安心!?食べ物情報>Q&A>1−50


Q.50 アンチモンは猛毒だという記述がありました。いろいろ調べた のですが,どうもよくわかりません。

 谷川のそばに井戸を掘ってくみ出した水質検査をしていただきま すと、アンチモンはやはりかなりな量になりました。このあたりは、 鉛や砒素水銀も比較的多いのだそうです。

 分析をしていただいた化学会社の担当の人の話では,この頃アン チモンの含有量が一般的に増えているという話でした。プラスチッ クの硬化剤などに大量に使用されている様子です。

 毒性や浄化方法に関してお教えいただければありがたいと思いま す。谷水をそのまま使用されているご家庭もあるようです。


A.アンチモンで検索したところ、以下のような記述がありました。

http://www.aist.go.jp/NIRE/publica/news-99/99-09-1.htm

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 近年の産業活動の発展と新たな産業の出現により,特異的な環境 汚染が生じています。この環境汚染の改善を目指して,平成5年3 月に水質環境基準が見直され,25項目の要監視項目及びその指針値 が新たに設けられました。この中で重金属類はアンチモン(Sb), モリブデン(Mo),ニッケル(Ni)が指定されています。Sb及びNi については,その生態への毒性が明確でないことから,平成11年2 月に指針値が削除され,指針値の見直しが行われています。この際 の環境基準の見直しにより要監視項目は22項目が指定されています。

 しかし,Sb,Moは水中では多様な化学種として存在し,その存在 形態によって毒性が異なることが指摘されています。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この記述で読む限り、猛毒ということではないようです。ただし これは金属アンチモンのことで、アンチモン化合物には毒性の強い ものもいろいろとあるようです。

 周期律表では砒素の下に出てきますので、砒素に似ているのでし ょうね。

 上記の文はアンチモンなどをゼオライトで吸着して取り除く研究 についてのものです。

 家庭で効果的に重金属を取り除くのは難しいと思います。水道が 利用できるのでしたら、やっぱり井戸水は避けた方が良いのではな いでしょうか。

 谷川の水というのは、もっと怖いですね。危険度はさほど高くな いと思いますので、平気な人は平気なのでしょうが・・。


Q.49 化学調味料は危険ですか?

A.化学調味料というと、いわゆる味の素ですね。味の素は「グル タミン酸ソーダ」ですが、その他にも、「イノシン酸」「グアニル 酸」なども化学調味料といってよいと思います。

 普通、だしなどの味の成分は、たくさんの分子が混じっていて、 特定の分子だけ、ということはないのですが、その中でも、特に味 の強い分子だけを取り出して、結晶させたものを化学調味料と分類 しているようです。

 結晶させたり、純度をあげる工程が化学的なものなので、こう呼 ばれますが、いわゆる化学合成してつくっているわけではなく、原 料は天然物です。味の素は一時、石油からの合成法も開発されまし たが、コストの面で問題があり、天然物から発酵によって製造する 方法になっています。

 安全性という面では、とりたてて問題にするような毒性はありま せん。これはWHO(世界保健機構)などの公式見解です。

 しかし、便利で効果の高いもので、しかも安価ですので、食品製 造の現場では、安易に使い過ぎる傾向があります。良くない原料を 使って、味の方は化学調味料でごまかす、といったものが結構あり ますので、化学調味料を大量に使ったような食品はあまりお勧めで きるものではないと思います。

 家庭でも、食卓に置いて、自分でふりかけて食べるような使い方 はあまり良くないと思います。これは味覚が画一的になり、微妙な 味わいを損なうと心配するからです。

 もちろん、好みの問題もありますので、余計なお世話かも知れま せん。

 この辺のもどかしさがあって、「良心的」な人の中には、化学調 味料には毒性がある、というような脅し文句を言う人がいますが、 これは正しい目的のためにはウソを言っても良い、という思想の現 れで、私はとても良くないことだと思っています。

 私は以上のように、化学調味料について、「毒性の問題はないけ れども、安易に使用しない方が良い」というように思っています。


Q.48 「牛乳および乳製品は、消化も悪く、人間の身体には適さない ため、極力、飲んだり食べたりしないほうが良い」という主旨の本 を読んだのですが、世間一般では、牛乳は健康の必需品ですし、私 自身も30年以上、毎日(多い時は1リットル)飲み続けてきたの で、ちょっと、驚いてます。

 本当でしょうか?


A.これは根拠不明ですね。科学というものは最終的に「事実」を 確定する力はありません。また栄養学という分野でも、まだまだ未 知の部分が大きいので、一見奇異な、このような説を唱える余地は 常にあります。

 また、活字というのは不思議なもので、どんなデタラメでも、真 面目な文章にしたものを活字で読むと、もっともらしく感じるもの です。

 これだけではどういう意味でいっているのかはよくわかりません が、おそらく著者の勝手な思い込みの類と思って間違いないと思い ます。

 どうしてそう思うのかというと、こういう説を認めてしまえば、 何でもアリになってしまうからです。「常識」を楯にとって、新し い説を認めようとしないのは、私の嫌うところなのですが、新奇な 説を唱える方は、その常識にとってかわるだけの覚悟が必要です。

 今まで、あらゆるデータは、牛乳の栄養的な効果を示しています し、害になるといったことも知られていません。神託ではないので すから、そうしたデータを前に、この著者はどういう態度をとるの か、実に疑問です。

 私としては単なるヨタ話として、無視された方が良いと思います。

 この手の話にいちいちつきあっていたら、キリがありませんよ。


 Q&Aで「ポリフェノール」についての質問をいただきました。 とりあえずの返信をしておきましたが、私もあまりよく知らなかっ たことでもあり、ここで補足しておきます。

 まず、フェノールというのはアルコールの親類です。炭化水素は 普通、棒状につながった炭素のまわりに水素が結合したものです。 その一部(末端)の水素が水酸基(−OH)に置き換わったものが アルコールと呼ばれます。

 炭素数2の炭化水素であるエタンがアルコール化すると、エタノ ール(エチルアルコール)になりますが、日常生活でアルコールと いえば、これを指します。毎日お世話になっている、お酒の主成分 です。

 炭化水素のかわりにベンゼン環(おなじみの亀の甲です)に水酸 基ついたものはフェノールと呼ばれます。ベンゼン環のせいでアル コールより反応性が高くなり、アルコールと違って酸性を示すよう になります。日本語では石炭酸と呼ばれます。

 炭化水素に結合した水酸基をアルコール基というように、ベンゼ ンに結合した水酸基をフェノール基と呼びます。一つの分子中にこ のフェノール基を複数もったものを「ポリフェノール」と呼ぶわけ です。(やっとたどりついた・・)

 ベンゼン環は別にひとつに限らず、複雑な化合物内のあちこちに あっても良いのです。食べ物の世界で有名なポリフェノールといえ ば、お茶に含まれるカテキン・タンニン、そばのに含まれるルチン、 大豆のイソフラビン、ブドウ果皮などに含まれるアントシアニン系 の色素などがあります。

 この間に話題になったポリフェノールネタとしては、4、5年前 だったと思いますが、チョコレートの話がありました。チョコレー ト業界と。関連があるのでしょうが、日本でチョコレート学会のよ うなものが開かれ、いろいろとチョコレートの成分についての研究 発表がありました。

 私はその時、チョコレートの実際のカロリーは今まで考えられて いたよりも少なく、半分くらいしかない、という話に一番興味があ ったのですが、世間ではポリフェノール類の薬理作用に注目が集ま ったようでした。

 カカオ豆はポリフェノールをとてもたくさん含んでいるらしいの です。その次に話題になったのは、赤ワインのポリフェノールです。

 なぜ、ワイン全部ではなく、赤ワインかということは、ここまで 読んでいただいた人は想像がつくと思います。要するに、ここで話 題になっているポリフェノールというのは、ブドウ果皮に含まれる 色素のことなのです。

 最近、紫キャベツか何かの色素にガンを抑える作用がある、とい う研究論文が発表され、天然色素のメーカーが喜んでいましたが、 これも同様のポリフェノールでしょう。

 で、赤ワインにまつわる話に必ずついてくるのが「フレンチパラ ドックス」というやつです。

 同じような食生活を送っているヨーロッパの近隣諸国の中で、フ ランス人は心臓疾患の罹患率が有意に少なく、その原因はフランス 人がたくさん飲んでいる赤ワインにある、といったような話です。

 要するに、毎日フランス料理を食べていたら、コレステロールが たまって心臓病になりそうなものなのに、赤ワインのおかげでそれ ほどでもない、という話になるわけです。

 この話自身は反論は聞いた事がないので、たぶん本当なのでしょ う。でも、毎日フランス料理を食べているわけでも、浴びるように 酒を飲んでいるわけでもない私のようなものにとっては、あまり係 ないように思うのですが・・。

 私は偏見を込めて、ソーセージでビールを飲むより、チーズでワ インを飲む方が身体に良いのか、と勝手に納得しています。

 このように、一つの物質というか、特定の分子について、その生 理的な作用を調べるという研究は、実ははじまったばかりです。こ れからも、様々な物質の薬理作用や、あるいは毒性が報告され、そ のたびにある食べ物が注目されたりするでしょう。

 こうした知見の積み重ねがやがて新しい栄養学の体系となってい くのだとは思いますが、あまり細々とした情報に振り回されても、 つまらないと私は思います。


Q.47 最近、「○○にはポリフェノールが含まれています」というよ うな宣伝文をみかけます。「体に良いもの」というような雰囲気で 書かれています。さて、ここで気になったのですが、ナス・ごぼう ・レンコンなどの「あく」です。何かで読んだのですが、ごぼうや ナスのアクには、ポリフェノールという成分が含まれているとのこ と。すると、せっせと野菜のアク取りをしつつ、「ポリフェノール 含有食品(?)」を買い込むのはすごくマヌケなことのような気がし ます。

 お伺いしたいのは、

1.ごぼうなどのアクには「ポリフェノール」が本当に含まれている のか。それは巷でよく云われる「ポリフェノール」と同じものなの か。

2.そもそも「ポリフェノール」とは、どんな物質なのでしょうか (不勉強ですみません、、)

3.野菜のあく抜きって、本当に必要なのでしょうか?(レンコンを 酢水に浸けるのは、見た目を重視する「料亭料理」の習慣が家庭に 普及したと聞いたことがありますが)


A.ポリフェノールで検索してみると、以下のサイトに説明があり ました。

http://www.iri.pref.ehime.jp/iri/sodan/q-a/q_sub.htm#shokuhin

それによると、

(1)ポリフェノールというのは総称ですので、アクの本体となっ ているものも、巷で話題のものも、ポリフェノールには違いないよ うです。

(2)ベンゼン環(亀の甲)に水酸基(OH)がついたのがフェノ ールだったと思います。ポリというのはこの水酸基の部分がたくさ んあるもの、という意味だそうです。亀の甲の部分にもいろんなバ リエーションがありますので、種類は無数にありそうです。上記の サイトでは、

「種類を大別しますと、タンニン、フラボノイド系のカテキン、イ ソフラボン、ルチン、アントシアニン系のアントシアン等がありま す。」と書いてあります。

(3)アク抜きというのは、伝統的な調理上の知恵であると思いま す。ご指摘のレンコンの場合なんかは、不要のような気もしますが、 一般的には、アク抜きをするのが普通のものは、しておいた方が無 難と思います。

味覚と安全性、有用性は案外関係があります。科学的に解明されて いなくても、美味しい成分は安全・有用であり、美味しくない成分 は害があるか、不要なものであることが多いと思います。

良薬は口に苦しといいますが、薬というのは毒の一種という面もあ りますので、常時食べるようなものでないことを教えてくれている のだと思います。


Q.46 質問ですが賞味期限とは、開封しない状況で、指定の保存方法 をとったときに大丈夫な期間と捕らえているのですが、開封しても 賞味期限まで大丈夫な食品とかは、あるのでしょうか???


A.これはないですね。

 賞味期限というのは、メーカーが購買者に対して、品質を保証す る期限です。本来は購入した時点でメーカーの責任はなくなりそう なものですが、購入後も、開封するまでは一応保証期間とされてい るようです。

 開封前でも、保存状態によって、品質には差がでてきます。冷凍 物を解凍してしまったり、冷蔵が必要なものを常温で放置したり、 乾物を日のあたる場所においたり、と失敗はいろいろあります。

 マヨネーズを開封前に冷蔵庫に入れておいて、冷やし過ぎでダメ にしてしまう、というようなこともあります。

 これらは全て消費者=その時点での管理者の責任ですので、メー カーに苦情を言う筋合いではないと思うのですが、実際にはそうい う苦情も多いそうで、不要な保存料の添加などは、実はこうした圧 力がさせている、という面があります。

 スーパーなんかでも、特売の牛乳を冷蔵ショーケースの前に積ん であったりする店もあります。こんな扱いをされたものの賞味期限 はもう信用できないですね。

 開封後は賞味期限のことはきれいに忘れてください。

 それでは開封後はどれだけもつのか?ということですが、これは 自分で判断するしかないです。

 メーカーの検査でも、「官能検査」という項目があります。これ は見た目、匂い、味などで異常を感知するものです。人間の感覚は 結構あてになりますので、普通に使っていて、異常を感じなければ、 別に日にちを気にすることはありません。

 日がたつと、だんだんと美味しくなくなってきます。この美味し くなくなる過程が腐敗に至る過程と同じと考え、美味しくなくなっ てきたら、食べないようにしたら良いと思います。

 最近は卵にも賞味期限を表示しています。この期限を過ぎても、 割って異常なければ食べられるのですが、生で食べてはいけません。 これは食中毒の原因となるサルモネラ菌が繁殖していると、見た目 には異常なくても、食中毒になることがあるからです。(この場合 でも、よく加熱すれば食べられます。)

 賞味期限を表示していない卵は、その時点で賞味期限を過ぎてい ると判断してください。

 こうした個別の話は、またメールマガジンでもとりあげていきま す。


Q.45 以前、「臭素酸カリウムが主役でしたが、今ではビタミンC」 がほとんどと言われていましたが、我々がパンを自分で焼く時に購 入しているイーストフードはビタミンCオンリーではないと思いま すが、その点はどうなんでしょうか?


