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食べ物情報(4)生鮮食品(農産物)

油脂原料


 食用油の原料としては、動物性のもの、植物性のものがあるのは ご存じのとおりです。

 ここでは植物性の油脂について、書いてみます。

【大豆】

 最も多いのが大豆油です。大豆というと、私たちには煮豆になっ たり、豆腐になったり、また味噌や醤油の原料、という感じで、た んぱく質がすぐに思い出されるものです。

 油脂の原料になるのは、アメリカ産の大豆、というように考えて 良いと思います。国産大豆と違って、アメリカ産は脂肪分が多いの が特長です。

 その分、豆腐や味噌・醤油といった、大豆のたんぱく質を利用す る食品では、国産の方が美味しい、という評価が多くなります。

 大豆の場合、油脂分が多いといっても、他の油脂原料と比べると 少ないので、製法は「抽出法」になります。油脂分が多いナタネな どでは、搾るだけでもかなりの油脂が得られるのですが、大豆では 最初から溶媒に油脂を溶かし出す、という方法をとります。この溶 媒にはノルマルヘキサンという物質が使われます。

 ヘキサというのは数を現す言葉です。化学の分野では、1〜10を それぞれ、モノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オ クタ、ノナ、デカというように言います。「テトラポット」とか、 「ペンタゴン」とか、「オクタン価」とか、みんなここからきてい るのです。

 ノルマルというのはまっすぐの、という意味です。最後に−アン とつくのは、炭素の結合可能数いっぱいに水素がついた、飽和した 炭化水素である、という意味です。普通この仲間はロウ(パラフィ ン)と呼ばれています。

 要するにノルマルヘキサンというのは、パラフィンの仲間で、炭 素原子の数が6個の、比較的小さい分子です。このため、気化する 温度が低いので、容易に油脂から分離させることができます。

 大豆の油脂を精製したものを、俗に「白絞油」と呼んでいるよう です。別に白絞油は大豆に限るわけではないらしいのですが、普通 白絞油と言えば、大豆油脂をさしています。あっさりとした油脂で 安くて使いやすいので、あちこちで使われています。

 食堂の厨房などで、いちばん良く見る油脂です。欠点としては、 劣化しやすい、ということがあります。そういう意味でも、大量に 使う業務用に向いている、といえるかも知れません。

 家庭用には、大豆油脂が単独で使われることはあまりありません が、ブレンドした「調合サラダ油」では、大豆を中心にブレンドし ているものが多いようです。ここでも、安くて、調合しやすい、と いうことが利点になっています。

 遺伝子組み換え作物の関係では、現在のところ、大豆油脂には遺 伝子組み換えのものが使われている可能性が強い、ということが言 えると思います。何しろアメリカ産大豆を使うしかない事情があり ますので、当分はこのままでしょう。

【ナタネ】

 大豆と並んで大量に使われている原料です。かつて、ナタネ油脂 には「エルシン酸」という脂肪酸が含まれていて、これは心臓に良 くない、という報告がWHOからされたことがあります。

 その後、カナダ酸のナタネで、この有害脂肪酸を含まない品種が あることがわかり、世界的にこの品種に置き換わっています。俗に 「キャノーラ油」と呼ばれたりしています。

 現在でも、まれに国産のナタネを自家製でしぼったというものに、 古いタイプのナタネを使用しているところがあると思います。国産 のナタネでも、カナダ系品種の場合は問題がありませんので、国産 ナタネ油脂を製造元から買われている人は、確認された方が良いで しょう。

 ナタネは油脂の含有量が多いので、普通、圧搾法と抽出法を併用 しています。最初に圧搾法で搾り、残りを粕にする前に、抽出法で 抽出するのです。前者を「一番搾り」後者を「二番搾り」と呼んで います。

 もちろん、品質は一番搾りが良いのです。「一番搾り」という表 示のナタネ油は高級品と考えて良いと思います。家庭用では、二番 搾りがけで出てくることはなく、両方をブレンドして、適当な価格 にしているようです。(廉価版には二番搾りが多くなるのは、当然 と思います。)

