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食べ物情報(9)食品の安全性について

食中毒の原因


 食中毒には「感染型」と「毒素型」があります。感染型というの は微生物が体内に入って繁殖することからくる症状で、サルモネラ、 腸炎ビブリオが2大感染細菌ですが、その他にもいろいろあります。

 大腸菌O−157というのもあります。最終的には毒素を産出す るんだそうですが、生きた菌がいなければ発症しませんので、やは り感染型になると思います。

 サルモネラは現在最も要注意の食中毒菌です。卵と大いに関係が あります。卵のページもごらんください。

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 毒素型は、まず自然物と人工物に分けられます。人工の物質によ る食中毒というのはめったに起こりませんが、何しろ大量生産して いますので、起こった場合は広範な被害が出ます。カネミ米油事件 がその典型です。

 自然物では、微生物由来のもの、その食べ物自身がもっているも のと2通りあります。微生物由来の毒素としては、今年の雪印事件 で騒がれた黄色ブドウ球菌の産出する毒素、またそれとは比較にな らないほど猛烈な毒を持っているボツリヌス菌の毒素などが有名で す。

 ボツリヌス菌毒素は猛烈に強いのですが、幸いなことに熱には弱 く、加熱して食べれば安心です。ハム類に「加熱してお召し上がり ください」と表示されているのは、そういう意味です。日本では、 ハム類でのボツリヌス菌中毒は起こっていませんが、いつ入ってく るかわかりませんので、ご注意ください。

 ボツリヌス菌は毒素は熱に弱いのですが、菌自体は加熱に耐えま す。レトルト殺菌にも耐えるほど熱に強い菌なので、菌自体を殺菌 することは家庭では不可能です。ただ、生き残るのは芽胞菌という 形で、しばらくは毒素を産出しませんので、加熱してすぐに食べる 分には安全なわけです。

 この芽胞菌は蜂蜜の中にときどきゐるものです。人間が食べても、 体内で繁殖するようなことはないのですが、赤ちゃんの場合、体内 で繁殖してしまう可能性があります。1歳未満の赤ちゃんに蜂蜜を 与えるのは、絶対にやめましょう。

 黄色ブドウ球菌毒素が熱に強いことは、雪印事件ですっかり有名 になりました。この毒の毒性はたいしたことないですが、人間の手 についているごく普通の細菌です。食品の衛生状態を示す指標とし て、大腸菌とともに重要視されています。つまり、黄色ブドウ球菌 が検出されるような食べ物は劣悪な衛生状態で作られた、と考えら れるわけです。

 食べ物自体の毒では、典型的なのが毒キノコによる食中毒です。 これは食べないこと以外に方法はないのですが、毎年、誤って毒キ ノコを食べる事故が起こっています。自然の野草なんかでも、毒を 持っているものが多くなりますので、よほどよく知っているもの以 外は野生の草などは食べない方が身のためです。

 フグの毒も強烈ですが、これはフグ自身が作る毒ではなく、プラ ンクトンの作る毒をフグがため込んでいるのだそうです。従って、 毒を持っているとされる種類でも、養殖してエサを管理すれば、無 毒なものが作れるということです。落語の世界では、フグの毒で舌 がぴりぴりするのが美味しいなどといいますが、あれはあくまで冗 談でしょう。

 最近では、貝の毒もよく問題になっています。貝類もほとんどの 場合、プランクトンが作る毒をためているので、同じ種類でも、毒 を持っている場合も、そうでない場合もあります。

 カキでは「小型球形ウィルス」による食中毒も起こっています。 カキにはよく「生食用」という表示がされていますが、あれは実は 生で食べても安全という意味ではありません。

 「生食用」の基準は、養殖している海域の水の衛生水準で、大腸 菌なんかが検出されるような海で養殖したカキは「加熱調理用」と 表示しなければなりません。「生食用」という表示は、ある程度き れいな海で養殖した、ということを現しています。