A.イーストフードというのは、その名のとおり、イースト(酵母) のエサ、ということが本来の目的です。パン生地の中は、酵母にと って必要な栄養素がたっぷりある、というわけではありませんので、 各種の栄養塩などを添加するのです。

 家庭でつくる場合は、酵母もたっぷり使いますし、発酵のぐあい を確認しながら作りますので、あまり必要ないのですが、大量生産 している工場では、まず使われていると思います。(自分で焼くと きはイーストフードなし、ということも可能と思います。)

 しかし、現実としては、イーストフードは、小麦粉の品質改良剤 という側面が強いのです。詳しいメカニズムは私にはわかりません が、臭素酸カリウムはこうした目的で添加されています。

 最近、その変わりにビタミンCが使用されるようになってきてい ます。効果も悪くないので、今ではほとんどのパンがビタミンC使 用になっているようです。

 こういう意味で、「臭素酸カリウムがビタミンCに代わった」と いいましたが、その他の成分は同様に使われていると思います。そ の他の部分で問題になるようなものは、なかったと思います。


Q.44 マーガリンなどの水素添加の脂肪は健康に良くないと聞きまし た。本当でしょうか?


A.水素添加というのは、脂肪酸の不飽和結合に水素を与えて、飽 和結合に変えることをいいます。(いわゆる食品添加物とは違いま す。)

 植物性の脂肪は不飽和結合が多く、常温で液体であるのが普通で す。マーガリンのように常温で固体にするためには、水素添加をし て、不飽和結合を減らす必要があります。

 脂肪酸の不飽和結合の部分では、となりあった炭素原子同士が 「二重結合」しています。この二重結合部分では、結合の仕方が不 自由ですので、脂肪酸の骨格になっている炭素の鎖がここで折れ曲 がってしまいます。

 普通の脂肪酸では、二重結合の両側が同じ方向に曲がる、「シス 型」になっていますが、水素添加した後では、両側が違う方向に曲 がる、「トランス型」の結合が一定の割合でできることが知られて います。

 このトランス型の脂肪酸は、栄養的に無価値なうえ、リノール酸 などの必須脂肪酸の代謝を阻害する、ということで、心配されてい るわけです。

 トランス型脂肪酸は自然物にも一定の率で含まれていますし、実 験の結果では、リノール酸などの摂取量が充分であれば、別に問題 はない、ということですので、健康に害がある、というのは上記の 情報を拡大解釈した、あやまった見解です。

 したがって、マーガリンなどを避ける必要はありません。ただ、 事実無根というわけではないので、バターよりマーガリンの方が身 体に良い、というより広くひろまっている情報も、決して正しくな い、と言えると思います。

 マーガリンはあくまでバターの代用品ですので、料理に使うのは やっぱりバターが美味しいです。パンに直接塗る場合は、ソフトタ イプのマーガリンが塗りやすくて良いので、やっぱり場合によって 使い分ける、というのが常識的ですが、正しいやり方だと私は思っ ています。


Q.43 私もアルコールが好きで、昨年まではもっぱらビールと日本酒 (冷酒)でしたが、高血圧だから控えるように、「まあ、蒸留酒な らば少しはいいよ」と人からいわれ。それから、ウイスキーとウオ ッカそして焼酎と、その日の気分によって飲みかえています。「蒸 留酒のほうが、コレステロールが小さく血管の掃除を> してくれる。」 と、いうことらしいのですが‥‥  この真偽の程が分かりません。また、焼酎の酒税が上がったとい うことですが、焼酎の甲類・乙類の違いが分かりません。


A.蒸留酒というのは、醸造酒の中のアルコールと香り成分などの 揮発性(低温で蒸発する)物質を集めたものです。

 醸造酒より、糖分などの成分が少ないので、そう言われるのです が、今度はアルコールを取り過ぎるという大問題が発生します。

 蒸留酒を薄めて、醸造酒なみのアルコールにしたものが良いので しょうが、薄まると美味しくないため、私はつい味をつけた缶チュ ーハイに走っています。

 水割り、湯割りの方がいいんでしょうが。

 コレステロール云々はどうもよくわからない話です。

 コレステロール値を下げる薬について、実験してみたところ、コ レステロール値は薬で下がったけれど、コレステロール値を下げた グループは高いグループより死亡率が高かった、つまり薬は効いた が患者は死んだ、という結果になったという話です。

 日本人の高血圧で、コレステロールが原因というのはごく少ない と思いますが、その辺はどうなのでしょうか?

 焼酎の分類は、乙類が伝統的な製法の焼酎、甲類はそれ以外のも のです。

 米、芋、そばなどの原料がはっきりしている焼酎は乙類です。

 甲類の原料はトウモロコシやサトウキビなどで、アルコール発酵 から、蒸留を繰り返して、純度の高いアルコールを作ります。

 食品用のアルコールなども同様ですので、悪くいえば、単なるア ルコール水溶液です。缶チューハイなどに使っているのは、もちろ んこちらです。

 私は和歌山の生まれで、焼酎文化とは無縁ですので、乙類焼酎の 臭みは苦手としています。軟弱な甲類焼酎なら、何とか飲める、と いう程度だったのですが、最近は缶チューハイが好きになりました。

 ビールの半額ほどですし。

 日本産のウォッカ(のようなもの)も実は甲類焼酎だったと思い ます。

 何にせよ,お酒の類は飲み過ぎないのが一番です。お互い、注意 したいですね。


Q.42 サラダオイルについてですが、原料は何からできているのです か?ごま油、菜種油、といろいろな油がありますが、サラダ油は何 の油なのですか?


A.サラダ油については、

サラダ油 に記事があります。製造方法などはこちらをごらんください。

 サラダ油の原料というのは、別に決まっていません。最近では、 よほど安いもの以外では、原料を表示していることが多いようです。

 最も多いのが、大豆、ついでナタネでしょうか。それ以外にも、 綿実、コーン胚芽、米ぬか、ヒマワリ、サフラワーなど、いろいろ あります。

 それぞれ、価格、質が違いますので、適宜ブレンドして商品化さ れています。

 油脂原料としては、ヤシ、パーム、パーム核、ごま、オリーブな どもありますが、この辺はサラダ油にはあまり使わないようです。

 サラダ油は精製度が高く、低温でも濁らない油です。もし、手も とにあるサラダ油に、原料の表示がなければ、たぶん大豆を原料に していると思います。


Q.41 先日、スーパーで買った「くず桜」と表示された和菓子に添加 物として酵素が使われていました。餡のほうにつかわれたのか、表 面のくずに使われたのか分かりませんが、添加物としての酵素につ いて教えて下さい。


A.これは私にはよくわかりません。どなたかご存じの方は教えて ください。

 酵素といっても、いろんなものがあります。第一感、リゾチーム などの抗菌力のある酵素ではないかと思うのですが、何しろ、手が かりがないので、何ともいえません。

(リゾチームの場合はもちろん保存料的な効果を狙っています。)

 こののQ&Aで、私がわからなかったことの回答をいただきまし た。ありがとうございます。こういうのは大変助かります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

A.これはくずに添加されているのだと思います。酵素屋さんから 聞いた話を思い出しながら書きます。

 最近はいろんな機能を持った酵素があるそうです。普通、おもち を常温で置いておくと澱粉が老化し、離水した水分が蒸発するため、 表面が固くなります。ある酵素製剤を澱粉の0.1%添加しておくと、 老化を防ぐことができるそうです。

 常温でも固くならないとうたっているおもち等には、こういった 酵素製剤が使われているそうです。物質名は教えてくれませんでし た。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------


Q.40 スーパーで陳列されている鮮魚(切り身、刺身)は、見た目の 鮮度を保つために、鮮度保持剤のようなものを霧吹きで表面に散布 していると聞いたことがあります。これはデマなのでしょうか?そ れとも、当たり前に行われていることなのでしょうか。もし事実で あるとしたら、その薬品の安全性はいかがなものなのでしょうか。


A.これはよく聞く話ではあるのですが、実態は私にはよくわかり ません。

 図書館で見かけた本では、「鮮度保持剤」として、つぎのような ものがあげられていましたが、実際に店などでつかっているのかど うかは、よくわかりません。

炭酸水素ナトリウム
クエン酸ナトリウム
酢酸ナトリウム
リンゴ酸
ビタミンE
ビタミンC

(「シーフードの時代」成山堂掲載「水産加工への茶の効用」 大森正司著より)

 この論文はこれらの「鮮度保持剤」に加えて、茶からとったカテ キンを魚の鮮度保持に利用できる、という報告です。

 文脈からは、上記の物質が魚の鮮度保持に利用されている、とい うふうにとれますが、使用の実態については言及されていません。

 上記物質は主にPH調節と酸化防止の働きがあります。

 蓄肉では肉中のグリコーゲンが分解して、かなりの酸性に自分自 身でなりますので、保存性がわりと良いのですが、魚ではそれほど 酸性にならない、というのが魚の保存性の悪さにつながっているよ うです。

 これらの物質は毒性のあるものではないので、別に安全性を問題 にする必要はないと思います。

 とにかく、使っているとも、使っていない、とも私にはよくわか らないので、ご存じの方がいらっしゃったら、教えてください。


Q.39  ★たんぱく質が欠乏すると具体的にどーゆう症状がでるんですか? 例えば肌荒れとか・・・簡単に教えてください。


A.そういえば、「ビタミン欠乏症」ということはあっても、「たん ぱく質欠乏症」というのは聞いた事がありませんね。

 これは基本的に、普通に食事をとっている限り、おこり得ないこ とがらだからです。

 というより、食事の目的が「エネルギーとたんぱく質を補給する こと」である、といった方が話は早いです。

 それでは、たんぱく質が欠乏すると、具体的にどのような症状が 出るかというますと、発育不良、栄養失調、全身衰弱から死に至る、 というところでしょうか。

 三大栄養素(たんぱく質、炭水化物、脂質)については、欠乏症 といわないのは、このように、欠乏が即致命的であるからだと思い ます。

 なお、たんぱく質はそのままで体内に入ると、人体の免疫機構か ら、「異物」と判断され、攻撃の対象になります。これをアレルギ ー反応といいます。通常は消化器で分解され、構成単位であるとこ ろの、「アミノ酸」として吸収され、体内で身体をつくるたんぱく 質に再度合成されます。

 このたんぱく質を合成するときの設計図にあたるのが、最近よく 話題になる、「DNA」です。

 体内でたんぱく質を合成するときには、各種のアミノ酸の必要量 は決まっているのですが、私たちの身体が要求するアミノ酸のバラ ンスと同じようなアミノ酸の組成を持っているたんぱく質が良質の たんぱく質です。

 卵のたんぱく質を最高として、牛乳、蓄肉類などが良質とされて います。植物性のたんぱく質は大豆を除いて、質的には劣りますの で、ベジタリアンの人には、この辺が注意事項ということになりま す。

 肌荒れの原因として、コラーゲンなどのたんぱく質が不足する、 ということもあるようです。ただし、この場合もコラーゲンそのも のを食べてもあまり効果がなく、コラーゲン合成を助けるビタミン Cなんかの方が、効果が高いといいます。

 これは、コラーゲンの材料自身は体内で不足していない、という ことが前提ですが、通常の食事をしている場合は、まず不足するこ とはありません。

 極端なダイエットなどでは、深刻なたんぱく質不足が起こって、 肌荒れがひどくなったりします。まあ、そのうち肌荒れどころでは ない状態になりますが、意志の力でそこまでやるとは、見上げた根 性の持ち主といえないこともないです。

 「健康のためなら死んでもいい」という人もいますが、「美しく なるためなら死んでもいい」という人の気持ちの方が、まだわかる ような気がします。


Q.38 この間私が読んだ本にファミレス、ファーストフードの事が書 いてあったのですが、「ここで販売している食べ物は食品添加物の 固まりだ。」みたいな事が書いてありました。

 たとえば、おかわり自由のコーヒーは、少ないコーヒー豆で何百 杯のコーヒーを作るために、香料や添加物などを沢山添加して、に せのコーヒーを作っているとか、フライドポテトにも、さくさく感 や冷めてもまずくならないように、色々な添加物を、添加している とか、味付けにも色々な化学調味料を使っているなど・・・色々な 事が書いてありました。


A.コーヒーに添加物ですか、私は聞いた事はないですが、香料の 添加くらいなら、ありそうな話ではあります。

 コーヒーは安い豆を深煎りして、それを薄いコーヒーにするとい ちばん安くつきます。世間ではこれは「アメリカン」などといって、 コーヒーの苦手な人も飲めるということで、割と人気があるもので す。

 ファミレスなどのコーヒーもそれに近いのでしょうが、私が飲ん だ範囲では、美味しいとまではいかないけれども、まずまずの味だ ったと思います。喫茶店なんかの方が許せないほどまずいものを出 す店があります。 (「珈琲専門店」でも、美味しいとは限らない・・)

 原価から言うと、コーヒーというのは、どんなに高い豆を使って も、たいしたことはないのです。200グラム1000円として、 40杯とれれば、1杯あたり25円です。まさかこんな高いものは 使わないでしょうから、実際は10円程度の原価で、300円ほど 取るわけです。私は高すぎる、という批判は持っていますが、原価 を無理にケチらねばならないような商品ではない、と考えています。

 「おかわり自由」のファミレス商法も、こういった点に根拠があ るように思います。

 一般的に言って、ファミレスなどのチェーン店では、原料の大量 確保と調理方法の画一化でもって、安く販売することをねらってい ます。

 加工食品などでは、メーカーに特注品を発注したりしていますの で、確かに市販ではないようなものが使われている可能性はありま す。(一般の加工食品の原料などでも、同じことです。)

 たとえば、ケチャップなどは市販ではJAS特級のものしか目に しないのですが、ファミレスチェーン用のオリジナル品では、JA S標準のものだったりします。こういったものは確かに添加物は多 いこともあります。

 また、フライドポテトなど、一つ一つに安く、美味しく、を追求 したノウハウがあることでしょう。(私はよく知りませんが)

 全体として、ファミレスで食事をすることは、家で加工食品中心 の食事をすることと同程度のリスクはあると思います。

 もちろん、このリスクはどんな食堂でもあります。大衆食堂から 高級レストランまで、ファミレスとは違う事情はあるのでしょうが、 基本的には添加物などは使用しているはずです。

 もし、一切の食品添加物を拒否したいのであれば、

(1)外食は一切しない。

(2)加工食品は一切購入しない。

という2点を守る必要があります。調味料だけは購入しなければい けませんが、これは無添加のものを探すしかないでしょう。(たと え「無添加」表示があっても、加工食品はやめておいたほうが無難 です。)

 私としては上記のような生活の方針ははっきりいってお勧めでき ません。やっぱり、たまには美味しいものを食べたいですよね。

 で、どこで食べても、安心して食べられるようにしてほしい、と は思いますので、こんな情報作りなんかをしているわけです。

 ファミレスというのが(ファストフードと同様に)よく攻撃対象 にされるのは、いったいどうしてでしょうか?私はこれが不思議で す。

 お読みになった本で、どうして「ファミレスは・・」と書いてあ るのか、わかりましたか?

