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2003/03/02
2001/03/18
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食べ物情報(4)生鮮食品(農産物)

小麦


2003/03/02

 小麦はたいてい輸入品だということはよく知られています。そ の実態をしらべてました。

 日本へ入っている小麦はだいたい次のような銘柄です。それぞれ の用途別に列挙すると、こんなところです。

 

強力粉
カナダ産ウエスタン・レッドスプリング
アメリカ産ノーザンスプリング
アメリカ産ハード・レッド・ウインター
オーストラリア産プライム・ハード

中力粉
オーストラリア産スタンダード・ホワイト
国産普通小麦

薄力粉
アメリカ産ウエスタン・ホワイト

デュラム・セモリナ
カナダ産ウエスタン・アンバー・デュラム アメリカ産アンバー・デュラム

 「オーストラリア産スタンダード・ホワイト(ASW)」という のがいま一番使われている、うどん用の粉です。「讃岐うどん」の コシの強さはこの小麦粉のおかげでできるようになったのです。

 国産小麦の主な用途はうどん用だったのですが、これとの比較で 苦戦するようになっています。

 アメリカ・カナダ・オーストラリア産がほとんどであることがわ かります。国産小麦の生産量はだいたい需要量の一割程度だそうで す。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

需給状況     (単位:万トン) 
《99年度は速報値》      
年度 期首在庫量 国産供給量 輸入量 需要量 期末在庫量 
95     124    40    448  493    118 
96     118    42    466  511    115 
97     115    52    474  504    137 
98     137    53    454  495    149 
99     149    54    456  516    143 

2000年輸入実績

    国名    輸入量   輸入額 
         (万トン)(億円)
1位 アメリカ    317.5   564.2 
2位 カナダ     148.3   328.1 
3位 オーストラリア 119.4   218.3 

全体        585.4   1111.1 

http://www.kanbou.maff.go.jp/www/anpo/sub322.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 価格はだいたいこんな感じです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 ウルグアイラウンド合意により小麦は関税化されたが、二次税率 における輸入禁止的高関税率と関税の4.61 倍(2001 年度)もの 「麦等輸入納付金」(マークアップ)のため、民間貿易の実績はほ とんどなく、依然として国家貿易体制が維持されている。また、小 麦の政府売渡価格は、依然として、価格面で安い外国産小麦による 輸入差益を国産小麦の価格支持の補填に充てることを基本とした、 いわゆる内外麦コストプール方により決定されている。

http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2002/062/15.pdf

麦の標準売渡価格の決定内容(案)
                   平成1 4 年1 2 月
1.輸入麦コスト

ア FOB価格      194(ドル/トン)
イ 為替レート      122(円/ドル)
ウ 輸入麦買入価格  30,461(円/トン)
エ 政府管理経費    5,660(円/トン)
オ 輸入麦コスト   36,121(円/トン)

2.政府買入れに係る国内産麦コスト
             29(円/トン)

3.政府麦に係るコスト(1と2を加えたもの)
           36,150(円/トン)

4.民間流通に係る国内産麦コスト

ア 麦作経営安定資金 16,413(円/トン)
イ 流通コスト等    1,618(円/トン)
ウ 民間流通に係る国内産麦コスト
           18,031(円/トン)
5.小麦のコスト価格(3と4を加えたもの)と平均標準売渡価格
との関係

ア 小麦のコスト価格 54,181(円/トン)
イ 平均標準売渡価格 48,463(円/トン)
ウ ア−イ       5,718(円/トン)
エ改定率(ウ/イ)    11.8%

5.標準売渡価格

小麦
(銘柄区分U・1等正味)2,308(円/60kg)
            3,846(円/100kg)

輸入小麦
(アメリカ産ウェスタン・ホワイト・ホイート2等正味) 
            4,579(円/100kg)

輸入小麦
(カナダ産ウェスタン・レッド・スプリング ホイート1等(たん
白含有率13.5%)正味)
            5,174(円/100kg)

http://www.syokuryo.maff.go.jp/notice/data/mugiuri94.pdf
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 以前の政府輸入による管理体制が、関税化でどう変ったのか、気 になっていたのですが、実態は何も変わっていないようです。

 「麦作経営安定資金」というのが国産小麦への補助金のようです ね。国産小麦は民間流通ということになりましたが、こんなニュー スもありました。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

品質向上へ転換迫られる麦
生産増えたが価格は下落傾向

 先月行われた二〇〇三年産麦の播(は)種前入札で、小麦、小粒 大麦など四麦の加重平均価格は〇二年産を下回り、下落傾向が続い ている。小麦は銘柄間の価格差も大きくなった。実需者は国産麦に 品質向上や安定供給の要求を強めており、産地は需要に合った生産 への転換が求められている。

