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食べ物情報(10)その他の話題

遺伝子組換え作物

【2000/07/16】

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 今日(7月14日)付の京都新聞に、遺伝子組換え食品について の記事がありました。その内容は人々がいかに遺伝子組換え食品に 対して不安・不信を持っているか(もっとも、それはマスコミが主 な原因ですが…)を報じたもので、「なぜ遺伝子組換え食品が良く ないか」ということに関しては「長い間摂取していると、人体に悪 影響が出るかもしれない」という主旨のことしか書いてませんでし た。遺伝子組換え食品のニュースはこの例に限らず、センセーショ ナルなものが多いですね。

 そもそも、Btコーン(殺虫効果を持つ遺伝子組換え食品の一つ) などがなぜ害虫に対して効果を発揮(要は害虫を殺す)するメカニ ズムを知らせたマスコミはどれだけあったでしょうか?Btコーン などは生物農薬の一種であるBt菌のタンパク質を持つように、そ の菌の遺伝子を組み込んだものです。Bt菌のタンパク質が殺虫効 果を持つ条件は

1.消化液が強アルカリ性であること

2.消化管の壁に受容体タンパク質があること

であり、この条件が一つでも欠けていれば無害です。人間を含めた 哺乳類には安全であることは動物実験でも確認できていますし(ち なみにBt菌の生物農薬は鳥類や魚類にも安全です)、Bt菌のタ ンパク質でも大丈夫な昆虫(トンボ、カマキリ、バッタなど)もい ます。

 また作物の遺伝子操作は昔から行われており(作物や家畜の品種 改良はそのいい例ですよね。例えばイネは、昔から病気に強くて収 穫の多い品種を作るために改良されてきました)、遺伝子組換えは その延長線上のものに過ぎません。今までの遺伝子操作をした物は 大丈夫で、遺伝子組換えの物だけが危ないというのも変な話ですよ ね。極端な話、完全な有機肥料・無農薬のコシヒカリでも危なくて 食えた物じゃないという事になってしまう。遺伝子組換え食品にし ろそうでない食品にしろ「100%安全」とはいえないし、「遺伝 子組換え食品は有害である」と扇動するやり方はインパクトはある かもしれませんが間違っていると私は思います。

 「遺伝子組換え○○は使用していません」という表示やCMを最 近よく見かけます。やっぱり企業も商売の前には屈してしまうんだ なぁとつくづく感じる今日この頃です。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

【2000/08/12】

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 37号に遺伝子組替え食品についての投書がありました。私自身、 よく知らないので、出来ましたら皆さんから教えていただきたいこ とがあります。

(1)「実質的同等性」について 遺伝子組替え作物・生物ではよ く「実質的同等性」と言われます。これは、単純にいえば組換え生 物では、組み込まれた遺伝子・形質だけが新しく付加され変化し、 その他の遺伝や形質は変わらないことです。これが、私たち自身も 含め、これまでの生物の自然交配とは全く違うのではないでしょう か。

 子供は、母親の遺伝に父親からの遺伝子が付け加わっただけで、 その他は母親と同じで母親と子は「実質的同等性」があるなんて誰 も考えないでしょう。自然交配では、遺伝的には大まかに言えばシ ャッフル、ある所は母親から、ある部分は父親からと混ざって子供 の遺伝は出来ている。

 これは人間に都合の良い作物、家畜を得たいという育種の立場か らすれば、人間に都合の良い遺伝子・形質が入ると同時に望まない 遺伝子・形質も入ると言うことです。望まない遺伝子・形質を除く 方法、戻し交配などが発達したました。それでも、時間がかかりま すし、失敗も多い。

 遺伝子組替え技術は、都合の良い形質、例えばBt菌の殺虫タン パク質を、それを司る遺伝子・DNAだけを組み込んだ、それ以外 の人間が望まない遺伝子が入らない新しい生物、作物、家畜が得ら れることが画期的ではないのでしょうか。それが「昨今のゲノム解 析などの進展により、膨大な遺伝子資源、遺伝子情報が蓄積してき ていることから、(ゲノム情報を活用して)目的とする細胞を設計 することも不可能ではない状態が出現しつつある。(通産省)」と いう展望(願望?)をもたらしているのではないでしょうか。