 「高級フランス料理店では・・」と書いてくれれば(実態は似た ようなものです。)私たちも納得して、あんな店にはいかないでお こう、と思えるのに・・。(狐とブドウみたいですね。)

 私の理解としては、大手のもの、有名なもの、をやり玉に上げる、 というやり方は、センセーショナリズムという手法からは、当然の ことですから、こういう言い方になるのだ、と思っています。

 かくて、マクドナルドやすかいらーくやセブンイレブンは、こう いう「正義の味方」の攻撃対象であり続けるのです。


Q.37 最近『生』っと、言う言葉が流行っているように思いますが、 生の定義というものはあるのですか?

 たとえば、 生ジャム、生茶、生蜂蜜、生パン粉、生麺、生とい うと何か新鮮な感じがしますが。。。


A.別に決まった定義はないと思います。「生ビール」というのが はしりだったと思いますが、一番多い使い方は、加熱殺菌していな い、という意味です。ご質問のままに並べてみると、

 「生ジャム」ジャムは加熱調理して作りますから、これは形容矛 盾です。ジャムができたそのままの状態で販売している、というこ とかもしれません。でも、へんな言葉です。

 「生茶」これはたぶん「緑茶」と同義でしょう。生の茶の葉は、 ほっておくと紅茶になってしまいますので、緑茶は収穫後、すぐに 加熱しますから、生の茶の葉というものは流通していません。これ も実に変なことばです。

 「生蜂蜜」これは蜂蜜を加熱していない、ということなのでしょ うね。蜂蜜は殺菌はしないと思いますが、そのままではどろどろし ていることもあって、製造時(容器に詰めるまで)に加熱して、な がれやすくして、ゴミをとったり、混ぜあわせたりします。それを していない、産地直送という意味があるのでしょうか。

 「生パン粉」これは昔からある分類で、乾燥パン粉との対比で言 います。しっとりとした水分の多いパン粉で、美味しいのですが、 保存性は悪い、というやつです。家庭でパンを粉にしたものに近い、 ということはできますが、開封後は日持ちしないので、消費量の少 ない私の家では使っていません。

 「生麺」これも正統的な分類です。麺は「生麺」「ゆで麺」「乾 燥麺」に分類されることは、以前にメールマガジンで紹介したとお りです。

 消費者に一定の効果を与えるための言葉でしょうが、意味すると ころは物によってさまざまです。まだ「天然」や「有機」よりは罪 が少ない、とは思います。


 前回のQ&Aの話の中で、「生ジャム」に関して、つぎのような メールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 生ジャムは、加熱して作るのではなく、高圧をかけて作ります。 そのために風味がよいとメーカーで言っております。詳しい内容は わかりませんが、多分5年以上前に開発されていると思います。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 教えていただいて、どうもありがとうございます。

 なるほど、加圧で作っているから、「生」なのですね。生ビール が加熱殺菌の代りに濾過で微生物を取り除いているようなものです か。

 私は加圧殺菌のオレンジジュースを飲んだことがありますが、加 熱していないと、確かにフレーバーは違います。


Q.36 天然着色料のように合成着色料にも、〜色素とか種類があるん ですか?教えてください!!

 ところで、かき氷に使われているいちごシロップなどは、合成着 色料なんですか?


A.「食品添加物を調べてみよう」というサイト

http://fcg.japan-site.com/additive/index.html

で検索してみると、ずいぶんたくさん出てきます。そのうち、いわ ゆる合成着色料と呼ばれているのは、以下のものです。番号からも 想像できるように、実はもっとたくさんの種類があるのですが、現 在使用できるのは,これだけで、あとは使用禁止になっています。 (食品天物以外の用途では使われているものもあるようです。)

食用黄色4号
食用黄色5号
食用青色1号
食用青色2号
食用赤色102号
食用赤色104号
食用赤色105号
食用赤色106号
食用赤色2号
食用赤色3号
食用赤色40号
食用緑色3号

 赤色102号、黄色4号、青色2号なんかがよく見かけるものです。 これらはタール色素といって、化学的には親戚筋にあたるらしいの ですが、詳しいことはよく知りません。いずれも、石油などからの 合成品であることは違いないです。

 見た目にも毒々しくて、食品添加物の代表のように言われていま す。あまりどぎつい色の食べ物はなんだかぞっとしないのですが、 世間ではどうしてこんなものに人気があるのだろう、と思ってしま います。

 私は毒性の問題よりも、趣味の問題として、これらの色素はきら いですね。

 かき氷のシロップについては、あれが合成着色料の典型的な使い 方です。

 イチゴ(赤色)レモン(黄色)メロン(緑色)といったものをす ぐ思い浮かべますが、最近はなんという名か忘れましたが、青色の ものもあるようですね。

 あのあざやかな色は、天然系のものではなかなか出ないのです。 食べ物にあんな色をつける必要があるのかとも思いますが、なぜか かき氷の場合は、色あざやかなものが好まれるということはありま す。

 かき氷程度に目くじらたてることもないのですが・・。

 他では漬物でも、みやげ物なんかにしている色鮮やかなものによ く使われています。野沢菜の緑、紅しょうがの赤、たくあんの黄色、 とならべると、上記のシロップと同じですね。


Q.35 水で洗い流すだけで食べられるタイプの麺類があります。どう して のびたりしないのでしょうか?個人的には あれだけ腐りや すいはずの物を火も通さず食する気にはなれません。

 コンビニで見かける冷やし中華やざるそばなどについても鮮度と 食感を(それなりに)保てる理由を知りたいです。


A.麺類というのはその状態で、「生麺」「茹で麺」「乾麺」と分 類されます。

 生麺は一度も加熱していない状態ですから、このままでは食べら れません。

 茹で麺は、一度ゆであげた麺で、これはそのまま食べられます。 (冷凍麺も実はこの一種で、ゆであげた直後に冷凍したものです。)

 乾麺は一度ゆでた麺を乾燥させたものです。(インスタント麺も この一種で、乾燥のさせ方が違うので、食べる時に素早く水分を吸 収するようになっています。)

 で、ご質問の麺は上記の「茹で麺」です。普通に売られている麺 は、この茹で麺で、実はそのままで食べられるものです。

 家で茹で麺を食べるときは、もう一度茹でますが、あれは温めて いるだけです。従って、ちょっと気持ち悪いですが、冷たいまま食 べるときは、水で洗い流すだけでも、食べることはできます。

(茹で麺を再加熱するのは,麺の品質を劣化させることでもありま すので、あまり加熱するのはよくないのです。うどん屋さんでも、 生麺を使用しているところは、結構長時間茹でていますが、茹で麺 のところでは、さっとお湯に通すだけです。)

 コンビニなどで売られているものは、そこで開き直って、そうい う食べ方を指定しているようです。

 食感をよくするために、プロピレングリコールは使用していると 思いますが、これも市販の茹で麺と同じです。市販の茹で麺の賞味 期限というのは、2〜3日のことが多いので、ご質問の麺なども同 様だと思います。

 日持ちをよくする工夫としては、酸類を使用すること、などはあ るかも知れません。やりすぎると酸っぱくなってしまいますが、有 機酸(クエン酸など)を茹でるときの湯に入れておく、などという ことです。

 包装の形態にも工夫があるようです。

 のびた状態ということでは、茹で麺は全体にのびた状態になって います。冷凍麺が美味しいのは、茹でた直後に冷凍してしまうので、 のびていないためです。

 麺は茹で上げた直後は、周囲に水分が多く、芯の部分は少ない状 態になっています。このため、表面はつるっとしていて、噛むと歯 ごたえがあるのです。のびた状態というのは、この麺の中の水分が 全体に均一になってしまったものを云います。

 で、結論としては、決して美味しい食べ方ではありませんが、ご 質問のような麺を作ることは技術的には可能だということです。

 ただ、そういうものに関して違和感があるのは事実です。

 私も一度、そういうのを買ってきたことがありますが、気持ち悪 いので家で茹でました。でも、よく考えると、そのまま食べる容器 に入っているものを買ってきて、家で容器から出して、茹でている なんて、馬鹿なことをしている、という感じでした。

 若い人たちは、そんなのは平気なのでしょうね。


Q.34先日、インドネシアで農薬、化学肥料を全く使わずにEM菌と竹 炭、木酢液を併用して収穫量の上がる農業をやられている方の話し を聞く機会がありました。EM菌には賛否両論あり、てこずっている 方々がいますが、要は使いこなし、使い合わせなのだと言う事を伺 いました。そこで日本の野菜輸入量を数字で見て愕然、暗澹たる気 持ちになりました。

 最近輸入野菜としてもやしが中国から入ってきています。スーパ ーでそんなに意識していなくても、中国中国と目につきます。以前、 10年以上になりますが、漂白されたもやしが問題になりましたが、 今回のように中国から来るもやしはどのように製造され、運ばれて くるのでしょう? AIRですと運賃が高くつくから、船で来ると考え ますが、安易に食しているもやし、色々考えますと一体どの程度安 全なのだろうと思います。


A.EM菌というのは具体的な個別の菌ではなく、有用(と思われ る)菌の混合物を販売しているものです。

 そういう性質のものですから、害はなく、有効利用すれば、意味 があるのですが、なんにでも効く、などという特効薬というわけで はありません。

 おっしゃるとおり、使い方次第、といったところでしょう。

 ただ、インドネシアのような熱帯地方で、日本式の化学肥料を使 わない方法がどれだけ有効かというと、私は疑問だと思っています。

 また、木酢液などというものは、かなり危険な物質の混合物で、 (コールタールやホルムアルデヒドなども含むはずです。)たぶん 農薬としての登録審査には合格しないものです。

 もちろん農薬ではありませんし、自然物ですから、有機農業の定 義にもあって、使用できるものですが、安全性としては最も心配の あるものです。

 私は木酢液を使うくらいなら、普通の農薬を使った方が安全だと 思っています。

 生鮮野菜類の輸入については、近年、急激に増えてきています。 原因としては、

(1)輸送費を負担しても、輸入品の方が安く売れるほど、円が高 くなった。

(2)国内産地の衰退により、野菜が不足気味になっていて、価格 が比較的安定高値になっている。

といったことが考えられます。実際、野菜の輸入がなければ、野菜 価格は全体として、もう少し高くなると思います。

 農業人口の高齢化は、最も労力を必要とする野菜作りからまず減 産してくる、という現象をおこしているようです。

 もやし等の生産の方法は、日本と基本的に同じと思います。

 もやしというのは、日本でも、一部の先進的なメーカー以外では、 非常に素朴な方法で作られています。

もやしの製造については、メールマガジンに書きました。

http://www.kenji.ne.jp/food/review/review7.html

に掲載しています。

 出荷時の漂白も日本と同様だと思います。(次亜塩素酸ソーダ溶 液につけます。)

 輸送ですが、いちいち確かめたわけではありませんが、飛行機で 入ってくるものが多いのではないかと思います。 (もやしの保存期間は数日ですので、船では間に合わないでしょう。)

 中国から輸入されてくる食品は、異物の混入などの事故率が高く、 いやがられた時代がありましたが、最近はだいぶ改善されているよ うです。

 国産だからといって、そういった事故率が0であるわけではない のは、この間のいろんな事件の報道でわかったと思います。

 日本産のもやしも、原料の豆はほとんど中国からの輸入です。国 産品を軽視するわけではありませんが、根拠もなく、輸入品を悪く 云うのは、私は排外主義というものだと思っています。 (アジア諸国への差別感情をあおっている、としか思えないものも たくさんあります。)

 輸入品の悪口を言っているのは、多くは全農(農協の全国連合会) のキャンペーンによるものです。

 気持ちはわからなくはないですが、競争力の不足(価格と品質と 量)をこういったネガティブキャンペーンで補う、というのは私は 全くフェアな態度ではないと思っています。

 で、私が買い物をする時は、安くて良い品であれば、外国産であ っても、全然気にせずに買っています。


Q.33 「単分子水」の事が話題にあがりました。「単分子水」の水田 利用や、ご自分も飲料用に田畑に持参されているとのこと。

HPで調べたところ、水道水を「単分子水」に手軽に作ることが出 来る浄活水器が開発され、その際に、ダイオキシン、トリハロメタ ンや塩素を97〜99%分解・解毒するとの。

彼によると「単分子水」に触れた水は全て「単分子水」になるらし い。ということは、浄活水器など必要ないと言うことになります。

企業倫理が吹っ飛び「儲かりさえすれば何でも」と、まやかし物が 多い昨今。ダイオキシン問題に揺れる我が村、「単分子水」につい てお尋ねします。


A.お尋ねの「単分子水」ですが、実は初耳です。

 「水のクラスター」論は以前から話題になっていますが、とうと う「単分子」まで行き着いたのか、という感想です。

 ご存じのように、水という化学物質は、一つの分子では大変軽く、 常温では気体であるべきものです。水が常温で液体であるのは、水 の分子が単独では存在せず、お互いに水素結合することによって、 大きなかたまりとして存在するからであると考えられています。

 この水の分子のかたまりの状態が、水によって違う、というのが 「水のクラスター」論です。まだ実態が解明された、というのには ほど遠いのですが、興味をひく話題ではあります。

 水の分子の状態によって、いろんな面での、水のふるまいが違う、 ということは事実としてはあるようですが、その根拠や、制御の方 法については,議論百出の状態と思います。

 いろいろと理論的な装いで、登場してくるのですが、どれも実証 的な論文とまではいかないものばかりなのです。物理化学の世界で、 科学理論のレベルで承認されるようになるまでには、前途多難、と いうところです。

 私としても、興味はあるのですが、はっきり言って眉唾ものも多 いのです。

 ご質問の「単分子水」がどういう主張をされているのかは存じま せんが、これは第一感、筋悪ですね。先程も言いましたが、単分子 の水が自然状態で存在するはずはないと思います。 (あったとしたらそれは気体として存在するはずで、水蒸気といい ます。)

 今の時点では、私としては、限りなくインチキに近いだろう、と 想像しています。

 まあ、鰯の頭も信心から、といいますので、それを信じている人 にとっては余計なお世話でしょうが、私はちょっと信じる気にはな りません。


Q.32 よく自然食品やさんに売っている、粗糖みたいな白くないお砂 糖は化学処理をしていないらしいですが、その中で、表示には書い てありませんが石灰を使っていると聞きました。

その石灰は、添加物にはならないのですか?

