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食べ物情報(5)生鮮食品(畜産物)

鶏肉


 ブロイラーというのは、あまり感じのよくない名前ですが、肉用 の鶏の意味だと思ってください。

 ブロイラーもケージに入れられた「籠の鳥」になっていると思っ ている人もいますが、肉用の鶏はすべて「平飼い」です。ケージな んかに入れていたら、とても採算がとれません。

 ヒナは産まれてすぐ、まだエサも食べないうちに養鶏場に入りま す。鶏舎は出荷時までかわりませんので、ヒナには大きすぎます。 それで、一部に囲いをして、温まるための電球などをつけて、そこ ではじめてのエサと水をとります。

 鶏は鳥類ですので、体温が40度くらいあります。親鳥に抱かれ ていないヒナは、温度が下がればすぐに死んでしまいます。小さい 囲みに集めて、暖房して、しばらくは気をつかうようです。

 といっている間に、どんどん大きくなってきます。囲みをだんだ ん大きくして、最終的には、鶏舎が鶏でいっぱいになります。この 間わずか50〜60日です。

 まだほんの子供ですが、成鳥と比べても、それほど違わない大き さになります。ちょうど鶏舎いっぱいになって、身動きとれないと ころを、集めてきて出荷されます。専用のコンテナに入れ、早朝に 処理場に入ります。

 (処理場の話は別の機会にします。)

 エサは産まれたてから、出荷直前まで、何段階かにわかれていま す。採卵鶏と比べると、うんと高カロリーのものを与えますので、 健康とは言い難いのは確かです。

 最後の段階のエサのみ、「休薬飼料」といって、抗生物質などを 使わないエサになります。最近では、一切薬品を使わない飼育もで きなことはないようです。(そういうコピーで売っているものもあ ります。)

 エサはトウモロコシなどを中心に、配合されたものです。大きな ところでは、自家配合もするようですが、あまり見たことはないで す。何種類かの配合飼料と、水だけを与えますし、2ヶ月飼育して、 出荷してしまえば、1〜2週間鶏舎を開けますので、採卵鶏の飼育 よりは楽なような気がします。(飼っている人はどう考えているか は知りませんが。)

 ブロイラーというのは、本来は肉用の品種の名前ですが、最近で は「地鶏」とか称して、いろんな種類の鶏があって、各地方のブラ ンドになっています。

 私の地元では、「紀州鶏」といって、シャモと普通の食用鶏との 雑種を飼育していました。シャモというのは、例の闘鶏用のもので、 雄は姿も美しく、とても闘争的な鶏です。親鶏はつがいで飼います が、雄と雌の差が大きく、同じ品種とは思えない姿をしています。

 味はシャモに似て、とても美味しいのですが、雄は肉が硬く、雌 は体が小さい、という欠点もありました。

 他の地方でも、在来種の系統の「比内鶏」や有名な「名古屋コー チン」をはじめ、いろんな種類を商品化しています。「阿波をどり」 なんていうのも、こういう地鶏のブランド名です。

 全体に、飼いかたは基本的に同じですが、飼育日数は100日前 後と長く飼うものが多いようです。その分、エサは低カロリーにな り、健康的にもよくなるようです。

 値段が高いのさえ、がまんできれば、もちろんこういうものは美 味しくてお勧めできます。「ハーブ鶏」とかいっているのは、品種 や飼育日数は変わりませんが、エサを工夫して、美味しい肉を作ろ うとしているものです。

 「杜仲茶」の葉をエサに混ぜたものを食べさせると、焼いたりし たときに、出て来る脂肪が、確かに少ないような気がしました。 (「気がした」という程度で確かなことは覚えていません。申し訳 ない)

 国産のブロイラーは品質、価格の両方で、タイ産のものに押され ています。タイ産は冷凍または加工品(串にさしたり・・)で入っ てきますが、最近はそれに加えて、中国産のものが冷蔵のままで入 ってきて、ますます苦戦しているようです。