 投書の<遺伝子組換えは、昔からの作物や家畜の品種改良の延長 線上のものに過ぎません。>というところ、そういう趣旨の文言を よく目にしますが、昔からの品種改良、育種とは、断絶した画期的 なものなのではないでしょうか。

(2)組換えの現在の技術水準では、組み込まれた遺伝子・形質、 たとえばBt菌の殺虫タンパク質の安全性を調べるだけで十分なの でしょうか。

 私の知る限り、微細な金属球にDNA・遺伝子を塗布して細胞に 打ち込むなど現在の遺伝子を組み込む技術では、その遺伝子が入り 込む場所をコントロールできません。大豆の何番染色体の、何番遺 伝子の後に、Bt菌からとられた殺虫タンパク質産出遺伝子を新た に組み込むなどという芸当は出来ません。

 これは、とんでもないところに遺伝子が入り込むことで組換え生 物がおかしくなる可能性、例えば厚生省の研究班が指摘した「(野 生種、作物の原種)植物は、害虫や病原体に対する防御として毒性 物質や抗栄養素を産出する場合が多いが、食用農作物については、 こうした物質が毒性を持たないレベルまで低められている。(組換 えにより)進化(育種)の過程で退化した代謝経路が再活性化され、 毒性物質や抗栄養素を産出する可能性がある。」

 例えば、ジャガイモの芽には毒があると言われますが、この毒素 を作り出す遺伝子はジャガイモの芋、私たちが食べる芋の部分の細 胞にも当然あります。私たちが食べる男爵といった品種では、この 遺伝子が芋の部分では働かない、眠っている、退化している、芽の 部分では働き出すわけです。原産地ではそうした毒素遺伝子が芋部 分でも働いている品種があるそうですから、長年の育種でそうした 品種を得たわけです。遺伝子組替えでは、組込み遺伝子が、どこに 入り込むか分りませんから、遺伝子を眠らせている仕組みを壊す可 能性がある、芋部分でも毒素遺伝子が働き出す可能性あるわけです。

 逆に、有用な遺伝子を眠らせてしまう可能性もあるわけです。現 にある組換え大豆では油脂成分の比率が変化しています。

 この危険性は組み込まれる遺伝子の種類によるもではなく、現在 の組換え・操作技術自体がもたらす危険性です。98年に英ロウェッ ト研究所のアーパド・パズタイ教授が組み換えジャガイモをネズミ に与えた実験結果は、この点で示唆に富んでいます。

 第一に組み込まれた遺伝子が作り出すマツユキソウの殺虫タンパ クGNAは、動物に摂取させても何ら影響を与え無い。

 第二に、この遺伝子が組み込まれた組換えジャガイモでは、それ を食べた動物に、胃壁の重量増を引き起こすような厚みの増大、免 疫力の低下など特有の変化が確認され、タンパク、でんぷん、可溶 性の糖類などの成分の組成が、元の親となったジャガイモと、組み 換えジャガイモの間で相違があった。

 第三に、おなじ遺伝子操作をやって遺伝的組成が同じはずなのに、 組み換えジャガイモの個体の間でも明らかな成分組成などで相違が 見られました。

 第一と第二の点は、組み込まれる遺伝子がつくるタンパク質、G NAやBt殺虫タンパク質の安全性・危険性を調べるだけでは不十 分で、組換え作物、食物で安全を調べる必要性があるということで す。

 第三点目は、現在の遺伝子組替え「技術」は、それを用いても同 じ結果が得られない、再現性がなく、何がおきるか予測ができない、 博打みたいな水準と言うことです。食べ物としての安全性で言えば、 例えばBt殺虫タンパク質産出遺伝子を組み込んだ大豆を100粒 (細胞?)作ったら、一粒毎にその遺伝系統で安全性を調べる必要 性があるということです。

