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食べ物情報(5)生鮮食品(畜産物)

豚肉


 豚肉は、屠殺後、皮、内蔵、頭、蹄を取って、背骨の部分から、 電動鋸で左右に分けられます。これを「枝肉」といいます。1頭の 豚から2本の枝肉がとれることになります。(牛肉も同様です。)

 枝肉は次に、前・中・後と3つに分けます。前は人間でいえば、 肩の部分で、ウデとも呼ばれています。ここは一番安い部位でもあ ります。後は腰と太股ということで、モモと呼ばれます。たっぷり と肉があって、ブロック肉などで売られることも多い部分です。

 中は要するに胴体ですが、ここはさらに背と腹の二つに分けられ ます。背の方はロースです。これは背骨の左右についている、背筋 の部分です。腹はバラといい、脂肪の層と赤みの層が交互になって いて、俗に三枚肉などともいいます。ベーコンになったり、お好み 焼きには欠かせない部分です。

 ということで、豚の部位としてはロース・モモ・バラ・ウデの4 つに分けられ、1頭ではそれぞれ2個ずつになりますので、豚1頭 が8つに分けられるということになります。

 ヘレというのはロースの内側に着いている肉で、店で売っている ような細長い肉が、枝肉に1つだけとれます。わずかしかとれない 肉ですが、関西ではヘレの人気が高く、沖縄あたりから入ってきて いました。最近では輸入がほとんどです。脂肪がうんと少なく、淡 白な味が特徴です。

 豚はと畜場で獣医師の検査をうけます。合格した豚の枝肉には、 スタンプが押されています。紫色をしたインキで、食用色素が使わ れているそうですが、ちょっと不気味です。

 以前は枝肉での流通が主で、大きい肉屋では、奥に枝肉が吊って あったりしましたが、最近ではそういうことはなくなりました。

 枝肉を運ぶトラックは昔はただの平荷台トラックで、ハエなんか がたかって実に不衛生なものでした。今は肉の処理工場で解体して、 前記の部分肉にしたものを、ケースに入れて流通しています。もち ろん、運ぶのも冷蔵車になりました。

 一番進んだところでは、と畜場に隣接して処理工場を建設します。 枝肉をぶらさげるレールがあるのですが、そのレールが両方の工場 でつながっていて、外に出ないで枝肉を移動させることができます。

 工場の中もクリーンルームになっていて、そこでよく冷やした枝 肉を解体して、部分肉にしてから出荷するのです。

 クリーンルームというのは、内部の空気を濾過して浮遊物や微生 物を取り除き、清浄を保つような構造になっている部屋です。出入 りも厳しく管理され,空気圧も高めに保ち、外部からの侵入を防ぐ ようになっています。

 もちろん、こんなところはまだまだ少数派で、職人がくわえ煙草 で仕事をしている、旧態依然のところも少なくありません。

 豚肉の話で、まず豚肉の部位の話を書きました。スーパーなどの 店頭でも、パック肉に部位の表示をしていることが多くなりました。

 ブロック肉では、ヘレ・ロース・モモ・バラ、スライス肉では、 ロース・モモ・バラ・ウデ、その他では、テキ・カツ用にロース・ 肩ロース、一口カツ用にモモなどが普通に売られています。

 肩ロースというのは、ロースの続きがウデの上まで続いていると ころで、ロースと違って、脂肪の部分が網の目のようになっている ので、区別がつきます。

 バラ肉はときどき、「お好み焼き用」として売られていますが、 中身は普通のバラ肉です。用途の名前を表示するのは、古いやり方 なのですが、メニュー提案は案外訴求力があって、不思議なことに よく売れるのです。

 豚肉の色ですが、牛肉と違って、あまり赤くなりません。これは ミオグロビンという色素の関係らしいのですが、色の変化はあまり 気にならないと思います。

 昔は脂肪の色が白いものを選べ、と言われたものです。これは豚 のエサに、残飯をやっているものは、どうしても脂肪が厚くて、黄 色っぽくなるからです。

 残飯で豚を育てる、というのはまさしくリサイクルですが、品質 としては最低の豚肉になります。さすがに最近はこのようなものは あまり見かけませんが、脂肪が黄色くなっているものは、避けたほ うが良いと思います。

 肉の表面が乾いていなくて、汗をかいたような状態に見える豚肉 もあります。こうしたものは内部まで水分が多く、美味しくないも のです。これは豚そのものに問題があるので、枝肉全部がそんな肉 なんだそうです。これも避けるようにしましょう。


 豚は猪の子孫なんだそうですが、見た目にはずいぶん違う動物で す。

 猪を飼育している人もいるのですが、それを見に行った時の話で す。大きな鉄製の檻の中に、雄の猪を飼っていましたが、中でどし どし檻に身体をぶつけて、暴れているのです。

 あれは怖かったですね。鉄製と言っても、見るからに手製のやわ なもので、猪の巨体に潰されそうなのです。早々に逃げて帰りまし た。雄の猪は確かに猛獣の風格があります。

 豚でも、雄の豚は巨大なものです。牛と違ってなぜか人工受精し ない豚では、ある程度の養豚場では、種雄を飼っていますが、サイ ズはとても豚とは思えないほどの大きさです。

