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2000.03.26

2002.09.15


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食べ物情報(2)加工食品

そうめん


2000.03.26

 三月では、まだそうめんには早い季節ですが、手のべそうめんはもうほとんど 製造を終わっています。

 そうめんはいちばん細い麺ですが、いろんな面で他の麺とは違っ たものです。

 安い機械打ちのそうめんと、手延べのそうめんとがあります。機 械打ちのものは、要するにうどんの細いものです。「ひやむぎ」と いうのは、そうめんよりは太いですが、やはり細いうどんと思って ください。

 手延べそうめんは、その名のとおり、手でのばすわけです。ただ 延ばすのではなく、手に油をつけて、「より」をかけます。手で、 麺をこよりのようにねじっていきます。

 このことで、麺の表面がねじれて、独特の食感がでます。また、 そうめんは細い麺ですが、ゆでてから、「のびる」ということがあ まりないのも、こういう工夫によるわけです。

 こうしてよりをかけて延ばしたそうめんは、専用の物干し台のよ うなもので、天日乾燥させます。乾燥して寒い、冬の日が良いとさ れ、上等のそうめんには、「寒製手延べ」と決まり文句が書いてあ ります。

 油は綿実油、ナタネ油などを使いますが、私の知っているところ では、ぜんたくにゴマ油を使っていました。油を使うため、できた てのそうめんはちょっと油の匂いがして、あまり美味しくないので す。「ヒネ」といって、しばらく置いたものが上等とされます。

 冬に作ったそうめんが夏になるころには、おちついてくるのです が、「ヒネ」ものというのは普通、もう一年たった、次の年に食べ るものです。元は一緒でも、確かに食べたときの感じは違います。

 手延べそうめんは関西では、「三輪そうめん」といって、大和の 三輪山のふもと(桜井市)あたりのものが有名ですが、実際は手延 べの産地は島原などの九州地方になっています。

 九州で作ったそうめんを、奈良県のもってきて、「三輪そうめん」 というブランドで売られているのです。

 そうめんの原料は前述の植物油のほかは、小麦粉と塩だけ、とい うきわめてシンプルなものです。もともとが乾物なので、保存料な ども必要としませんし、古くても美味しい、というありがたい食べ 物でもあります。

 そして、実は、麺のうちで、いちばん味の違いが際立つものでも あります。ぜひ、美味しいそうめんを探してみてください。ブラン ドよりも、能書きよりも、味そのものが、原料と製法の良さを語り ます。

 ご多分にもれず、原料の小麦は輸入小麦がほとんどです。国産小 麦で作ったものは、味は良いのですが、コシ、なめらかさなどの点 では、輸入ものに及びません。どちらが美味しいかは、人によりま すが、有力な国産小麦の利用方法ではあります。

 「国産小麦使用」というそうめんを見つけたら、ぜひ一度、試し てみてください。くれぐれも、機械打ちの安物には手を出さないよ うに、ご注意ください。


2002.09.15

 ちょっと遅くなってしまいましたが、こんなニュースがありまし た。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 農水省は24日、三輪そうめんの産地表示に違反があり、指示を行 ったとして、立ち入り調査を実施した桜井市の製めん業者三社を公 表した。違反のあった製めん業者は、桜井市芝の池利、同市箸中の 三輪そうめん山本、同市河西の森井食品。7月4日の農林物資の規格 化および品質表示の適正化に関する法律(JAS法)の改正を受けて、 指示処分が公表されたのは初めて。

 3社とも、JAS法で県外産のそうめんに義務付けられた「製めん地」 の表記を行わずに、長崎県や熊本県で生産されたそうめんにも、産 地の誤解を招く「三輪そうめん」の表示しかしていなかった。

http://www.nara-shimbun.com/n_all/all2440.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 この三社は三輪そうめんでは最も大きなメーカーです。「三輪」 は「大三輪神社」で有名な奈良県桜井市の地名です。もともとはこ のあたりの産業だったのですが、今では奈良県内でつくったものは 「三輪そうめん」と表示してよいことになっています。

