない)うろ 覚えで書いちゃだめだってば。m(__)m

 事実関係はこのメールのとおり、ということで、お詫びして訂正 します。

 プルトニウムはここにも書かれているように、放射能による害な のですが、放射能として表示すると、大したことがないようになっ てしまうので、「毒物」扱いされることが多いようです。その辺に 放置してあっても、どうということはないが、食べるとすぐに死に 至る、という点では、毒物というほうが確かにぴったりです。


Q.71 どうして小麦は日本ではあまり作らず、輸入に頼ってるんです か?


A.それは日本は元々、米の国だからです。(^o^)

 米、小麦、トウモロコシが世界の三大穀物です。その中で、米は 水をたくさん必要としますが、最も生産量が多く、米を作っている 地域(主に東〜東南アジア)の人口密度が高いのも、このためだと 言われています。

 米も小麦も作れる土地であれば、迷わず米を選ぶはずです。米の 作れない土地では、小麦を選ぶことになります。日本でも、東〜北 北海道で一部、米が作れないために、小麦を作っているところがあ ります。

 日本産の小麦の生産者価格は、とても高いのですが、それでも米 と比べると、収入は良くないようです。

 米の減反政策の関係で、米を作らなくなった田に、小麦を作った りしていますが、生産量はそれほど多くないと思います。

 自由化にともなって、この価格の逆ざや(生産者価格が消費者価 格よりも高い)が解消されると、国産小麦はなくなってしまうので はないか、と心配されています。

 日本の農家が、生産を続けていくためには、消費者は今の3倍く らいの価格で小麦粉を買う必要があるのですが、はたして、どうな ることやら、です。

 また、品質面でも、国産小麦は輸入小麦に太刀打ちできないので す。

 小麦は小麦粉にして利用しますので、まず製粉会社が買うのです が、国産の小麦は品質があまり良くないので、国が輸入小麦を製粉 会社に割り当てる際に、抱き合わせで押しつけてきた、という実態 があります。

 最近では、国産小麦をありがたがる風潮も生まれてきて、割と楽 になったようですが、以前はこの国産小麦(量は少ないのですが) の消化に、製粉会社は頭を悩ませていました。

 安い小麦粉に、混ぜて売っていたのです。

 小麦には薄力粉を作るもの、強力粉をつくるもの、とタイプがあ ります。薄力粉はお菓子や料理を作るとき使いますし、強力粉はパ ンの原料になります。これらは主にたんぱく質の量と質が違うので すが、国産小麦は薄力粉と強力粉の中間くらいの性質で、どちらに ももう一つ、という感じです。

 昔は国産小麦を「うどん粉」、輸入小麦を「メリケン粉」(アメ リカのことをメリケンといいました。アメリカンがメリケンになっ たのでしょうね。)と言っていましたが、ちょうどうどんを作るの には良かったようです。

 そのうどんも、今はほとんどオーストラリア産小麦になっていま す。有名な讃岐うどんなんかでもそうです。これは、食べ比べてみ るとわかりますが、やっぱりオーストラリア産の方が美味しいから です。

 また、国産小麦で美味しいパンを作るのも、たいへん難しいので す。家庭で焼いて、すぐに食べるなら、まだ食べられますが、商品 として流通させるのはたいへんです。

 この品質の問題は、日本の風土との関係で、今までの関係者の努 力にもかかわらず、なかなか改善されない問題としてあります。外 国の強力粉をつくる小麦を導入しても、同じ品質の小麦はできない んだそうです。

 オーストラリアの他は、主にアメリカ、カナダから輸入されてい ます。アメリカの主産地はミシシッピ川流域ですので、日本に運ん でくるとき、船はパナマ運河を通ってきます。こうしたこともあっ て、「ポストハーベスト(収穫後)農薬」の使用が問題になってい ます。

 北太平洋を通ってくるカナダ産や、比較的距離の近いオーストラ リア産は、このポストハーベスト農薬の心配は少ないと思いますが、 完全に安全とはいえないようです。

 日本では、ポストハーベスト農薬は使用できませんが、栽培時 (プレハーベスト)には農薬を沢山使用しています。農協なんかで、 国産小麦を売り出すために、さかんにキャンペーンをしていますが、 あまり本気にすることもないでしょう。

 ご質問への回答としては、

(1)小麦の収入は米と比べて少ないため、作付け面積が増えない。

(2)価格面で、輸入小麦に太刀打ちできない。

(3)品質的にも、輸入小麦の方が優れている。

といったところです。日本人は米を食べましょう、などといっても 仕方ないのですが、以上の状況は、今後も続いていくと思います。


Q.70 最近、スーパー等でサーモントラウトを鮭と称して販売してい ます。よく調べてみますとサーモントラウトは、虹鱒の仲間であり 鮭とは違います。このような販売しても法律・条例に違反していな いのでしょうか。


A.市場で通用している名前というのは、結構いいかげんなもので す。市場で魚の名前を聞いてきて、図鑑で調べても、まず見当たり ません。

 一般に、市場で通用している名前で、その魚を売る分には、問題 はないようです。

 市場によって、同じ名前でも、微妙に違う魚のことだったりする こともあるようです。

 サーモンは「鮭」トラウトは「鱒」ですので、「鮭鱒」というわ かったようなわからないような名前ですね。

 これは確か輸入の、養殖している鱒の一種で、刺身で食べられる ので、このごろ人気があります。

 天然のサケマス類は、寄生虫があって、刺身にするのは危険なの で、冷凍して「ルイベ」として食べたりしますが、この「サーモン トラウト」というのは、そのまま食べても大丈夫なようです。

 サケとマスの区分は結構あいまいです。上記のような魚種として、 判別できるのであれば、別に問題はないのではないかと思います。


Q.69 友達の家で粟とジャガイモで作ったハンバーグもどきのお焼き を食べて自分でも作ってみて、粟等の穀物に興味がでました。粟に 就いての情報を教えてください。


A.粟のはなしですが、インターネットで検索しても、なかなか出 てこないですね。農林水産省の統計では、雑穀の作付け面積は 38,400haですが、そのうち、37,400haがそばで、残り1,000haで、 「ひえ、きび、あわ」などの雑穀が植えられている、ということで す。

 粟の生産量はごく少ない、ということになります。

 昔、農民は米は領主に取り上げられるので、稗、粟を常食してい た、というように学校で習った覚えがありますが、どうも事情はも う少し複雑なようです。

 私は和歌山県在住なのですが、西南日本では、雑穀類はほとんど 栽培していません。昔も、たぶん同じだと思います。それでは、そ の話はどこのことかというと、やはり東北地方のことのようです。

 関東から北へ行くと、食文化が微妙に違い、いわゆる「粉食」の 文化が優勢になります。東北地方の名物には、雑穀を利用したもの が結構あります。

 これは歴史的に、北方系の文化が強く入っているためで、近畿地 方の朝鮮系、その他西南日本の南方系とはだいぶ様相が違います。

 百姓が稗や粟を食べたのは、米の生産量が低かったから、とも言 えますが、そういう食文化の民俗だった、ということでもあります。

 岩手県軽米町というのは、岩手県の最北部、二戸地方の町ですが、 そこでは雑穀日本一、ということで、雑穀の生産も盛んなようです。

http://www.town.karumai.iwate.jp/index.html

 粟などの雑穀の利点としては、まず気候に左右されにくく、栽培 しやすい、ということがあります。これは実際に確かめたわけでは ありませんが、古来、救荒作物として知られていますので、多分、 そうなのでしょう。