 第二点目と考え合わせれば、現在の遺伝子組替え・操作技術では 遺伝的組成では元の親となった生物に組み込まれた遺伝子が付け加 わったと言えるかもしれませんが、それが働く生物全体、成分組成 など作物全体としては「実質的同等性」が生まれることは稀なこと ではないでしょうか。

 パズタイ教授のこの実験は毀誉褒貶さまざまに言われていますが、 実験結果が示唆している危険性は、以前から指摘されていたことで す。この危険性にどのように対処しているのでしょうか。現在の安 全審査は、組み込まれる遺伝子がつくるタンパク質の危険性を調べ るだけです。現在の遺伝子組替えの技術水準でこれで十分なのでし ょうか。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

【2001/07/22】

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 私は農学部で園芸関連の研究をしている大学院生ですが、現在は 遺伝子組み換え作物を作る仕事を手がけています。

 実用化を目指していると言うよりは研究目的で行っているのです が、自然と遺伝子組み換え食品について興味がわき、色々と勉強し ているところです。

 先日のメルマガに記述してあった「遺伝子組換え食品」という本 はちょっと読んだことが無いです。出来れば出版社等教えていただ ければと思います。

 で、遺伝子組み換え食品の安全性についてですが、多くの専門家 で言われているように遺伝子組み換えは品種改良の技法のひとつに 過ぎず、また、従来の品種改良と比べて特に何か問題があるとは思 えません。

 今、遺伝子組み換え反対運動がたしかに盛んなようですが、それ は結局、生協員らからなる一部の消費者団体などが声高に騒いでい るだけで、大半の一般消費者は「危険といっている人がいるからな んか嫌なのかも」程度のようです。

 それに、反対を叫んでいる方々の意見もよくよく読んでみると、 「遺伝子組み換えはこんなに悪いよ、だからウチの国産品の製品を 買いなよ」というただのアピールに過ぎないものが多いように思え ます。

 遺伝子組み換えは今のところ収量を劇的に増やしたり、消費者に とって何か大きなメリットがあるわけではないですが、生産者側に 大きなメリットがあるという点を軽視することは出来ません。

 また、今後食糧問題の解決等に期待が持てる希望の多い技術です から、もっと積極的に開発をしていくべきなのですが、それに対し て現行の空洞な反対運動が妨げになってはいけないと思っています。

 大企業の農業独占についての意見ですが、確かに、遺伝子組み換 えが一部企業の農業独占につながる危険性はあると思います。

 というより、遺伝子組み換えについての問題点は他には特に見当 たりません。ただ、これは法整備の改善等によって解決していく問 題で、遺伝子組み換えの開発、作付け、生産、販売に規制をかける 理由にはならないと思うのです。

 ところで、種苗業界はもともと数社の独占状態であると聞いたこ とがあります。もともとがどの程度の割合で、遺伝子組み換え導入 によってそれがどの程度動くと見込まれるのか…

 私は全く知らないのですが、この問題を考える際、抑えておきた い点ではあると思います。

 ご存知でしたらお教え願えないでしょうか。

 余談ですが、遺伝子組み換えに反対する消費者団体などもよく、 「一部大企業による農業支配が起こるから遺伝子組み換えはだめだ」 と言っていますが、実際に店頭に並んでいる作物の産地や品種名を 気にする人はいても、その種や苗がどこの会社かまで気にする消費 者はいないですよね。

 渡辺宏さんが遺伝子組み換えにまじめな意見で反対なさっている ということはわかりますが、多くの人はとりあえず遺伝子組み換え を貶したくて本当はどうでもいいくせにこの問題を持ち出している ように思えてならないです。

 最後になりましたが食べ物についてのお話、興味深く読ませても らっています。特に食品添加物や食品加工については、あまり知ら ない分野なので大変勉強になっています。

 毎週楽しみにしていますので、これからもがんばってください。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 それに対する私の返信。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 話題の本は「文春文庫」です。6月の新刊だったと思います。

