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食べ物情報(7)食品添加物

発色剤


 「発色」と「着色」とは、どう違うのでしょうか?「着色」とい うのは、外部から色素を添加して、色をつけるわけですが、「発色」 という場合は、その食べ物が本来持っている色素が、よい色になっ たり、変色しない、というような効果を持つものを添加します。

 肉の色というのは、基本的には、「ミオグロビン」という色素で できています。これは名前からも想像がつきますが、血液中の赤血 球の中にあって、全身に酸素を運ぶ役割をもっている、「ヘモグロ ビン」の親類のようなものです。

 血液の色は、動脈血は鮮やかな赤色をしていますが、静脈では黒 ずんでいます。また、ケガをして、血が出ると、出た瞬間は黒い血 が、見る間に赤くなってくるのを、ご存じと思います。

 これは、ヘモグロビンが酸素と結びついた状態のとき、鮮やかな 赤色になるためです。(酸素を放すと、黒ずんだ色になります。)

 ミオグロビンも基本的に一緒です。塊のままの肉を、切って見る と、内部は酸素が欠乏した状態になっていますので、全体に黒っぽ い感じです。しかし、そのままにしておくと、だんだんときれいな 肉の色になってきます。

 ミオグロビンが空気中の酸素と結合して、色が変わったのです。

 肉の工場で、スライスした肉片を、一枚ずつひろげて、きれいに 発色させています。見ていると、何という無駄な作業なんだ、と思 うのですが、こうしないとスライス肉どうしがかさなったままの所 では、肉が空気に触れないため、黒っぽいままになります。

 このまま出荷すると、消費者から、肉が変色している、というク レームが寄せられるのです。

 また、肉の色は、だんだんと古くなるにつれて、鮮やかな赤色か ら、黒ぶんできます。これは水分とも関係がなるのですが、ミオグ ロビンの状態が変わってくるためです。

 調理(加熱)したときも、肉の色は変わります。この調理した色 と、古くなって変色した色とは、似ていますが、簡単に区別はつき ます。

 このように、「最初の黒ずんだ状態」「空気に触れて発色した状 態」「加熱によって変色した状態」「古くなって変色した状態」と いうように肉の色は変化していきます。「赤色」というのは牛肉の 色のことを云っていますが、その他の肉でも、色調は違いますが、 変化の内容は似たようなものです。

 そして、これらの変化は、生きている状態でない以上、不可逆的 なものです。

 発色剤というのは、この「空気に触れて発色した状態」の代りに、 酸素の代りにミオグロビンと結合して、安定した状態になるような 添加物のことをいいます。酸素との結合は良い色にはなりますが、 上記のように不安定なので、このような添加物があるわけです。

 ハムなどの添加物として有名な、「亜硝酸塩」というのは、代表 的な発色剤です。亜硝酸とミオグロビンが安定した結合状態になる ことを利用しています。

 亜硝酸自体は、硝酸還元菌などの働きで、自然界でも作られる物 質ですが、食品添加物の中でも、特に毒性の強いものとして知られ ています。

 もちろん、添加物としては、すぐに害になるような量を使用して いるわけではありません。ただ、アミノ酸の分解物と化合して、発 癌性をもった物質(ニトロソアミン)になる可能性があって、問題 としてよく指摘されています。

 ニトロソアミンの発癌性は確かにあるようですが、亜硝酸塩が発 癌性のある物質である、ということとは違います。「発癌性のある 物質が体内でできる可能性がある」ということです。

 この可能性については、詳しいことはわかりませんが、まだ実証 された、というわけではないようです。

 亜硝酸は細菌にも毒性を発揮しますので、「ボツリヌス菌食中毒 を防ぐため、亜硝酸塩は必要だ」という人もいますが、確実にボツ リヌス菌の繁殖を抑える量の亜硝酸塩を添加すれば、その毒性は人 間にも強すぎますので、現実的な論ではありません。

 要するに、亜硝酸塩の使用を非難する側も、弁護する側も、量的 ないしは実証的な面を無視して、印象論、抽象論だけで語られてい る、という評価を私はしています。

 発癌性はさておき、亜硝酸塩自体、毒性の強いものですので、で きれば避けた方が賢明と思います。

 亜硝酸塩を使用しない時の問題点は、当然の話ですが、「色」で す。食べ物に色なんか関係ない、というのは没文化的な態度でして、 現実には、色の冴えない、無添加(発色剤不使用)のハム類は、店 頭での販売においては、常に苦戦しています。

 これは一つには価格が高い、ということもあるのでしょうが、色 が良くない、ということも、一つの原因と思います。

 完全に無添加でハムを作るのは、それなりにコストがかかります ので、現状の無添加ハムの価格については、ある程度理解できます。

 発色剤不使用だけなら、それほどコストは違わないと思いますの で、どこかのメーカーが、通常のハムから、発色剤のみを使わない、 というものを商品化してくれないかなあ、と思います。

 ところが、ハム類の定義には、発色剤を使用して塩漬けする、と いう一項がありますので、発色剤無添加のハムは、正式にはハムで はない、ということになっています。実に変な定義ですが、もとも と外国の食べ物のため、原産国での製造の習慣に合わせているため らしいです。

 フランス人が亜硫酸の入っていないワインなんて、と思っている ように、ドイツ人は亜硝酸の入っていないハムなんて、ハムじゃな い、と思っているということです。

 歴史の古い食べ物については、いろいろと難しいことがあるもの です。

 それから、厳密には発色剤ではないのですが、前述の肉の色に関 して、色を良くするための添加物(ニコチン酸など)が市販されて います。これを使用した肉は、生肉のくせに、古くなっても変色し にくいので、すでに細菌が繁殖していて、食用には適さないように なった古い肉でも、きれいに見えてしまいます。

 このような添加物は、それ自身の毒性とは関係なく、使用しない ようにしていかなければなりません。現実には、使用の実態は不明 なのですが、一定の範囲では使われていると思います。


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