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食べ物情報(10)その他の話題

海洋深層水


2002/07/15

 12月5日付で、公正取引委員会から、つぎのような通達が出てい ます。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

     飲用海洋深層水の表示について
                   平成13 年12 月5 日
                   公正取引委員会

飲用海洋深層水の表示上の問題点と留意事項

1 「海洋深層水」との表示

【表示上の問題点】

(1)海洋深層水の濃縮液等に鉱泉水を相当量配合又は(2)鉱泉 水等に海洋深層水を添加している飲用海洋深層水に、商品名等とし て大きく「海洋深層水」と表示している場合、商品名等と同一視野 に入らない原材料の一括表示欄に商品名等に比して小さく鉱泉水等 も用いている旨表示しているとしても、消費者には海洋深層水のみ を原料とする又は海洋深層水が相当量含まれる飲用海洋深層水と誤 認されるおそれがある。

【留意事項】

○商品名等に単に海洋深層水である旨表示するのではなく、海洋深 層水の濃縮液等に鉱泉水を配合している旨又は鉱泉水等に海洋深層 水を添加している旨明瞭に表示する必要がある。

○消費者に対する適正な表示の観点からは、いずれの飲用海洋深層 水にあっても商品の内容に関する情報を消費者に適切に提供するた め、その製法等の表示や海洋深層水の使用量又は使用割合を表示す ることが望ましい。

2 ミネラル成分含有量等の表示

【表示上の問題点】

○消費者は,飲用海洋深層水に対して、体に良くミネラルが豊富に 含まれるものとの認識があるが、どの程度のミネラル成分等を含む ものが飲用海洋深層水として優れたものであるかは一概にはいえな い。また、各事業者ごとにまちまちとなっているミネラル成分含有 量の表示が分かりにくいという面があるものの、現段階で一定の基 準を設けることは困難な状況にある。

○しかし,ミネラル成分を「豊富に」、「バランス良く」含む旨等 のミネラル成分含有に係る強調表示を行っているにもかかわらず、 ミネラル成分を「豊富に」、「バランス良く」含む旨等の根拠が明 確に存在しないものは,消費者に実際のものよりも優良であると誤 認されるおそれがある。

○市販のミネラル成分を添加してミネラル成分を調整しているにも かかわらず、その旨の表示がない飲用海洋深層水は、消費者に海洋 深層水のミネラル成分だけが含まれているものと誤認されるおそれ がある。

【留意事項】

○現段階で、飲用海洋深層水にどの程度のミネラル成分が含まれて いることが適当であるかを判断するものではないが、ミネラル成分 含有に係る強調表示を行う場合は、その根拠が必要であり、また、 その根拠に基づき栄養成分表示がなされる必要がある。

○海洋深層水から抽出されたミネラル成分以外のミネラル成分を添 加している場合は、その旨明瞭に表示する必要がある。

3 採水地の表示

【表示上の問題点】

○外国で採水された海洋深層水を用いて、国内で飲用に加工された 飲用海洋深層水について、実質的な変更を行った原産国を表示する ことなく商品名や採水地欄に当該外国の採水地のみを表示した場合、 消費者に採水地である外国が原産国であると誤認されるおそれがあ る。

【留意事項】

○外国で採水された海洋深層水を用いて、例えば、国内で製造する など、国内で実質的な変更がもたらされた飲用海洋深層水について、 採水地である外国を強調して表示する場合は、併せて原産国を明瞭 に表示する必要がある。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 要するに、「海洋深層水」の表示はあやしいぞ、と言っているわ けです。これには伏線がありまして、今年の春に、アサヒビールの 発売した発泡酒「本生」が「海洋深層水使用」をうたったため、他 のビール会社が公正取引委員会に訴えていたのです。

 私も「本生」は海洋深層水だけで作ったのかと思っていたのです が、実際は少ししか使っていなかったらしいです。

 で、今回の公正取引委員会の発表になった、というわけです。今 週は長くなってしまったので、この話は次回に続けます。


2001/12/23

 先日、毎日新聞を読んでいたら、海洋深層水に関するシンポジウ ムなどという記事が載っていました。全面をとって、大きく扱って いるのですが、その下に上の質問にもあった、「海洋深層水」の会 社の広告が…。こういう形の記事は、実は単なる全面広告なんでし ょうね。