ちなみに無添加と、かいてありました。石灰は何からできているの ですか?


A.「化学処理をしていない」ということからして、問題の多い表 現です。

 砂糖は普通、サトウキビの汁から作ります。その中に含まれてい る砂糖(蔗糖)を結晶させたものが砂糖です。で、この砂糖の結晶 というのは、白いものなのです。「化学処理」で白くした(漂白し た)などという人がいますが、あれはウソです。

 白くない砂糖には大きくわけて、2通りあります。

 一つは精製の段階を省略して、不純物を多く含んだままの状態で 製品化したもの。

 もう一つは、精製の段階で、主に熱のために変色した成分を含む ものです。

 黒砂糖は前者ですし、三温糖は後者です。

 ご質問の砂糖は、黒砂糖ほどではありませんが、砂糖だけではな く、不純物を多く含んだまま、いったん固形にしたものを粉砕して いる、いわゆる「粗糖」と呼ばれるものです。

 これは本来はもう一度溶かして、精製糖にする原料だったのです が、このごろはそのままでも売られています。純度の高い砂糖より 高価なのは本来変なのですが、流通の関係でそうなっていると理解 しています。(原料が国産のものだと、もっと高くなります。)

 ご質問のように、黒砂糖などを作るときには、石灰を投入します。 サトウキビの絞り汁はどろどろした液体なのですが、石灰の力を借 りて固める、というふうに考えてください。

 石灰はもちろん、石灰岩を粉砕したものが原料でしょう。

 よく黒砂糖はミネラルが豊富、などといいますが、あのミネラル というのは、実はこのように投入されたカルシウムのことです。

 こんにゃくも同様にカルシウムで固めますが、別にミネラルが豊 富、などとは云いません。

 これはこうして投入されたカルシウムは吸収しにくく、栄養的な 価値は低いからです。粗糖などのミネラルも同様です。

 ご質問の「粗糖」ですが、粗糖といっても、単なる原料糖であっ たもの、黒砂糖に近い製法のもの、耕地白糖といって、サトウキビ の原産国で製造されているもの、とさまざまです。

 石灰の使用はしていることが多いと思いますが、はっきりとはわ かりません。(していたからといって、別に問題はないと思います。 ありがたがることもありませんが。)

 それでは粗糖の良いところというのは、といいますと、不純物が 多いことから、独特の風味を持つ、ということです。

 コーヒーに入れたり、お菓子を作ったりすることにはこのアクの 強い味のせいでまったく向きませんが、田舎風の料理などには、ア クセントがつきます。

 また、少しくどい味ですので、砂糖の使用量を減らす効果もある かも知れません。(これは人によるでしょう。)

 ということで、ほどほどの値段で買われているのなら、用途を考 えて、有効に利用してください。もし、うんと高価なものでしたら、 はっきりいってだまされていますので、やめた方がいいと思います。

だます手口は以下のようです。

「砂糖はエンプティカロリーといって、身体を蝕む悪魔の食品です。 しかも市販の砂糖は漂白して真っ白にしているので、特に身体に 悪いのです。この○○は無添加で、自然のままの成分を残していま すので、砂糖を使うのなら、こういう砂糖しか使ってはいけません。」

 石灰を投入した砂糖を無添加というのも変ですし、ほぼ純度100% の砂糖(グラニュー糖など)を添加物入りのようにいうのは、はっ きりとウソです。

 砂糖は純粋な炭水化物ですので、取り過ぎは感心しませんが、食 べて毒になるようなものではありません。子供が小さなうちは、貴 重なエネルギー源と考えていいと思います。

 ただ、虫歯の原因になりますので、おやつに甘いものを食べるの は控えた方がいいでしょう。それ以外に食べて害になるようなこと はありません。

 私は普通のスーパーで売っている、「耕地白糖」と呼ばれている 種類の、少し色のついた砂糖を、200円/750グラムくらいで買って います。

 我が家ではコーヒーに砂糖を入れたりしないので、純粋に料理用 です。少し高いのですが、煮物などには向いているような気がして います。


Q.31 確か雪印以外に、2社くらい菌が検出されたところがありました が、この際すべてのメーカーの牛乳を保健所が検査することは出来 ないのでしょうか?

 すべてのメーカーをちゃんと調べてくれたら私たち消費者は 安心して牛乳を飲むことが出来ると思うのですが・・


A.牛乳というのは、すべての食品のなかでも、一番検査体制のし っかりした食品である、というのが今までの評価でした。

 現実に、検査だけで言いますと、製品のロットごとの細菌検査な ど、どこのメーカーでもされていますし、保健所でも定期的に検査 しているようです。

 大手工場のUHT殺菌機の能力はたいへん高いので、その検査で 問題があるということはめったに起こりません。今回の食中毒事件 を起こしたものも、細菌検査では合格するものだったと思います。 (細菌自体は殺菌されていました。)

 そういった意味で、今回の事件は、細菌検査に頼り過ぎていた、 という評価ができると思います。黄色ブドウ球菌の毒素が熱に強い のは、周知の事実ですので、殺菌されても中毒の可能性はあるので すが、牛乳の生産から工場入荷、殺菌までのラインを考えると、こ のような菌が繁殖するとは考えにくかったのです。

 ところが、殺菌した牛乳を余ったからといって、元の原料乳の方 に戻す、ということをしていたので、黄色ブドウ球菌の繁殖を許し てしまった、ということだと思います。

 バルブの汚れを洗浄していなかった、というだけの問題ではあり ません。戻した牛乳のタンク全体が汚染されていたと思った方が良 いでしょうね。

 「調べる」という意味の範囲にもよりますが、依然として、牛乳 は最もよく検査を受けている食品です。それにもかかわらず、トッ プメーカーの工場でこのような事件が起こった、というのが深刻な 問題なのです・・。

 私は加工乳でない、普通の牛乳なら大丈夫と思っています。(で も、何が起こるかわからない、ということも今回でよくわりました。)


Q.30 粉ミルクの品質についても、問題になっている牛乳などと同様 に危険なものと考えられるのでしょうか?問題のある企業体質が露 呈しただけに、信用できませんが他メーカーの粉ミルクに変えたと ころで解決するようにも思えません。

 赤ちゃんの粉ミルク製造について厚生省の基準などがあるのでし ょうか?業界の情報など知りたくなりました。


A.粉ミルクについてはあまり詳しくないのです。一応、わかる範 囲で。

 粉ミルクの原料は牛乳ですが、人間の乳と牛の乳では、成分がか なり違いますので、そのまま使用しているわけではないと思います。 いったん粉乳にしたうえで、成分の調整などをしています。

 分類では、「調整粉乳」という範疇に入ります。牛乳類は厚生省 令で製造の規則があるのですが、この省令は食品衛生法の下のもの ですので、細菌数などの指標が主です。

 昔、「砒素ミルク事件」などというものもあって、どこで被害に 会うかわからない、ということはありますが、赤ちゃんのものです ので、一応最も安全な食品であるべき、ということで作られている はずです。

 また製品自体は乾燥物なので、細菌が繁殖する、ということも考 えられません。(湿らせたりしないかぎり)

 柳美里さんの「命」という本を読んでいたら、粉ミルクを溶かす のが面倒なので、一度に一日分作って冷蔵庫に入れておく、という のはどうかと看護婦さんに聞いたら、とんでもない、と怒られたと いう話がありました。

 細菌はどこにでもいますので、作ってすぐに食べさせる、という ことだけがポイントだと思います。冷蔵庫に入れて保存する、とい うのはやめたほうがいいです。

 こんなことでもしない限り、心配することはありません。赤ちゃ んというのは、結構元気に育つものです。


Q.29 ある自然食品のメーカーのだしの素に調味料(アミノ酸)と、 書いてあるのですが、市販品のアミノ酸は良くないだろうと、こち らのメーカーのものに替えたのですが、疑問に思い聞いたところ、 原料はたんぱく加水分解質だといっていました。これは安全なので すか?また、天然のものなのですか?


A.ご存じのように、アミノ酸というのは、たんぱく質を構成して いる分子です。たんぱく質には普通、味はないのですが、アミノ酸 はそれぞれ、固有の味を持っています。中でもグルタミン酸が強い うま味を持っている、というわけです。

 うまみ物質には「核酸系」と呼ばれる、イノシン酸やグアニル酸 もあります。このようなものを使用した場合は、「調味料(アミノ 酸等)」と「等」が入るそうです。

 うま味物質を得るために、たんぱく質を分解したアミノ酸混合物 を使用することがあります。これをたんぱく加水分解物といって、 食品添加物として、専門メーカーから市販されています。もちろん、 人工のたんぱく質はありませんので、原料は天然由来のものです。

 たんぱく質を分解する方法としては、酸を利用した「加水分解」 と酵素を利用したものがあります。

 ご質問の商品に使われているものがどちらかは、わかりませんが、 単に「加水分解物」と言っているので、酸(主に塩酸です)を利用 したものである可能性が強いです。(酵素分解物の場合は、違った 呼び名をすることが多いようです。)

 で、この「たんぱく質の塩酸分解物」は問題の多い食品添加物で す。というのは、どうしても有機塩素化合物が含まれてくるのです。

 動物実験でも、心臓に害がある、というデータもありますので、 私のかつての職場では、できるだけ塩素分解物を使用しない方針を とっていました。(徹底できていたわけではありません。)

 安全性の面から言うと、塩素化合物の心配のない、化学調味料 (グルタミン酸ソーダ)の方が安心できる添加物です。

 化学調味料の使用が良いとは思いませんが、「化学調味料無添加」 といって、たんぱく質の塩酸分解物を使用しているのは、どうかと 思います。

 酵素分解物は、そんな心配はないのですが、高価なのと、味の効 きの問題で、単独での使用は難しいという面があります。

 だしの素の類は、自然食品系のところでは、売れ筋の商品です。 でも、よく考えると、「自然食のインスタント食品」というのは、 実に変なものです。

 やはり、どうしても無理があるところではあります。


Q.28 はじめまして。パンに入っている油脂の成分内容を具体的に 知りたいのです。そもそも油脂という成分の定義を知りたいのです が。

 私はベジタリアンなので、ラードやヘッド、魚脂などは食べませ ん。ただし、バターはいただきます。大手のパン屋さんはどのよう な種類の油脂を使っているのでしょうか。また、油脂類とはどのよ うなものでしょうか。私が調べた範囲では油脂はほとんど動物性だ ということでしたが、それがどのような動物性油脂であるかは様々 な行程を経ているため、特定できないと言われたのですが。


A.パンには普通、油脂成分が使われています。「油脂」というこ とについては、
http://www.kenji.ne.jp/food/food17/food1702.html
に以前少し書いたことがあります。参考にしてください。

「たーくんのおもしろ栄養学」というページ
http://dietetics.hoops.ne.jp/shishitsu.htm
にもまとまった情報がのっています。

 一般論としては、脂肪というのは、脂肪酸とグリセリンの結合し たもので、この脂肪酸の種類によって、いろんな脂肪があります。

 植物性の脂肪は常温で液体ですし、動物性の脂肪は固体のものが 多いのですが、もちろん例外もあります。

 で、パンにどのような油脂を使っているかというと、「ショート ニング」と呼ばれる植物性油脂です。

 ショートニングはバターと同じような固形の油脂で、バターの風 味を活かすパン以外のほとんどのパンで、パターの代わりに用いら れます。油脂をパン生地に練り込んでおくのは、パン作りの基本の 一つです。

 ショートニングは植物性油脂に「水素添加」といって、油脂中の 不飽和結合をある程度飽和結合に変えて、品質を改善したものです。 こういう技術を使いますので、原料の植物は特定できないと思いま す。

 一般に動物性の脂肪は、高価で扱いが難しいので、食品業界では あまり使われていないと思います。カレールウなどに牛脂を使いま すが、そういった動物性脂肪の特性が必要なもの以外、普通に「油 脂」と書いてあれば、植物性のことがほとんどです。

 ショートニングという名前は、ビスケットに油脂を入れないと、 ガチガチになるので、ショート(崩壊)しやすいように、入れる油 脂のことをいうのだ、ということを本で読んだ覚えがあります。

 小麦粉などのでんぷん原料でお菓子を作る場合、砂糖・油脂・卵 がだいたい定番のお助け原料ということになります。これらは美味 しさもさることながら、物性的になくてはならないものです。

 パンでは、砂糖や油脂の多いものを「リッチ」、少ないものを 「リーン」と表現します。ふわっと柔らかいパンは基本的にリッチ な構成になっています。製法としてはリーンなものが作りやすいら しいのですが、リッチなパンは劣化しにくく、何よりも美味しいの で、このタイプが主流ですね。したがって、油脂(ショートニング) も必ず使われています。

 栄養的には、脂肪が体に悪い、というのは迷信の一種ですから、 気になさらないように。また純粋ベジタリアンの方にも、問題はな いと思います。


Q.27 最近、やたら増えている健康飲料とかスポーツ飲料といわれる ドリンクの味についてひとつ。

 私は、みな似たような味、「ポカリスエット」味と大した違いな いと思っていますが、> どうして健康飲料と銘打ったものは、ああ いう味になるのでしょう、(といいますか、するのでしょう?)