 その本の最後の方に、放射線照射による突然変異を利用した新種 が、「非遺伝子組換え」として売り込まれている、というような記 事がありました。

 もともとはアメリカとヨーロッパとの農業戦争の一つとして始ま った、遺伝子組換え作物についての攻防戦も、こういうものが出て くるに至っては、もうちょっと潮時なんじゃないか、と思っていま す。

 これ以上やっても、どうも利するところはないようです。

 私は文学部卒で、専門的なことは全くわかりませんので、これか らもアドバイスなどありましたら、よろしくお願いします。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 ひきつづきお返事をいただきましたので、これも紹介します。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 わざわざお返事ありがとうございます。私の拙い文章をメルマガ に取り上げてもらえるなんて、なんだか照れくさいです。

 古くから用いられている品種改良は基本的には突然変異を利用し ており、そのきっかけが薬品であろうと放射線照射だろうと本質的 には変わりません。

 通常、人工的に構築した遺伝子を導入する技術が遺伝子組み換え (DNA組み換え)と呼ばれるので、放射線照射によって出来たも のを「非遺伝子組み換え」と呼ぶのは正しいと思います。

 ただ、遺伝子組み換えと突然変異を利用する方法とではそれぞれ に長所、短所があり、どちらがよいかについて単純比較は出来ない と思います。(安全性については両方問題無いでしょうが)

 遺伝子組み換えについての攻防が潮時とのご意見には賛成です。

 先日のオーザック、じゃがりこの混入事件で大きな損害、無駄が 出てしまいましたが、組み換えジャガイモの安全性に問題は無いの になぜあんな事態になってしまうのか…

 研究者からすると、良かれと思って開発した方々の心境を思いや りきれないです。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 

--〔食べ物情報〕--------------------------------------------

「遺伝子組換え食品」 川口啓明・菊地昌子著 文春新書

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 今回はこの本の話題です。新書も老舗の岩波・中公新書などはも う一つですが、文春・平凡・ちくまなど、新興勢力は結構頑張って います。

 この本は構成に特徴があります。前半はまるで栄養学の教科書の ようなのです。これは「私はDNAなど食べたくない」などという 話が真顔でされている現状からして、仕方ないんでしょうね。

 ちょっと目次を引用します。

 

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

第1章 まずは体の仕組みから

  細胞があってこそ生命活動がある/DNAとはいかなるものか /タンパク質の重要性

第2章 なぜ食べ物を食べるのか

  消化と吸収/DNAはどうとり込まれるか/生体防御とアレル ギー

第3章 DNAとタンパク質の世界

  DNAからタンパク質がつくられる/物質機械としての生物/ 一人ひとりが違うわけ

第4章 遺伝子組換え作物とはなにか

  農業が人類を転換させた/遺伝子組換えによる品種改良/いま 話題の遺伝子組換え作物/安全性はどう評価されるか/アレルギー はひきおこされるか

第5章 遺伝子組換え表示への疑問

  表示するにいたったプロセス/100%の保証ではない

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 というように、第3章まではわかりやすい栄養学の話になってい ます。コンパクトに書かれているので、結構役にたつ話になってい ます。

 ここまでで著者と意見があわない場合は、信じている世界が違う、 としか言いようがありません。現代科学を全否定する立場も、当然 あるわけですが、その場合はどうしようもない話です。

 ポイントとしては、第4章での「実質同等性」の考え方と、第5 章の「混入が前提である」ということですね。

 後者の主張は、この間のお菓子の回収騒ぎで実証されました。

 メーカーは輸入時に、「遺伝子組換え作物ではない」証明書をと って購入しているのですが、分析してみると、やはり出てくるとい うわけです。

 いただいたメールにもありましたように、こういうことでの商品 の回収は、致し方ないこととはいえ、資源とお金の無駄遣いですよ ね。

 この本の著者は、事前に明快に、必ず混入はおこる、と予言して います。そんなことも考えずに、「表示」ということにこだわった 結果が、このような事態を招いたとも言えます。

 私は表示はした方が良い、と思っていたのですが、こういう事態 になってみると、ちょっと考え直した方が良いのかな、と思います。

 実質同等性、というのは、アレルギーに関連した例があげられて います。

 トウモロコシには、アレルギーの原因となり得るタンパク質が含 まれています。遺伝子組換えの品種でも、当然同じタンパク質があ ります。これは安全性の審査の対象にはならない、ということなの です。

