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食べ物情報(1)調味料

「だし・つゆ」


【めんつゆ】

 暖かくなってきました。昔、めんつゆの業者の人から聞いた話で すが、そろそろ「そば」が売れだす頃なのだそうです。梅雨明けの ころから、本当に暑くなってくると、そばは減ってきて、そうめん が売れるようになるそうです。

 その業者とのつきあいで、初めて「そうめんつゆ」を扱ったとき は、いろんな批判が出て、たいへんでした。(10年以上昔の、小 さな生協での話です。)批判というのは、もちろん、「つゆ」など というのは、自分で作るべきで、商品として扱うのはおかしい、と いうものでした。

 こういう意見は常にでてきます。いなければ買わずにおけばよさ そうなものですが、そこはそれ、生協に対する思い入れがあるから で、私たちにとっては逆にありがたいことです。でも、今考えると、 やはり少し偏狭な態度ではあると思います。

 その時は試験的にとか言って、何とか認めてもらったのですが、 時間がたってみると、批判は自然に影をひそめ、いろんな「つゆ」 を扱うようになっていきました。

【グルタミン酸が多すぎる】

 最初に扱った業者のは、缶入りで、なかなかおいしいものでした が、最終的には、化学調味料の問題で、扱いを中止しました。化学 調味料は使用していない、という触れ込みだったのに、どうも使用 していたらしかったのです。

 アミノ酸スコアといって、食べ物の中のアミノ酸の組成を調べる ことができます。グラフにすると、グルタミン酸の所に鋭いピーク があるので、グルタミン酸を添加しているだろう、ということがわ かります。

 もちろん、自然にも、グルタミン酸はたくさんあるアミノ酸です。 また、昆布などでだしを取るのも、昆布からグルタミン酸を抽出し ているわけですから、当然、美味しい食べ物では、アミノ酸スコア をとると、グルタミン酸は多くて当たり前です。

 ただ、ピークの鋭さで、自然のものと化学調味料を添加したもの とを見分けられる、と思います。ところが、化学調味料無添加、と いっているものを調べると、グルタミン酸の不自然なピークを示す ものがたくさんあるのです。

 件の業者もそうなのですが、それでもあくまで化学調味料は使用 していない、と言うのです。どうもこれは、使用している調味料に 問題があるようでした。

【食品添加物としての調味料】

 ここまで、「化学調味料」というのは「グルタミン酸ナトリウム」 の結晶として販売されているものを指して言っていました。これは 主にサトウキビから砂糖を取ったあとに残る糖蜜に、グルタミン酸 生成菌を繁殖させて製造しているものです。

 しかし化学調味料だけが調味料なわけではありません。世の中に は非常にたくさんの調味料が、食品添加物として販売されています。 これらにはいくつかのタイプがあります。

(1)イノシン酸、グアニル酸などの化学名が確認できる形で販売 されているもの(多くは結晶している)

(2)たんぱく加水分解物などのとして、各種アミノ酸の混合物と して販売されているもの

(3)酵母エキス・チキンエキスなどの名前で、天然物として販売 されているもの

 もちろん、これらの境界はあいまいなものです。この1〜3のど れを使用しても、食品添加物の表示は、調味料(「アミノ酸」また は「アミノ酸等」)という表示になります。「等」がつくのはイノ シン酸などの非アミノ酸を使用した場合です。

【化学調味料】

 上記(1)は、「化学調味料」の範疇に入るものです。化学調味 料とは何か、という定義ですが、「アミノ酸などの呈味力のある物 質を意識的に製造し、純度の高い状態で販売しているもの」として おきます。

【たんぱく分解物】

 (2)に入るものには、数えきれないほどの製品があります。た んぱく質をアミノ酸の状態まで分解する方法で、「塩酸分解物」と 「酵素分解物」とがあります。このうち、「塩酸分解物」では、有 機塩素化合物が生成しますので、あまり安全とはいえないものです。 酵素分解なら、心配はないのですが、コストの問題があって、塩酸 分解物の方がたくさん使われていると思います。

 この塩酸分解物は、一応天然物を分解しただけですので、これを 使っていても「化学調味料無添加」というのは嘘ではありません。 でもはっきり言って、「化学調味料」よりも安全面で心配なもので す。

【エキス類】

 (3)にもさまざまなものがあります。ただの混合物か抽出物で すので、食品の製造現場でだしを取る代わりに、添加物メーカーの 工場でだしをとり、それを濃縮または粉末にして販売している、と 考えることもできます。とすれば、これは安心かというと、どうも そうではないのです。

 実際に調べてみると、(3)としか思えない名前で販売されてい る調味料(○○エキスとかいうもの)から、グルタミン酸のするど いピークが確認されたり、前述の有機塩素化合物が検出されたりす るのです。

【こんぶエキス】

 食品工場は添加物については、消費者の立場ですので、自分が使 っている添加物の製造工程や分析した中身まで、いちいち知ってい るわけではありません。コストと効果で適当なものを選んでいるだ けです。最初の話に戻って、「化学調味料無添加」なのに、グルタ ミン酸が多すぎるものは、どうも使用している「こんぶエキス」に 問題があったと私は解釈しています。

 こんぶエキスといってもいろいろです。こんぶのエキスなのです から、グルタミン酸が多いのは当たり前なのですが、どうも必要以 上にグルタミン酸の濃度を上げて、化学調味料の代役として使える ものがあるようなのです。

 グルタミン酸の濃度を上げる手段として、濃縮しているからか、 グルタミン酸を添加しているかはわりません。製造方法は違っても グルタミン酸には違いありませんから、分析しても見分けることは 不可能です。

 化学調味料はダメ、と思って、化学調味料無添加のつゆを買って きても,じつは同じくらいグルタミン酸が入っていた、ということ はよくあることで、「知らぬが仏」とはこのことです。

【無添加のだし】

 私のところでは、その後、一切の「調味料」を使用しないものを 開発していきました。これは昆布・鰹節・・・といった風味原料を 自分の工場で使用し、だしをとる工程からスタートするのです。

 食べて見ると、実に美味しいものです。欠点としては、食べてい るうちに、つゆが薄まってくると、急激に味がなくなるということ があります。これはグルタミン酸の濃度が不足しているからです。

 グルタミン酸はあらゆる呈味物質のなかで、飛び抜けて低濃度で も味を感じる物質です。グルタミン酸を多く使用すると、いわゆる 「のび」が良く、薄まっても美味しく感じられます。つい「こんぶ エキス」なとを使いたくなるのも、わかる気がします。

 「化学調味料使用」なら危険で、「化学調味料無添加」なら安心、 と単純に考えられるほど、ことは簡単ではない、ということをあら ためて感じた事件でした。

(以上の中で「グルタミン酸」は「グルタミン酸ソーダ(MSG)」 のことです。)


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