●銘柄格差

 民間流通になって四年目となった二〇〇三年産の入札結果は、生 産が増えたことを反映して全体では価格を下げた。三十三銘柄が上 場した小麦で、値幅制限(基準価格の上下5%)の上限に張り付い たのは四銘柄だけ。パン用として人気がありながら作りにくく生産 の減少が続いている北海道「ハルユタカ」は六十キロで三千円近く に上げた。半面、二千円を下回る銘柄が前年の三から八に増え、銘 柄間の格差は一段と拡大した。

 国産小麦は主に日本めんに使われ、製粉会社はたんぱく含量が中 程度であることなど、品質や製めん適性を厳しく求める。転作で生 産量は増えてきたが、実需者の要望に応えた供給とは必ずしもなっ ていない。品質はそこそこでも、急に生産を増やして下げた銘柄も ある。

 JA全農は「小麦の生産量が自給率目標をクリアする八十万トン まで回復し、増産から品質向上へ転換が必要な時期に入った」(米 穀販売部麦類グループ)と、現状を分析しながら、生産者の意識改 革を促す。

●難点

 実需者である製粉会社は異口同音に、品質向上や安定供給を要望 する。国産小麦は、オーストラリア産の「ASW」に比べ品質、製 めん適性などで劣るとされる。日清製粉の佐々木明久業務本部長は 「国産の品質はかなりよくなったが、色がくすんだり、粘弾性で劣 る」と、もう一段の品質向上を求める。日本製粉も「国産の使用を 増やそうとしているが、産地や年産によって品質にぶれがある。ロ ットも小さい」と難点を指摘する。

 製粉業界は、韓国などからの低価格の小麦粉調製品(小麦粉に砂 糖や脱脂粉乳などを混ぜたもので、パンなどの原料となる)の輸入 が増えていることに危機感を募らせており、より低価格の原料を求 める傾向が強くなっている。

●本腰

 こうした実需者の声を受けて、産地では品質向上に乗り出す動き が出始めた。

 「農林61号」が主力のJA全農いばらきは、品質のばらつきを 小さくするため、全生産者のたんぱく分析に着手。選別機のグレー ダーは網目を二・三ミリに拡大。ロット大型化のためのばら流通を 促進、「実需者を意識した生産・出荷に努めている」(米穀課)。

 〇三年産からは、赤かび病の検査も厳しくなる。需要に応えるた めに、小麦生産は本腰を入れて品質向上や安定供給に取り組むこと が強く求められてきている。

http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/news/020918/
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 WTOの新ラウンドでは、マークアップ(輸入品に価格を上乗せ) が問題になっているとか。やはり前途多難ではあるようです。


2001/03/18

 まず、統計です。

http://www.kanbou.maff.go.jp/www/chousa/kansoku/00kansoku/ grain/wheat/wheat.htm

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

〈小 麦〉

 11年産の作付面積は、北海道では、緊急生産調整推進対策での取 組の増加から2.2%増の9万4,700haとなったほか、都府県でも、本 対策での取組の増加や前年産が作柄不良であった二条大麦、六条大 麦からの転換等に加えて、九州において播種期の天候不順により作 付けが減少した前年産に比べて播種作業が順調に行われたことから、 6.6%増の7万4,100haとなり、全国では4.1%増の16万8,800haとな った。

 作付品種の動向については、ほぼ全量が北海道で栽培されている ホクシンの作付増加が著しく、11年産については14.9%の増加とな り、北海道におけるシェアは11.7ポイント上昇し80.8%となった。 また、中国、四国及び九州で栽培比率の高いチクゴイズミは14.4% の増加となった。一方、8年産まで作付面積第1位であったチホク コムギは年々減少しており、11年産は47.9%減と大幅に減少した。

 作柄は、都府県では一部の地域を除いておおむね天候に恵まれ生 育は順調であったものの、主産地の北海道では融雪期の遅れによる 雪腐病の発生や、出穂期以降の高温・少雨による登熟不良から、作 況指数92の「不良」となった。収穫量は、作付面積の増加から2.4% 増の58万3,100トンとなった。

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 11年というのは、平成11年ですから、1999年の情報です。作付け、 終了ともに少し増えている、ということです。輸入小麦は、グラフ しか載っていないのですが、飼料用を除くと、500万t弱、総計では 600万tくらいというところです。国産は全体の約1割程度の生産量 があることになります。

