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食べ物情報(4)生鮮食品(農産物)

有機農業


 私の発行している、「宮沢賢治 Kenji Review」というメールマ ガジンで、宮沢賢治が東北砕石工場で作られた石灰岩末を肥料とし て販売してあるいた話を取り上げました。

 そこから引用します。

---〔↓引用はじめ〕-----------------------------------------

 肥料について。「砕石工場」の製品が肥料である、ということに
違和感をもたれる方もいると思います。

 実は、肥料というのは、元は石(岩石)なのです。空中の窒素を
固定する方法が開発されてからは、必ずしもそうではなくなったの
ですが、元来、窒素は「硝石」、カリは「カリ鉱石」、リン酸は
「燐鉱石」を粉末にしたものです。

 カルシウムは「窒素、燐酸、カリ」の三大肥料要素には入ってい
ませんが、それに次ぐものです。また日本に多い酸性土壌の中和に
も適しますので、東北地方に多い腐植質の酸性土壌の改良に、賢治
が石灰肥料の普及に努めたのには、正当な理由があったのです。

 石灰石そのままでは、肥料としては効果がありません。細かく砕
くことによって、炭酸カルシウムとして、土壌中で効果を発揮する
ことができるようになります。

 うんと小さく砕くと即効性の肥料になり、粒を大きくすると、ゆ
っくりと効果を発揮する、というふうに制御できます。いずれにせ
よ、砕石の技術は結構難しく、素人が考える、石を砕いている、と
いうだけではないようです。

 ついでに、「有機農業」などという言葉から連想して、有機物が
作物の肥料になると考えている人が多いのですが、実は間違ってい
ます。

 植物は必要な栄養素を「無機物」の形で取り入れます。硝酸、ア
ンモニア、燐酸、塩化カリ、などなどが実際に必要な肥料成分です。

 有機物中の有効元素は、土壌中で最終的に分解されて、はじめて
効果を発揮します。このため、有機物の分解が進みにくい寒冷な地
域や、すぐに分解して流亡してしまう熱帯多雨地域では、有機肥料
だけの栽培は難しいのです。

 岩石の粉末をまいて作物を育てる、農業とはこういうものです。
江戸時代には、山から草を刈って来て、田に敷き混んだりしていま
すが、これもカリなどを補給する効果があったようです。窒素、燐
酸は主に人糞に頼っていました。これらは有機肥料と言えますが、
今では使われることはありません。

 それなら、有機農業とはいったい何だ、ということになりますが、
この話は私の発行しているもう一つのメールマガジン「安心!?食べ
物情報」で扱いますので、そちらをごらんください。

---〔↑引用おわり〕-----------------------------------------

 ということで、こちらで引き取ります。

 有機農業、という言葉をよく聞きます。何となく良いもののよう で、実態は定かでない部分もあるのですが、実は国際的には、はっ きりした定義があります。その日本版として、「三年以上、農薬、 化学肥料を使用しない畑で栽培した農作物」というガイドラインが あることは、ご存じの通りです。

 でも、ここからが問題なのですが、「農薬」とは何か、「化学肥 料」とは何か、という定義の問題があるのです。

 日本流の素朴な考えでは、「一切の農薬を使用しない」というふ うに考えそうですが、世界はそんなに甘くありません。

 使っても良い農薬といけない農薬を区分し、「使用してはいけな い」ものだけを「農薬」と定義し、その分は絶対に使用しない、と いうことなのです。

 使用の有無だけではなく、購入して持っているだけで違反と見な されるほど厳しいのですが、そういう厳しい基準が維持できるのも、 「全て禁止」という、完璧主義を持ち込んでいないからでもありま す。

 日本では、完璧主義を持ち込んだが故に、建前と実際が違う、と いうことが起こってしまっています。原発問題などでも、最近初め て事故を想定した訓練が行われましたが、今までは「事故は起こら ない」から、「事故を想定しない」、したがって、「事故に対する 対策をもたない」という「備えなければ憂いなし」という状態でし た。

 「いかなる場合でも絶対に使用禁止」とやれば、現場ではこっそ りと使用する、ということが必ず起こります。ダイオキシン騒動な どでもいつも同じことですか、こういう完璧主義、というか、全体 を見ない考え方は、日本人に特有のものなのかなあ、と思うことが よくあります。

 有機農産物の認定についても、民間の認定団体の動きはあるので すが、全体にはやっぱり「お上」頼りの心もとないものです。自分 たちで自主的に基準を決め、自主的に運用する、という行動スタイ ルがなかなか定着しないようです。