 栄養的にも、穀物としては、炭水化物以外の栄養素を多く持って いるようです。

 ところが、世界中でも、こうした雑穀を主食とする文化は、あま り多くないようです。歴史的には、うんと古い層(何万年も前)に、 このような自然種に近い稲科の作物を利用した、ということがあり、 その後、文化の下の方の層にうずもれていった、ということがある のだと、私は思います。

 では、どうして雑穀を主食にしないのか、というと、やはり生産 量の問題だと思います。最近、雑穀もけっこう人気があって、自然 食品店なんかでは、人気商品になっています。ところが、しばらく 前の話ですが、「国産無農薬」といって売っていた商品が、実は中 国産の、無農薬でも何でもないものだった、というインチキ商品の 事件がありました。

 もちろん、悪意があってやった、詐欺なのですが、その背景には、 雑穀の絶対量が不足している、ということがあげられます。

 軽米町商工会のページで、雑穀の販売をしていました。

http://www.shokokai.com/karumai/html/f09.htm

 それによると、粟は2000円/1kgということです。ちょっとびっく りする値段ですが、生産量から考えると、このようになる、という ことなのでしょう。

 米は反収10俵などといいます。これは1アールあたり、600kgとい うことで、金額にすると、10〜20万円、ということになります。

 1ha(約一町歩)米を作って、粗収入が100〜200万円、というこ とです。サラリーマンの給料に相当する、手取り額はこの半分程度 でしょうから、米専業農家としてやっていけるのは、10町歩以上の 農家だ、ということになります。

 で、粟ですが、農家の手取りを1000円/1kgとし、米と同じくらい の収入になるように設定されていると仮定すると、1反あたり100kg あまり、という収穫量だということになります。

 米は穀物の中でも、特に生産量の多いものなので、比較の上から も、たぶんこんな数字になると思います。要するに、今の日本では、 雑穀類は米の数倍の価格になる、ということなのです。

 また、量の点でも、日本人全体が食べる量など、とても供給でき ません。ちょっと人気が出てくると、上記のインチキ事件が起こる のは、こういった理由だと思います。

 ということで、私の意見としては、粟などの雑穀類は、手に入っ たらありがたくいただいておけば良いのですが、あえてお勧めした り、求めたりするのは考えものである、ということになります。


Q.上の質問の「粟」を「栗」と思って書いてしまったのが、以下 の文です。(老眼がひどいもので・・)


A.栗といえば、今でも、山村に行けば、あちこちに生えています。 話によると、何万年もさかのぼる、最古の栽培植物だったといいま す。

 丹波栗というのが有名ですが、国産では愛媛県が産地になってい ます。量的には、かなり少なく、高価ですので、ほとんどが生で、 果実として販売されています。

 加工用としては、「栗甘露煮」が有名です。おせち料理によく使 われるので、年末にしか売れない商品なんですが、瓶詰めをはじめ、 いろんな商品が製造されています。

 この原料はほとんど、韓国からの輸入品です。韓国は栗の生産量 がずいぶん多いと聞いています。この栗は、産地で一時加工され、 かわむき、加熱、漂白された形で輸入されてきます。

 それを国内で、甘露煮に加工しています。漂白していない栗甘露 煮を手配しようとしたのですが、産地にまで手が届かず、国内加工 時無漂白、ということで妥協せざるを得ませんでした。

 その後、「無漂白」という表示の市販品を見つけたので、調べて もらったのですが、事情は同じようでした。産地で漂白しているこ とを知らなかった、ということです。

 甘露煮に加工した後では、漂白剤は検出できませんので、ウソで はない、ということなのでしょう。

 栗の加工品としては、「甘栗」も人気です。よく「天津甘栗」と いいますが、天津は港町なので、中国産の栗を天津から輸出したの で、この名があるようです。

 中国河北省産の栗を天津から出荷していたのですが、今でも、ほ ぼこのルートのようです。普通は生の栗のまま輸入して、国内で甘 栗に加工しています。

 最近では、中国で加工し、皮をむいた状態のものが人気です。1 個ずつ包装していますので、日持ちもしますし、確かにあれは美味 しいです。

 今まで、できた甘栗を真空パックする、などという工夫で、日持 ちするように考えていたのですが、いっそむいてしまってから、と いうのが、コロンブスの卵的発想でした。

 日本の栗は大粒ですが、甘栗には向いていないんだそうです。や っぱり、日本の栗といえば、栗ごはんです。

 桃栗三年、というように、栗の木は生育が早く、育てやすいもの だそうです。田舎では、崖崩れがあったりしたあとに、植えてやる と、他の木が大きくなるまえに、もう実が成るようになります。

 庭でもあれば、栗の木を育ててみるのも面白いですね。その辺の ことは、私はまったく知りませんので、研究してみてください。


Q.68 我が家では、生協の成分無調整牛乳を好んで飲んでいるのです が、今日牛乳の宅配をされているおじさんが来られて、パック牛乳 は子供に飲ませない方がよいと言われました。パック詰される時に 接着剤を使うからという理由でした。たしかに考えてみれば、パッ ク牛乳をあける時、口がノリのようなものでひっつけてあるなぁと 思い、なるほどという感じでした。

 毎日、それも何年も飲みつづけることで、何か影響があるものな んでしょうか?そのおじさんは、“牛乳を飲むなら瓶の方がよい。 それに低温殺菌のノンホモ牛乳が安全でおいしいよ”とおっしゃっ ていました。以前毎日新聞でも、『低温殺菌牛乳』の安全性につい て何か書いていたようですが、本当のところどうなんでしょうか?


A.まず、パックの接着ですが、あれはヒートシールで、熱で接着 しています。

 牛乳パックは紙でできていますが、紙だけではなくて、いちばん 内側と外側には、プラスチックを貼り付けてあります。

 この内側のポリエチレンを、熱で接着させています。

 したがって、接着剤ということはありません。あまりタチの良く ない嘘だと思います。

 牛乳瓶は今まで、紙のフタを押しつけ、セロファンで被ったもの でした。これでは、落下菌をふせぐことはできますが、空気はほぼ 自由に出入りでき、保存性はとても悪かったのです。

 最近では、キャップに工夫した、新しいタイプのものができてき ています。ずいぶん改善されているようですが、元がひどかったの で、紙パックよりよくなった、というわけではないと思います。

 紙パックと比べて、牛乳瓶が優れている、ということは、少なく とも衛生、安全面からはありません。

 また、低温殺菌牛乳は、良質の牛乳から作っている限り、お勧め できるものです。ただし、質のよくない牛乳から作った低温殺菌牛 乳は、最低です。

 いずれにせよ、細菌はかなり残っていますので、安全面でのリス クはあると理解しておいてください。(賞味期限も短くなります。)

 同じものをつづけて買うからには、産地、製品検査結果くらいは 入手できるものをにしてください。低温殺菌なら、何でも良い、と いうものではありません。

 ホモゲナイジングしない「ノンホモ」は、普通の低温殺菌牛乳よ り、更に原乳に対する衛生管理が求められるものです。ここまでや っているものなら、まず大丈夫とは思いますが、上記の件に関して は、やはり同じです。

 味については、けっこう好みがあります。これは自分の好みで選 ぶしかないでしょうね。

 総じて、この話のおじさんの言っている商品は、そんなに悪いも のではないと思います。産地、製造工程、製品検査結果をきちんと 文書で提示してくれれは、信用しても良いかもしれません。

 ただ、接着剤云々にはひっかかるものがあります。私の経験では、 こういうものいいをする人が、自分の商品について、上記の情報公 開をすることはまずありません。その辺、はっきりしたことは言え ませんので、気になるようでしたら、聞いてみてください。

 私としては、今の紙パックの牛乳から、瓶の牛乳に変える理由は ないと思います。瓶でもかなり良い牛乳を作ることはできるように なってきていますが、紙パックより良い瓶牛乳というものは、見た ことはありません。

 瓶が良い、といっている人もいますが、商売でやっている人は何 でも言いますし、大抵は単なるノスタルジーです。相手にするほど のものではないと思います。


Q.67 マーガリンという製品は、牛乳などに比 べれば、それほど安全性の心配をしなくてもよいものなんでしょう か? 注意する点があるとすれば、どんな点でしょうか?