 その上、「環境問題」だとかいって、近所の住民からは眼の敵に され、立つ瀬がない業者も多いようです。


食鳥検査制度


 鶏は比較的小さい生き物ですので、昔はわりと生きたまま流通し ていたものです。

 私の子どものころ、近所に鶏肉屋(かしわ屋と言っていました) あって、そこに同じ歳の子がいたので、よく遊びにいったものです。

 裏庭で遊んでいると、大きな籠があって、その中に、鶏がいるん です。ときどき、おじさんがその中から、鶏を取り出して、店に持 っていくのですが、あれは売れるにしたがって、店で鶏をさばいて いたのですね。

 そういう伝統もあって、牛や豚肉の処理場では、枝肉を解体する だけですが、鶏肉の処理場では、そこに生きた鶏が持ち込まれてき ていました。

 食肉用の鶏というのは、普通、鶏舎に平飼いされています。ひな のときは、1羽ずつだと体温が維持できないので、小さく囲って、 温かくするのですが、どんどん大きくなり、出荷直前には、広い鶏 舎にいっぱいになります。

 出荷の朝、そんな鶏たちを籠に入れ、処理場に連れて行くのです。

 食鶏検査制度とは、その持ち込まれた鶏を、1羽ずつ、獣医師が 検査する、という制度です。

 鶏は上からぶら下がっているラインに、はじめは脚を、後には頸 の方から、つり下げられた状態で、流れていきます。そのラインの 最初の方で、獣医師が検査をする場所を設け、1羽ずつチェックし て、合格したものだけを通すようになっています。

 この制度が始まったとき、コストの関係から、ある程度の規模で ないと、この制度に適合しない、ということで、多くの処理場が統 合されています。だいたい、県ごとに1〜2ヶ所というところが多 いようです。

 うんと小さい処理場は、この制度の適応外ということになります。 そういう処理場はあちこちに残っていますが、安全面からいうと、 やっぱりこの制度に適応したところの方が、優れていると思います。

 また、解体の方法も、昔は鶏の外側から、皮、肉の順にとって、 内臓を最後に残すやり方が多かったのですが、この制度の実施以降、 大部分の処理場では、最初に内臓を取り除く方式になっています。

 これも、衛生面で意味のあることなのです。ただ、いわゆる地鶏 とかいって販売している、品種の変わった鶏では、鶏のサイズがま ちまちになったりしがちです。内臓を取り除くのは、機械でします ので、こういった鶏を機械に通すのは、なかなか大変だということ でした。

 私が取引していた処理場では、この制度適応時に、工場を改装し、 またこの制度を適応しない、処理場を持っている他業者と合併して、 そちらの工場を製品のパック用にして、鶏の処理をと体以前と以後 で別工場でするようにしました。

 ちょっと距離があったので、時間的には苦しかったのですが、早 朝出荷→と体→解体パック詰め→午後に製品出荷→翌日配達という スケジュールで、フレッシュ鶏肉の配達をしていました。

 ただ、鮮度の問題からいうと、もう少し時間をかけて冷却した肉 の方が、かえって良い、という問題もあり、懸案事項となっていま した。時間的に早いということと、鮮度が良いということとは、必 ずしもイコールではない、ということを、そのとき初めて知ったよ うに思います。

 いろいろと細かい問題はあるのでしょうが、とにかく、この食鶏 検査制度ができて、日本もようやく、国際的なレベルに制度の上で は追いついたということになります。


部位や売りかた


 狂牛病騒ぎの余波で、鶏肉の国際価格が急騰しているそうです。

 ハンバーガーチェーンでも、牛肉一辺倒から、チキンを売り出す 試みをしているようです。何しろ、ヨーロッパでは、牛肉の消費量 が一気に25%も下がったそうですので。

 鶏肉の輸出国といえば、タイが有名です。タイ産の鶏肉は、もう 品薄状態になっている、ということです。ところが、ヨーロッパ諸 国が買うのは、「ムネ肉」ばかりなのです。