A.スポーツ飲料というのは普通無果汁で、各種のミネラル塩やビ タミン類を添加しているものです。いわば添加物のかたまりなので すが、ミネラル、ビタミンの補給に役立つ、とアピールしています。

 また、人間の体液とほぼ同じような濃度にしていますので、吸収 が早い、という特徴があります。点滴用に「生理食塩水」というの をよく使いますが、あれも同じようなものです。

 で味なのですが、これらの添加物の味にやっぱり引きずられるよ うです。クエン酸なども入ることが多いので、有機酸の酸っぱさと ミネラル塩(代表は食塩)の塩辛さが必ず感じられます。

 無糖にして、そのままという、いさぎよいやつもありますが、普 通はそれではあまりに飲みにくいので、少し甘味をつけています。

 こうして、酸味・塩味・甘味とすこしずつつけていくと、ポカリ スエットの味になるというわけです。

 甘味はさっぱりとした甘味を持つグラニュー糖やぶどう糖・果糖 などが多いようです。アスパルテームとか、甘草とか、砂糖以外の 甘味料を使ったものは、また独特の甘さで、少し感じが違います。 はっきり言って、私は好きではありません。

 飲料では、果汁系、お茶系、コーヒー系、スポーツ飲料系、その 他、という感じですが、最近は果汁系の甘いものより、スポーツ飲 料系の軽いもの(ニアウォーターなどとも言います)も人気してい るようです。

 いろんな商品が登場していますが、味については、

http://www2.ocn.ne.jp/~pokatyu/index.htm

で発行している、「週刊 食っちゃえ!」でよく紹介されています。 このメールマガジン、お菓子ばっかり食べていて、ちょっと気持ち 悪くなったりしますが、文章で味を上手に表現してくれるので、読 めばどんなものか、想像がつくのが面白いところです。


Q.26a 「パン」についてなんですが、生協でよく出てるのですが、山 崎製パンを取り扱うときに『生協仕様』という表示があるんですが、 これってやっぱり山崎製パンは生協では認められていない食品添加 物を多く使っているからなのでしょうか?


A.大手の生協では、生産量との関係で、こうしたメーカーに製造 を依頼することが多いようです。私のいたところなどは小さなとこ ろでしたので、職人が一人で焼いているようなところでも、間にあ ったのですが。

 メーカーに製造依頼するときは、そのメーカーの普通の商品を扱 ってもつまらないので、生協向けの仕様を決めて、それで作っても らうことになります。

 「生協仕様」というのは、そのメーカーの普通のパンとは違って、 生協向けのものですよ、という意味です。

 仕様として決めるのは、

(1)製造工程(これはほとんどの場合、他のものと同じになりま す。)

(2)原料(主に小麦ですが、塩、砂糖、油脂などの副原料を指定 することもあります。)

(3)添加物(いわゆるイーストフードの問題をどうするか、など です。)

といったところですが、具体的な内容については、その生協により ますので、なんともいえません。

 はっきり言って、大手の生協では、本質的にそのメーカーのもの とあまり違わない、と思っておいたほうが良いと思います。具体的 に大きく違うのであれば、そのことを表示するはずです。そうでな ければ、上記のとりきめが存在する、ということがあるだけです。

 以前は「臭素酸カリウム」のかわりに「ビタミンC」を使用する、 などということに取り組みましたが、今は市販のものも、ほとんど ビタミンCになっています。それ以外の添加物についても、本質的 な差はないと思います。


Q.26b 我が家は朝食はパンなのですが、主人が山崎の「新食感」の食 パンが一番好きで、その他の食パンはあまりおいしくないというの です。それって入ってる食品添加物で味が変わったりするからなの でしょうか?それとも作り方が他社とは違うから?


A.あれはどうやっているのでしょうか?ネットで調べたんですが、 山崎パンのページはないようです。

 添加物も使っているのですが、魔法のようなものではないので、 添加物を入れればすぐにできる、というものではないと思います。

 原料、添加物、発酵・焼成工程、などでいろいろと工夫している のでしょうね。パンメーカーはその辺を宣伝しないので、余計にい ろいろと疑われているところがあります。

 もっと競争の厳しい業界だったら、新しい製造法を開発したら、 大々的に宣伝するところなのに、パン業界はもう一つです。

 よくわからなくてすみません。ご存じの方がいらっしゃったら、 教えてください。


 その後、こんなメールをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

山崎の新食感宣言について話を聞いていたので書いてみました。

食感の秘密は、タピオカ澱粉を使っているからだそうです。これは 米澱粉と成分がにていて、もっちりした食感になり、焼くとあられ のように表面がパリっとするそうです。

少し前に話題になったカヌレはこの澱粉の割合が多いのだそうです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「タピオカ」を手持ちの電子辞書で引いてみると「=キャッサバ」 で、以下のように書いてありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

【タピオカ】

 植物「キャッサバ」の別名。また、その根茎から採った澱粉。良 質だが有毒なシアン酸を含有するので水洗いをくり返して取り除く。 熱帯ではさつまいもに次いで重要な澱粉食料。

【キャッサバ】

トウダイグサ科の落葉低木。ブラジル原産で、古くからアメリカイ ンディアンの主食の一つ。今日では東南アジアで盛んに栽培されて いる。幹は高さ二〜四メートル。葉は長い柄をもち掌状に深く切れ 込み、互生する。葉腋に花柄を出し、先端に黄白色の小花を円錐状 にたくさんつける。根はダリアのように著しく肥厚し、長さ三〇〜 八〇センチメートルになり食用とする。いものき。タピオカの木。 マニホットの木。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 それから、もう一つメールをいただいて、それでは、「スターチ」 と「グアーガム」を使っている、ということでした。

 実はそのメールをうっかり削除してしまったようなのです。申し 訳ありません。

 ということで、この「スターチ」=「タピオカ澱粉」と考えてお きます。結局、この新しいパンは、原料に小麦とは違う澱粉を加え ることで、新しい食感を作っている、ということになります。

 いろいろ教えていただいて、ありがとうございました。


Q.25a 安いハンバーグは食用ミミズを使っているとのこと。そうした ら、別の人が、ぎょうざもそうらしいよ!  なんでも、食用ミミズとはばけものみたいな巨大ミミズだそうで すが、食用ミミズ使用なんて書かれたぎょうざをみたことがないの ですが、表示の義務はないのでしょうか?


A.マクドナルドのハンバーガーはネズミの肉を使っている・・な どといううわさもありました。食用ミミズやオーストラリアオオネ ズミなどというものが生産されているのは事実と思いますが、それ らは量も少なく、日本の業者が安く手に入れられるものではありま せん。

 ハンバーグなら牛肉、ぎょうざなら豚肉が一番安い原料ですので、 あまり心配することはないです。

 たとえば、安いソーセージ類にはウサギの肉を使用していますが、 これはあまり安い原料を使うと、肉が固まらなくなるので、高価だ けれども結着力の強いウサギ肉を少量使用するのです。食用に生産 されているウサギがあって、非常に力の強いものなのだそうです。

 ぎょうざは素人が作ると、肉の比率が多すぎる、と聞いたことが あります。肉と野菜のバランスが大事らしいのですが、プロの作っ たぎょうざは、よく練り込んでいるので、原料がもう一つ判別しが たいですよね。

 ただ、特に牛肉の場合、普通に私たちが買っている牛肉より、値 段の安いものはあります。乳牛などで飼育していた牛も、最終的に は肉にするのですが、大人になってしまった牛は雌でも一般の市販 用にはならず、業務用として引き取られます。エキスをとったり、 カレーの材料になったりするそうです。

 これも工場で使用するものの場合で、牛丼屋などでは使えない、 ということです。

 とにかく、無責任なうわさはよくありますが、とても真に受ける ようなものではないと思います。


Q.25b ケンタッキーのチキンは、足が8本ぐらいある鳥を作って、も も肉を効率よく生産しているとか。こんなことあるのでしょうか? 遺伝子組み替え商品として認められるものなのでしょうか?


A.これはあまりといえばあんまりな話です。

 3本足のカラスは神話にでてきますし、5本足のカエルが奇形と して生まれることはあります。忍者まんがで3本目の手を持ってい る忍者が登場したのを読んだことがあります。でも8本足の鳥とは ・・・あきれてものが言えません。

 鶏の業界では、雄と雌で、ひなの毛色が違う品種を作り出せない か、と研究しています。実現すると、性別の判定に手間がかからな くなるからです。品種改良の努力というのは、このように地味なも のです。なにより、遺伝子組み換えなどといってさわいでいますが、 私たちが生命にたいして得た知識はまだまだ断片的なもので、なん でも自由になるわけではありません。

 哺乳類が基本的に4本の足を持ち、鳥類ではそれが2本の足と2 つの羽になる、というのは、生命の基本的な要件としてあることで す。奇形はあくまで奇形であって、作り出せるものでも、遺伝して いくものでもありません。

 将来、生命の発生の秘密が解きあかされた後には、このようなこ とが可能になる可能性はあるのでしょうが、今後数百年の間は、実 現不可能でしょう。

 うわさとしても、最低レベル(とても信じる人はいないでしょう) の話です。

 ちなみに、ケンタッキーフライドチキンの成功の秘密として、加 圧式の調理による、味と食感とともに、1羽の鳥をほぼ同じ大きさ に分割し、使用することによって、鳥の使用効率を高めた、という のは有名な話です。9個入りのバスケットを買ったら、それぞれの ピースが鳥のどの部分にあたるのか、研究してみてはいかがですか。


Q.24 No12のうどんにつかわれている添加物の「プロピレングリコー ル」なんですが、これはよくシャンプーなどで使われているものと 同じなのでしょうか。またもしそうだとすると、Yahooで「表示指 定成分」のキーワードでいろんなWEBサイトがでてくるのですが、 プロピレングリコールの危険性を随分とうたっています。ですので、 少し気になったので、お聞きしようと思いました。


A.同じものと思います。プロピレングリコールは食品添加物とし ては、「製造用剤・品質保持剤」として指定されていますが、それ 以外でも広く使用されています。

 食品添加物に指定されているものを、他の用途に使うことはよく あることです。最近は安全嗜好から、より厳しい基準を持つ食品添 加物を、身の回りの家庭用品に使うことも多いようですが、プロピ レングリコールは以前からよく使われていたと思います。

 シャンプーなどに使用している、ということと、このものの毒性 などとは関係のないことですので、一応、別に考えてください。

 それにしても、食品添加物に許可されているものを、シャンプー に使った場合、安全性が高い、と言いそうなのに、毒性云々という のは、いったいどういうことでしょうか?

 シャンプーに使って良くないものを、食べ物に使っているとした ら、それこそ大問題です。

 消費者には「毒性」をあおって訴える方が効果はあるのでしょう が、これは間違ったやり方であると、批判しておきます。

 プロピレングリコールの使用基準は、

「プロピレングリコールとして、
生めん及びいかくん製品にあってはその2.0%以下、
ギョウザ、シュウマイ、春巻及びワンタンの皮にあっては
その1.2%以下、
その他の食品にあってはその0.60%以下でなければならない。」

というものです。 (「食品添加物を調べてみよう」 http://fcg.japan-site.com/additive/index.html より)

 この基準値に%という単位が使われているということは、かなり 大量に使われていると想像できますし、毒性はそれほど高くないの だな、とわかります。

 プロピレングリコールを悪くいう人は多いのですが、気持ちとし ては私も同感です。ただ、毒性そのものの話はみんな眉唾ものです ので、無視しています。

 私がプロピレングリコールをよく思っていないのは、

(1)かなり露骨に品質を改良します。うどんなどは、はっきり言 って粗悪品のレベルでも、食べられるものにすることが出来ます。 このようなものの使用を野放しにしてきたことが、消費者の不信感 を育てて来たと思います。

(2)防腐剤ではありませんが、カビなどには効果があるようです。 八百屋の店頭で、冷蔵庫にも入れずに売られていた時代もありまし たが、そんないい加減な扱いを許す添加物でもあります。

(3)添加物として表示しているのはまだましな方で、表示してい ないものも多いです。プロピレングリコールは「溶剤」として、他 の添加物を製品にするとき、大量に使われます。たとえば、ラーメ ンの着色料としてビタミンB2を使います。(これは黄色の着色料 です。)このとき、ビタミンB2はプロピレングリコールにとけた 状態のものが市販されています。これを使えば、表示は着色料だけ で、実はプロピレングリコールも添加している、という効果を得ら れるわけです。

 食品添加物には、

(1)必要やむを得ないもの。

(2)消費者の嗜好によって、添加した方がよく売れるもの。

(3)生産者の安直な対応により、普及しているもの。

があると思います。(2)は消費者の責任と思いますが、(3)は 許せないものです。プロピレングリコールはこの(3)の典型的な 例です。


Q.23 幼児の塩分摂取量の適量はどれくらいでしょうか?(一応大人 用を半分に薄めるようにしているのですが)


A.大人では10グラム/1日、という話を聞いたことがあります。 でもあまり確かな数値ではないようで、人によっていろいろ違うこ とを言っています。どのような食品にも、塩分は含まれていますし、 いちいち計る方法もありませんから、具体的な数値で言っても、あ まり意味はないと思います。

このような話をする場合、体重あたり、ということが問題になりま す。幼児は体重あたりにすると、大人よりたくさん食べていると思 います。したがって、大人より、体重あたりの摂取量は多くなるで しょうね。また、腎機能の発達からいっても、塩味は控えめにした 方がよいと思います。

市販の食べ物は味が濃いですから、できるだけ薄味で育てた方が、 それらを好きにならないのではないか、と期待できます。


Q.22 1才11ヶ月の息子が納豆が好きで、一日に一回は食べさせて いますが、商> 品についている「納豆のたれ」は幼児に食べさせて 安全でしょうか?