A.マーガリンはバターの代用品です。ただ、ソフトタイプのもの は、いわゆるスプレッドの一種で、すでに代用品とは言えないもの になっていると思います。

 栄養的には、どちらが良い、ということは別にありません。違う 食品と思ってください。

 バターについては、根強く「動物性脂肪だから良くない」という 偏見をもたれていますが、別に動物性だから良くないという根拠は ありません。牛乳の脂肪は、通常の肉などの脂肪とは、ずいぶん内 容が違いますので、同列にすることはできません。

 マーガリンは健康に良い、というのも、誤解です。マーガリンは 植物性油脂に水素を添加して、本来液体である植物性油脂を、固体 状にしたものです。

 水素添加というのは、不飽和脂肪酸の不飽和結合に水素を加え、 飽和結合にしたものです。

 これで、もとの植物性油脂の特徴である、不飽和脂肪酸がなくな るわけですから、すでに植物性油脂と主張できないものです。

 また、水素添加時に、一部の脂肪酸が、利用できない形に変化す ることも知られています。安全面では、バターの方が無難ではない かと思っています。

 ただ、バターはソフトタイプのマーガリンの代りにはならないと 思いますので、もともと比較しても仕方ないのでしょうね。


Q.66 現在、食品の殺菌は熱によるものが多いと思いますが、殺菌の 対象となる製品のPHや求められる殺菌率、殺菌の対象となる菌な どによってその殺菌条件は異なると思います。

 そこでお聞きしたいのですが、実際に行われているりんごストレ ート果汁の殺菌温度と時間の条件はどのくらいなのでしょうか。ま た濃縮還元リンゴ果汁ではその濃縮の際に熱がかけてあるために殺 菌の条件もストレート果汁に比べてより温和なのでしょうか。


A.難しい話ですね。ストレート果汁は普通、搾汁後、冷凍保存さ れています。瓶詰めする前に殺菌するわけですが、その殺菌工程に ついての詳しいことは、私にはよくわかりません。

 ただ、瓶詰め時には、70℃以上で保持、パックに充填するとき まで、この温度を保つ、「ホットパック」法が通常用いられている、 ということは言えると思います。

 この方法は簡単なわりに、効果があり、ジュース類に保存料を使 用せずにすんでいるのは、このことによるといえます。

 もともと、果汁類はPHが低く、腐敗菌が繁殖することは少ない のです。

 ぶどうジュースをつくるのは、ワインを作るより難しいといわれ ています。ジュース類の腐敗の主な原因は酵母による醗酵です。

 酵母はもともと果物の果皮についていることもあり、果汁の腐敗 防止としては、酵母による醗酵を防ぐことが主な目的となります。

 酵母の繁殖に際しては、アルコール醗酵にともなう二酸化炭素の 発生がありますので、瓶詰め後、一定時間経過後に、ビンを叩いて、 音によってガスの発生の有無を調べたりします。

 ホットパックによって、果汁そのものの殺菌効率は高いのですが、 栓そのものと、瓶の中に残る空気中の酵母が問題となるようです。

 濃縮果汁は製造時には殺菌効果のある温度で加工かれているので しょうが、上記のような理由から、瓶詰め時の環境としては、スト レート果汁のときと本質的には同じだと思います。

 殺菌の方法、保存性など、ストレートと濃縮果汁還元とで、差は ないと思います。


Q.65 レトルト食品について、環境ホルモンの問題はどうなのでしょ うか?レトルト食品は温めるわけですから、その時包材から環境ホ ルモンが、食品に溶け出ていると聞きました。その辺について教え てください。


A.レトルトパウチは中にアルミ箔が入り、両側をプラスチックで コートした材質で作られています。内側はポリエチレンまたはポリ プロピレンだったと思います。

 いずれも、あまり添加物を使うものではありませんし、それ自体 の安全性は充分高いと思います。

 環境ホルモンに関しては、缶詰ないし缶飲料で、内側をエポキシ 樹脂で塗装しているものについては、ビスフェノールAが溶け出し てくる、ということが指摘されています。そちらの方が問題なので すが、レトルトパウチについては、そのような問題は聞いたことが ないです。

 それから、環境ホルモンという問題は、主として自然環境におけ る野生動物への影響について問題になっていまして、人間に対する 健康被害などというレベルの問題ではない、と私は思っています。

 たとえば、ビスフェノールAの女性ホルモン様作用は、大豆の成 分よりはるかに低いものですし、人間の体内にあるホルモンの量と 比べると、全く問題にはなりません。

 そんな微量な作用でも、環境中では、野生動物に影響が出るので はないか、というのは実に興味深い話なのですが、どこで誤解され たか、人間にも被害が出ているかのような話になってしまっていま す。

 こういうことを、消費者に対する脅しとして使う人は後を絶ちま せんが、あまり気にしないようにする方が良いと私は思っています。


Q.64 先日女性週刊誌に妊婦は、鰆、メカジキ、アマダイなどの、近 海魚を食べるなと、アメリカの何か機関が、警告をだしたと書いて ありました。理由は、水銀がこれらの魚に多く蓄積されていて、胎 児の脳などに良くない影響がでるためとの事です。

 先日、実家に帰った時に、妊娠と気づかず鰆の刺身をおなか一杯 食べてしまいました。大丈夫だろうとはもちろん思うのですが、多 少は不安です。


A.ご質問の件は、以下のようなニュースですね。

一方、米食品医薬品局(FDA)は先週、サメやメカジキなど の魚について、メチル水銀の汚染度が高いとして「妊産婦や妊娠 可能な女性、幼児などは食べないほうがいい」との警告を出した。 メチル水銀は、胎児の神経系統の発達に悪影響を及ぼすとされて いる。

 アメリカでは、今、水銀汚染が問題になっているようです。昔の 金採掘時代に使用された水銀だとか、新たな開発によって、水銀が 川の水に溶け出したり、などと原因はいろいろですが、特定の工場 が原因、というのとは違って、なかなかやっかいなもののようです。

 このニュースはFDAのものですので、当然、アメリカの現状を 言っています。日本とは直接関係がないのですが、日本では安全か というと、そうでもないようです。

 日本でも、汚染源は特定できず、主に魚から来ている、というこ とらしいです。どれくらいの危険性かというと、妊娠中に、普通の 日本人の摂取量をとった場合、無視できないくらいの(わずかです が)影響がある、ということが、横浜国立大学の中西先生のサイト に書いてありました。

http://www.kan.ynu.ac.jp/~nakanisi/zak76_80.html#zakkan76

 このように確率で評価されているリスクでは、一度食べた、とい うのはあまり意味がありません。あくまで、期間中の平均というか、 総摂取量との関数ですし、感受性は一様ではありませんから、たく さんとった人にいちばん害が出る、というような関係でもありませ ん。

 したがって、刺身をおなかいっぱい食べたからといって、別に気 にすることはないと思います。

 ただ、リスクはありますので、どうも魚は避けた方がよいのかも しれません。遠洋ものでも、マグロなどは水銀を多く含むようです し、いちいち見分ける方法もないと思います。

 栄養的には高く評価されている魚類ですが、水銀やダイオキシン などの問題では、魚をたくさん食べることはリスク因子である、と いう評価になってきています。

 まことに残念ですが、妊娠期間中は、なるべく魚は少なくした方 が良いようですね。(全く食べるな、という意味ではありません。)


Q.63 『無洗米』についてお聞きしたい事があります。私が利用して いる生協でも、無洗米を取り扱っているのですが、無洗米は本当に 洗わなくても大丈夫なんでしょうか?どういうふうに精米している んでしょうか?普通のお米と味や栄養価に違いはあるのでしょうか? それからうっかり洗ってしまった場合、何か問題はあるのでしょう か?