 日本では、鶏肉と言えばモモ肉です。ところが、欧米では、鶏肉 というと、ムネ肉のことで、モモ肉はほとんど食べないということ です。

 鶏肉が、牛・豚肉の代用品、という捉えられかたをしていた、と いうのは共通なのですが、貧しかった日本では、より牛・豚肉に似 た、モモ肉が喜ばれ、飽食の結果、鶏肉を食べるようになった、欧 米諸国では、牛・豚肉とは違う、健康イメージを持ったムネ肉を喜 ぶ、ということらしいです。

 鶏肉は大きくわけて、「モモ」「ムネ」「ササミ」という部位で 流通しています。また翼の部分は「手羽元」「手羽先」という名に なります。「コニク」「セセリ」などと呼ばれる肉もありますが、 量的にはごく僅かです。

 モモ肉は脚に着いた筋肉、ムネ肉は「手羽」とも言われ、ハネに ついた筋肉です。鶏は鳥ですが、飼育中に飛ぶことはありませんの で、脚の筋肉と比べて、手羽肉は柔らかいものになります。

 ササミというのは、豚肉のヘレと同じように、一羽からあのササ ミが2本しかとれません。これはムネ肉の内側に、あんな形でつい ているのだそうです。

 ササミを刺身で食べる人がいます。わりと美味しいものなのです が、サルモネラ汚染の問題があって、あまり鶏肉を生で食べるのは、 お勧めできないと思います。

 サルモネラと言えば、卵ばかりが注目されていますが、鶏肉の汚 染も結構深刻です。ただ、肉は卵と違って、食べる前によく加熱さ れることが多いので、それほど問題にはなっていないのですが、や はり注意が必要です。

 特にまな板、包丁などを通して、鶏肉のサルモネラが生野菜にう つったときに、問題になります。鶏肉についていた菌は加熱によっ て死んでも、生野菜について分はそのまま残ってしまうのです。

 まな板は別にするのがベストなんですが、肉を切るのを後にする という工夫もあります。お湯で洗う、などというのも、絶対とは言 えませんが、ある程度有効なようです。

 最初に言いましたが、日本では、普通はモモ肉ばかりが売れます。 精肉をキロあたり千円で売りたい場合、平均すると、100グラム あたり百円、ということになりますが、実際はモモ肉を150円、 ムネ肉を80円、という感じで、価格差をつけて売ることになりま す。売れ行きによっては、もっと差をつけることも多いようです。

 肉の値段は実はこのようにして決まっています。全体の価格を平 均できれば、売る方は楽なのですが、売れる部位を高く、売れない 部位を安く、というのが基本になります。

 こんなことをしなくても、同じ値段で買ってくれると、売る側に とっては一番都合が良いのです。そこで私たちのところでは、地鶏 肉は基本的に、1パックにモモ肉、ムネ肉それぞれ一枚ずつ入って いる、というパックに入れていました。

 上記の価格差で、全部売れれば、キロあたり千円を越えてしまう のですが、逆に売れ残りなどのリスクもあるため、こういう計算を しなければならないのです。

 モモ・ムネパックで買えば、100グラム100円でかまわない、 ということになり、売る側も、買う側も得になるのです。

 1パックの中に、違う肉が入っていたら、料理はどうするんだ、 と気になると思いますが、案外簡単なものです。1パックから複数 の料理を作る場合は、むいていそうな方を使えば良いのですし、カ ラアゲやシチューなんかに、全部使うときは,平気で両方混ぜて使 います。

 細かいことを言わなければ、これで何の問題もありません。特に 産直なんかに取り組むときには、こういうアバウトさは絶対に必要 です。自分の生活スタイルを変えずに、生産者の努力だけを求める ことはできないのですから。


地鶏(2002/01/27)


 先日、新聞の地方版に「紀州鶏がJAS認定」というニュースが ありました。もちろん和歌山版なんですが、この紀州鶏というのは 開発の経過をよく知っているので、ちょっと懐かしいものでした。

 新しいJAS法で、「地鶏」として表示できる、という基準が設 けられています。今回、紀州鶏というブランドがその基準を満たし ている、という認定を受けたということです。