 私の見学した三輪そうめんのメーカーも、実際に作っているのは 桜井から半時間ほど車で山を登っていったところでした。いかにも 環境のよさそうなところでした。

 しかし三輪そうめんに表示違反が多いのは周知の事実です。この メールマガジン21号(2000.03.26)で、次のように書いていました。 

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 手延べそうめんは関西では、「三輪そうめん」といって、大和の 三輪山のふもと(桜井市)あたりのものが有名ですが、実際は手延 べの産地は島原などの九州地方になっています。

 九州で作ったそうめんを、奈良県のもってきて、「三輪そうめん」 というブランドで売られているのです。

http://food.kenji.ne.jp/food11/food1111.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 表示違反だろう、と書いていないのは、みんなが知っていること なので別に違反ではないのだろうと誤解していたのです。

 本当に三輪で作られている手延べそうめんはほとんどありません。 奈良県下で作られたものが全体の2割程度、残りは九州産です。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 「三輪そうめん」の生産地表示にJAS(日本農林規格)法違反 (品質表示基準違反)があったとして、県三輪素麺(そうめん)工 業協同組合を昨年脱会した大手製めん業者三社に農水省の指示処分 が下された問題で、同組合の植田一隆理事長は25日、本紙の取材に 対して「三輪そうめんの本物は2割しか出回っていない」と明らか にした。

 植田理事長の話では、三輪素麺の生産量は18キロ入り箱で約15万 箱あるが、それに対して、「三輪そうめん」として流通している商 品は60〜80万箱あるという。

http://www.nara-shimbun.com/n_all/all2443.html
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 そうめんは中元用の商品として人気があります。もともと地域の 産業として規模の小さいメーカーばかりだったのですが、販売量の 拡大につれ、生産量が追いつかなくなってきました。

 そこで九州(島原)での生産がはじまったのです。最初は三輪そ うめんのメーカーが島原に進出したのですが、その後、島原のメー カーもそだってきています。今は自社でも販売している島原のメー カーから、製品を購入することが多くなっていると思います。

 こういう動きは1960年代から始まっています。今までずっとそれ で通ってきたのに、今更違反だと言われたメーカーには、ちょっと 気の毒だと思います。

 実際問題として、奈良県での生産が拡大していく可能性はほとん どありません。三輪そうめんの販売量を維持するためには、他地域 からの導入は必要です。早くから「三輪そうめん(島原産)」とか 「三輪そうめん(生産地:島原)」とか表示しておけばよかったの ですが、建前としての「三輪そうめん」表示で通してきてしまった のが今になってたたっているわけです。

 奈良県下の生産量が2割ほどしかないのを知っていながら、「奈 良県産のものは三輪そうめんの表示を認める」ということにした奈 良県の責任もあります。こうすれば県下での生産が増えると思った のでしょうが、ちょっと見通しが甘かったようです。

 実態がすでに生産=九州、販売=奈良になっているのに、無理な 建前を主張するのはやっぱり間違っていたと思います。

 隣の三重県では、「松阪牛」ブランドでもめています。松阪牛の 定義をめぐってです。

--〔↓引用はじめ〕------------------------------------------

 松阪牛の定義はこれまで松阪肉牛協会、松阪肉牛共進会、松阪肉 牛生産者の会の三団体が、生産区域や飼育期間などによって、それ ぞれ異なる定義をしていた。が、生産者や流通業者らの話し合いで、 肥育地域を「雲出川と宮川を挟む地域と、南北流域の伊勢市など二 十二市町村」と決めた。

http://www.isenp.co.jp/news/_2002/0730/top.htm
--〔↑引用おわり〕------------------------------------------

 これに対して肥育地域を三重県下全体に広げるよう、要求が出て いるそうです。松阪牛の実態からして、よほどうまくやらないと三 輪そうめんの二の舞になりそうですね。

 定義をきちんとすることがブランドの力を高めるのですが、それ では生産量が確保できないのです。万事に保守的なヨーロッパ諸国 ではそれでよしとするのですが、日本では目の前にぶら下がってい る儲けのチャンスを見逃すことはないと考えてしまいます。

 今年になって表示違反が相次いでいるのは、このごろ悪徳業者が 増えたわけではありません。長年の慣行で建前と実際が違っていて、 それで通ってきたのが通らなくなってきたのです。

 時代は変わったのだ、という認識をメーカーには持ってもらいた いのですが、人は同じですのでなかなか難しい問題だと思います。


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