 味などに違いがない場合、節水の為,環境の為にこの無洗米を利 用するのはいい事かなあと考えています。


A.米をとぐというのは、白米の表面に残っている、ヌカを落とす ことです。とぎ汁が白く濁るのは、このヌカのせいです。

 無洗米というのは、精米するときにこの、少量残っているヌカま で取ってしまうようにしたもので、本当に洗わなくても大丈夫のよ うです。

 精米機のくわしいメカニズムは知りませんが、普通の精米機と違 って、最後の段階でこの僅かに残っているヌカまで取ってしまうよ うになっている、ということです。

 普通の精米機では、米は乾燥された状態で、表面を削られていき ます。無洗米をつくるときは、ヌカを粘り気のある状態にして、よ り多くヌカがとれるようにするため、すこし湿った状態を経過する、 と聞いたことがあります。

 この話は米の精米工場の人に聞いたのですが、その人は自分は頭 が古いので、どうもこのやり方は好きではない、などと言っていま した。

 今までの美味しい米をつくる精米の常識とは、発想の違いがある んだそうです。

 味は別に悪くありません。かえって美味しいという人もいますし、 やっぱり少し違うので好きでない、という人もいるようです。

 また、もう一度洗ったからといって、別に問題になることはない と思います。

 全体の評価としては、環境への負荷が全体として低くなるのは確 かだと思います。

 私も大阪の小さな生協にいましたので、取扱の検討をしていたこ とがあります。その時は産地との関係もあって、見送ったのですが、 同時に少量ずつ、真空パックに詰めたものも検討していました。

 極端な話、毎回、炊飯するたびに1回分の米が入った袋を開ける、 という感じです。

 何と罰あたりな、と思いましたが、味、安全性、環境への負荷で 問題になるのは、実は袋がゴミになる、ということだけだったと思 います。(もちろん割高にはなります。)

 米の消費量がここまで減ってくると、そろそろこういうことも現 実になっていくのかも知れません。無洗米を少量パックにして売る、 という時代がまもなく来るのでしょうね。


Q.62 料理のときによく聞く「灰汁」とは具体的にはどのような成分 なのですか?名のとおり、灰分なのでしょうか???


A.料理のときにいう「灰汁」であれば、アクというものでしょう ね。料理の材料の中には、うま味にプラスな成分もありますが、味 の点ではマイナスの効果をもたらす成分も多いのです。

 うまく、「アク」をとれれば、うま味にはプラスになるというこ とです。

 で、その成分は、主にアルカリ性のミネラル分、ポリフェノール やアルカロイドといった、特有のえぐみをもった有機物なんかだそ うです。

 全体に、アルカリ性のものはえぐみを持っていますので、食べ物 の味を悪くする効果があります。今はやりの、ポリフェノール類な んかも、味で言えば、渋かったり、えぐかったりするものが多いと 思います。お茶のタンニンなどのように、その渋みを賞味する、な どというものもありますが、料理ととき、このようなまずい成分を とりのぞく、というテクニックをよく使うのです。

 また、このような成分はだいたい水溶性ですので、煮汁の中にで てきます。それをうまく取るのが料理上手だとは思うのですが、私 にはよくわかりません。

 私は料理は好きなのですが、アク取りをちゃんとするような、き ちんとした料理方法はよく知りません。何しろ、男の子には家庭科 の授業がなかった時代に育っているもので・・。

 で、私の意見は、世間で言うほど、アク取りなんかしなくても、 そんなに味には影響ない、というのですが、これはさすがに自信の ない意見です。


Q.61 カラギナンは発がん性があると聞いたことがありますが、本当 ですか?摂取していても大丈夫なのでしょうか?


A.この話は以前、ずいぶん調べたんですが、はっきりしませんで した。わかった事実としては、

(1)増粘多糖類の中で、カラギナンだけが潰瘍を発生させたとい うデータがあるらしい。(ガンではありません。)

(2)発ガン性は確認されていない。

 この二つはたぶん間違いないと思います。WHOなどの基準でも、 問題のない添加物に区分されています。

 カラギナンというのは増粘多糖類に分類されています。この他に キサンタンガムとか、グアーガムとか、アルギン酸などがあります。 いずれも海藻などから抽出される、食物繊維の仲間です。

 食品添加物を調べてみよう

http://fcg.japan-site.com/additive/index.html

というサイトから引用します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

和名
カラギナン
(イバラノリ、キリンサイ、ギンナンソウ、スギノリ又はツノマタ の全藻から得られた、ι―カラギナン、κ―カラギナン及びλ―カ ラギナンを主成分とするものをいう。)
英名
Carrageenan
和名別名
カラギーナン、カラゲナン、カラゲーナン、カラゲニン
許可状況
日本での使用が許可されており、使用に制限がない
使用基準
-
主な用途
増粘安定剤
基原・本質・製法
イバラノリ、キリンサイ、ギンナンソウ、スギノリ又はツノマ夕 の全藻から得られた、ι−力ラギナン、κ−カラギナン及びλ−力 ラギナンを主成分とするものである。
EU統一番号
E407
JECFA安全基準
リストA1:安全性の評価が行われ、一日摂取許容量が定められて いるものまたは一日摂取許容量を定める必要がないと考えられてい るもの

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 使用に制限がない、というのは規制の必要がなく、通常の食品と 同等の安全性がある、という意味です。

 もちろん、通常の食品と同等ということは、完全に安全である、 という意味ではありません。

 通常の食品は別に安全性を保証されているわけではないからです。

 ただ、いくらなんでも、発ガン性がある食品がこんな扱いになる わけはありません。

 それで、「カラギナンに発ガン性」ということがどこに書いてあ るかを調べると、渡辺雄二という人の本に書いてあるのです。
(「買ってはいけない」の著者の一人です。)

 たくさん本を書いている人ですが、あっちこっちに同じような話 が書いてあって、しかも、かつての「こういう説もある」が、最近 では、「周知の事実である」というように変わってきています。

 図書館を隅々まで探したのですが、これ以外では見つかりません でしたので、私は渡辺雄二さんが流しているデマだと思っています。

 ということで、この説に関しては、無視してかまわない、という のが私の意見です。

 最近読んだ本に、すこしカラギナンについて書いていましたので、 引用します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

命名とその由来

 アイルランド南海岸のカラギーン地方ではトチャカというツノマ タ属紅藻が生育している。1800年代中期、アイルランドで大飢饉が 起こった。このとき、カラギーン地方の人々はトチャカを料理して 飢えを凌いだ。これが今日でも「聖なるパトリックスープ」として 知られる海藻料理として残っている。このような史実から、トチャ カのことを「カラギーン」と呼ぶようになり、それからとれる粘質 物を「カラギーニン」と呼んだ。その後、この物質が多糖であるこ とがわかり、現在では国際糖質命名規則に従い「カラゲナン(カラ ギーナン)」と呼ばれている。

