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食べ物情報(5)生鮮食品(畜産物)


【養鶏場の話】

 今回は養鶏場へ行った話です。養鶏場といっても「卵」と「肉」 では目的が違うので、設備そのものもずいぶん違います。

 規模が大きいのは採卵鶏を飼っている養鶏場です。平飼いのとこ ろの話は別の機会にして、いわゆる「ケージ飼い」のところへ行っ たときの話です。

 郊外というか、人里離れた山の上に作った、最新式の養鶏場では まず、部外者は入れてくれません。「人間が一番危ない」そうです。

 ここで危ない、というのは、微生物の持ち込み、という意味です。

 訪問すると、まず風呂に入れられます。「逆性石けん」(要する に殺菌剤です)で身体を洗って、出てくると、下着から全部とりあ げられて、専用の作業着に着替えます。

 養鶏場の職員でも、場内でどこまで入ってよいか、決められてい るそうで、実際に鶏のいる場所へ入るのはほんの数人です。特別に 入れてもらいましたが、ずいぶんと厳重な話です。

 どうしてこんなにうるさいのかというと、卵の「サルモネラ対策」 なのです。

 しばらく前にイギリスで大騒ぎになったことがありますが、サル モネラ中毒による食中毒は毎年問題になっています。鶏はサルモネ ラに感染しても平気なのですが、その鶏が産んだ卵で食中毒が起こ ることがあります。(この話はまた別にします。)

 ケージ飼いというのは、鶏を数羽ずつ、金網でできたかごに入れ て飼うやり方です。ケージは上下に配置されるので、鶏舎の面積に 比べて、たくさんの鶏を飼うことができます。糞は自然に下に落ち るので、衛生管理もしやすいようです。このため、普通は階段状に ケージを並べて、上のケージから落ちてくる糞が下のケージにかか らないようにするのですが、垂直に配置する場合もあります。この ときは、ケージの床下にベルトコンベアを入れて、糞を受けて、運 び出すようにします。

 エサ、水の供給や糞の始末などは専用の機械を設置しますが、こ の機械の効率を上げるために、鶏舎は普通、100メートル以上も ある長い建物になります。

 産まれた卵は自動的に収卵ベルトに落ちてきます。このベルトコ ンベアは毎日、定期的に動いて、卵を集めて、「GPセンター」と いうところに集められ、出荷されていきます。出荷担当の人は全く 鶏と接触しないようになっているのです。

 この養鶏場は最新鋭の設備ですが、普通のところではここまで徹 底していないこともあるかと思います。また、「平飼い」で飼って いるところでは、全く違うやり方になります。(平飼いや「有精卵」 については別に書きます)

【鶏と卵】

●採卵鶏の品種は全てアメリカ・ヨーロッパで開発されたものが輸 入されています。

●産まれた雛は雌雄を選別され、雌だけが飼育されます。(雄は夜 店で売っていたりしますが・・・)

●半年ほどで卵を産みだしますが、安定して産卵するのは生後20 0日くらいからです。

●400〜500日くらいまで、産卵させます。この後はだんだん 産卵率が落ちて来たり、品質に問題が出て来たりするので、淘汰さ れることが多いのですが、「強制換羽」というやり方を経て、70 0日くらいまで飼うこともあります。(卵の品質には問題ありです)

●傾向としては、加齢にともない、はじめ小さかった卵がだんだん 大きくなてくるようです。

●鶏は別に「受精」しなくても卵を産みつづけます。ほとんど毎朝 産みますが、卵ができるのに24時間以上かかるので、完全に毎日 産むというわけではありません。

●最近、特別大きな卵や黄身が2個ある卵を見なくなった、とよく いわれますが、それは単に出荷時に選別しているからです。

●異常卵としては、血や肉片が混じることがあります。殻が割れて いたり、形がおかしかったりするのは、すぐに選別できますが、中 味の異常は見逃すこともあります。(下から光を当てて、目で見て 検査します。)

●卵の殻の色は鶏の種類によって違います。白い鶏は白い卵を、茶 色の鶏は茶色の卵を産む、という単純な話です。

●黄身の色は食べ物に含まれる色素によって決まります。良質のと うもろこしを食べていれば、その黄色になりますが、特に色素を含 むエサを与えることもあるようです。「パブリカ」や「オキアミ」 などをエサに混ぜるのです。殻の色や黄身の色は卵の品質の決め手 にならない、と思ってください。

●伝染病のワクチンは必ず投与します。最近はサルモネラ対策のワ クチンもあるようです。これは必要なものですので、「抗生物質」 とは区別してください。

●抗生物質は検出されてはならないことになっています。まず普通 のところでは、大丈夫とは思います・・・。

●卵は案外長持ちします。冷蔵庫で貯蔵すれば、半年くらいは持つ ので、以前は大手のスーパーなどで、夏の卵価のやすいころに買い 込んで、暮れの値上がりするころに特売したりすることが多かった のですが、最近はどうでしょうか?よく知りません。

●卵は必ず冷蔵庫で保管します。一度割った卵はすみやかに調理し ましょう。(サルモネラ対策については別に書きます)


 前2回は「養鶏場の話」としましたが、卵について、3回目にな ります。

 そろそろ暖かくなって、食中毒が心配な季節です。卵について、 「サルモネラ菌」汚染の心配がある、という話を書きます。

 サルモネラ菌、というのは、チフス菌などの仲間ですが、一般的 にいって、腸の中に普通にいる細菌です。ところが、10年以上前に なりますが、イギリスなどでサルモネラ菌の食中毒が多発し、多数 の死者まで出て、その原因が卵だった、という事件があたました。