 遺伝子組み換え作物の関係では、ナタネの主な輸入元である、カ ナダ、アメリカのものは、たいてい入っていると思う必要がありま す。一部に別仕訳していたり、「有機」表示だったりするものもあ りますが、これは量的にはうんと少ないです。

 それ以外の輸入元では、オーストラリアからも入っているようで す。フランスあたりも輸出能力はあるのですが、何しろヨーロッパ は遠いので、ほとんど日本には来ないと思います。これらは今のと ころ、遺伝子組み換え作物は作られていない国です。

 ナタネは大豆と比べると、ややコシが強く、劣化しにくいという 特長があります。風味も良い油脂なのですが、私の経験では、どう もマヨネーズとは相性が悪かったようです。一番搾りナタネ油を、 マヨネーズの原料にしようとしたのですが、どうも試食の結果が悪 く、結局綿実油中心のものになったことがあります。

 大豆とナタネのブレンド、というのが、家庭用油脂の一番普通の ものです。価格は安いのですが、これといった特長がない、という 感じの油脂です。これで充分といえば言えるのですが、もっと他の 種類についても、考えてみてはいかがでしょうか。

【穀物系】

 穀物は当然、炭水化物が主成分なのですが、胚芽や外皮の部分な どには、かなりの脂肪を含んでいます。代表的なのはトウモロコシ の胚芽からつくる、コーン油です。

 一般的に、穀物の胚芽からは良質の油が得られます。コーン油も 市販の油の中では、高級品に配合されています。風味が良く、保存 性も良いものです。これはビタミンEを大量に含むこととも関係が あるようです。

 マーガリンで「コーン油100%」というのが登場したのは、も う20年以上前の話になります。それまでのマーガリンにあった、 油臭さのない、革命的な商品でした。

 その他の穀物系の油脂としては、「米油」があります。日本で大 量に産出される米ぬかを原料にしたもので、ややクセがあるような 気がしますが、これも品質的には良い油です。

 米油といえば、「カネミライスオイル事件」というPCB中毒の 大事件がありました。あれは伝熱用の媒体として使われていたPC Bが、パイプの穴から製品に移行した、ということだったと思いま すが、多数の中毒患者を出した大事件でした。米油自身には何の問 題もなかったはずですが、油脂原料としての米ぬかは、大幅にイメ ージダウンしてしまいました。

 ところで、PCBとダイオキシンはかなり近い親戚です。PCB にはいろんな異性体がありますが、その一部はダイオキシンと同じ ような毒性を持っていると考えられています。

 この中毒も、実はこのダイオキシンに近い成分による被害なので はないか、という話もあるようです。

【綿実】

 木綿の実はいわゆる「綿」のようなものですが、その中に種子が あって、そこから搾った油があります。これも市販のサラダ油の調 合用によく使用されています。ランクとしては、大豆ばかりのもの、 大豆とナタネの混合、さらに綿実油、コーン油などを加えたもの、 とだんだん上がっていく感じです。

 マヨネーズの試食の時、私は綿実油が一番おいしいと思ったこと があります。コーン油やナタネ油では、クセが強く、大豆では風味 が不足という気がしました。

【ひまわり】

 映画「ひまわり」のひまわり畑も、種子から油をとるためのもの だったと思います。ひまわりやサフラワー、紅花などという種類の 油脂は、最も軽く、サラサラした油です。

 これはリノール酸が圧倒的に多いからで、健康食品などによく利 用されていました。欠点は酸化しやすいことで、また最近ではリノ ール酸の評価も見直されてきて、かつてほどもてはやされなくなっ てきています。

 リノール酸が必須脂肪酸であることには違いないのですが、酸化 しやすいこともあって、とりすぎはかえって良くない、と言われる ようになりました。ひまわりでは、品種改良で、オレイン酸の含量 を高めた、「高オレイン酸タイプ」もできていているようです。

 オレイン酸といえばオリーブオイル、というイメージがあります が、その他にも、オレイン酸が主成分の油脂は多くあります。石鹸 としても、オレイン酸から作ったものは、良いものです。