 原材料に「アルコール」「みりん」などがあるので、調味料の問 題やアルコールを摂取させて良いのか気になり、普通のしょうゆを 少量入れています。(祖父母などは気> にせず入れているようです) アルコールなどは加熱でアルコール分をとばしてあるのでしょうか。


A.みりんのアルコール分は、製造時に加熱しているはずですので、 なくなっています。(アルコールの沸点は70度くらいでしたか)

それ以外に、「アルコール」と表示されている場合は、後から添加 されたものです。アルコールは発酵を止めるため、いろんなところ で使われています。醤油にも実は1〜2%のアルコールが入ってい ますので、添付の「たれ」と同じようなものと思います。

アルコールは大量に飲むと毒ですが、量が少ないとあまり気にする ことはないと思います。一歳未満だと、加熱してから食べさせるの が安全でしょうが、お子さんの場合、そろそろ普通(大人と同じよ うな)の食べ物を食べる年頃です。どの時点から、大人と同じよう な食べ物を食べてよいかは、よくわかりませんが、本人の好みも大 事にしてあげてください。

私だったら、「たれ」なしで食べさせてみて、喜んで食べればそれ で良い、と思うでしょうね。「たれ」を欲しがれば、少しずつ、入 れてあげる、というので対応してはいかがですか?

(私は薄味が好みなもので、すぐこんなふうに思います。)


Q.21 (海洋深層水について)疑問だらけです。どなたかご存知の方 がいらっしゃたら、教えてほしいと思います。 (今回は私からの質問です。)


A.以下はいただいたメールからの引用です。


 以前、話題に上っていた「深層水」について最近NIFTY の化学フォーラムで話題になったので、その内容からコメントさせ ていただきます。

ーーーーーーーーー

 深層水というのは科学的には深い海にある水塊のことを指すそう です。水塊とは同じような成分を持った水の集まりのことを指しま す。しかし、一般的には200mより深い海水のことを指すそうで す。200mより深くなると太陽光がほとんど届かず、光合成する 生物は非常に少なくなります。このことが、微生物量の少なさにつ ながります。よって、生物汚染が少なく、栄養塩類が多い水になっ ています。ですから、この水を汲み上げて養魚場に入れると魚の養 殖に好影響を与えることがあるそうです。

 ちまたで出回っている深層水は四国の室戸岬沖の深度300mの 取水場からとっているそうです。これを浸透膜で脱塩して飲み水や 化粧品に利用されています。こうして得られた水は、普通の海水を 同じように処理した水とは物性が異なる部分もあるそうですが、そ の理由などあまりよくわかっていないそうです。また、その違いが 健康や美容に役立つという科学的な論証も不十分で、今のところ特 に関係ないと見るべきだと思います。

ーーーーーーーーー


 以上のようなメールをいただきました。ありがとうございます。

 海の水について、少し書きます。

 海での生物の活動は、太陽の光の届く範囲にかなり影響されます。 光合成をする植物性プランクトンが繁殖できるのは、日光が届く、 わずかの範囲だけです。これらの植物が必要とする、栄養塩は、主 に河川などからの流入水に頼っています。

 この植物性プランクトンから食物連鎖が始まるわけですが、すべ ての段階で、その生物の死骸は、食用とならない限り、海の中を沈 んでいきます。

 ところが、海の水は、表層の水と深海の水は、直接混じり合うこ とはありません。栄養塩はこうして、表層の水から失われ、深海に 沈んでいきます。

 夏の終わりに海水浴場にクラゲが現れるのは、この時期、表層の 海水が栄養不足に陥った結果です。温かい南の海は、すぐに栄養塩 を使い切ってしまうために、生産力が低くなります。私たちの抱い ているイメージとは違って、寒い北の海の方が、生産力ははるかに 高くなります。

 表層水と深海水は、永久に交流しないのではありません。代表的 なものとして、北大西洋で表層水が深海に沈み、大西洋を南下、イ ンド洋を横断し、南太平洋から北太平洋に至って、北太平洋で表層 に浮上する、海の大循環が知られています。

 この深海から上がってくる海水の流れを、「湧昇流」といい、か つて深海に失われた栄養塩を大量に含む、豊かな海水を日光の届く 範囲にもたらします。

 このため、北太平洋と、支流の深海水が浮上するペルー沖が、世 界で最も豊かな漁場になっています。

 深海水と表層水が混じらない、という研究では、かつて日本政府 が原発から出る放射性廃棄物を南太平洋の深海に投棄しようとして、 研究したことがあります。

 その結果では、1万メートルの深海に沈めれば、ほぼ永久に表層 には浮上しない、ということでした。それほどではなくても、ほぼ 200メートルくらいのところで、海水の境界があるそうです。

 もちろんこの計画は、太平洋諸国から総スカンを喰って頓挫しま した。

 その後、ロシアの原潜が日本海に沈んだというニュースのあった とき、この研究結果からは安全なはずなのに、知らんふりをして日 本政府がロシアに抗議していたのは、ご都合主義というものでした。

 ということで、深層水の値打ちは、その栄養塩にあります。脱塩 した深層水に、どのような値打ちがあるかは、やっぱり?です。


Q.20 サラダオイルの抽出にノルマルヘキサンを使用しているのは少 し驚きでした。うろおぼえですが、かなり毒性の高い有機溶媒だっ たような・・・気がします。加熱すれば全部とぶといわれればそれ までですが・・・ 一般に食用のものを扱う時、使用して良い有機溶媒・だめな溶媒は あるのでしょうか?


A.フジテレビのサイトで調べてみました。

http://fcg.japan-site.com/additive/index.html


和名ヘキサン
英名Hexane
許可状況日本での使用が許可されており、使用基準がある
使用基準へキサンは、食用油脂製造の際の油脂を抽出する目的以外に使用してはならない。また使用したへキサンは、最終食品の完成前にこれを除去しなければならない。
主な用途製造用剤
基原・本質・製法石油成分中、n-ヘキサンの沸点付近の留分である。
EU統一番号-
JECFA安全基準リストA1:安全性の評価が行われ、一日摂取許容量が定められているものまたは一日摂取許容量を定める必要がないと考えられているもの

 ヘキサンというのは、炭素数6の炭化水素で、n-というのは、枝 分かれしていない、直鎖型だという意味です。(Hex=6、ane=二重 結合を持たない炭化水素)毒性については、どうなのでしょうか、 ちょっと今わかりません。

 上の表の「A1」というのは、あまり心配のいらないもの、という 意味ですが。

 一番の問題は、原料が石油だということです。ご存知のように、 同じエタノールでも、石油由来のものは工業用で、食品には生物由 来のものしか使用してはいけないことになっています。これは主成 分が同じでも、バックグラウンドに石油由来物質が混じる、という 可能性があるためです。

 「最終製品での除去」という条件は、このためと思います。もと もと、沸点によって分けられたものですから、もう一度その温度以 上にすれば、除去可能ということでしょうが、やはり気持ちのいい ものではありません。

 ヘキサンを使用しない油は、原料の脂肪分の多いものに限られま す。ゴマ、オリーブ、コーン胚芽、などはほぼ使用しないものばか りです。大豆はまず、ヘキサンを使用しています。

 ヒマワリ、紅花、ナタネ、などは、最初に搾ったあと、ヘキサン で抽出し、「一番搾り」「二番搾り」と称しているようです。

高級品→一番搾りのみ

中級品→価格に応じてブレンド

低級品→二番搾りのみ

と分けて出荷していると、私の訪問した工場では言っていました。

安くて、あまり儲からないので、ヘキサン抽出をやめたいのだが、 田舎の方では、そうもいかない、とも言っていました。

ナタネ粕は肥料として売られています。ヘキサン抽出前のナタネが、 抽出後のものより、少し高く売れるようになれば、ヘキサン使用を やめて、高級ナタネ粕として出したい、ということです。

有機溶媒はどれでも使用できる、というわけではなく、許可された ものに限りますが、上記サイトで「製造用剤」で検索すると、山ほ ど出てきます。有機溶媒に分類されるものは少ないのでしょうが、 ちょっとびっくりします。一度、ごらんください。

中には何に使うのか、想像もつかないものもたくさんあります。

製造現場の人も大変だなあ、などと思ったりもします。


Q.19 オレンジの発ガン性について、コーヒーと一緒に食べると癌に なると聞いたことがあります。よく言う、食べ合わせが悪いそうな のですが。いかがでしょうか?みかんはビタミンの補給のため毎日 食べているので、かなり気になります。


A.「食べ合わせ」のデータについては、聞いたことはありません。 ただ、コーヒーにも、オレンジジュースにも、発ガン性があること は事実のようです。みかんの皮をつぶすと、刺激のある液体が出て 来ますが、あれは「リモネン」という、油の一種です。これが発ガ ン性があり、ジュースにも含まれている、という話です。みかんの 中身はたぶん発ガン性はないと思います。

 発ガン性、と聞くと、ぎょっとしますが、これだけたくさんのガ ン患者が発生しているのですから、発ガン性があるものはそのへん にたくさんある、と思ったほうがよいと思います。

 このごろ、ようやくわかってきたわけですが、この先、今まで食 べてきた食べ物の発ガン性が報告される、ということがどんどんで てくるだろうと予想しています。

 でも、よっぽど強烈なもの以外は、あまり気にせず、今までどお りの生活を続けてかまわない、と思います。

 食べ物をとらずに生きていくわけにはいきませんし、変わりの食 べ物が安全だなどとは、誰も保証してくれないからです。

 そこで、「同じ物をたくさん食べない」という原則が有効になる と思います。また、自然にある発ガン物質は避けることができない ので、人工的な発ガン物質は意識して避けるようにしましょう。


Q.18 先日玄米を買いましたが、白米と混ぜて炊いたところ、とって も固かったのですが、何時間か水につけておくべきでしょうか?ま た、洗米は白米と同様でよいのでしょうか?


A. 玄米は普通にたいたのでは、固くて食べられないと思います。 「玄米食」をしている人は、「圧力釜」を使うことが多いようです ね。また、たっぷりの水で、「玄米がゆ」にする人もいました。い ずれにせよ、白米と混ぜて炊くのは無理があると思います。

 玄米にあって、白米にないものは、「ぬか」と「胚芽」です。こ のうち、胚芽は栄養に富んだ部分ですが、「ぬか」はあまり食用に は適さないのではないでしょうか?

 「米ぬか油」というものがあるように、ぬかはかなりの脂肪を含 んでいます。農薬の残留は、この脂肪分に多いという話もあります。

 宮沢賢治は「1日に玄米4合と・・」という詩を残していますが、 あの時代でも、玄米を食べる人はほとんどいなかったと思います。 圧力釜も普通の家にはなかったでしょうから、思いきり固い玄米ご はんを、むりやり噛んでいたのではないかと思います。

(賢治は科学者でしたので、「玄米と味噌と少しの野菜」が栄養的 にも最低限のものを保証することは知っていたようです。たしかに、 このような食生活では、白米より、玄米の栄養に期待できるものが あります。)

 私の考えでは、米を1日に一人あたり3合も食べていた時代と違 い、副食からのカロリーの方がはるかに多くなってしまった現在、 栄養的にも、白米で充分と思っています。

 また、「胚芽米」といって、米の胚芽に部分を残した精米が販売 されています。これなら、白米とほぼ同じように炊けますので、試 してみてはいかがですか?(栄養的な差は微々たるものですが・・。)


Q.17 友人でアロエベラジュースとプロポリスを試している人がいま す。とても高価なもので私はチョット思いとどまっていますが、よ く勧められます。とても健康によいそうで病気がちで悩んでいた人 が何人も救われたと聞きます。そんなにいいのでしょうか。試して みたいけど効果はどの位期待できるのでしょうね〜高い値段に見合 っているのかしら…


A.アロエは薬効がありますので、効かないことはないと思います。 でも、薬効があるということは、素人判断では危険なこともある、 ということでもあります。できれば、漢方に詳しい医者の処方でも あったほうが良いと思うのですが。

 プロポリスの方は、ちょっと怪しげです。あれは「蜜蝋」といっ て、蜂の巣の材料になっているもので、食べ物とは言いにくい物質 だそうです。薬効の方も未確認と思います。

 「未確認」というのは、「効いた」という人はいるが、誰にでも 納得のできるデータが提出されていない場合のことで、この段階で は、効くかもしれないし、効かないかもしれない、というところで す。また、毒性についても、確定していませんので、副作用の可能 性もあります。

 人の体は微妙ですから、「効いた」という人に文句をつける必要 はないのですが、高い金額とリスクを払って、自分も試してみる、 という気には、私はならないです。

 ということで、医者がある程度のリスクを考慮して投与するクス リより、よく効く食品がある、ということ自体を疑った方がいいと 思います。勧める人に悪気はないのでしょうが、真に受けることも ないです。私としては、この手のものはおすすめできません。


Q.16 海の深層水についてもHPでとりあげていただければ…と思いま す。


A.前にもこのメールマガジン「安心!?食べ物情報」でちょっと取 り上げましたが、どうも理解できないでいます。

 などという疑問だらけです。どなたかご存知の方がいらっしゃた ら、教えてほしいと思います。


Q.15 私が読んだ他の本には気おつけなければいけない添加物の所に ソルビン酸が書いてあって、「発ガン性の疑いがある」と載ってい たのですが?