酵素活性化・阻害因子

 カラゲナン、とくに部分加水分解物はペプシンに対して阻害効果 を示すことから、胃や十二指腸潰瘍の治療薬としての期待が寄せら れたこともあるが、逆にウサギ、マウス、ラット、モルモットでは カラゲナンを与えると腸に潰瘍が生じたとの報告もあるので、投与 する量と期間で作用が異なるものと考えられる。

(「海藻の科学」朝倉書店 より)

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------


Q.60 最近、ほとんどの食べ物に添加物(着色料、香料、保存料・・ ・)が使われてますが、やっぱりこういうものは体に害があるんで すか。あるとしたらどんな害ですか。少し位だったら大丈夫なんで しょうか。私はできるだけ少ないものを選ぶようにしているんです が・・。

 あと、遺伝子組み替え食品というのも体にどんな影響があるのか 教えて欲しいです。コーンフレークとかにも使われてると聞いたこ とがあって、それからは何となく食べなくなりました。


A.食品添加物についてはいろいろな情報が乱れ飛んでいます。

 正確な情報としては、

「MOTTO!食品衛生」http://www1.odn.ne.jp/~cak40870/

の「そんなに危険?食品添加物」というページあたりをご覧くださ い。大学の先生のページで、私の知っている限り、最も信頼できる 情報があります。

 不必要な食品添加物を安易に使う傾向は確かにまだまだ根強いも のがあります。ちょっとした食べ物、たとえば漬物なんかにも、着 色料を使っています。あれは不必要なものの代表だと思うのですが、 メーカー側では、こういう色をつけないと売れない、という思いが あるのです。

 私はこれは思い込みに過ぎない、と思うのですが、メーカーの実 感としては、色付きの方が売れ行きが良い、ということらしいので す。

 実際に、着色せずに売っても、別に売れ行きは落ちないと私は思 うのですが、なかなか難しい問題です。

 こんな実情の中、無添加の食品を製造しているメーカーもたくさ んあります。また、流通業者も、生協や各種の共同購入団体など、 いろんなところで無添加の食品を扱うようになってきました。

 これは良いことだと思うのですが、一部に行き過ぎた宣伝があり、 自分たちの商品が良い、というのをアピールするために、すべての 食品添加物が毒であり、少しでも食べると害があるかのようなデマ 宣伝がまかり通っている、ということがあります。

 人をこんな嘘で脅迫して、自分たちの商品を売るのは、私は詐欺 だと思うのですが、そんなことから、不安を感じている人も多いの です。

 現在、使用されている食品添加物は、実際問題としての被害はほ とんどないと思います。ただ、全くないとは言えませんし、食品添 加物でごまかしたような食品を、わざわざ食べる必要があるとも思 えません。

 こうしたことから、私はできるだけ食品添加物を使用していない 食品を選んでほしいと思いますが、脅迫された不安からそうするの は、ちょっと神経質すぎますね。

 遺伝子組み換え食品というのも、問題は農業分野での独占資本の 登場の問題であり、また環境への影響ということをどう評価するの か、ということだと思います。

 この辺のことは複雑な問題ですので、私もよくわからないものが あります。私としては、できるだけ、こんなものが普及するのはや めさせたい、と思っています。

 巨額の投資を必要とする技術は、その資本を回収する儲け話とセ ットされているはずですので、うっかり乗っかると酷い目にあいそ うですので。

 安全面では、別に心配することはありません。意外かと思います が、種のメーカーが新しい品種を作ったとき、その品種の野菜を食 べても安全かどうか、という検査は実はほとんどされていません。

 食品添加物の毒性については調べても、食品そのもの、とくに生 鮮食品については、安全性の調査はしないのが普通です。明らかに 毒を含んでいる食品を売っても、罰せられるのはフグくらいのもの です。

 そんななか、遺伝子組み換えで作られた作物は例外的にある程度 の安全性の検査を受けています。

 ということで、結論としては、

(1)ウワサされているほど、食品添加物や遺伝子組み替え食品が 危険というわけではありません。

(2)ご自分の判断として、これらを避ける、ということは私は正 しいと思います。

(3)でも、たまに食べたからといって、健康被害があるのではな いか、というような心配はしなくても良いと思います。

というあたりです。


Q.59 Q.本日(1/4)の読売新聞を見ますと、アルカリイオン水にガン の抑制効果があることが分かった。との報道がありました。


A.私は読売新聞は個人的な事情で読んでいません。(野球がらみ ・・)それで、その記事はよくわからないのですが、最近はその手 の話はあちこちで聞きますね。どうも私たちの廻りには、たくさん の発ガン性物質と発ガン抑制物質が入り乱れて存在している、とい うのが本当のところではないかと思っています。

 こういう話は基本的に実験結果ですので、その評価はともかく、 事実としてそういうことがあった、というのはたぶん本当でしょう。

 話はそれますが、今まで大腸ガン予防に効果がある、といわれて きた食物繊維が、実験の結果、そうではなかった、という報道が昨 年ありました。これは大勢の人を食物繊維を多くとるグループと少 なくとるグループにわけて、長い期間の追跡調査で出た結果です。 こういう実験が最も直接的に人間に対する効果を実証できるのです。

 実験をやった人は、当然、「食物繊維が大腸ガン予防に効果があ る」ことを立証するためにやったのですが、予想に反する結果に、 がっかりしていた、ということです。でも、その結果をちゃんと公 表するのですから、えらいものです。

 食物繊維をたくさんとっても、大腸ガンが防げるわけではないこ とはこれでわかりましたが、食物繊維をとること自体は、他の効用 もありますので、また別の問題ということになります。

 さて、アルカリイオン水ですが、水に導電性の物質(塩など)を 少し溶かし、両端に電極を入れ、電圧をかけると、プラス極にはマ イナスイオンが、マイナス極にはプラスイオンが集まってきます。 食塩の場合は、Na+とCl-がそれぞれに多くなります。

 このプラスイオンが多い部分がアルカリイオン水、マイナスイオ ンが多い部分が酸性水ということです。普通の酸やアルカリの水溶 液とは成り立ちが違うのですが、同じように酸性やアルカリ性を示 します。

 食品衛生の世界では、この酸性水の殺菌効果を利用するという試 みがたくさんされています。酸性が強くなると、殺菌効果がありま すが、あまり強い酸は後が大変なのです。ところがこの酸性水の場 合、電気的な偏りがあるだけですので、簡単に中性に戻るので、そ のまま排水できる、という利点があります。

 家庭でも、このような装置が市販されています。そのうたい文句 は、「美味しくて健康に良いアルカリイオン水を飲んで、酸性水は アストリンゼンとして使います。」などと書いています。(実際に できたアルカリイオン水を飲んでみたことがありますが、私はあま り美味しいとは思いませんでした。)

 ご指摘の実験の詳細がわからないのですが、たぶん先の食物繊維 のような実験ではないと思います。アルカリイオン水は不安定な物 質ですので、飲んで体内で効果を発揮する、というようなことはな いと思いますが、特定のイオンをもたらすことはあるのかも知れま せん。

 ガン細胞がアルカリイオン水の存在下では増殖しない、というよ うなことでしたら、アルカリイオンがガン細胞の増殖を防ぐメカニ ズムの追求が待たれます。また、実験動物にアルカリイオン水を飲 ませたところ、普通の水よりガンが少なくなった、ということでし たら、案外有望かもしれません。

 この場合でも、そのメカニズムの追求と、追試などによる事実の 究明が要求されるところでしょう。

 科学者はときとして、研究費の確保などのため、先走った実験結 果の公表をしてしまうこともあります。また、新聞記者は基本的に 科学知識が不足しているため、公表された実験結果を評価する力を 持っていません。したがって、このような情報は、玉石混淆の状態 でたれ流されることになります。

 1回きりの情報だったとしたら、たぶん「石」の方だったのでし ょうし、「玉」の方だったら、何度も繰り返し情報が登場し、だん だんと信憑性が高まってくる、という感じでしょうか。

 いずれにせよ、今後に注目されます、とテレビのキャスターだっ たら言うところです。(とりあえずは大したことのないニュースの 場合、こういうのが常套です。)

また詳しいことがわかったら、教えてください。


Q.58 「海洋深層水」の成分というのはどんなものなのでしょうか?