 案外たくさんあるのだな、という感想を持ちました。上記の記事 でホクシンというのは、新しく開発された品種で、チホク小麦の後 継となっています。

 有名なチホクですが、今年くらいには、ほぼ完全に滅びているの でしょうね。

 国産小麦でパン用の小麦としては、ハルユタカというのが有名で す。この品種は「春播き」小麦で、冬を越さないのが特徴です。こ のためもあってか、収量は少なく、作柄も不安定で、作付け面積は だんだんと減ってきています。

 共同購入組織や生協などで、「国産小麦」パンというのは、ほと んどこのハルユタカを使用したものでした。しかし、近年では、供 給量が充分でないので、ブレンドものに移行しているところがほと んどと思います。

 後継品種としては「はるひので」というのが開発されていますが、 一般の国産小麦で、パンを作ることは、個人で趣味で作る場合はと もかく、商業的には、ほぼ不可能です。

 ブレンドもの、というのは、ハルユタカを使用したりしなかった りしますが、要するに任意の国産小麦をブレンドして、そこにグル テンを添加したものです。

 このグルテンは、輸入品もあって、そちらの方が品質は良いので すが、国産のハルユタカのグルテンも手配可能です。

 ハルユタカがないのに、ハルユタカのグルテンはある、というの は、変な感じですが、ハルユタカは「クズ」が多く、こういう原料 にまわされる率が高いのだそうです。こういうところも、農家にハ ルユタカが嫌われる一因だと思います。

 グルテンというのは「小麦たんぱく質」です。パンのでき具合は、 小麦粉に含まれるグルテンの量と質に依存します。

 国産小麦はこのグルテンの量も少ないのですが、質にも弱点があ って、パン生地を練ったときの、粘りが弱く、なかなかきれいに膨 らまないのが欠点となっています。

 国産小麦でも、グルテンを添加してやると、まずまず良いパンが できます。インターネットで、「ハルユタカ」で検索すると、通販 のサイトがありましたが、そこの写真では、袋に「ハルユタカ(ブ レンド)」と書いてありました。ハルユタカ以外の小麦(国産)を 混ぜ、そのままではパンになりませんので、グルテンを添加してい るものだと思います。

 皆さんが「国産小麦使用」というパンを買った場合、ほとんどは こうしたグルテン添加のものになっているはずです。私は、国産小 麦でパンを作る、というときに、こうしたグルテン添加のものを使 用するのは、やむを得ないことと思います。そこまでして、こだわ る必要もないような気がしますが。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

  価 格

 11年産の国内産の政府買入価格(銘柄区分U・1等)は、小麦、 大麦が0.73%、裸麦が0.72%引下げられ、小麦は60s当たり8,893円、 大麦は50s当たり6,384円、裸麦は60s当たり9,197円とされた。政 府売渡価格(銘柄区分U・1等、税込み)は、12年2月1日から改 定され、それぞれ5.0%の引下げとなり、小麦は60s当たり2,308円、 大麦は50s当たり1,680円、裸麦は60s当たり2,205円とされた。

 

--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これが問題の逆ざやの実態です。小麦の買い取り価格から売り渡 し価格を引くと、 6,585円/60kgになります。これに生産量をかけ ると、 63,995,225,000・・約640億円です。これには管理費や金利 などは入っていませんので、小麦で出している政府の赤字は、軽く 一千億円を越えています。

 国の赤字も「兆」の単位でないと、なんだかたいしたことがない ような気もしますが、いかがでしょうか。

 完全自由化されても、国産小麦が生き残るためには、この一千億 円を消費者が負担しなければなりません。一億二千万人で割れば、 年間千円以下の金額です。

 しかし、農産物の国際価格というのは、本当に安いですね。私た ちの豊かな食生活は、そのおかげで成り立っているのですが、もう 少し何とかならないものかと思います。

 日本お得意の工業製品も、よく考えるとメチャ安い代物です。も うずいぶん昔の話になりますが、「ステーキ1枚より電卓1個の方 が安い、不思議な国」と紹介されていました。

 で、自由化ということは、この安いものどおしが、国境を越えて 世界中を動いていく、ということでもあります。

 私は「食糧安保論」などというのは、馬鹿げた妄想だと思ってい ますが、(平和時には不必要、戦争時には不可能だからです。)こ ういう新しい国際環境の中で、日本で農業が生き残る、ということ については、非常に難しい問題があると思います。

 もちろん、何とか生き残ってほしい、と思うのですが、ことは一 つの産業の盛衰の問題です。私のような部外者にできることはあま りないと思いますので、よけいに悩ましい問題です。


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