 ISO9000や14000のシリーズでも、認定は認定業者が する、というスタイルなので、同じような農業に関するISO規格 が制定されれば、そういう業者が進出してくるのでしょうが、農業 者や消費者にどれだけそれを受け入れる素地があるかは疑問の多い ところです。

 この話はシリーズとして続けます。ご意見をお寄せ下さい。


 「正しい農薬の知識を身につけるマガジン」というメールマガジ ンが創刊されました。「正しい農薬の知識を身につけるページ」を 主宰されている、大阪の西田さんの発行です。ご本人は、本物の専 門家で、有機農業などにも理解のある方です。以下のURLで登録 できますので、ぜひ、ご覧ください。

http://member.nifty.ne.jp/TATEKI/PESTIC/KANKYOU.html

 以下は、そのメールマガジンへの私の投稿です。採用されるかど うかわからないので、こちらにも掲載しておきます。


 有機農業ということへの私の感想です。

 私は、20年以上前(1978年頃)から、野菜の産直ということで、 有機農業といわれる分野での活動をしてきました。当初は、素朴な 主婦と農家との間での、直接購買の仲立ち、という感じだったので すが、消費者の声に押されて、「無農薬・有機肥料」という、いわ ゆる有機農業を目指すようになっていきました。

 いきなり「完全無農薬」でやっている、入植者の団体とのつきあ いもありましたが、中心は普通の農家で、できるだけ農薬の使用を 押さえていく、というやり方でした。

 最初の、「防除歴による防除はしない」というところは簡単にク リアしたのですが、全く無農薬、というのは、なかなか難しかった です。野菜に関しては、病気が出たらあきらめる、という原始的な 対応で、収穫が始まってからの農薬は使用しないようにしましたが、 最初から最後まで、無農薬でいける野菜は半分くらいだったと思い ます。

 そのかわりとして、農薬散布時は、必ず報告してもらう、という ことをしましたが、来ている報告を見ると、おおむね守られていた ようです。その情報は消費者にそのまま流しましたので、「有機農 業」を目指しながら、農薬散布の情報が流れてくる、という状況で したが、情報の正確さというか、正直さでは、なかなか画期的なこ とだったと思います。

 その後、海外の有機農業の情報に接して、国際的には、誰も「完 全無農薬」などは目指していない、ということを知り、ショックを 受けました。有機農業の定義で、報道からはついも抜け落ちている のですが、「無農薬」というのは、「使ってはいけない農薬を絶対 に使わない」ということなのです。

 ということは、「使ってもよい農薬」もあるわけで、天然物なら まずこちらに分類される上、作物によっては、特例として認められ る農薬もいろいろとあるようです。ピレスロイド系の農薬で、同じ 有効成分でも、天然由来であればOKで、合成品はだめ、というこ とになります。

 海外の有機農業は基準や認証が厳しく、日本のものより信用があ りますが、その裏には、不可能なことを要求しない、という合理精 神があるのです。

 このような意味で、「有機農産物の認証があるから、無農薬」だ と日本人が思った場合、たぶん完全に無農薬と考えていると思いま すので、これは誤解なのです。

 日本人は何事にも潔癖症で、今も「ダイオキシン0」とか「塩ビ 0」とかいっていますが、これは困った傾向だと思います。

 有機農業の面でも、建前としての完全無農薬と、現場との矛盾が たいへん大きくなっています。一部、国際基準を取り入れている団 体もできてきていますが、そういうところでも、実際には農薬を使 用していることは、消費者には伝えたくないと考えていると思いま す。

 国際基準の場合は、ちょっと調べればわかることですが、「日本 基準」の場合は、実態ははっきり言って不明です。

 不可能なことを現場に押しつけただけでは、結果として、現場に 裏切られることになります。私たちのとった方法は、いずれ国際基 準に発展していくべきことでしたが、残念ながらその職場から退職 してしまったので、その後はよくわかりません。

 どんな場合にでも、農薬の使用を認めない場合、農家の生活を保 証できないのですから、国際基準のような合理的な考え方を取り入 れるか、あくまで完全無農薬を主張して、現場の実態には目をつむ るか、どちらかになるしかないと、私は思っています。(何だか、 核の持ち込みのような話ですが)


2001.11.04追加


 「有機農業」と「無農薬」とは違う、と何度も書きましたが、具 体的には紹介していなかったと思いますので、以下に、「有機JA S法」で使用が認められている資材の一覧表を紹介します。

