安心!?食べ物情報>食べ物情報(6)生鮮食品(海産物)>魚肉加工品(練り製品など)

トップページ
Index

宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス
宮沢賢治の童話と詩が読めるサイトです。

ここは「禁煙サイト」です。喫煙中の閲覧はご遠慮ください。
質問・意見などをお寄せください。
お名前
メールアドレス
<メッセージ>

食べ物情報(6)生鮮食品(海産物)

魚肉加工品(練り製品など)


 最近、急速に消費量を減らしているかまぼこですが、その原料に は変動が見られるようです。

【生魚のすり身】

 最も上等のものは、魚市場で生の魚を仕入れてきて、手でさばい てすり身を作ります。その作業を見学したことがありますが、20 cmくらいの「グチ」などを、ほんの2〜3の動作で、あっという 間にさばいていきます。どうも1分間に数十匹もさばくようでした。 (タイムを測っておけばよかった・・・)

 さばいて頭と骨、内蔵をとった魚は、水にさらして、臼ですりつ ぶします。皮などはその途中で、機械的に取り除きます。魚肉のな かの成分は、たんぱく質以外はほとんど水に溶けて、除去されてし まいます。このため、すり身は真っ白な色になっていきます。

 この生魚のすり身100%のものは、かなり高価ですが、なんと いっても美味しいものです。100%でなくても、このようなすり 身を少しでも使用したものは高級品と思って良いです。

【冷凍すり身】

 普通、かまぼこの原料は冷凍のすり身です。主に北洋漁業のスケ ソウダラのすり身で、冷凍すり身生産の技術が確立されたのは、今 から40年くらい前だったと思います。この技術には、塩を使って 作る「加塩すり身」と塩を使わない「無塩すり身」の2系統があり ました。

 「無塩」の方には「重合リン酸塩」を使いますので、私たちのと ころでは、「加塩」の方を使ってもらっていましたが、全体には、 「無塩」の方が圧倒的に優勢でした。

 最近、タイなどの南方から、新しくすり身が輸入されてくるよう になりました。イトヨリなどの魚を原料に、「加糖」して作るもの で、以前、リン酸塩不使用のすり身は手配できない、といっていた 近在の業者が、急にできるようになった、と言ってきたのは、この ような新しいものが入ってきたからです。

 最新の情報では、「トレハロース」という糖の仲間を使って作る 技術も実用化されてきたようで、これからまだまだ変わっていくよ うです。

 すり身にこのような製造技術が要求されるのは、解凍したあとで も「かまぼこ」にできるようにするためです。

 「かまぼこ」は魚のすり身を固めたものですが、あの弾力を出す のは簡単なことではありません。塩を入れてよく練ったすり身を整 形して、加熱すると、たんぱく質が変性して、弾力が出るのですが、 その際にすり身のたんぱく質の性質が問題になります。

 冷凍してもたんぱく質が劣化しないようにするための成分が、塩 であったり、重合リン酸塩、砂糖、ソルビトール、トレハロースと いろいろなのです。

 冷凍すり身に保存料が使われている、と言っている産直団体があ ったので、よく聞いてみると、ソルビトールとソルビン酸を混同し ていたのです。このような話は通常、情報としてはたれ流しになり ますので、今でも、冷凍すり身に保存料が使われている、と信じて いる人もいると思います。

 「無添加食品」などを扱っている業界は、比較的このような新し い情報に弱いところや、一度流布した間違った情報に振りまわされ ているところがあるのは気になるところです。

【かまぼこの原料】

 すり身の原料としては、いろいろな魚が使われます。私の住んで いる近くでは、「太刀魚」を使ったものもあります。大阪では「ハ モ」が人気です。

 イワシからでも、冷凍すり身が作れるそうです。一時、アメリカ 産の冷凍すり身が高騰したとき、実用化されそうな雰囲気だったの ですが、その後、相場の落ち着きや消費の減退で、見送りになって いるようです。イワシの漁獲量も最近は少なくなっています。

 それにしても、イワシから真っ白な、タラすり身と見分けのつか ないものが出来る、ということには本当に驚きました。

 ちくわなども生食用は基本的にかまぼこと同じです。加熱調理用 (おでんに入れたりするもの)には、かなりの量ででんぷんを入れ ています。(生食用にも、少量入っていることが多い)でんぷんが 少ないと、加熱すると固くなってしまって、美味しくないのです。

 でんぷんの多いものは、生では当然、美味しくありません。

【添加物など】

 魚肉は味の強いものですが、すり身にするとき、たんぱく質以外 の成分はできるだけ洗い流してしまうので、かまぼこにするとき、 調味してやる必要があります。おなじみの化学調味料はここでもよ く使われています。

 保存料としては、ソルビン酸が使われています。かまぼこは冷蔵 流通していますので、必要がないと思うのですが、メーカーはたと え冷蔵庫にいれていなくても、賞味期限内の苦情には抵抗できない ので、こうしている、と言っていました。