 ということは「生食用」のカキでも、鮮度が落ちたり、管理が悪 かったりすれば食中毒の原因になります。上記のウィルスに感染し ている場合は鮮度の良いものでも食中毒になりますので、一般に貝 類は生では食べない方が良いのです。カキも「生食用」と書いてあ っても、生では食べないようにしましょう。

 貝類に限らず、魚・肉などを生で食べることはそれなりのリスク が伴います。覚悟の上で食べる分にはそれで良いのですが、「絶対 安全」でなければいけない、という考えの人は、刺身などは「絶対 に」避けるべきでしょう。

 どんな魚・肉にも、かなりの数の細菌がついていますし、その中 に毒性の強いものがまじっていない保証はどこにもありません。魚 ではサバに食中毒のような症状をおこす寄生虫がいることが知られ ています。サケ類も同様です。

 食中毒のチャンピオンだった「腸炎ビブリオ」が最近少し減った のは、仕出しの料理についている刺身に「蓄冷剤」をつけるように なったことが大きかったという話もあります。細菌の繁殖を防ぐに は、何といっても温度管理が一番大切です。

 ワサビの有効成分を練り込んだシートなども市販されています。 これはお呪い程度かと思っていましたが、意外と効果があるようで す。夏場のお弁当などには有効かもしれません。たいていの仕出し 弁当などでは、すでに採用されているようです。

 肉類では、豚肉は寄生虫の危険があります。鶏肉もサルモネラ汚 染の可能性があるので、生では食べないようにしましょう。牛肉は 比較的安全とされていて、表面を焼いた「タタキ」なんかは大丈夫 だと教えてもらったことがありますが、やっぱり用心した方が良い と思います。

【狂牛病】

 ところで、牛肉については怖い話があります。最近また、ヨーロ ッパ各地で、「狂牛病」が広がっているというのです。日本政府は ヨーロッパからの飼料用畜肉輸入を禁止する、という方針を出して いますから、いよいよ冗談ではなくなってきました。

 狂牛病というのは特殊なたんぱく質で感染するといわれています。 そういう意味で、微生物でもウィルスでもない、非常に特殊な感染 症です。

 もともとは羊の病気だったのが、死んだ羊の肉を牛のエサに混ぜ たため、牛に移ったのだと言われています。牛の肉を人間が食べた ときに、果たして人間にも発症するのかどうかは不明ですが、やが てはこの「種の壁」を乗り越える恐れがある、と想像されます。

 生物学の世界には「セントラルドグマ」というのがあって(エヴ ェンゲリオンみたいですが)、たんぱく質はDNAの情報によって 作られ、自己複製が可能なのはDNAだけである、というのです。

 たんぱく質だけで感染し、自己増殖していく、というので、この セントラルドグマが破れたのか、と思われたのですが、どうもそう ではない、という説が有力です。

 その説では、このたんぱく質はプリオンというたんぱく質で、ど の動物も持っているものです。病原体になるのはこのプリオンの変 質したもので、通常のプリオンとは立体構造の違うものです。生理 的には病原体プリオンは無効なのですが、構造的にはより安定なも のです。

 正常なプリオンと病原体プリオンとが接触すると、より安定な病 原体型に正常なものも変化してしまい、同じことがつぎつぎと繰り 返されて、生理的に有効なプリオンがなくなって、死に至ると考え られています。

 プリオンというたんぱく質は、脳にあって、あまりその役割はわ かっていないのですが、狂牛病のせいで、やっぱりなくてはならな いものだったことがわかったわけです。

 今後、どうなっていくかはわかりませんが、とにかく大騒ぎする だけの意味はある病気だと思います。イギリスで感染が疑われた牛 を大量に処分しましたが、まだ生き残って、こんどはヨーロッパ全 域が要注意ということになってしまいました。

 当分、ヨーロッパ産の蓄肉には注意が必要です。


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