 品名だけをあげておきます。くわしくは、 http://www.maff.go.jp/soshiki/syokuhin/heya/yuuki-nousannbutukikaku.pdf を見てください。(最悪なことに、PDFファイルです。コピーす るのに苦労しました。)

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

肥料及び土壌改良資材

  • 農産物及びその残さに由来する堆肥
  • 家畜及び家禽排泄物に由来する堆肥
  • 食品製造業等に由来する堆肥
  • 生ゴミに由来する堆肥
  • バーク堆肥
  • 魚かす粉末
  • なたね油かす及びその粉末
  • 米ぬか油かす及びその粉末
  • 大豆油かす及びその粉末
  • 蒸製骨粉
  • 窒素質グアノ
  • 乾燥藻及びその粉末
  • 草木灰
  • 炭酸カルシウム肥料
  • 貝化石肥料
  • 塩化加里
  • 硫酸加里
  • 硫酸加里苦土
  • 天然りん鉱石
  • 硫酸苦土肥料
  • 水酸化苦土肥料
  • 石こう(硫酸カルシウム)
  • 硫黄
  • 微量要素(マンガン、ほう素等)
  • 木炭
  • 泥炭
  • ベントナイト
  • パーライト
  • ゼオライト
  • バーミキュライト
  • けいそう土焼成粒
  • 塩基性スラグ
  • 鉱さいけい酸質肥料
  • 熔せいりん肥
  • 塩化ナトリウム
  • リン酸アルミニウムカルシウム
  • さらし粉
  • その他の肥料及び土壌改良資材

農薬基準

  • 除虫菊乳剤(除虫菊から抽出したものであること。)
  • デリス乳剤
  • デリス粉
  • デリス粉剤
  • なたね油乳剤
  • マシン油エアゾル
  • マシン油乳剤
  • 硫黄くん煙剤
  • 硫黄粉剤
  • 硫黄・銅水和剤
  • 水和硫黄剤
  • シイタケ菌糸体抽出物液剤
  • 炭酸水素ナトリウム水溶剤
  • 炭酸水素ナトリウム・銅水和剤
  • 銅水和剤
  • 銅粉剤
  • 硫酸銅(ボルドー剤調製用に使用する場合に限ること。)
  • 生石灰(ボルドー剤調製用に使用する場合に限ること。)
  • 液化窒素剤
  • 天敵等生物農薬及び生物農薬
  • 製剤性フェロモン剤
  • 誘引剤
  • 忌避剤
  • クロレラ抽出物液剤
  • 混合生薬抽出物液剤カゼイン石灰(展着剤として使用する場合に限ること。)
  • パラフィン(展着剤として使用する場合に限ること。)
  • ワックス水和剤
  • 二酸化炭素剤(保管施設で使用する場合に限ること。)
  • ケイソウ土剤(保管施設で使用する場合に限ること。)

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 たくさんの農薬がありますが、ボルドーや硫黄・銅水和剤など、 なんだか懐かしい名前がでてきます。私は昔、これらの古典的な農 薬を使用している、伝統的な果樹栽培農家にも、農薬の使用を抑え るように頼んだりしてきましたが、何だか馬鹿みたいです。

 一番問題が多いのは、「デリス」で、そういう名の植物から取っ た、昔からある殺虫剤です。しかしこれは魚毒性が強く、次のよう に規制されているものです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

散布された薬剤が河川・湖沼・海域及び養殖池に飛散または流入す る恐れのある場所では使用せず,これらの場所以外で使用する場合 も,一時に広範囲に使用しない。散布に使用した器具及び容器を洗 浄した水,使用残りの薬液ならびに使用後の空きびん及び空袋は, 河川などに流さず,地下水を汚染する恐れのない場所を選び,土中 に埋没するなど安全な方法で処理する。

使用禁止地帯では使用しないこと。また,使用制限のとられている 地域では,その使用条件にしたがって使用すること。

http://www.keea.or.jp/qkan/water41.htm より

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 PCP除草剤、ベンゾエピン、デリスの3つだけが、このような 指定になっていますので、最も魚毒性の強い農薬の一つです。要す るに、魚の住んでいるところでは、使用してはいけないようです。

 天然物なら何でも良い、ということなんでしょうが、これはちょ っといただけません。また、除虫菊乳剤が良くて、ピレスロイドが 良くない、というのも、理解し難いところです。(有効成分は同じ はずです。)


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