A.すみません。この質問はヤラセです。私が書きました。という のは、「市民のための環境学ガイド」というページに、深層水の成 分が出ていたのです。以下に引用します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

表 深層水の栄養成分 1000mlあたり
エネルギー 0KCal
たんぱく質 0g
脂質 0g
糖質 0g
ナトリウム 218mg
マグネシウム 24.5mg
カルシウム 7.6mg
カリウム 8.1mg

海水の主成分濃度
(塩分3.5%の海水として)
g/kg
深層水の濃度を50倍
塩素 (Cl-)19.353g
ナトリウム(Na+)10.766g10.90g
硫酸塩(So4 2-)2.708g
マグネシウム(Mg 2+)1.293g1.225g
カルシウム(Ca 2+)0.413g0.380g
カリウム(K+)0.403g0.405g
炭酸塩(Co3 2-)0.142g
臭素(Br-)0.0672g

http://plaza13.mbn.or.jp/~yasui_it/DeepSeaWater.htm より

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この数字が何を意味しているかというと、これはただの海の水を 薄めたものだ、ということです。

 海の水をそのまま飲めません(塩辛いです)ので、塩分を取り除 く必要があります。「逆浸透膜」という方法で海水から水分だけを 取り出す方法があり、すでに実用化されています。

 この方法ですと、実はほとんど純水に近い、蒸留水のような水が 出てきます。それでは「ミネラル豊富」というわけにはいきません ので、おそらくこの処理された水と元の水を、50:1くらいの割 合で混ぜているのだと思います。上の数字はそのことを物語ってい ます。

 塩素や硫酸塩については、知らぬふりを決め込んでいるようです。

 このサイトの主宰者、安井さんの結論は次のようなものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

C先生:まあ、そんなもんだろうな。「海洋深層水」という科学的 迷信を新たに作り出そうとして努力中というところだろう。「海洋 深層水」も魚の養殖などの用途に限って使えば、それは科学的だと いえる。やはり、それを使って市民へ直接売れる付加価値の高い商 品を作ろうということになると、どうしても迷信部分を作る人が現 れるということなのだろう。消費者の科学のレベルが低いことを見 抜いてわざわざやっているのか、それとも、販売する側のレベルが 低いのか。さて、どちらなのだろうか。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 私も全く同感です。


Q.57 近年のアミノ酸調味料といえば、ほとんどがMSGから合成さ れているものと 考えてよいのですか?


A.品質表示で「調味料(アミノ酸)」と書かれているものについ てのことと思います。アミノ酸の調味料にはグルタミン酸ソーダ (MSG)以外にも、いろいろあります。いわゆる「たんぱく質加 水分解物」といわれる一群で、文字通り、たんぱく質をアミノ酸に 分解したものです。

 普通、たんぱく質には味はありませんが、たんぱく質を構成して いるアミノ酸はそれぞれ味をもっています。それで、たんぱく質を 分解したものは、みんな調味料として使えるわけです。

 分解には普通塩酸を使用しますので、どうしても有機塩素化合物 ができてしまいます。このようなものはMSGとは違い、健康被害 があることが確認されています。

 その他に、酵母などを培養したもの、また酵素を使用してたんぱ く質を分解したものなどもあります。ただ、たんぱく質の分解物を 使用しているときは、アミノ酸以外の成分も一定含まれていますの で、「調味料(アミノ酸等)」という表示になると思います。「調 味料(アミノ酸)」と書かれているときは、MSGを単独で使用し ている可能性が強いはずです。

 化学調味料に分類した方が良いと思われる、イノシン酸やグアニ ル酸を使用したときも、これらはアミノ酸ではありませんので、 「調味料(アミノ酸等)」という表示になります。

 一般に、味の本体は原料からもたらされて、それに少量のMSG などを加える場合に、「調味料(アミノ酸)」という表示になり、 いろいろな調味料(食品添加物としての)で味の本体を合成すると きはMSGも使用していますが、結果として「調味料(アミノ酸等)」 という表示になります。

 前者の代表がマヨネーズで、後者がダシの素類です。(インスタ ントラーメンのスープとか)

 ついでながら、いずれの場合も「調合」であって「合成」ではあ りません。MSGは合成されたものでも、人工物でもありませんの で、そのへんは理解しておいたほうが良いと思っています。

 MSGは醸造して作られ、大量に販売されています。普通はMS G単独で販売していますが、中には上記の様々な食品添加物の原料 となってもいるようです。このような場合、食品の製造メーカーで は、MSG以外の調味料を使用していると思っているのですが、中 身には大量のMSGが含まれていたりします。

 また、自然食品などで「昆布エキス使用」というのがよくありま すが、あれには大量のMSGが含まれています。自然食品のダシの 素を分析すると、市販品以上のMSGが入っていたりすることがあ ります。

 メーカーでは、あれは昆布からとったエキスを濃縮した結果、そ うなっていると説明しています。(昆布のダシの主成分はMSGそ のものです。)

 しかし私はこれは相当怪しいとにらんでいます。昆布からとった ものを濃縮したものと、販売されているMSGを使用したものとを 区別する方法は現実にはないからです。

 ということは、MSGをきらって昆布エキスにする、ということ は実は無意味である、ということにもなります。

 MSGが身体に悪いのなら、昆布エキスも必ず悪いはずですから。


Q.56 缶に入ったサラダ油を貰ったのですが、賞味期限が2年位前に 切れているものでした。「缶に入ってるから中身は問題ない」と言 われたのですが、本当にそうなんでしょうか?


A.缶詰にはだいたい3年の賞味期限をつけていますが、実際はほ とんどの缶詰はそれ以上保存しても、何ともありません。

 ところが缶入りの食用油はそれほど長く持たないと思います。た ぶん、1年くらいの賞味期限がつけられているのではないでしょう か。

 ポリ容器などよりは缶入りは確かに長持ちしますが、賞味期限の 設定は無意味につけてあるものでもありません。

 賞味期限を2年も過ぎているものは、使用はやめておいた方が無 難です。自分の責任で使用しても、別に中毒したりはしないと思い ますが、安全ということを考えたら、ここはもったいないですが、 あきらめましょう。


Q.55 海にはなぜ塩が溶けているのですか?子どもに聞かれて、全然 わかりませんでした。


A.これは川の水に溶けている塩類が、長い間にたまってきたもの です。

 川の水は真水と呼ばれていますが、ごくわずかの塩類を含んでい ます。この塩類はどこから来るのかというと、主に岩や土などから 溶けてくるのです。

 地球上の水は、海から水分が蒸発し、大気中で集まって雲を作り、 やがて雨になって降ってきます。海に降った雨はそのままですが、 陸に降った雨は、やがて川となって海に戻ってきます。

 蒸発した時は水分だけが気体になりますが、川の水になって戻っ てくるとき、少しずつ塩類を溶かして帰ってきます。何十億年かの 間に、その塩類がたまってきたので、海の水は塩辛いのです。