A.ソルビン酸は「防腐剤」ですが、それほど強い効き目はなく、 ほとんどの場合、使わずにすむものと考えています。

 現に、大手メーカーのかまぼこや漬物で、「防腐剤無添加」のも のは販売されています。

 無添加ですむものに、どうして防腐剤を入れるかというと、流通 中の「冷蔵流通」、家庭での「冷蔵保管」が守られていない、とい う前提があるからです。防腐剤無添加の商品を作ると、流通にも責 任を持たねばなりませんし、家庭での保管リスクも背負う必要があ り、覚悟が必要です。(もちろん製造時の衛生管理も。)

 その覚悟がもてないメーカーは、防腐剤添加をするわけですが、 これも、無責任な「無添加」商品を作るよりはましかと思います。

 でも、店頭では、防腐剤を使っていないメーカーの商品を応援し てやってください。結構なコストをかけて、防腐剤無添加でがんば っても、消費者の理解が得られず(売れ行きの問題です。)、苦し んでいるメーカーが多いのです。

 それでは、ソルビン酸の毒性はどれくらいかというと、ほとんど ありません。(^.^)発ガン性云々はデマです。

「安心!?食べ物情報」7号から、LD50(半数致死量)といって、急 性毒性の指標です。)の表を引用します。

------------------------------------
【防腐剤】
ソルビン酸               10.5
【一般品】
食塩                      8〜10
------------------------------------

 詳しくは、安心!?食べ物情報のサイトのバックナンバーを見てほ しいのですが、比較に食塩の数値を並べてみました。これは体重1 kgあたりの摂取グラム数で、体重50kgだと、500gくらい一度 に食べると、危ない、ということです。(この数字が1gを超える ものは、基本的に毒物ではありません。)

 発ガン性についても、最終的に発ガン性は確認されていません。 (もし確認されていたら、添加物の指定は取り消しになるでしょう ね。)

 ソルビン酸について、ラットに腫瘍ができた、という実験報告が かつてあったらしいのですが、追試の結果、それも確かではないよ うです。発ガンの実験報告は、一度もなかったと思います。

 したがって、ソルビン酸の毒性を気にする必要はありません。し かし、だからといって、食品にこのような添加物を使うことはよく ない、と思います。できるだけ、無添加のものを選びたいですよね。

 結論は、

(1)ソルビン酸の毒性は心配するほどのものではありません。

(2)でも、防腐剤無添加のものを選びましょう。

の2点です。


Q.14 広告などをみていると、健康食品としてコラーゲンが随分高い 値段で売られていますが?


A.コラーゲンというのは、皮膚や骨を構成しているたんぱく質で すよね。

 たんぱく質はそのままでは吸収できませんので、分解して、アミ ノ酸(またはアミノ酸がいくつか集まったオリゴペクチン)として 吸収されます。

 したがって、たんぱく質を摂る、というのは、それを構成してい る、アミノ酸を摂る、ということです。コラーゲンという一つのた んぱく質を摂ることに意味があるとは思えません。

 たんぱく質はその種類に応じて、特有のアミノ酸組成を持ちます ので、体内でコラーゲンを作る材料には、コラーゲンを摂るのが良 いようですが、コラーゲンでなければならない、というわけではあ りません。

 それよりも、体内でコラーゲンを合成するには、ビタミンCが重 要な働きをしています。(ビタミンCが不足すると、壊血病になる のは、コラーゲンの生成が阻害されるためだそうです。)

 したがって、コラーゲンを摂ることに意味はあまりなく、皮膚の 健康のためには、ビタミンCの摂取がより重要、ということになり ます。ビタミンCは普通の食生活で充分摂取できますので、よほど 偏った食事でない限り、補給する必要はないと思いますが、ビタミ ン剤として補給する、という手もあります。(お勧め、というわけ ではありません。)

 たんぱく質が何かの間違いで体内にそのまま入ると、異物と判断 され、アレルギー反応が起こります。コラーゲンに限らず、ある種 のたんぱく質の効果をうたった食品はすべて、眉唾物といってよい と思います。

 コラーゲン注入、などという、乱暴な美容法もありますが、コラ ーゲン配合の化粧品、とか、食べるコラーゲン、というのはナンセ ンスです。


Q.13 ハム、ベーコン、ソーセージは妊婦は取るべきでないと聞き ますが、保存料がいけないのでしょうか?最近売られている無添加 無着色のものなら大丈夫なのでしょうか?


A.たぶん、発色剤として使われている「亜硝酸塩」のことをいっ ているのだと思います。私もハム類は無添加のものをおすすめしま すが、別に食べてすぐにどうこういうものではありませんので、そ れほど心配なさる必要はないと思います。

 ドイツあたりではハム類は伝統食として、たくさん食べます。も ちろん、亜硝酸塩も入っています。でも、食べていけない、という ことはいわないと思います。

 塩分は多いですから、そのことをいうのかもしれません。加工食 品には全般にそういう傾向がありますから、ハム類に限らず、取り 過ぎないほうがよいのでしょうね。


Q.12 スーパーなどでよく「SPFポーク」の表示を目にします。無 菌状態で飼育された豚…という風に聞き及んでいるのですが、正確 にはどういったものでしょうか。 抗生物質を与えて飼われているのでしょうか。そうだとすると人体 へはどんな影響がありますか。


A.SPFというのは、大変凝った豚の繁殖・飼育技術です。

発想としては、「薬品の排除」ですので、一般の飼育法より、薬品 の使用ははるかに少なく、原則不使用だと思います。

まず、「無菌状態」の母豚を人工授精で妊娠させ、出産も帝王切開 で子豚を取り出します。その後も、クリーンルームに準じる設備で、 出荷まで、肥育します。

この飼育法は設備などにかなりコストがかかりますが、飼料効率が よく、肉質も安定するため、採算がとれる、と説明されています。 (本当にそうかはよく知りません。)

食べたときの人への影響は、普通の豚肉と同じです。薬剤の使用が 少ない分、安心かもしれません。

抗生物質ですが、豚では抗生物質の使用によって、飼料効率が上が る(同じエサでもよく肥る)ことが知られています。

不思議な現象ですが、腸内の細菌(とくに乳酸菌)をおさえると、 腸の動きがゆっくりになって、栄養をたくさん吸収するのだ、とい う説を読んだことがあります。また、病原菌などのストレスが少な くなるのも一因かもしれません。

このような効果を、薬剤ぬきで狙ったのが、「SPF豚」というわ けです。Sは住友化学の頭文字だったと思います。

安全性と経済効率の両立をねらった、画期的な技術として、敬意を 払うのにはやぶさかではないのですが、私はどうも、「やりすぎ」 の技術だと思っています。

自分の「安全」だけが究極の目的なら、普通の豚よりも[SPF豚」 の方が優れています。しかし、このような、養豚業の一般水準から はかけ離れた技術が導入されるとき、一資本による、養豚業の支配 までいってしまいがちです。

今話題の「遺伝子組み替え」技術にも似たようなところがあり、私 は反対しています。

もう少し、今の養豚業の現実にあった技術が育ってくるまで、控え めに普及していってほしいと思います。

ただ、時代の流れで、いずれはこのような方向に進んでいくのでし ょうね。もちろん、そんな時代には私は生きていないでしょうが。

ということで、SPF豚を積極的に排斥する理由は別にありません。 別に有り難がることもないので、高い値段がついていたら、無視す れば良いと思います。お買い得な価格なら、私は買いますね。


Q.11 おばが奄美の出身でよく黒砂糖を送ってくれるのですが、、、。 おやつがわりに黒砂糖をたべると疲れも取れるんだそうですが、 なんか根拠があるのでしょうか?


A.砂糖は疲れたときには、良い食べ物です。体がエネルギー不足 に陥っているときは、甘いものが一番。要するに糖分の補給なので すが、砂糖はすばやく吸収されるので、特に良いのです。

 ただ、砂糖をそのまま食べたり、砂糖水、などというのも、もう 一つ気が進みません。黒砂糖はそのまま食べて美味しいものですか ら、たしかに、おばさんのおっしゃることはあたっていると思いま す。

 だからといって、料理にも黒砂糖を使うのはやり過ぎです。黒砂 糖が適した料理もあるのでしょうが、ごくまれです。

 黒砂糖は日本独特の砂糖で、近代的な製糖法が伝わる以前に、先 人が苦労して開発したものだという話です。サトウキビから砂糖を 作るのは、それほど簡単ではないのです。

 黒砂糖の特徴は、製造時に、かなりの「石灰」を投入することで す。あの独特のアクはこの石灰に由来する、アルカリではないかと 思います。(確かではありません。)

 黒砂糖の成分を見て、カルシウムが豊富だ、とか、白砂糖はカル シウムを取り除いている、とかいう人がいますが、誤解です。

 もともとなかった、カルシウムが、石灰という形で投入されたも のだからです。石灰岩の石灰ですので、人間にとって、栄養価値が あるものとは思えません。

 黒砂糖は日本の特産であり、甘くて美味しいお菓子です。疲れた ときにかじると、とても美味しいし、疲れをとる効果もあります。

 それで十分ではありませんか?

 蛇足ですが、白砂糖が悪くて、黒砂糖にしなさい、というのは、 信仰の問題なら、ご自由に、ですが、事実の問題としては、単なる デマです。あちらこちらで良くみかけるのは、デマが自己増殖して いるだけで、何等根拠のあるものではありません。


Q.10 お茶の発酵の仕方について知りたいのですが、ご存じでしたら お教え下さい。特にウーロン茶と、プーアール茶のように黒く発酵 させるものについて知りたいのです。


A.お茶の葉というのは不思議なもので、ほっておくと勝手に発酵 をはじめます。細菌が繁殖するのではなくて、酵素による自己消化 が主なのですが、緑茶の製造は葉を摘み取ってから、いかに早くこ の発酵をとめるか、ということが深刻な問題になります。そこで、 荒茶工場といって、お茶を最初に加工する工場は、必ずお茶畑の中 にあります。

 お茶の葉を完全に発酵させたのが紅茶です。インドからイギリス に運んでいる間に、紅茶になってしまったのが始まり、という話も ありますが、眉唾もののようです。

 ウーロン茶などは、途中で発酵を止めるので、「半発酵茶」と呼 ばれています。いずれの場合も、発酵さすのではなく、勝手に発酵 するのを、どうして止めるのか、ということです。

 緑色の茶の葉が、発酵にしたがって、黒くなり、最後に赤みをお びて来る、という課程を経るようです。


Q.9 関西の白味噌は白くするのに、漂白していると聞きましたが真 偽の程はどうなのでしょうか?

A.味噌の色は、醸造が進んでいる間に、成分に含まれているアミ ノ酸と糖分が結合して着色していきます。これは自然の現象なので、 心配するものではないのですが、色を見ると仕込みの期間がだいた いわかるわけです。

 塩分が同じくらいの味噌だと、色の濃い方が、長く仕込んだもの で、2〜3年を超えると、茶色を通り越して、黒くなってきます。

 味噌の醸造期間は、塩分、温度、麹の量などでだいたいきまりま す。ご質問の「白みそ」は米麹の割合が多く、醸造期間は何と1週 間程度です。

 したがって、着色している時間がないので、白いままである、と いうわけです。一般の味噌も、醸造が始まる時点では、あんな色を しています。

 漂白といっても、味噌の味を残して、色だけを白くする、という のは不可能です。ふつう、白い製品を得たい場合は、漂白ではなく、 着色しない工夫を考えるものです。


Q.8 パンやパスタ、うどんなどは国産小麦は適していないようなのです がケーキも同様なのですか?


A.適していない、といっても、違いはいろいろです。

 パスタはそもそも品種が違いますので、論外です。

 パンにはかなり厳しいものがあります。パンが膨らむというのは、 酵母が糖を二酸化炭素とアルコールに分解するとき、できた二酸化 炭素(炭酸ガス)で膨らみます。このとき、パン生地のグルテンの 量と強度が問題になります。

 国産小麦はグルテンの量も少ないのですが、(ハルユタカでも) 強度にも問題があります。練っていると、グルテンがすぐに切れて きてしまうのです。大手メーカーの連続式の発酵では、まず無理な ので、小さなパン屋さんで手作り、ということになって、かえって 良いかもしれませんが。

 うどんはもともと、日本の食べ物なので、別にむいていないわけ ではありません。というより、国産小麦を美味しく食べる最高の方 法と思っています。ただ、極端に「コシ」の強さを求める、「さぬ きうどん」などでは、オーストラリア・ホワイトになってしまって います。これは比べればすぐに分かる違いがあります。

 昔は輸入小麦粉を「メリケン粉」、国産小麦粉を「うどん粉」と 呼びわけていたそうです。先ほども書きましたが、うどんは国産小 麦に最も適した食べ方と思うのですが、残念ながらここでも輸入も のの方が評価は高いようです。

 外国の品種を導入しても、どうしても同じようなものが出来ない のは不思議ですが、今のところ、現実には国産小麦は品質的には苦 戦をまぬがれません。

 ケーキについてですが、ケーキには普通、「薄力粉」を使います。 国産小麦はグルテンに弱点があるので、薄力粉としては問題ないは ずですが、やはり品質では輸入ものに及ばないのが現実です。ただ、 適さない、というものではありませんから、どんどん使ってやって ください。

 私は普通の料理はしますが、ケーキなどは作ったことがないので、 ケーキ作りの具体的なことはわかりません。クリスマス用にスポン ジケーキを焼いてもらったときは、業者側では、国産小麦でも、作 ること自体はあまり問題はない、といっていましたが、出来たもの は、すこししっとりと、「重い」感じのものでした。

 パンでも同じようになりますので、こうしたもの、と思っておく しかないでしょうね。風味がある、という気もします。うどんでも、 味は国産小麦が良いように、私は思っています。


Q.7 また、ワインの件ですが、私は無添加の物がいいと思い、予約販売 の無添加ワインを購入しております。天然だから甘いと思っていた のですが、それも砂糖が入っているのでしょうか?