 種雄も、最後は屠殺されて、肉にするようですが、枝肉になって も、牛かと思うような大きさでした。

 肉にする豚は普通、雑種交配しています。種雄と母豚とは種類画 違うのが普通です。豚の種類としては、わりとコロッとしたヨーク シャー、胴長のランドレース、小さくて黒いバークシャー、黒白模 様のデュロックといったところが普通のものです。

 昔、都会の真ん中で飼われていたコロコロした豚は小ヨークシャ ーといって、養豚場で飼われている大ヨークシャーとは違うもので す。また、最近「黒豚」といってもてはやされているのは、バーク シャー種のことです。毛色が黒いのが特徴ですが、別に肉が黒いわ けではありません。

 三元交配といって、ランドレース×大ヨークシャーの母豚にデュ ロックの種雄をかける、というような配合が普通に行われています。

 養豚場では、種付けから母豚の出産、子豚の育成を一貫して行う のが普通です。養豚場に知り合いがあったら、ぜひ出産直後の子豚 を見せてもらってください。とても可愛いものです。

 一般に母親の乳房の数と生まれる子供の数は関係があります。豚 は一回の出産で10頭ほどの子を生みますが、どうも母豚の乳房は 子豚ごとに特定のものを確保するらしいのです。乳房の数よりたく さんの子供が生まれたときは、一番弱くて、自分の乳首を確保でき なかったものは、育たないということになってしまいます。

 また、乳首によっても乳の出が違うようで、小さなうちから同じ 日に生まれた子豚でも、体格に差が出来てきます。人間と違って、 早く大きくなれば早く肉になってしまうのですから、別に嬉しくな い話ではありますが。

 牛の乳はどこにでも売っていますが、豚の乳というのはたぶん見 たことがないと思います。豚の乳は猛烈に濃くて、その代わり量は 少ないのです。牛は人工哺乳で育てるのが普通ですが、豚では母乳 な育てる以外に方法はないようです。

 哺乳類の乳の質はさまざまですが、濃い乳を出す動物ほど、哺乳 期間が短く、親子のつながりも薄いという傾向があるようです。も ちろんこの方面でも、チャンピオンは人間で、とても薄い乳を出し て延々と子育てするのが得意技です。

 豚は生後半年くらいで出荷されます。種雄と比べてみればわかり ますが、まだほんの子供です。肉にするためには、他の動物でもそ うですが、大人になる前でないとまずいのです。特に雄の大人とい うのはどうしようもなくて、前に書いた種雄の枝肉などというもの は、普通の豚肉になるものではありません。

 豚を飼っているところにも何度も行きましたが、どうも牛と比べ ると可愛げがない動物です。それなりに人なつこかったりするので すが、眼がゆだんならない・・。人間にあまり興味を示さない鶏な んかよりはましですが、人間との距離というものを考えてしまいま す。

 養豚場の評価の方法は、何といっても、清潔さです。あたりに臭 いがひどいようでは、中の豚の健康状態も良くないと思われるから です。また、飼育している人の態度でも、だいたいわかります。見 ていると、おじさんが入ってくると、豚がよってくるところと、逃 げてしまうところがあります。

 人の顔を見ると逃げてしまうというのは、普段から虐待されてい ると思っていいと思います。虐待されて育った豚からは良い肉はと れません。(こちらの方が残酷だったりして・・)

 豚のエサはほとんど穀物です。牛と違って、ほとんど雑食ですの で、何でも食べるのですが、いつもいうように残飯を食べて育った 豚はやておいた方が良いと思います。私は同じような意味で、家庭 で生ゴミを作って、畑に戻すというのにも批判的です。自分の畑に まいてできた作物を自分で食べるというのなら、文句をいう筋あい ではありませんが、自分では処理しきれなくて、農家に持っていく というのは言語道断と思っています。

 エサになる輸入の穀物ですが、最近では「ポストハーベストフリ ー」というカテゴリのものも市販されています。穀物メジャーであ るカーギル社などがやっているのも何だかおかしいですが、結構厳 しい基準で運用されているようです。

 ここでおもしろいのは、ポストハーベストというのですから、収 穫後に農薬をかけなければそれで良いということではないことです。

 農薬をかけたのが収穫前か収穫後かは区別できないので、残留農 薬が検出されないこと、というのが出荷基準になっているのです。 農薬を使わないことではなく、農薬が検出されないことが基準なの です。

 それで、ポストハーベストフリーというカテゴリで出荷する農家 にも、搬入時に残留農薬が検出されないことが求められています。 これは事実上、農薬の使用禁止を意味しています。いわゆる有機農 業の基準では、3年間不使用などという、やや情緒的な面がありま すが、こちらはいかにもアメリカらしい、実際的な基準だと私は思 っています。

 ついでに言いますと、遺伝子組み換え作物もポストハーベストフ リーのカテゴリでは出荷できないそうです。こちらは実際的な意味 はないのでしょうが、需要家のニーズに敏感に反応するというビジ ネスライクな判断です。私も無節操な新技術の開発には批判的です ので、こういった現実は大いに利用すべきだと思っています。


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