 安全性の審査に関しては、導入された遺伝子に由来するタンパク 質が評価されます。この部分にアレルギーの原因になり得るものが あれば、許可になりません。

 しかし、よく考えてみれば、元のトウモロコシがアレルギーの原 因物質を含んでいるのですから、安全性審査にパスしたトウモロコ シであっても、アレルギーの原因になり得るわけです。

 それと、遺伝子組換え作物以外のすべての品種について、安全性 の審査そのものが存在しないことも重要なポイントになります。

 農作物が人間にとって安全かどうか、ということは、歴史的な経 緯もあって、まったく問題にはされてきていません。農作物には多 くの身体に有益な物質と、有害な物質が含まれていて、非常にたく さんのそういう効果の織りなす結果として、私たちの生命がある、 と考えてよいと思います。

 もちろん、有害な物質を排除することで、私たちの寿命が延びた りすることもあるのでしょうが、その全体像は私たちにはまだ不明 だと思います。

 こういうことまで考えると、「遺伝子組換え作物は安全か」とい う問い自体が意味がないことになります。正確には、「遺伝子組換 えの処理によって、有害な物質ができていないか」を審査している、 ということです。もとの作物が有害物質を含む場合、遺伝子組換え 作物も当然、有害物質を含んだまま、なんですね。

 また、放射線による突然変異を利用した、「非遺伝子組換え作物」 が登場している、という話もあります。当然、こういうものは、ど ういう変異が起こっているか定かではない上に、安全性審査も全く していないわけですから、どう考えても、こちらの方が危険じゃな いか・・と私は思います。

 あと、「遺伝子組換え作物」についての疑問点は、

(1)開発品種が世界的に独占されてしまうこと。

(2)導入遺伝子の自然界への拡散

 ということが残ります。

 1については、現状との比較になりますが、ちょっとややこしい ので、別の機会にゆずりたいと思います。情報をお持ちの方は、ぜ ひお寄せください。

 2については、こういうことは必ず起こると思っています。導入 した遺伝子ですから、それが外部に出て来ない、というのは考えに くいのです。ただ、それがどれくらい自然界で特異な現象なのか、 というところが知りたいものです。

 遺伝子というのは、今まで想像されていたより、はるかに流動的 で、時には合目的的に自分自身を変化させているように見えます。

 殺虫剤・殺菌剤を使用すると、必ず耐性をもった生物が現れます。 あれはいったい、どういうメカニズムなのでしょうか?遺伝子組換 え作物から流出した遺伝子が、そういうことに影響を与えることが あるのかどうかが焦点だと思います。

 その辺の話、研究者の人から聞いてみたいものです。

【2001/07/29】

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 それと、遺伝子組換え食品の件ですが

 まじめな研究者の方々が一部の感情的な反対運動によって迷惑し ているのは理解できるのですが、今出回っている遺伝子組換え食品 はどうしても独占企業の利益だけのために開発されたとしか思えま せん。

 消費者にとってメリットのないものです。(もしくは、メリット が感じられない)生産者のとってはこんなメリットがある。消費者 にとってもこういうメリットがある。リスクはこの程度である。と いう情報公開、もしくは広報が少なすぎて消費者は判断しようがな いです。マスコミも正確な情報を発信できていないですし。

 遺伝子組換えは今後の食糧危機を救うひとつの手段かもしれませ んが、それを言うなら一企業じゃなく国や世界レベルで共同研究し ていくのが筋なのではと思います。今は、アメリカ、カナダなどの 遺伝子組換え研究先進国が「安全」と言い切り、その他の国が「ち ょっと待った」と言っているような状況です。

 話がまとまりませんが、現状では消費者は別に遺伝子組換え食品 を食べたくて食べているわけではないのです。生産者だけの都合と いうのは納得できません。

 オレイン酸が多い遺伝子組換え大豆が開発されていますが、これ などは消費者の健康志向にのって「健康に良い遺伝子組換え大豆で す。」と堂々と宣伝していくとかすれば、誤解も少しずつ解けてい くのではないでしょうか。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

