安心!?食べ物情報>食べ物情報(2)加工食品>漬物類(梅干)

トップページ
Index

宮沢賢治の童話と詩 森羅情報サービス
宮沢賢治の童話と詩が読めるサイトです。

ここは「禁煙サイト」です。喫煙中の閲覧はご遠慮ください。
質問・意見などをお寄せください。
お名前
メールアドレス
<メッセージ>

食べ物情報(2)加工食品

漬物類(梅干)


【梅干と南高梅】

 私の住んでいる和歌山県は全国一の梅の産地です。南部(みなべ) の梅林は2月には観光用に公開されるので、何度かいったことがあ りますが、果樹としての梅は白梅ばかりで、しかも剪定しているの で、広いのは広いのですが、それほどきれいなものではなかったで す。

 梅の品種にはいろいろあるのですが、和歌山を代表する梅は、 「南高(なんこう)」と呼ばれる品種です。大粒で、種が小さく、 梅干には最高の品種です。奈良県の南高梅を見せてもらったことが ありますが、気候の関係か、和歌山のものほど、大きくならないよ うでした。

 梅は2月に花が咲いて、6月には一斉に取り入れる、短期決戦型 の果実です。出荷が一時なのと、生で食べるものではないので、相 場の動きが激しく、非常に価格の不安定な作物でした。

 最近は高値安定型で、梅農家はたいへん儲かっている様子です。 梅干を作る、梅の加工業者も、例のO−157騒動以来、業績は好 調のようです。

 梅は「青梅」といって、完全に熟す前に収穫され、市場に出荷さ れます。しかし、梅干にするには、完全に熟して、少し黄味がかっ てきたものの方が、美味しいものになります。

 南高梅では、青い梅の一部に、紅色が差してくるものがあります。 こういう梅は特に評価が高く、高値で取引されますが、一般には、 真っ青なものが好まれるようです。

 梅農家では、梅酒にするにも、完熟のものを使います。果物全体 に、流通の都合と消費者の好みにより、未熟なときに収穫する傾向 があるのですが、やはりたいていの場合、完熟の物の方が美味しい ものです。

【梅と産直】

 上記のように、相場の変動の激しい作物でしたので、梅栽培は投 機性が強く、一定の価格での取引を求める産直(農家からの直接購 入)は価格面でなかなか難しいところがありました。

 相場が高くなったとき、あらかじめ決めてあった価格では出荷で きない、などと言われたことがあり、私は今でも、梅農家には良い 感情を持っていません。

 数量を確保しなければならないので、トラックで農家まで、直接 梅を取りに行くのですが、そんな場合も、値段の話ばかりで、産直 を成功させる、という視点がなく、困ったものでした。

 まあ、これも20年近い昔の話で、今は変わってきているのでし ょうが。

【輸入梅】

 梅干の原料は地元産のもの以外に、台湾からの輸入品が使われて います。理由もなく国産品をありがたがる傾向には、私は批判的な のですが、梅干の原料として見た場合、「南高梅」と台湾産の梅で は、かなり品質に差があります。

 見分け方は簡単で、種の大きさですぐにわかります。今頃、よう やく、梅干に原産国の表示をしよう、という話が出ていますが、ま だまだ「紀州産梅干」が実は台湾産の梅である、という事態は続く と思います。

【減塩梅干】

 減塩ばやりで、梅干の塩分はずいぶん少なくなっています。もと もと保存食であった梅干も、そのためにずいぶん保存性が悪くなっ てきました。中には防腐剤を使ったものもでてきています。

 減塩、ということに、健康上の価値はあまりないと思うのですが、 食べて見ると、確かに塩分の多いものは食べにくいのです。美味し く食べるためには、塩分の少ない梅干しを少しずつ購入する、とい うのが、かしこいやり方と思います。

 家庭で作る場合、塩分を減らすには、焼酎を使うという方法があ ります。これは風味もよくなりますので、おすすめの方法です。

【梅干の殺菌力】

 梅干は酸が強く、お弁当などに入れておくと、保存性を良くする、 というのはある程度本当だと思っています。これは主に梅干がかな り強力な酸性を示すためです。

 同じPH(ペーハー)だと、無機の酸より、梅干に含まれている ような有機酸(クエン酸など)の方が殺菌力が強いという話です。

 O−157の騒ぎのときは、梅干の効用がさかんに宣伝されまし たが、私はちょっと大げさに言い過ぎではないか、と思っていまし た。

 梅干があれば食中毒の心配がなくなる、と受け取る人がいるので はないか、と心配しています。実際はそんな甘いものではなく、梅 干で食中毒が防げるのなら、食品業界の人はこんなに衛生面で苦労 しないです。

 おまじない程度に考えておいた方が無難です。

【梅干はアルカリ性?】

 「梅干はアルカリ性食品」ということをよく聞きますが、これは どういうことなのでしょうか?

 梅干自体はかなり強い酸性です。したがって、酸性食品・アルカ リ性食品ということを、その食品自体の酸性・アルカリ性という分 け方をしているのではありません。普通、このような分け方をする ときは、その食品を構成するミネラルバランスについて言うようで す。

 ほとんどの食べ物は酸性を示します。その酸性は有機物が示す酸 性のことが多いので、燃焼させると、有機物は燃えてしまい、酸性 もなくなってしまいます。残った灰の中に、陽イオンになる金属元 素(カルシウム・カリウム・マグネシウムなど)がたくさんあるか、 陰イオンになる元素(主にリン)がたくさんあるか、で酸性食品・ アルカリ性食品と分けます。

 リン酸を多く含む穀物や肉類が酸性食品で、それ以外の野菜・果 物がアルカリ性食品と大雑把に考えて、間違いないと思います。

 それで、このように分類して、食生活のバランスを良くしよう、 というのが本来の意味ですが、なぜか「アルカリ性食品は体に良い」 という信仰が普及しています。

 はっきり言って、食生活のバランスを考える、という意味以外に は、このような分類は無意味です。果物は一般にカリウムを大量に 含みますので、果物から作ったものがアルカリ性食品に分類される のは当然なのです。

 「血液が酸性になる」などという言い方をする人がありますが、 これはとんでもない話で、血液が酸性になったら、人は生きていま せん。

 糖尿病がひどくなると、血液のPHが下がる(酸性側にうごく) ことがありますが、PH7.2くらいで昏睡状態になるそうです。 PH7が中性で、それ以下が酸性ですので、人間の血液が酸性にな ることは絶対にありません。

 食べ物にまつわる迷信の中でも、最も馬鹿げたもののひとつです。


★このページのトップへ★