 当時のイギリス政府の高官が、「全ての卵はサルモネラに汚染さ れている」などと発言して、結果として、イギリスの養鶏業が壊滅 する、というショッキングなものでした。

 その後、イギリスだけでなく、ヨーロッパ・アメリカにこの食中 毒は広がっていき、日本でも、かなりのひろがりをみせています。

 サルモネラの中に、「サルモネラ・エンティリティディス」(以 下「S.E」と表記)という、毒性の強いものがあって、さらに近 年その中でも特に毒性の強いものが現れた、という、大腸菌のO− 157と同じような話です。

 日本では、食中毒といえば、「腸炎ビブリオ」が一番多いのです が、患者数や死亡者などを見ると、実質的に一番こわいのが、サル モネラによる食中毒です。そしてこの大部分に「鶏卵」(一部は鶏 肉も)が関係している、とされています。

 要するに、卵は要注意食品なのです。S.Eは鶏自身にとっては、 被害が出ませんので、保菌している鶏も、元気に、卵を生みつづけ ます。その結果、一定の率でS.Eをもった卵が入ってくる可能性 があります。

 このS.Eがどこから来るかというと、保菌している親鶏から、 生まれた時点で受け継いでしまう、「垂直感染」と、養鶏場などで 持ち込まれる「水平感染」があります。

 このうち、「垂直感染」は、当初大問題になったのですが、欧米 では、親鶏の大規模な淘汰を行い、結果としてかなり改善されてき ているようです。(日本の鶏は、すべて輸入の親鳥から生まれてい ます。)

 上記のような対策で、S.Eを防げるという話もあったのですが、 結果としては、保菌していないはずの鶏群からも、やっぱりS.E が検出されることがあります。養鶏場で持ち込まれているのですが、 感染の経路は不明です。何か一つの対策だけで、完全に防ぐことは できないようです。

 養鶏場でそれを防ぐ話は別の機会にして、今回は家庭での対処方 法について。


(1)新鮮な卵を使用しよう。:

 S.Eを含んでいても、卵自身はその繁殖を押さえる力がありま す。産卵後、新しいものでは、まだ食中毒を起こすほど、S.Eが 増えている可能性はほとんどありません。

 卵には、「賞味期限」を表示するようになったもの、このためで す。賞味期限は普通、一週間程度で設定されていますので、逆算す れば、産卵時期もわかります。賞味期限の表示のないものは、いく ら安くても、避けた方が身のためです。

(2)必ず冷蔵庫で保管しよう:

 卵自身はわりと保存性の良いもので、必ずしも冷蔵庫でなくても、 すぐに悪くなったりしません。ただS.Eの繁殖と温度とは、関係 がありますので、食中毒を防ぐためには、冷蔵庫保管が必要です。

 冷蔵庫内でも、扉のポケットよりも,棚の奥の方が、温度は安定 しているので、パックのまま、棚に置いておくのが、一番良いよう です。

(3)割ってから長く置かない:

 よく、中華料理店などで、ボールに卵をたくさん割って入れてあ ったりしますが、あれはたいへん危険です。あの中に一個でも、 S.Eを含んだ卵があれば、一時間ほどで、全体が危険な状態にな ります。家庭でも、卵は使用する直前に冷蔵庫から出して、割った らすぐに調理しましょう。

 家庭で死者が出るのは、ほとんど割卵後、放置していた卵です。

(4)加熱は完全に:

 上記の中華料理店でも、普通は完全に加熱してから客に食べさせ ますので、食中毒にはならないのです。S.Eは普通の加熱で死に ますので、調理が完全だと、その時点でほぼ大丈夫です。

 生卵を食べる習慣が日本にはありますが、生卵はよほど新鮮なも のでないと、おすすめできません。

 (5)調理後は早く食べる:

 加熱したからといって、すべての菌を殺すことはできません。わ ずかでも残っていれば、無菌状態の料理の中では、すぐに繁殖を開 始します。卵料理を、保存しておくのは、やめておいた方が良いと 思います。

 同様の意味で、お弁当などに加熱の完全でない、卵料理を使うの は心配があります。

(6)要注意な食べ方:

 以前にも書きましたが、「手作りマヨネーズ」は要注意です。市 販のものは、お酢の殺菌力で、無菌状態になっていますが、家庭で は、あそこまでコロイド状に混ぜることはできません。中でS.E が繁殖してくる可能性があります。

 目玉焼きで、黄身が流れてくる状態のものは、食べて美味しいの ですが、加熱としてはしていないのと同じです。アメリカでは、目 玉焼きは、必ず裏返して、両面を焼くように、アピールしているそ うです。見た目は非常に悪くなりますので、あまりおすすめしませ んが、それほどリスクのあるものだ、ということは覚えておいてく ださい。

 食中毒の原因が卵以外の食品であっても、S.E自身は卵に由来 していることがあります。これはまな板などの調理器具を介して、 汚染が広がるためです。汚染の元になった卵は、加熱して食中毒の 原因にならなかったとしても、生で食べる野菜や刺身などに汚染が 広がっていた場合、そちらの方で中毒がおこります。生で食べるも のには、特に注意が必要です。


 テレビで「サルモネラチェック済」という卵のCMをやっていま す。あれと同じようなことをしている養鶏場を訪問したことがあり ますが、なかなか大したものでした。

 「HACCP」という衛生管理システムを導入しているのですが、 その辺の話は別の機会にしたいと思います。

 食中毒は、5月ごろと10月ごろが要注意です。6〜8月の食中 毒シーズンに多いのは当たり前ですが、このころもあまり減ってい ないのです。

 行楽シーズンです。お弁当などに、ご注意ください。


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