 塩辛いのは主に食塩(塩化ナトリウム)ですが、海水中には、そ れ以外の塩分もたくさんあります。金とかウランとか、いろんな元 素まで含んでいるという話もあります。

 最近では、人間の活動の結果としての塩類(肥料や生活排水、工 場排水などからのもの)も無視できない量であるようです。ごく微 量ですが、PCBやダイオキシンなんかも、世界中の海の魚から検 出されています。

 海水を煮詰めると塩分が固体として残ります。いわゆるニガリと いう成分(主に塩化マグネシウムなど)は自分で空気中の水分にと けて、落ちていきますので、海水中よりも塩化ナトリウムの濃度を あげて、塩化ナトリウムを結晶させたものが、いわゆる食塩です。

 塩化ナトリウムの純度をあまりあげると、却って味覚としては美 味しくなくなります。また、純度が低すぎても、食塩としては使え ません。ほどほどの純度に調整したものが、いろいろと市販されて います。

 食塩の原料として、海水からのものとは別に、岩塩というものも あります。これは、大陸内部で、塩水がたまった湖だったところに、 岩塩の地層があって、そこから掘り出されます。

 湖に塩がたまるのは、海水と同じメカニズムです。日本の湖は、 水が流れ出るので、真水のままですが、大陸内部には、海への出口 を持たない湖があり、そんなところでは、海水のように塩類が溜ま っていきます。だんだんと塩分の濃度が濃くなり、やがて地層とし て堆積していく、というわけです。


Q.54 インターネットを通じて、味の素の是非をめぐり、実に多くの 見解があることを知りました。FADやWHOのページも覗いてみました。 安全性が証明されていることは理解したのですが、未だ、いくつか 不安に思う点があります。

> 味の素は一時、石油からの合成法も開発されましたが、コストの 面で問題があり、天然物から発酵によって製造する方法になってい ます。

 石油からの合成法が中止されたのはコスト面の問題だけだったの でしょうか?

 あるページで「合成法によって作られたグルタミン酸ソーダは純 度が低く、極めて高い発ガン性を示す。」と拝見しました。

 また、「現在も合成法が密かに行われ海外に出回っている可能性 がある」とか・・・。

 合成法によるグルタミン酸ソーダは有害なのですか?

 製法が違っても同じ化学式を持つグルタミン酸になるはずですが、 製造方法によって安全性が問題になり得るのでしょうか?もし純度 の問題なのであれば、味の素の純度はどのくらいなのでしょう?

 サモアの味の素は中国から輸入されているもので、形は細長く粒 の大きな結晶です。純度は99%と表示されています。あとの1% は何なのでしょう???

 中国で製造されているMSGは発酵法か合成法かご存じですか? 輸入用に作られているものには不純物が混入しやすいなんてことは ありますか?


A. 石油から合成する方法は、一旦完成したのですが、少し問題 がありました。

 グルタミン酸に限らず、アミノ酸類は光学異性体といって、同じ 化学構造式ですが、立体構造が違うものがあります。右手と左手の ように、同じ構造ですが、鏡でうつしたように、重ならないのです。 D-グルタミン酸とL-グルタミン酸と呼んでいますが、生物を作るア ミノ酸はL型ばかりなので、味のあるのも、L-グルタミン酸だけな のです。

 合成法では、最初はこのD型とL型が同じだけ、できてしまった のです。その後、L型だけを取り出す技術までは確立したらしいで すが、発酵法でははじめからL型だけができてくるため、こちらの 方が効率が良かったという話です。

> 「合成法によって作られたグルタミン酸ソーダは純度が低く、極 めて高い発ガン性を示す。」

 は真っ赤な嘘です。よくこんなデタラメをいうものです。

> 「現在も合成法が密かに行われ海外に出回っている可能性がある」

 これは私には否定も肯定もできません。でも、こういうことに何 か意味があるのか疑問です。なにか怪しげな雰囲気をつくるために、 こういうのでしょうか?

 企業があえてコストのかかる製造装置を維持するとは思えません が。

> 合成法によるグルタミン酸ソーダは有害なのですか?

 グルタミン酸の部分については、全く同じです。

 味の素のグルタミン酸と、昆布のグルタミン酸とでは、物として 違う、などということを書いているマンガがありましたが、違うと いう見解では、有機化学の原理と根本的に対立してしまいます。

 別にだからといって間違っている、ということでもないでしょう が、その立場に立てば、有機化学の知識は全く使えなくなりますの で、困ったことになると思います。

 ただ、人間の作るものに、純度100%ということはあり得ませ んので、不純物の問題が残ります。石油からの合成法では、不純物 は石油由来と考えられますので、やはり食物由来のものの方が良い でしょうね。

 そういう意味で、合成法から発酵法に変わったのは、結果として は良かったと思います。発酵法では、原料は主に砂糖をとったあと のサトウキビの搾汁です。廃糖蜜などといいますが、砂糖にはなら なくても、まだいろんな糖分などが含まれていますので、そこにグ ルタミン酸生成菌を繁殖させるわけです。

 その後、グルタミン酸のみを精製して、純度を上げるのですが、 残った不純物はサトウキビ由来と考えられますので、基本的に食物 ということになります。

 同じように石油からの精製と、発酵と蒸留による精製の2通りの 方法があるエタノール(いわゆるアルコール)では、石油からのも のは工業用アルコール、発酵法のものが醸造用アルコールと使い分 けています。この理由も、エタノールが違うのではなく、製法によ って、不純物が違うためなのです。(エタノールの場合は、石油か らの方がコストが安いようですが、食用目的のために発酵法でも作 られています。)

 以上の理由で、もし選択できるのなら、迷わず発酵法を選ぶと私 は思います。幸い、他の理由で石油からの合成法は使われなくなっ ているので、こういうことに意味があるわけではないのですが。

> 中国から輸入されているもので、形は細長く粒の大きな結晶です。 純度は99%と表示されています。

 不純物については、前述のとおりです。おそらく実際の純度は99 %以上あるのでしょうが、メーカーとしては99%は保証する、とい った意味と思います。結晶も、グルタミン酸ソーダの結晶はおっし ゃるとおりのものですので、ごく普通の味の素だと思います。

 中国でどのような方法で作られているかは知りませんが、企業と して物を生産するのに、コストの問題を避けて通れません。わざわ ざコストのかかる生産方法をとる理由はないと思います。

 製造技術自体はグローバルなものですので、どこでも同じような ものと思うのですが、確かめたわけではありません。

 輸出用として別に作っているかどうかということですが、工場で 使っている味の素は、小麦粉と同じような25キログラム入の紙袋 入りのものです。あれは値段も安く、家庭用より純度は低いように 思います。そういうものはあるかも知れませんね。

 味の素の純度を気にするのなら、砂糖では純度がほぼ100%に なるグラニュー糖などが良いはずです。でも、化学調味料が良くな い、という人はたいてい、白砂糖は良くない、とも言います。

 砂糖などでは、純度の低いものが良い、というのですから、味の 素の純度が低いこと自体は、さほど問題ではないと思います。

> あとの1%は何なのでしょう???

 あとの1%については、わからない、としかいえません。ダイオ キシンがピコグラムの単位なら、どこからでも見つかるように、た った1グラムの物質の中には、想像を絶する種類と量のさまざまな 物質が含まれています。人間の知識は、まだ目の前にあるすべての 物質の化学構造を知る、というところまでは発達していません。

私たちがふだん食べている食物でも、その中に含まれる物質につい て、まだまだ未知の部分が多いのです。食品添加物には安全性の審 査がありますが、食品自身には、安全性の審査はありません。たと えば、あきらかに発癌性のあるワラビを売ることも、食べることも、 別に法律に違反するわけではありません。


Q.53 知り合いに瓶入りの醤油をもらいました。原材料名を見たら、 よくスーパーで買う醤油では見たことのないようなものが書いてあ りました。(甘味料にサッカリンNa、保存料にパラオキシ安息香 酸)何かの本でサッカリンは使用禁止になったと書いてあったよう な気がするのですが・・・(違ってたらすみません)サッカリンと サッカリンNaは別のものなのでしょうか。この醤油、なんとなく 体にあまりよくないようなかんじがします。実際のところどうなの でしょうか?