 この基準ですが、だいたい次のようなものです。

  • 素びな:「在来種由来血液百分率」が50%以上の者であって、出 生の証明(在来種からの系譜、在来種由来血液百分率、および孵化 日の証明をいう)ができるものを使用していること。
  • 飼育期間:孵化日から80日間以上飼育していること。
  • 飼育方法:28日齢以降、平飼いで飼育していること。
  • 飼育密度:28日齢以降、1平方メートル当たり10羽以下で飼育 していること。

 在来種としては、

会津地鶏、伊勢地鶏、岩手地鶏、インギー鶏、烏骨鶏、鶉矮鶏、ウ タイチャーン、エーコク、横斑プリマスロック、沖縄髭地鶏、尾長 鶏、河内奴鶏、雁鶏、岐阜地鶏、熊本種、久連子鶏、黒柏鶏、コー チン、声良鶏、薩摩鶏、佐渡髭地鶏、地頭鶏、芝鶏、軍鶏、小国鶏、 、矮鶏(ちゃぼ)、東天紅鶏、蜀鶏、土佐九斤、土佐地鶏、対馬地 鶏、名古屋種、比内鶏、三河種、蓑曳き矮鶏、蓑曳鶏、宮地鶏、ロ ードアイランドレッド

 といったものが指定されています。こうした鶏種は、種鶏会社の 養鶏場で、品種維持のため、純系で保存されています。商業ペース の養鶏では、この原種鶏を配合して、種鶏を生産し、その子を販売 用に育てる、ということになります。

 紀州鶏の場合は、父系にシャモ、母系に横斑プリマスロックを使 っていますので、在来種の割合が100%ということになります。

 品種的には、JASに適合する地鶏は多いのですが、上記の要件 を満たすための認証が必要なので、紀州鶏は確か3件目の認証だっ たと思います。一番乗りは徳島の「阿波尾どり」でした。

 「孵化日から80日間以上」ということですが、通常の鶏肉の場 合は60日以下です。だいたい80日から100日くらいが肉にす るのには良いようで、100日を越えると性的な成熟が始まり、雄 はときを作るようになりますし、120日くらいから、雌は卵を産 みはじめます。

 「28日齢以降、平飼いで飼育」ということですが、私は残念な がら、平飼い以外で肉用の鶏が飼育されているのを見たことはあり ません。ケージ飼いのブロイラーが存在するのでしょうか?普通、 ブロイラーというのは、屋根と壁だけの鶏舎で平飼いされているも のだとおもいますが。

 「28日齢以降、1平方メートル当たり10羽以下」というのも どうなんでしょうか。1坪は3.3平方メートルですから、1坪= 畳2枚の広さに33羽…。これでも充分多いような気がします。

 ということで、「地鶏」のポイントは、「品種」と「飼育日数」 にあると思います。双方とも、味には大きく影響してきます。また、 飼育日数を伸ばしても、60日以下で出荷されるブロイラーより大 きくなるわけではありません。

 ブロイラーは早く肥らせるため、カロリーの高いエサを与えます が、このような地鶏に与えられるエサは「育成用」などと呼ばれる タイプのものになります。これは産卵用の鶏を成鶏になるまで飼育 するためのもので、カロリーはうんと低くなります。

 したがって、餌代は日数が増えるほどには増えないはずです。コ スト的に言って、日数が増えてかかってくるのは、養鶏場の回転率 です。同じ広さの施設で、年4回出荷できるか、3回なのか、では ずいぶん違いますから。

 いろいろなコストをかけても、より良い商品を作ろう、という努 力に対して、もっと積極的に評価したいものです。

 養鶏には、飼育の苦労、加工処理の苦労、販売の苦労といろいろ ありますが、JAS規格の取得にあたっては、今までにない苦労を されたと思います。なんでこんな書類がいるんだ!とぐちも出るで しょうが、こういうところから、生産の現場が変っていってほしい と、私は思っています。


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