 消費者の思いとメーカーの思いはこんな風にすれ違うのですね。

 ソルビン酸は殺菌剤ではなく、保存料です。脂肪酸の一種なので、 細菌はソルビン酸を食べるのですが、そうすると繁殖ができなくな っていくのだそうです。

 ソルビン酸自体はほとんど毒性のないものなので、別に食べても 問題はないのですが、食べ物は時間がたてばどうせ食べられなくな るのですから、無駄な使用は控えていきたいものです。

 エネルギー消費の問題はありますが、コールドチェーン(冷蔵流 通・販売)の充実と生産者から消費者までの適正な管理で対応すべ き問題です。どうせ「賞味期限」がすぐれば、まだ食べられるのに 捨てられてしまう、贅沢な社会なのですから。

【着色料】

 おせちには紅白のかまぼこもよく使いますが、この「紅」の色も たいへんでした。

 普通は赤色106号くらいを使うのですが、天然系の色素、とい うことで、いろいろ試してみました。

 色が薄くなりますが、「紅麹色素」というのが、上品で私は好き でした。「コチニール」というのは少し色がくどいのですが、使い やすいらしく、これを使ったこともあります。

 コチニールというのは、サボテンにつく虫からとる色素です。日 本人はどうも虫がきらいらしく、虫からとった、というだけでいや がる人がありました。

 いずれにしても、合成色素を使わない紅白かまぼこは、あまり商 品としては成功ではないようです。かまぼこは色をつけなくてもよ さそうなものですが、「ナルト」になると白一色のナルトなどとい うものは成立しませんので、なかなか苦しかったです。


【追加の話】

 私の同級生にかまぼこ屋の子がいまして、昔のかまぼこ工場はよ く知っていますが、確かに昔はかまぼこ工場というのは、きたない 工場の代表でした。

 生の魚をさばくのですから、当然といえば当然なのですが、それ がこのごろでは、びっくりするきれいな工場もできています。

 これは冷凍すり身を使用するようになっここともありますし、生 の魚をさばく場所は別にしているせいでもあります。

 もちろんこうしたことは大工場だけですので、小さな工場はあい かわらず、お世辞にもきれいとはいえないものです。ただ、同じよ うにきたなく見えても、衛生的に問題のある工場もあれば、とりあ えずは衛生面の心配はなさそうな工場もあります。

 全体の流れが整理されているところは良いのですが、できあがり 寸前の製品と、原料の処理工程が交錯していたりすると、やっぱり 心配です。

 化学調味料については、ほとんどの製品が使っていると思います。 ただ、工場にいた人が嫌がっているというのは、たぶん上記の衛生 面での良くない印象が強いのではないか、と私は思いました。

 手作業でやっているところでは、すり身を練っているときに、砂 糖、塩、調味料などを豪快に混ぜますが、あれが全部化学調味料だ と思ったら、やっぱり気持ちわるいでしょうね。

【年末の出荷・日付のことなど】

 かまぼこと言えば、年末は最も売れる季節です。かまぼこは生も のなので、賞味期限の問題があり、普通にしていたのでは、年末に 売れる分をその直前に作ることはできないのです。

 で、どうしているかというと、前もって作っておくのです。その ままではお正月まで賞味期限を設定できませんので、できたものを 冷凍して保管しておきます。

 出庫日は年末の25日過ぎで、それから流通網にのり、年末商戦 にはちょうど間に合う、というシステムになっています。

 実際には11月から製造を始めていますので、長いものでは約1 ヶ月、冷凍庫の中で保管されていることになります。

 この商品の製造年月日は出庫日になっています。賞味期限も出庫 日からつけられています。これはちょっとフェアでないような気が しますが、一般的に認められているやり方なんだそうです。

 前にも書きましたが、たとえば冷凍のエビを輸入してきて、いっ たん解凍し、小分けして袋詰めをした場合、製造年月日はこの小分 けした日になるのです。これと同じで、冷凍保管している間は、半 製品という扱いで、出庫して製造年月日を印字した日が製造日にな る、というのです。

 何度聞いても釈然としないのですが、製造年月日や賞味期限とい うのは、どうもこんなもののようです。

 この間、翌日の日付のパンを製造していたり、返品の牛乳をまた タンクに戻して新しい牛乳として出荷していたり、いろんなインチ キが暴露されてきています。それに比べると、上記の例はメーカー は別に隠しているわけではないので、インチキというわけではない のです。

 ということで、特に年末にはこのような事例は多いのです。カズ ノコは春にとれたものを塩漬けして保管していますが、年によって は前年のものも平気で使われます。もともとお正月用の食品という のは、保存食品が主です。新しいものが良い、ということ自体あま り意味はないのではありますが。 


★このページのトップへ★