【椰子】

 椰子の実(ココナッツ)はご存じの巨大なものです。堅い殻を割 ると、中に白い液体(ココナッツミルク)と白い柔らかい部分とが 入っています。

 ココナッツミルクは熱帯地方では定番の飲料兼調味料です。私は カレーを作るとき、粉末のココナッツミルクをよく使うのですが、 牛乳とは違ったマイルドさがあります。

 さて、白い部分を乾燥させたものがコプラといって、椰子油の原 料になります。

 椰子油は植物性油脂の中では、飽和脂肪酸が多く、私などはすぐ に石鹸の原料を思い出します。石鹸の原料としては、洗浄力に優れ た牛脂と、溶けやすい椰子油が代表的なものです。普通のサラダ油 からは、軟弱な石鹸しかできないのです。

 そういうイメージもあって、椰子油というのはあまり美味しそう に感じないのは私の偏見だと思います。

 また、パーム椰子というのもあって、そこからパーム油、パーム 核油が作られています。今のところ直接食用になることは少ないの ですが、生産量の点では成長株です。

 これらはいずれも、熱帯地方で、プランテーション栽培されてい るものが主流です。プランテーションについては、悪くいう人が多 く、私も決して良いやり方だとは思っていません。

 しかし、出来たものはそれとは別に評価していきたい、と思って います。プランテーションの作物だから買わない、というのは、先 進国の裕福な層の思い上がりではないかと思うのです。

 マレーシアあたりのパームのプランテーションは、画期的な成功 として評価されているようです。これから、食用油脂としても、利 用されていくことになると思います。

【ピーナッツ】

 ほとんど知られていませんが、ピーナッツからも良い油がとれま す。一度サンプルで揚げ物を作ったことがあるのですが、風味の良 さ、耐熱性、油切れの良さ、できあがりの軽さ、とまさに理想的な 揚げ油でした。

 高級中華料理では、良く使われているらしいです。日本ではまだ まだ珍しく、高価なものですが、品質的にはおすすめできると思い ます。(でも、どこにも売っていないです。)

【オリーブ】

 イタリアン料理とともに、人気のオリーブ油です。精製されたオ リーブ油は、ナタネ油をさらにヘビーにしたような感じですが、パ スタなどによく使う「エキストラバージン」という表示のオリーブ 油は、さらにウルトラヘビー級で、調味料として使います。

 普通、圧搾法といっても、実は生の原料を搾っているわけではあ りません。搾る前に、加熱、圧ぺん(おしつぶす)、蒸しなどの工 程を経て、組織を破壊し、搾りやすくしておくのです。

 エキストラバージンや伝統的な椿油の搾り方は、原料を加熱せず、 冷たいままで搾るのが特長です。

 パスタにオリーブオイル、というのがイタリア風ですが、さすが にそのままでは、アミノ酸好みの日本人の味覚にはあわないと私は 思っています。でも、雰囲気がでるので、よく使いますね。

 オリーブ油は油脂原料ではなく、ほとんど製品として輸入されて います。国産のものもあるのですが、信じられない程高価ですし、 品質も劣ります。

【ごま】

 最後に胡麻油があります。私はこれが油脂の王様だと思っていま す。普通は濃い色をしたごま油を調味料として使います。あの色は 実は搾る前に、胡麻を加熱したときにつく「焦げ」の色なんです。

 ごま油独特の風味も、そのときにできるものです。これはこれで 美味しいものですが、そのような加熱をせず、普通の油のように搾 ったものは、白っぽい、ごく普通の色の油になります。

 私はこの白いごま油が大好きです。天ぷらには最高なのですが、 何しろ高価なものです。(最高級の天ぷら屋では、こんなのを使っ ているらしいですが。)

 ドレッシングにしたとき、風味最高です。また、揚げ物の際、少 し混ぜてやると、全体に油のグレードが上がったような気がします。

 胡麻はほとんどが中国からの輸入になっています。白胡麻、黒胡 麻、金胡麻などの種類がありますが、油脂原料になるのは、白いも のが多かったかと思います。(定かではありません。)そのまま食 べる胡麻としては、また別に書きます。


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