 で、そのシンポジウムの中で、研究者の人が、市販されている海 洋深層水は実は本当の深層水ではない、と言っていました。他の発 言を見ても、「海洋深層水が体に良い」などとは一言も言っていな いようでした。(まともな学者ばかりだった、ということです。)

 海には表面を流れる「海流」とは別に、深層を流れる「深層海流」 というのがあります。これは地球規模のもので、北大西洋で深海に 沈んだ水が、大西洋を南下し、インド洋を東へ流れ、太平洋を北上 して、北太平洋と東太平洋で上層に出てくる、という実に雄大なも のです。

 そしてこの北太平洋(ベーリング海)や東太平洋(ペルー沖)が 世界で最も豊かな漁場になっているのは、この深層水が上昇してく る海域だから、ということです。

 海での生物の活動は、ほとんどが表層で行われています。これは 太陽の光が届く範囲でしか、エネルギーの生産ができないからで、 ここで主に陸地から供給される栄養塩をもとに、活発な光合成が行 われます。

 こうして、表層水では栄養塩はどんどん消費されていきます。一 方、深層水では、光合成が行われないので、消費されないのと、上 層から生物の死骸が降ってくる、ということもあって、栄養塩が豊 富にあります。この深層水が上昇してくる海が巨大な生産力をもつ のは、こうした栄養塩の供給があるからです。

 海の水は表層と深層では混じり合わないので、だいたい大陸棚の 深さである200メートルくらいを境にして、表層の水はその上を 流れています。太平洋の平均深度を5000メートルほどあります ので、200メートルくらいは本当の深層水というよりは、中層水 だ、と先程のシンポジウムでは言っていましたが、それでも表層水 とは違うのは確かです。

 200メートルというのは結構な深さで、日本で陸地の近くでこ んな深さになる場所は何カ所しかありません。富山湾、駿河湾、四 国沖、といったところです。駿河湾や四国沖はプレートテクトニク ス理論では、海洋のプレートが日本列島を構成しているプレートの 下にもぐり込んでいる場所で、東海・南海地震の巣になっていると ころですね。

 富山湾も特殊な場所で、ここから日本海の最深部まで、急激に落 ち込む地形になっています。日本海の水は表層水以外は外部と行き 来しませんので、非常に長期間、日本海に閉じ込められた水で、太 平洋の水とは違うものです。(どこが違うのかはよくわかりません が)

 この他、沖縄でも「海洋深層水」を採取していますが、これは沖 合に施設を浮かべる形で、かなり深い場所からのものです。これは コストがかかりすぎでしょうし、ためて置いて船で運ぶのでしょう から、私はあまり感心しないです。利用方法としては、本命ではな いと思います。

 それで今、「海洋深層水」と言って売られているものの元は、大 部分が四国の室戸沖のものだと思います。例のアサヒビールが使っ たのは富山湾のものだそうです。よく考えれば、アサヒビールの工 場は全国にありますから、ビールに使用する水のすべてを富山から 全国に運べるわけはありませんでした。

 おそらく、醸造の初期の段階で、一部に使用しているのでしょう ね。これでは誇大広告と言われてもしかたないです。

 ただ、海洋深層水の使い方としては、まっとうなもので、酵母な どの培養に一定の効果があるのだと思います。海洋深層水の使用法 でまともなものといえば、何といっても養殖での使用です。栄養が 豊富で、有害な微生物を含まない海洋深層水は養殖での利用には大 いに期待できると思います。

 ただ、あくまで経済活動での利用なので、コストが引き合うかど うか、技術的にはなかなか難しいものがありそうで、現在研究中、 といったところと思います。とにかく、安価でどしどし使える方法 でないとだめなことは確かです。

