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食べ物情報(10)その他の話題

【酵母】

 酵母という言葉は食べ物関係でよく聞きます。酵母とはどういう ものか?という話です。

 パン酵母、ビール酵母、酵母エキス、などと、「酵母」がついた 言葉がありますが、「酵母(英語ではイースト)」というのは、細 菌よりもかなり大きな微生物です。

 生物の分類では、「真核生物」と「原核生物」との二つに大きく 別れます。「真核生物」が動物・植物を含む一般の生物で、細胞内 に「核」というところがあって、そこに遺伝子が含まれるので、こ う言います。(核外遺伝子などというものもありますが。)

 「原核生物」というのは、要するに細菌類で、細菌の遺伝子は細 胞内のあちこちにある、という状態のようです。

 「真核生物」は動物と植物にわかれますが、最近はカビ・キノコ・ 酵母などの「真菌類」は別に独立して分類するとのこと。

 ということで、酵母は細菌とは違います。学校では「単細胞生活 をするカビ」というように習った記憶があります。これはカビとは 近縁だけれども、多細胞生物であるカビとは違い、単細胞生物であ る、と思っていました。

 でも、同じ種類でありながら、カビになったり、酵母になったり するやつがいる、という話を聞いてびっくりしました。ほとんどの 酵母に、同じ遺伝子をもったカビが存在している、というのです。

 酵母は発芽といって、自分の身体の一部を切り離して増殖します。 したがって、無性生殖なんですが、カビやきのこは同じ真菌類でも、 普通は有性生殖をします。「カビの無性生殖世代」ということで良 いのでしょうか?

 さて、酵母の働きとしては、何といってもアルコール発酵があり ます。これは酵母が糖を二酸化炭素とアルコールに分解する、とい うことでエネルギーを取り出す、ということをするからです。

 できたアルコールは、私たちが酒としていただいています。パン 酵母の場合は、できた二酸化炭素のガスによって、パン生地が膨ら む、というわけです。アルコールはもったいないですが、焼くとき に蒸発してしまいます。

 日本酒の仕込みを見せてもらうと、酒母がブツブツと泡立って、 「湧いて」いるところを見せてもらえます。これは酵母が盛んに繁 殖して、炭酸ガスを出しているのですね。

 発酵の元になるから、「酵母」というのは、非常にわかりやすい 命名です。いかに酵母が人間の暮らしと密接に関係してきたか、と いうことだと思います。酒好きの人は酵母に感謝しなければいけま せん。

 「酒母」というのは、文字通り酒の元です。ワインやビールと違 って、日本酒では全部を一度に発酵させるわけではありません。ま ず、少しだけ「酒母」をを作り、その後、何回かに分けて米を蒸し たものと水を入れていきます。

 酒母の段階で味はほぼ決まってしまうものだそうです。こういう 凝った作り方をするのが日本酒の特徴なのですが、「三倍醸造」な どという水増しが簡単にできてしまうという欠点もあります。

 これだけ米が余って困っているのに、「日本酒純粋法」が出て来 ないのは実に不思議です。酒造業界の圧力か?などと勘繰ってしま います。(「日本酒純粋法」=米100%の所謂純米酒以外は日本 酒として認めないという法律。ドイツのビールやフランスのワイン は同様の法律で厳しく規制されています。民族文化の誇り、という やつですね。)

 用途によって、さまざまな酵母がありますが、アルコール発酵を 利用する酵母は、みんな「サッカロミセス・セレビジエ」という種 です。その中でいろんな品種があるわけです。

 ワインなどは昔はブドウの果皮に自然についている酵母で発酵さ せていたようですが、今では純粋培養された、能力の高い酵母を使 います。

 日本酒などでは、酵母を変えると味も変わるそうで、米と水と酵 母の組合せでいろんな日本酒を作ることができます。

 酒の中には、当然、生きた酵母がたくさん含まれています。絞り たてを飲むときは、酵母も一緒に飲んでしまいますが、貯蔵中に繁 殖されても困りますので、「火入れ」して酵母を殺してしまいます。

 この火入れをしないのが「生酒」で、貯蔵前には火入れをせずに 低温で貯蔵し、出荷時に火入れするのが「生貯蔵酒」です。

 生ビールは加熱のかわりに、フィルターで微生物を取り除く、と いうことで生なのに保存性があります。昔の生ビールは本当に生で したので、数日しかもたなかったのです。(私は休日前の売れ残り 生ビールをよくいただきました。)

 酵母はかなり大きいので、割と簡単に取り除けるようです。保存 性をよくするためには細菌まで取り除く必要があります。家庭用の 浄水器でも、能力の高いものは細菌も濾過できるので、浄水器の巨 大なものを想像しているのですが、私は見たことはありません。

 酵母エキスというと、薬なんかにもありますが、要するにこの濾 過した酵母のことなんでしょうね。(間違っていたらごめん)

 酵母は市販されています。家庭でパン用に使えるようにした酵母 には、「生イースト」と「ドライイースト」があります。

 生イーストはバターのような塊で売っています。あれは糖蜜(サ トウキビの汁から砂糖を採った残り)の中に酵母を閉じ込めてある んだそうです。

 ドライイーストは文字通り酵母を乾燥させたもの。酵母は死んだ ふりをしているんでしょうね。

 どちらかというと、生イーストの方が使いやすい、ということで すが、私にはよくわかりません。

 「天然酵母」というものも売られています。前にも書きましたが、 これはちょっとインチキくさい。その理由は、

(1)「人工酵母」などというものはありません。(酵母とイース ト菌が違うものだと思っている人は、だまされています。)

(2)人が培養した酵母を売っているわけですから、「天然」とい うのはおかしい。

(3)概して普通の市販酵母より能力が劣ることを、「天然だから」 といいくるめる。

 などというところです。私は「自然食品」嗜好は別に間違ってい るとは思いませんし、それに近い商品を扱っていた経験もあります。 でも、「天然酵母」などということをいう人たちとはつきあいたく なかったですね。(一事が万事、ということで、こういう人に限っ て、同様の詐欺に手も無く引っかかるのです。)


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