安心!?食べ物情報>食べ物情報(10)その他の話題>ラップ

トップページ
Index

宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス
宮沢賢治の童話と詩が読めるサイトです。

ここは「禁煙サイト」です。喫煙中の閲覧はご遠慮ください。
質問・意見などをお寄せください。
お名前
メールアドレス
<メッセージ>

食べ物情報(10)その他の話題

ラップ

 昔といっても私の子供の頃との比較なんですが、昔はどこの家庭 にもなかったのに、今ではどこでも普通に使っているものに、「テ ィッシュペーパー」と「食品用ラップ」があります。

 他にも新登場の商品はたくさんありますが、この二つは特に印象 深いです。電気冷蔵庫と電子レンジがなかったときには、ラップな んて無用の長物だったのですが。

 あの、食器にピタッと張りつくのは、どうしてだろうと、長年疑 問だったんですが、あれは静電気のせいだと、最近聞いて、なるほ ど、と感心しています。(どうして静電気が発生するのか、わかっ たようでわからない話ですが)

 食品を販売する立場からいうと、「トレー包装」という形態の商 品があります。肉や魚などを、トレーに載せて、ラップで包装した ものです。

 簡易な包装なので、生鮮食品には欠かせないものです。発泡スチ ロールのトレーに塩化ビニルのラップ、というのは、経済性・作業 性に優れた、最強のコンビでした。

 トレーについては回を改めるとして、今回はラップの話です。

 トレー包装は、一番簡単には、トレーに商品を載せて、大きな業 務用のロールから、ラップをとってかぶせます。家庭でのように手 で抑えておわり、というわけにはいきませんので、ヒートパネルと いう物の上に載せて、熱をかけて接着します。

 ヒートパネルというのは、いわばアイロンを逆さまにしたような もので、実に簡単な仕掛けです。肉などの生物を載せたトレーです ので、この熱をかけるというのには私は抵抗があったのですが、幸 いにも、トレーの断熱性もあって、実際には問題はなかったようで す。

 量産できる工場では、この工程は自動的に処理する機械がありま す。商品をトレーに載せるところも機械ですることもありますが、 そこまでは手作業で、最後の計量とラップ掛け、ラベル張りを自動 化する機械もよくありました。

 商品をトレーに載せ、この機械のベルトに載せると、計量→ラッ プ掛け→ラベル印刷→ラベル張りをあっというまにしてくれるので す。(商品名や重量あたりの単価はあらかじめ設定しておきます。)

 この時使うラップは、専用の大きなロールで、ほとんどの場合、 塩化ビニル製です。

 このラップをポリエチレン製に変えよう、と私が画策したのは、 もう20年以上前のことです。

 当時はまだ「ダイオキシン」などという名前は知りませんでした が、塩ビを焼却すると、有機塩素化合物が発生することは知ってい ましたので、これはやめた方がよいのではないか、ということでし た。

 商品としてのラップでも、塩ビからポリエチレンに切り換えよう、 とやっていたのですが、当時のポリエチレンラップには、「防曇剤」 という添加物がたくさん使われていて、無添加のラップを探すのに 苦労していました。

 で、ついでに肉・魚などのトレー包装用のラップも、ということ で、いろいろと試してみました。ポリエチレンのラップは、塩ビと 違って、包装機械の上で、なかなかうまくくっつかないのです。

 これは材質としての性能の差もあるのでしょうが、そもそも機械 が塩ビ製ラップ用に調節されている、ということもあったと思いま す。

 手作業での方はなんとか対策はとれたのですが、包装機使用のも のはなかなかうまくいかず、最終的にはガスパックといって、酸素 などのガスを封入する、最新式のパック機の採用で、解決しました。

 これはもうラップではなく、本格的な包装ということになります。 衛生的には極めて優れたものでした。

 当時、一般の生協では、塩ビ製のラップを平気で売っていました。 彼らが突然、塩ビ追放などと騒ぎだすのは、当然、例の「ダイオキ シン」騒ぎの時からです。今まで、私たちの批判に対して、「塩ビ は安全です。」などと言っていたのを、あっという間に忘れて、昔 から塩ビ追放をしてきたように言うのには、本当にあきれてしまい ました。

 で、その塩ビとダイオキシンの関係ですが、通常の焼却施設では、 塩ビの焼却によって、ダイオキシンが発生するのは、事実です。た だ、塩ビを全く含まないゴミからも、ダイオキシンは発生しますの で、塩ビを追放すればすべて解決、というわけにはいかないようで す。

 ダイオキシンは有機物(特にベンゼン環=「亀の甲」を持つもの) と塩素の化合によってできます。この場合の塩素元としては、食塩 などに含まれる塩素があるようです。もしそうだとしたら、生ゴミ の焼却からは必ずダイオキシンがでてしまうわけですね。

 ダイオキシンの発生は、焼却の温度などの管理で、かなり抑えら れる、ということです。ところが、最近になって、ダイオキシンの 発生源としては、焼却場の割合は意外な程小さい、ということがわ かってきました。とすれば、すべての焼却をやめたり、最新式の、 ほとんどダイオキシンが発生しないものに変えたりしても、無意味 だということになります。

 それではダイオキシンはどこから来るのか、というと、一番大き な発生元は、農薬に含まれる不純物として、だったようです。もち ろん、現在、このような農薬は生産されていませんので、過去の話 です。

 ダイオキシンのデータは、1970年頃にピークに達しています。そ の後、だんだんと減ってきて、今ではその半分以下のレベルまで、 汚染の度合いは低下している、ということですが、その原因はこう して解明されたのです。

 それからもう一つ、PCBがあります。PCBは「ポリ塩化ビフ ェニール」の略ですが、これはダイオキシンと極めて近い親戚にあ たります。特にその中でも、分子構造がダイオキシンに似た一群の タイプがあって、コプラナーPCBというのだそうですが、これは 今でも増え続けています。過去に電気製品などに使われたPCBが、 だんだんと出てきているのです。

 どこに出てくるかというと、当然、川や地下水に流されて、海に でてきます。そして魚の体内に蓄積され、私たちが摂取してしまう、 というのが、人体に対するダイオキシン汚染のメインルートです。

 ラップの話がダイオキシンの話になってしまいましたが、詳しく は下のところをごらんください。

http://www.kan.ynu.ac.jp/~nakanisi/shincho/45draft.html

 最近では、無添加のポリエチレンラップもごく普通に売っていま す。性能も、昔と比べればかなり良くなり、通常の使用には全く問 題はないと思います。

 ポリオレフィン系の新しいものも出ていますが、まだそれほど受 け入れられていないようです。私はポリエチレンで充分、と思うの ですが・・。

 「塩ビ追放!」ということには、私はそれほどこだわっていませ ん。塩ビは使用範囲が極めて広く、そんなに簡単に追放できるもの ではありません。パイプ、チューブ、コードなど、身の回りにもた くさんの使用例があります。

 生協なんかで、「塩ビ追放!」と言っておいて、家電製品なんか を扱っているのは、私はちょっとインチキだなあ、と思うのです。 だって、電気のコードというのは、塩ビ製ですから。完全追放とい うのが本当なら、知らぬふりをすれば良い、というものではないと 思います。

 とにかく、「塩ビ追放!」や「ダイオキシンゼロ」などというス ローガンは感心しません。アジテーションではなく、もっとまじめ に、自分たちの生活を見直していくべきでしょう。

 とはいえ、ラップはできればポリエチレン製をおすすめします。 貰い物なんかもあるので、それはそれで別にかまわないとは思いま すが。


★このページのトップへ★