A.たぶん、醸造時には入っていると思います。ただ、砂糖がそのまま 残っているわけではありません。甘いのは醸造方法の違いによりま す。私はワインに関しては、国産のものはレベルが低い(甘すぎて おいしくない)と思っていますが、好みの問題ですので、美味しく 飲めればそれで良いのです。

ただ、「国産だから良い」という宣伝は、ワインに関しては間違っ ていると思います。

それから、面白いワインを見つけました。国内のワインメーカーの 商品で、安いワインなのですが、「酸化防止剤無添加」なのです。

ラベルによると、

---〔↓引用はじめ〕-----------------------------------------

ブドウ品種名      原産国     醸造地
------------------------------------------------------------
セレサ(濃縮果汁)  アルゼンチン   山梨県
マスカット(濃縮果汁)アルゼンチン   山梨県
セレサ        アルゼンチン   アルゼンチン

---〔↑引用おわり〕-----------------------------------------

ということで、何とブドウは輸入ですが、ワインは国産、というわ けです。以前から、値段からして、国産ワインを使っているとは考 えにくいもの(安いやつ)でも、「国産ワイン・輸入ワイン」と書 かれていて、不思議に思っていたのですが、一つ疑問が解消しまし た。

また、補糖(糖度の不足を補うため、砂糖などを加える)も、濃縮 果汁を使えば、必要ないでしょう。(濃縮果汁を戻すとき、もとの 濃度より濃くして仕込めばよいのです。)

このワイン、600円ほどでしたが、美味しかったです。

アルコール9%ということですが、ワインのアルコールは普通、こ んなものだと思います。よく「14%未満」と書かれているため、 12〜3%くらいあるのかと思いますが、いくら補糖するにせよ、 こんなには元の糖度はないと思います。

キャップも普通の金属製のキャップでした。コルクをありがたがる 人もいますが、地中海沿岸では、コルクの木が滅亡しかかっている そうです。また、酸化防止剤を使わないタイプは、もともと熟成さ せたりしませんから、保存性の上からも、密封度の高いキャップが 良いと思います。(もちろん、年代もののワインとは違う世界の話 です。)


Q.6 べキングパウダーやドライイーストも添加物だということなのです が、安全なのでしょうか?


A.ベーキングパウダーは分類では添加物そのものです。豆腐やこんに ゃくをはじめ、添加物なしには作れない食品も多いのですから、添 加物だからといって、ベーキングパウダーを使わないわけにはいか ないものもあります。人の作ったものには無添加のものを求めなが ら、自分で作るお菓子には平気で添加物を入れる人が多いのですが、 私はこれは添加物なんだ、と意識して使うのが正しい、と思ってい ます。安全性については、心配するほどのことはないでしょう。

ドライイーストは添加物ではありません。あれは酵母を乾燥状態に して休眠させているものです。酵母(イースト)は添加物の表には 出てきません。あえていえば、「原料」の分類になります。乾燥さ せている分、生イーストより効率が悪いのですが、繁殖してしまえ ば、同じものです。


Q.5 玄米などのフィチン酸やあく
 玄米は体にいいといいますが、これも長年とりつづけるとフィチ ン酸やあくで健康を害す。


A.私の敬愛する宮沢賢治はその有名な詩「雨ニモマケズ」の中で、

一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
と書いています。賢治のことですから、栄養面でも、きちんと計算 ができていたと思います。

 でも、玄米四合というのはすごい量ですね。普通、まず食べられ ないと思います。(白米でも四合食べるひとはあまりいないです。)

 フィチン酸は普通、糠になる層に含まれることが多いのだそうで す。白米でも、全く含まないわけではありません。正確にいうと、 「フィチン態のリン」が蓄積される部分が胚乳の表面部分にあると 解説書に書いてありました。

 フィチン酸はカルシウムの消化吸収を妨げる、というので、嫌わ れますが、別に毒というわけではないと思います。「あく」という のは、意味がよくわかりません。

 ということで、ご心配には及ばないと思います。

 ところで、「玄米は体にいい」ということも、意味がよくわかり ません。玄米は確かに白米よりも栄養素を多く含みますが、味の点 でも、消化吸収の面からも、問題の多い食べ物です。他に副食を確 保するのが難しかった時代はともかく、現代において、玄米食が積 極的な意味を持つとは思えません。

 賢治の例のように、玄米を勧める人はどうも「難行」としての玄 米食を評価していると思います。気持ちの問題として、玄米を食べ ることが気持ち良い、というのなら、それで結構ですが、私などは 軟弱ですので、わざわざおいしくないものを食べる、ということは 理解できないです。


Q.4 塩のにがりについて
 にがりはタンパク質をかためる役目があると聞きます。最近自然志向で天然の塩を摂取し続けると内臓が硬くなり、腎臓もろ過機能がおちて、にがりの多い自然塩をとるのはよくないとの情報があります。
 菜食者は特に影響が大きい(ちなみに私はベジタリアンです)。


 

A.たんぱく質を固める作用があるから、にがりは豆腐の製造に使 われたりするのですが、生体内で同じことが起こるわけではありま せん。骨がコーラに溶けるから、コーラを飲めば骨が溶けてしまう、 というのと同じ間違いだと思います。

 食塩は結果的に塩素とナトリウムを体内に供給しますが、にがり にはマグネシウム、カルシウムなどの、その他のミネラルが含まれ ています。でも、実は自然塩といっても、そんなに多量ににがりを 含んでいるわけではないのです。(「食べ物情報」のらんを参照し てください。)

 自然塩といっても、主成分が塩化ナトリウムであることは変わり ませんから、微量成分で健康に影響があるとは思えないです。逆に 自然塩だから健康に良い、というのも間違いです。

 どんな種類の塩にせよ、1日に食べる量はどれくらいでしょうか? せいぜい10グラム程度。100グラムも食べれば大変です。しか も大半は加工食品に含まれる塩分ですから、「自然塩」をとる量と いうのはごく僅かです。そのうちのわずか数%の微量成分で、健康 被害が出るならば、猛毒に近いですね。

 また、それで健康に良いなら、薬品として売り出したいくらいで す。

 内蔵が硬くなったり、腎臓の機能が落ちたり、というのも、根拠 が示されていない限り、眉唾ものです。その話にちゃんとしたデー タはついていましたか?こういう話は主観的な思い込みと根拠のな い連想で、いくらでもできてしまいます。


Q.3 赤000号とか、青000号とか書いてるのはあまり買いたく ありません。そうゆうのが入ってるのでも問題ないんでしょうか。


A.問題がある、という云い方の中味ですが、

「すぐに健康被害が出る可能性」のレベルでいうと、まず問題あり ません。食品添加物として許可されている以上、その程度の安全性 はあると思います。

(ときたま食べたからといっても、別にすぐに病気になるわけでは ない、ということです。)

「長期にわたって、何の健康被害もおこさない」というレベルだと、 少し心配があります。危険性は少ないのですが、危険性が大きくて も、避けられない危険もあるなかで、食品添加物は云ってみれば、 避けられる危険ですので、避けるほうが賢明だと思います。

(気にせずいつも食べていると、一生の間には、問題が発生するお それがあると思っています。)

結論としては、私も「赤000号」とか「青000号」とかを添加 している食品は避けた方が良いと思います。

ただ、他家で出されたとき、とか、外食時にまで、絶対に食べては いけない、というものではありませんので、円滑な日常生活を犠牲 にしてまで、避けるほどのものではない、と思っています。

(たとえば、「タバコ」や「麻薬」は、円滑な日常生活〔=つきあ い〕を犠牲にしても、避けるべきものだと思います。)

ランク付けの一例として、

(1)絶対に食べてはいけない(急性毒性の強いもの)

(2)日常的には食べないようにする(慢性毒性、または発ガン性 のあるもの)

(3)なるべく食べない方がよい(慢性毒性、または発ガン性が疑 われるもの)

(4)食べてもよいけれど、食べないに越したことはない。   (すべての安全と思われる化学合成物質、天然物であっても、 伝統的な食生活にはなかったもの)

(5)気にせずどんどん食べて良い(伝統的食生活にある食材)

フグの内臓とか、毒キノコとかはもちろん(1)です。
わらびなんかは(2)になります。
食品添加物は大半は(4)ですが、タール系色素や亜硝酸塩などは (3)になると思います。
(5)でも、絶対安全というわけではありません。


Q.2 例えば、パンについても、「イーストフード」という物が「イース ト」とどう違う物なのか、とても気になっています。


A.「イースト」というのは、日本語で「酵母」です。とても簡単で すね。こんな簡単なことが何故疑問に思われるかというと、「天然 酵母」と「イースト菌」という対比を語る人がいるからだと思って います。

 同じものをこのように言葉を変えることで、全く違うもののよう な印象を与えるのです。

 この場合、「イースト菌」という言葉がさしているものは、市販 されている、純粋培養された酵母で、「天然酵母」という言葉がさ しているものは、売っている本人が「天然」である、といっている か、家庭で野生酵母(どこにでもいます。)を培養したものである か、です。

 どちらにせよ、動物園の虎を「天然の虎」と言っているようなも ので、間違いとも言い切れませんが、変な表現です。

 酵母というのは、カビの中で単細胞で生活しているものの総称で す。同じ微生物でも、細菌よりずいぶん大きくて、生活スタイルも ちがいます。

 主な働きは、糖分を食べて、二酸化炭素とエチルアルコールを発 生させることで、パンやお酒の醸造にはなくてはならないものです。 また、味噌、醤油、漬物など、あらゆる醸造物に一役買っている、 極めて有用な微生物です。

 また、どこにでもいるものですので、適当な培養地を作って、自 分で飼うこともできます。ただ、こういうふうにして育てた酵母は いろんな種類が混ざっているため、醗酵の能力では純粋培養された ものと比べると劣ります。

 逆にこの醗酵能力の低さを利用して、ゆっくり醗酵させたりする 技もあるようです。

 

 酵母の主食は先にも書きましたように糖分ですが、増殖するため には、当然、ミネラル分などの微量成分もいります。「イーストフ ード」というのは、言葉の本来の意味では、字義どおり、酵母のエ サで、特にパン生地の醗酵用に、不足する酵母の栄養を補うための ものです。(酒などのもろみは栄養豊富です。)

 ところが実際は、小麦粉の品質改良剤として使われています。パ ン生地の醗酵状況を左右するのは、酵母の繁殖次第というより、小 麦粉の膨らむ能力の方だからです。

 かつては「臭素酸カリウム」が主役でしたが、今ではビタミンC が主になっているものが多くなってきています。

 臭素酸カリウムは問題の多い添加物です。パンを焼く課程で分解 蒸発してしまうので、残留は少ないのですが、そうでなければ、は っきりいって毒物です。今でも、輸入農産物に昆虫(の卵や幼虫) が見つかった場合に「薫蒸」されるのですが、この臭素酸カリウム も使われているようです。

 イーストフードは使わなくても、良い小麦粉を使って、きちんと 醗酵させれば、良いパンはできます。とくにアメリカ風の白くて柔 らかいものを求めなければ、別に問題はありません。ただ、大量生 産しているラインでは、イーストフードを使わない、というのは難 しい、と聞いたことがあります。(今は可能になっているかも知れ ません。)

 「良い小麦粉」といった場合、国産小麦粉はまず失格です。残念 ながら、国産の小麦はパン用の適性は著しく劣ります。グルテンを 添加すれば、格好はつくようですが、カナダ、アメリカ、オースト ラリア産のものにははるかに及びません。

 それでも国産小麦が良いか、輸入小麦にするのか、悩ましい選択 になります。


Q.1 初めまして。私は大の「お酒」好きです。 日本酒にも何か問題があるのでしょうか? 少し心配になりました。(その心配よりも 飲み過ぎに注意しろ!と言われそうです が)。


A.日本酒のおいしい季節になりました。日本酒は米から作る酒です ので、本来は秋にとれた米でその冬に仕込むものです。こうして仕 込んだ酒はいちばん早いものはそろそろ搾りの時期になります。

 最近は大手の酒倉では、四季醸造といって、醸造室の温度などを 管理して、常時仕込んでいるようです。品質に問題があるわけでは ありませんが、季節感という点では、何だかなあ、という感じです。

 詳しい醸造方法などの話は別の機会にしますが、分類すると、

「純米酒」米から醸造した成分だけのもの。
「本醸造」醸造用アルコールを添加しているもの。
「それ以外」醸造用アルコール、醸造用糖類などを添加しているも の。

 という分け方ができます。私としては、当然「純米酒」をお勧め しますが、「本醸造」も別に悪いものではありません。味がいわゆ る日本酒らしくなるので、今でも田舎の方の年配の人には、本醸造 でないとダメ、という人が多いと聞きました。実際、私の父(70 歳を越えています)に純米酒と本醸造酒を飲み比べさせたら、本醸 造の方がおいしい、といっていました。

 それ以外の酒は論外だと思います。

 あと、「吟醸酒」「大吟醸酒」というのもあります。純米酒のこ とも、本醸造酒のこともありますので、別の分類になります。

 一般に酒用の米はごはんにするより、精米の度合いが高く、真っ 白に搗いて使用しますが、吟醸酒では60%くらい(40%が糠に なります。)から50%くらいまで搗いて、まん丸の真珠のような 状態になった米で仕込みます。大吟醸では50%以下というとんで もない贅沢をしています。

 米は中心部にいくほど、たんぱく質などの成分が少なくなり、で んぷんばかりになっていきます。このため、精米を強くするほど、 雑味のないすっきりとした味になり、フルーティな香が出ることも 特徴です。

 私もこの手の酒は好きなのですが、何せ高価な酒です。日常的に 飲むものではないと思っています。(もちろん、お金持ちの人はそ れでかまわないのです。)

 防腐剤として、サリチル酸が入っていたりすることがあります。 あまり見かけませんが、ラベルの表示を見てください。

 日本酒は冬に仕上がった酒でも、搾ったあと、貯蔵して、夏ごろ にようやく出荷されます。今市販されているものは、昨年の冬の仕 込み、と思います。通常の火入れした酒では、ある程度たってから 飲むことは問題ありません。「生酒」「生貯蔵酒」というのは、ま た別のジャンルのもので、夏に冷で飲むためのものです。