【2001/08/05】

「スターリンク」

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 スターリンクというのは、例の「遺伝子組換え」のトウモロコシ の品種の名前ですが、こういうお便りをいただきました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 アメリカ食品衛生局の調査で、とうもろこしのスターリンクの有 害性を認める調査結果を報道しました。アレルギー原になりうるス ターリンクは、パンや菓子に混入の余地があります。日本はいった いどうなっているのでしょうか?

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 スターリンクはどうも食用としては許可にならないようですね。

 フランスの会社が開発したものなので、アメリカが妨害に出てい る、という噂もありますが、それはまあ冗談でしょう。

 スターリンクで導入された遺伝子が産出するたんぱく質が、アレ ルギーの原因になる可能性が否定できない、というのが根拠です。

ここで

(1)とうもろこしは元々、アレルギーの原因となるたんぱく質を 持っています。

(2)スターリンクも同じたんぱく質を持っていますので、とうも ろこしアレルギーの人に対しては、同じようにアレルギーの原因と なります。

(3)しかし、このたんぱく質が不許可になった原因ではありませ ん。

(4)スターリンクで新たに追加された遺伝子が作るたんぱく質が、 アレルギーの原因になり得るか、どうかの審査で、たんぱく質の性 質などから類推して、アレルギーの原因になり得る、と判断された、 ということのようです。

(5)実際にアレルギーが起こる、という証拠はありません。起こ るかも知れない、ということです。

(6)混入については、今後も起こる可能性があります。アメリカ での物流の現状からして、そう考えざるを得ない、ということです。

(7)今までも、このような混入はあたりまえのこととしてあった、 ということです。

(8)このことは問題である、ともいえますし、別に実害はない、 というレベルのことでも あります。

 というところがポイントと思っています。まるで毒のように言う 人もいますが、そういう性質の話ではありません。

 ちょっとパクリで申し訳ないんですが、的確な説明をしてくれて いるサイトを見つけましたので、以下に勝手に引用します。全文は http://www.bekknet.ad.jp/~ktosh/special/articles/starlink.html にあります。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 遺伝子組換えトウモロコシ「スターリンク」とは

 

 フランスのアベンディス・クロップ・サイエンス社が害虫を寄せ つけにくい品種として開発した遺伝子組換え(GMO)トウモロコ シ「CBH351」の商品名です。米国食品医薬品庁(FDA)で は、組み込まれた殺虫性のタンパク質(Cry9C )が人の腸で分解さ れにくく、また耐熱性を有することから、現状では人体にアレルギ −を引き起こすかどうかを見定めるためのデ−タが不足していると 判断し、食品としての販売を認可していません。1998年、米国では 飼料用に限り栽培が認可されました。

 日本ではこのスターリンクは飼料用の承認申請は出ていませんし、 食品としての安全性審査はアレルギー性確認が不十分として厚生省 の審査が継続中であり、実質的に輸入できません。

 混入の原因と問題点  

 日本のトウモロコシの輸入量は年間約 1,600万トンで、約85%が 米国産です。飼料用は 1,200万トン(輸入飼料の約60%)です。畜 産飼料としては食肉や牛乳などの源となり、食用では主にでんぷん として様々な食品に加工されています。

 トウモロコシは風媒花であり、約200mの緩衝地帯を設けてスター リンクを栽培しても、強い風が吹くと花粉は数Km先まで飛ぶことか ら、付近の畑の別品種に花粉がつく(交雑する)ため、飼料用のみ ならず食用でも混入が考えられ、完全に除去することは難しいとい われています。

