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食べ物情報(4)生鮮食品(農産物)

果物


「バナナ」


【バナナという果物】

 バナナといえば、私くらいの年代では、よく「病気になったら食 べられる果物」という言い方をします。私は小中学校の9年間、欠 席なしという、元気な子だったので、あまりそんな目にあった記憶 はないのですが、何となくリアリティのある話です。

 それだけバナナというのが高級な果物だったということです。今 の値段はそれを思えば信じられないくらい安くなってしまいました が。

 バナナは熱帯で、雨の多い地方に自生している果樹です。果樹と 言っても木ではなく、巨大な草のような植物です。種がないことも 特長で、普通は挿し木でふやしています。

 そういう意味で、自生しているといっても、古来人間とは深い関 わりを持ってきたことを想像させるものがあります。俗に、「バナ ナの生える土地では、人間は飢えることはない」といわれています。

 確かに、バナナが自然に生えている土地では、食べ物は一年中、 何とか手に入るということは言えるようです。

 普通、バナナは熱帯のプランテーション農場で生産されています。 「台湾バナナ」は有名ですが、今はフィリピンや南米からの輸入が 多いようです。

【無農薬バナナ】

 私の関係していた団体では、フィリピンのネグロス島の無農薬と いうか、プランテーション栽培ではないバナナを扱っていました。 今回はその話を紹介します。

 熱帯地方で、特に地下資源のないところを植民地にした場合、植 民地の支配者がそこから利益をあげるための方法として、プランテ ーションと言って、広い農地を暴力的に確保し、現地人の奴隷的労 働によって、単一作物を栽培する、ということを世界中でやりまし た。

 植民地の独立後も、プランテーション経営は基本的に生き残り、 一部の大農地所有者(または国際農業資本)と大部分の土地を持た ない現地人という形で、熱帯諸国の経済構造に基本的な歪みをもた らしている、ということは現実にあります。

 さて、ネグロス島はほぼ全島、砂糖プランテーションの島でした。 プランテーションの中では、サトウキビの栽培が最も労働力を必要 としますが、最も高い収益のあがるものだったのです。

 ところが、20年ほど前から、砂糖の国際価格が暴落し、世界中の サトウキビの農場が大打撃をうけました。この原因については、砂 糖のところに書いたことがあると思います。

 ネグロス島の農場労働者は、たちまち生活に困るようになってし まいました。先程も書いたように、基本的に飢えることはない土地 で、社会の歪みから、飢えた人々が大量に出てしまったのです。

 そこで、国際的な支援活動の一環として、バナナの輸入をはじめ た団体があったのです。土地は所有していないし、普通の農業をし た経験もない人たちでしたが、バナナは山にいけば自生していたの です。

 その山に生えているバナナを刈り取って、みんなで集め、日本向 けに輸出する、というのが支援策でした。お金や物資を直接送った 方が効率は良いのですが、それでは現地の人がずっと生活していく ための支援にはならない、というのがこの運動を支えた理念です。

 渡すお金は、あくまでも取引の代価であって、援助ではないので す。

 このような事情もあって、自然と「無農薬栽培」のバナナを輸入 することになったわけです。私たちは「無農薬」は本当だが、「栽 培」の部分にウソがあるね、と笑っていました。山に生えているバ ナナは、栽培しているとは言い難かったからです。

 もちろん、これは最初のうちで、だんだんと農地を整備して、バ ナナを栽培するようになってきているということは後に聞きました。

 バナナは半年くらいで収穫できます。収穫時、株ごと刈り取って、 葉の一部を地面に挿しておくと、また半年後には収穫できるように なるという、ちょっと信じられないくらいの安直さですが、どうも 本当にそうなんだそうです。

 でも、いくら何でも、こんなことを繰り返していては、だんだん と収穫が悪くなってくるのは、当たり前です。そこでやっぱりもっ と管理して、農業にしていかねば、というわけです。

 出荷も現地のキリスト教関係の団体が中心になって、自主的に出 荷場を経営していました。バナナを出荷するとき、水で洗うのです が、その時も薬剤を使用しないようにしていたのは、言う迄もあり ません。

 また、最近では一般の農場でも、栽培を工夫して、今までのもの とは違う、無農薬や有機栽培などのものも出てきています。

【バナナの流通】

 バナナは防疫の関係で、黄色くなってすぐに食べられるものは、 輸入できないことになっています。世間で売られているバナナも、 すべて青いままで輸入されてきて、国内で黄色くなってから、売ら れています。

 黄色いバナナには、虫がついていたり、虫の卵がついていたりす るので、輸入できないのです。また検疫でひっかかった場合は、燻 蒸処理を命じられます。燻蒸は表面だけの場合、青酸ガスを使用し、 内部まで入り込んでいる場合は臭素酸カリだったかを使用します。

 青酸ガスというのは、推理小説でおなじみの、青酸カリの親類で すので、もちろん猛毒ですが、残留性がないので、かえってこちら の方が食べ物としては毒性の心配をしなくても良いという話でした。

 果物によくあるのですが、果樹から収穫しても、すぐには食べら れないものがあります。バナナも、青いうちは、全く食べられない ものです。

 バナナの熟成には、普通エチレンを使用して、温度管理した室で 数日、熟成させて、黄色くします。黄色くなってはじめて、あの甘 くて柔らかいバナナになるのです。

 エチレンというと何だか怖そうですが、全ての果物は熟すために、 自分でエチレンを出します。これは植物にとって、熟成ホルモンと いうことになります。青いバナナを手に入れた場合、昔は米びつに 入れておきましたが、今はリンゴと同じところに置いておくと良い と言います。

 これは、リンゴが特にエチレンをたくさん出すからです。熟成と 老化は実は同じことですので、熟した果物をリンゴといっしょに置 いておくと、早く腐ってしまいます。

 それから、バナナは熱帯の果物ですので、低温には弱いのです。 絶対に、冷蔵庫に入れてはいけません。かく言う私も、件のバナナ のサンプルが初めて届いたとき、野菜や果物を保存している冷蔵庫 に入れてしまうという大失態を演じ、笑われたことがあります。こ のときは、一晩でみごとに真っ黒にしてしまいました。

 バナナは表面がだんだん黒くなり、場合によっては軸のところか ら、カビが生えてきます。ただ、熟成はだんだんと進んでいきます ので、この腐りかけが一番味としては美味しいことは言う迄もあり ません。

 市販のバナナは、あまりにピカピカなので、逆に気持ち悪い、と いうことがあります。といっても、横に無農薬バナナを並べておく と、こんどはあまりに見栄えが悪いので、誰も買ってくれない、と いう現実もあります。

 いろんな産地、流通経路で、無農薬やそれに近いようなバナナも 輸入されるようになってきています。まだまだ、上記のような事情 もあり、共同購入団体や、自然食なんかのはっきりした看板をあげ た店でしかほとんど出回っていないようです。

 プランテーションとは言え、生産国の経済の一環であることには 違いありませんので、排斥する必要はないと思いますが、どうせな ら、このような栽培努力をしているところのものが、もっと広がっ ていくといいと思っています。


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