品名こいくちしょうゆ(新式醸造)
原材料名脱脂加工大豆、小麦、食塩、アミノ酸液、 糖類(砂糖、ぶどう糖)、カラメル色素、 調味料(アミノ酸等)、甘味料(甘草、サッカリンNa) 保存料(パラオキシ安息香酸)

そういえばいつも買うのは本醸造って書いてありました。


A.ご質問の醤油は本醸造の醤油を薄めて、アミノ酸液(たんぱく 質を加水分解したもの)を加え、調味料で味を整えたものです。

 これは今時珍しい、「新式醸造」という醤油です。

 醤油は本来、大豆と小麦を仕込んで、温度管理をしても6ヶ月、 自然の温度だと1年、かかって醸造します。これを本醸造といいま す。(冬はあまり発酵が進まないのです。)

 この間に、大豆のたんぱく質が分解されて、各種アミノ酸になり、 これがうま味のもとになるわけです。新式醸造というのは、たんぱ く質の加水分解して、この醸造工程を省くやり方で、一時、安い醤 油はみんなこれになっていたことがあります。(30年程前の話で す。)

 その後の時代の変化もあって、今では、普通に売られている醤油 はほとんど本醸造に戻りました。スーパーの安売りブランドでも、 本醸造の物が多いと思います。

 こんなものが今でもあるのですねえ、というのが私の実感です。 味を比べればわかりますが、本醸造の醤油と比べると、まろやさの 全然ない、美味しくない醤油になっていると思います。

 サッカリンについては、醤油に関しては1kgあたり 0.5gまでは使 用してよいことになっています。サッカリンは発癌性があるといわ れてきましたが、最近ではこれは否定されているようです。

 新式醸造では色が黒くならないので、カラメル色素で黒くし、甘 味を補うために甘草とサッカリンを使い、化学調味料で味をつくり、 安息香酸でカビを防ぐ、食品添加物が使用できるようになった、50 年前には、近代的と思われていた考え方です。

 今でもこんな作り方で良し、としているメーカーや、こんなもの を売っている流通業者はいったい何を考えているのか、と私は思い ます。はっきり言ってお勧めできるものではありません。


Q.52 最近、気になる話を耳にしたのですが、それは、電子レンジ 調理した食べ物は体に害があると言う話です。電子レンジ用冷凍食 品のことではなくご飯でも野菜でもお菓子でも、電子レンジで加熱 された料理を食べるのは良くないという内容です。電磁波の悪影響 はよく聞く話ですが、それで加熱された「食品」までもが体に害を 及ぼすのでしょうか?


A.これはデマでしょうね。

 電磁波というものに対して、何もかも電磁波で、害がある、など と言い出した人がいるので、このような話になっているのだと思い ます。

 電磁波というのは、電波からX線、γ線まで、いろいろな波長の ものがあります。テレビやラジオの放送や、携帯電話なんかも、電 磁波を使って送られています。

 電磁波は波長によって、いろいろの種類に分けられます。放送な どに使われるのは、電波と呼んでいる波長の長いものです。 (波長が長い=周波数が少ないという関係にあります。)

 光と私たちが呼んでいるものも、可視光線という範囲に入る、波 長の比較的短い電磁波です。その前後に紫外線や赤外線というのも あります。

 電子レンジに使われるのは、マイクロ波というところです。携帯 電話とかに使われる電波と似たようなところですので、携帯電話の マイクロ波効果について、などという話は聞いたことがあります。

 最も波長の短い部分の電磁波は、原子を電離させる力を持ってい ます。これは放射線と呼ばれるものの一部になり、X線やγ線とい うのがこれにあたります。

 γ線などにあたると、原子レベルで影響をうけてしまいますので、 ちょっと心配なのですが、電子レンジで使っているのは、そのよう な部分ではありません。

 電波と水とが摩擦をおこして発熱する、というのは何だか想像し にくい話ですが、その結果、食品が変質するというものではないと 思います。

【補足】

電磁波の身体への影響としては、

(1)ごく波長の短いX線、γ線などの放射線に分類されるもの。

(2)可視光線近辺の電磁波の影響(紫外線、赤外線を含む)。

(3)マイクロ波の加熱効果。

(4)以上より波長の長いいわゆる電波での影響。

といったところがあります。

(1)はきわめて危険なものです。昨年の東海村の事故は、電磁波 ではなく、中性子線が主な原因だったようですが、一定の量をあび ると、必ず影響が出ます。(大量の被爆は死亡に直結します。)

 ガン治療用の放射線は、コバルト60などから出るγ線を利用して いると思います。これも一生の間に決まった量までの照射しかでき ません。

 食品にγ線を照射して、変質を防ぐ方法もあります。食品自体が 放射能をもったりはしないようですが、何もそこまでしなくても、 と思うのは私だけではないと思います。

(2)については、身近なものですし、影響も様々です。紫外線に ついては、最近では害を強調する学者さんが多いですね。日光浴な んかもよくないとか。日焼けサロンは危険じゃないのでしょうか。

(3)はおなじみの電子レンジです。携帯電話も、高出力のものを 長時間、耳元で使用するのは、あまり感心しないそうです。私はで きるだけPHSの方を利用しています。(出力が低いので)

 電子レンジの加熱の原理は、この波長の電磁波が、水と摩擦をお こし、そのために発熱するんだそうです。(1)の放射線とは、作 用の仕方が違うので、食品そのものの変質を心配する必要はありま せん。

(4)については、まだ論争中です。今のところは、電磁波一般に ついて、完全に無害とはいえないが、とりたてて身体に影響すると いうほどではない、というところでしょうか。少なくとも、テレビ の電波や送電線からもれる電波が、紫外線よりも害があることはな いと思います。


Q.51 バナナは安全なのでしょうか?1歳になる息子に、一日に1〜 2本くらい食べさせています。


A.安全ということから言いますと、とりたてて心配することはな いと思います。

 栽培時の農薬、出荷時の防腐処理、輸入時の燻蒸といったところ がバナナの安全性のポイントです。

 農薬については、使用しないにこしたことはないのですが、バナ ナは青いまま輸入してきて、日本で熟成させて黄色くして出荷され ます。この間、時間もかかりますし、いろんな処理もありますので、 残留農薬という点では、あまり心配することはないと思います。

 出荷時には、バナナを洗って、カビが生えないようにする処理を しています。バナナは軸の方から痛んできます。そうすると、きれ いな房にならないので、商品価値が低くなるのです。しばらくおい ても、軸が痛んでこないものは、こうした処理に、農薬のような有 効成分をもった薬品を使っていると思われます。

 輸入時の燻蒸は、バナナそのもののためではなく、害虫の侵入防 止という、防疫上の必要で行われています。これについては、今の ところ、あきらめるしかないでしょう。

 市販のバナナは、どれでも、すぐに健康を害する心配があるとは 思いませんが、バナナにもいろんなブランドがあります。安さや見 掛けのきれいさだけで売っているもの以外にも、上記のような情報 を含めて、栽培から輸入まで、少しでもわかるような売り方をして いるものも、いろいろありますので、いろいろと試してみてはいか がかと思います。