 従来から、生産地からのトラック等の輸送、貯蔵、船積みなどの 流通段階での分別管理が十分でないといわれており、その検証体制 があらためて問われました。

 今回の混入の原因は、「交雑説」と「生産・流通段階の分別不十 分説」の2つの見方があり、米国でも結論はでていません。

 混入の検査方法は、微量の含有量を定量する方法が確立されてい ないことから国際的にも問題となっていました。来年度からの法規 制に伴い、厚生省と農林省の研究機関で検査方法の研究が行われて おり、公定法が確立しつつあります。GMO食品のJAS法(農林 物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)による表示開始 は平成13年4月ですが、大豆では混入率5%で非GMOか判断しま すが、トウモロコシでは検査が難しいため混入率は決まっていませ ん。分別されているかを科学的に検証するシステムを早急に整備し、 消費者の選択に役立つ表示制度が望まれています

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 「人の腸で分解されにくく、また耐熱性を有する」たんぱく質を 「アレルギー源になり得る」と判断していることがわかります。

 最終的には、今年から、栽培しない、ということでスターリンク については収束しそうですが、混入自体については何も解決してい ない、ということになります。

 あくまでも商業ベースでの話ですから、アメリカのトウモロコシ 業界(生産者・流通業者)がどのような判断をするか、まだちょっ とよくわかりません。

 考えられるシナリオは、

(A)輸入国からの圧力が強く、混入問題の解決も難しい…遺伝子 組換えの作付けの減少。

(B)輸入国からの圧力が強く、混入問題の解決が可能…分別して の輸出。

(C)輸入国からの圧力がそれほどでもない…混入はあるが作付け、 輸出は継続。

 というようなものです。競馬の印でいうと、 (A)○
(B)×
(C)◎
と予想していますが、いかがでしょうか?


【2002/11/03】


 以前、「遺伝子組み換え作物不使用」のはずの豆腐から、組み換 えの遺伝子を検出したというニュースがありましたが、その続報で す。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 有機表示された豆腐と納豆計25品から、混入が認められていな い組み換え遺伝子が検出された問題で、農水省は25工場の製造過 程で遺伝子組み換え大豆が混入したと判断した。30日午後にも公 表し、再発防止策を検討する。うち14工場は厳しい品質管理を前 提とする「有機JAS(日本農林規格)認定」を受けているが、同 省は「混入は意図的でなく偶発的」として、取り消しなどは行わな い方針。組み換え原料の混入を追認する形となり、論議を呼びそう だ。

 この問題は、農水省などが今年6〜7月、無作為抽出した市販の 有機豆腐47品、納豆29品の計76品を検査し、約3分の1にあ たる計25品(豆腐20、納豆5)から組み換え遺伝子を検出した ことから表面化した。同省などは原因を調べるため、15道県の2 5工場に立ち入るなど緊急調査していた。

http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/science/Bio/200210/30-3.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 工場に残っていた有機大豆は問題なかった、ということですから、 混入なのでしょう。ただしこのニュースでは製造ラインの洗浄が不 十分だったということで結着させたようですが、私は疑問に思って います。

 本来含まれていないはずのものが検出された場合、定量検査した ものなら、その量から意図的に投入したのか、混入なのかはだいた い見当がつきます。食品添加物で経験したことがありますが、混入 の場合は添加物としての効果がないほど微量なのです。意図的に入 れたとしたら、こんな量では効果がありませんから大失敗です。

 ところがDNA検査というのは、特定のDNAの破片をつかえま えて、思い切り増殖させて調べますので、要するにあるかないかし かわからないと思います。(私の誤解だったら教えてください)

 問題の豆腐が、もし「有機大豆使用」としながら、普通の輸入大 豆を使っていた、というものであっても、結果は変わらないのでは ないでしょうか。

 原料の購入量と出荷量を詳細に調べれば、そのへんは追求できそ うですが、どうもそんな調査はしていないような報道です。

 もちろんそんな悪質なところは多くないとは思います。しかし簡 単に「混入」で一件落着できるほど、簡単な問題ではないと私は思 います。

 「有機JAS」マークつきを含め、「遺伝子組み換え作物不使用」 という表示には疑問が残るニュースでした。

 「遺伝子組み換え作物不使用」などという表示自体、遺伝子組み 換え作物が健康に害があるという誤解のもとなので、考え直したほ うがよいのかもしれません。


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