 食品への利用ですが、醸造用に使う、というアイデアは誰でも出 てきそうなものです。ただ何といっても海水なので、そのまま使う というわけにはいかないはずです。そこでだいたいは逆浸透膜を使 って塩分濃度を下げるわけです。しかし、逆浸透膜というのは、基 本的に海水を真水にする装置ですから、こんなことをしてコストを かけて、海洋深層水を使う利点、というのがよくわかりません。

 雑菌がいない、というメリットをあげる人もいますが、原料がど んな水であれ、逆浸透膜を通過してくる細菌がいるわけはありませ んので、これはどんな水でも同じことです。栄養塩(ミネラル)が 豊富、といっても、逆浸透膜で取り去るのは、このミネラルそのも のです。

 要するに、逆浸透膜を通過したとたん、元の水とは関係なく、同 じようなものになってしまう、ということになると思います。

 長くなりましたので、「海洋深層水」を利用した食品については、 次回にまわします。


2001/12/30

 前回、日本の近海で深い所、としてあげた中で、駿河湾だけは海 洋深層水の商品は聞かなかったのですが、やっぱりそういう動きは あるようです。

 書いてしまってから、駿河湾が深い、というのは本当だったかな、 と不安になっていたのですが、ほっとしています。

 で、最新のニュースがこれです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 焼津商工会議所の海洋深層水事業化部会は十日、焼津市役所で戸 本隆雄市長と懇談し、深層水の利用度を高めるため、「焼津市とし て深層水の脱塩装置の設置を」と要望した。戸本市長は「海づくり 大会後の市活性化に向け、深層水活用は大きなポイントと考える」 などと述べ、一定の理解を示した。

 同部会は、深層水の焼津ならではの活用方法を模索するため、昨 年八月から研究を進めている。この秋には市内の水産会社など五十 二社を対象に、将来の深層水使用予定量をアンケート調査した。回 答のあった四十社のうち開発中や検討中を含め、約七割の組合・企 業が深層水を使用する可能性があり、予想使用量のうち九割以上は、 脱塩水を必要としていることが分かったという。

 同部会の山中一成副会長らは、「脱塩水を使いたい企業が多いが、 中小企業では設備投資が難しい。脱塩装置があれば、東海地震など 緊急時には飲料水としても使える。ぜひ、市で建設していただきた い」と求めた。戸本市長は「公設か民営か、どの種類の脱塩水がど の程度必要か―などの課題を検討し、一定の方向を見出していきた い」と述べた。

http://www.sbs-np.co.jp/shimbun/kikaku/sinsosui/sinsousui01121101.html

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 先行している高知なんかでは県がかなりの役割を演じていますの で、駿河湾でも、というところでしょう。

 「海洋深層水」といっても、まさか海の水をそのまま飲んだりす るわけではないと思いますので、脱塩しているとは思っていたので すが、やっぱりこうした脱塩装置というのを使っているわけです。

 私はこうした行政へのタカリのような話は感心しないのですが、 なかなか実情のよくわかる記事です。

 さて、「海洋深層水」使った商品としては、まず「塩」「水」が あります。

 塩が海の水から作られるのは当たり前ですが、深層水だとちょっ ときれいかな、という感じはあります。販売方法としては、神秘性 を前面に出したものが多いですが、成分が普通の塩と違うわけでは ありませんので、こういうのはどうかと思います。

 また、値段も高いです。

 「水」については、上記の脱塩されたものを使うのでしょうね。 美味しかったらそれでいいんですけれど、やっぱり羊頭狗肉、と いう感じは免れないです。

 豆腐・醤油・味噌・漬物なんかも、「海洋深層水使用」というも のがあります。これらも少ししか使っていないか、塩分を除いた後 に使用しているかでしょう。きちんと作ったものなら、悪くはない と思います。

 化粧品の類も多いようです。化粧水、というのが、もともとあま り意味のよくわからないものなのですが、逆浸透膜を通った水で作 った化粧水というのもありましたので、案外効果があるのかも知れ ません。

 どうもこの辺は感覚の世界なので、根拠を求める人からはいくら でもツッコミが入るところなんでしょうが、私としては、化粧品く らい、「夢」を売る、ということでもいいんじゃないか、と思って います。

 でも、眉にツバをつけておいた方がよいかも。


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