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質問・意見などをお寄せください。 食べ物情報(1)調味料 「パーム油」ヤシ油について、こんなメールをいただきました。 --〔↓引用はじめ〕------------------------------------------ いつも興味深く読ませていただいております。 ヤシ油の記事がありましたので、私の経験?などを記し、また若 干の質問にお答えいただければ幸です。 第二次世界大戦が終わってから日本は食糧不足でした。油もその 一つですが、ヤシ油の配給があり、当時は有り難かったものです。 ただし、ちょっと低温になると固化して、一升びんに入れた油を鍋 に移すのに母親が困っていたことを思い出します。また、ヤシ油は 特有の匂いがあり、気にすると食欲がなくなりました。 私は3年前まで5年間フィリピンに滞在したのですが、着任早々 の健康管理講話で、フィリピンではヤシ油が多く使われており、場 合によっては下痢をしたりするのでなるべく食べないようにとの注 意がありました。事実ショッピングセンターなどのファーストフー ド店の前を通ると特有の懐かしい?匂いがしたものです。 ところで、現在の油脂原料にはヤシ油が大きな割合を占めている ようです。ただし、食用その他には水素添加やその他の方法で加工 し、食用あるいは工業用に相応しい油脂に変えていると思うのです が、詳しいことが分かればご教示下さい。 なお、シンガポール観光の時にマレーシアも訪れたのですが、ガ イドがマレーシアの主要な輸出品はと聞かれて、錫とゴムと回答し たところ、メールに書かれたように天然ゴムの需要減少に伴い、ゴ ムのプランテーションがヤシ畑に替わったということを教えられま した。蛇足ですが、フィリピンはヤシ油主要産出国ですが、マレー シアに追い越されて困っているとのことでした。 --〔↑引用おわり〕------------------------------------------ まず、普通、「ヤシ油」と言われているのは「ココ椰子」の油を さしています。ココナッツというと、南洋の海岸に生えている、あ の椰子の樹の実ですね。 ココナッツの実の中の白い脂肪の部分(コプラ)からとるのがヤ シ油です。 近年、マレーシアで栽培されるようになって注目されているのは、 同じ椰子でも「パーム椰子(油椰子)」と呼ばれる、別の種類の椰 子です。こちらは比較的小さい実が、たくさんできます。 また、実から直接とる「パーム油」の他に、実の中の核(種子?) からとる「パーム核油」があり、少し性格の違う油が二種類とれる のが特徴です。 --〔↓引用はじめ〕------------------------------------------ <ヤシ油とパーム核油、牛脂とパーム油の脂肪酸組成>============================================================
カプ カプ カプ ラウ ミリス パルミ ステア オレ リノ
ロン リル リン リン チン チン リン イン ール
酸 酸 酸 酸 酸 酸 酸 酸 酸
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炭素数 6 8 10 12 14 16 18 18:1 18:2
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ヤシ油 0.4 7.7 6.2 47.0 18.0 9.5 2.9 6.9 0.2
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パーム
核油 0.1 3.6 3.5 47.3 16.4 9.1 2.3 16.8 0.3
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牛脂 4.1 31.0 18.2 41.2 3.3
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パーム油 0.2 1.1 43.1 4.0 40.7 9.7
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http://plaza.harmonix.ne.jp/~krand/dia/nettairin.html ごらんのように、パーム油は牛脂と、パーム核油はヤシ油(ココ 椰子油)に似ています。 パーム油の利用については、以下のようなページがありました。 --〔↓引用はじめ〕------------------------------------------ 大雑把な公式データや、油の専門誌などから私なりに調べた数字 は(92年度なので古くて申し訳ないが)以下の通りである。
パーム油はあらゆる油脂の中でダントツに生産増加が進んでいる。 マレーシアでは、1960年には7万2000トンに過ぎなかったパーム油生 産が、96年にはその100倍以上の840万トンにまで伸びている。その理 由は、
などがあげられる。(略) ●付録 本文を補足する意味で、パーム油の利用項目を大雑把に書 き出してみました。
http://www.kiwi-us.com/~scc/ud/38a.html さて、パーム油について語るとき、ついて回るのが「プランテー ション」ということです。熱帯諸国が西洋の植民地だったころ、植 民地収奪の手段として、現地の農業生産体系を破壊して、単一作物 (サトウキビ、ゴム、バナナ、コーヒー、…)の大規模栽培をおこ なったのが、いわゆるプランテーションです。 だから、どうしてもイメージが悪く、パーム油もプランテーショ ン栽培だからよくない、という意見は根強いものがあります。上記 で引用したサイトなども、そういう主張で書かれているようです。 私はプランテーション=悪、という図式はちょっと早とちりでは ないかと考えています。 確かに植民地式のプランテーションはその後の旧植民地諸国にと って、マイナスの要素が大きいものでした。そこの利益が宗主国に 吸い上げられてしまい、後には自立が困難な(儲からない)農地だ けが残されたのですから。 しかし、現代の発展途上国が、自力で大規模農業を成立させ、国 の経済発展に役立っている場合、それを同列に非難するのは間違っ ていると思います。 もちろん、環境への配慮や労働条件などはいろいろと難しいもの があるでしょうが、それらを自力では解決できないと決めつけるの は、先進国の傲慢というものでしょう。 大豆やナタネを扱っている、穀物メジャーから見るとパーム油は 市場を脅かす憎い存在でしょう。しかし広大な面積を必要とする大 豆やナタネの生産と比べて、それよりも小さな面積で同等の生産が 可能な、パーム油だけが非難されるいわれはありません。 大豆やナタネならよくて、パーム油はよくないとする根拠は、中 緯度地域(主に先進国)と低緯度地域(主に発展途上国)との利害 の対立以外にありません。 マレーシアのパーム油プランテーションは、農地の確保と整理、 製品の加工と輸出など、あらゆる意味から現代プランテーション農 業の優等生です。これを非難するのは、熱帯諸国はいつまでも熱帯 雨林の中で、原始的な暮らしをしていればよいと考えていることに 他なりません。 パーム油はプランテーション栽培によって生産されているからよ くない、という意見を見たら、このことを思い出してほしいと思い ます。 |