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食べ物情報(1)調味料

「酢」


 お酒をつくるとき、原料中の糖分が酵母の働きでエチルアルコー ル(エタノール)に変る話は以前にしました。ある程度のエタノー ル濃度になると、酵母も活動を停止し、いったん安定した状態にな ります。

 エタノールは殺菌力があるので、普通の細菌は繁殖できないので す。

 ところが、このエタノールを好んで食べる「酢酸菌」という細菌 があって、お酒はやがて酢になっていきます。エタノールが酸化さ れて、酢酸になるのです。

 この過程は酸素を必要とします。エタノールを作るまでは、酸素 のない環境での有機物の分解ですが、最後の酢酸を作るのは、酸化 です。

 古式の酢の醸造では、容器に酒を入れて、酢酸菌を繁殖させます。 酢酸菌の活動は、原料の液体の表面の、空気に触れる部分だけで行 われます。できた酢酸は比重が重いので、下に沈み、かわりにエタ ノールを多く含む部分が表面に上がってきて、醸造が継続されます。

 このような酢の醸造法を「静置発酵」といいますが、効率の悪い やり方なので、現在はほとんど行われていません。

 その分、時間がかかるので、味はよくなる傾向があります。でも、 必ずよくなる、という保証はないので、「静置発酵」であれば何で も良い、というわけにはいかないと思います。

 酢酸菌は酸素さえ供給してやれば、極めて効率よく、エタノール を酢酸に変えます。酸素の供給方法としては、液中に空気を吹き込 む、とか、傾斜した流路に原料を流し、空気に触れやすくする、と か、いろいろあるようです。短い場合はたった1日で、醸造過程は 終了してしまいます。

 エタノールが酢酸になるだけでは、おいしい酢にはなりませんの で、この場合でも、「熟成」は必要です。ちょっと邪道ですが、超 音波をかける熟成方法なども研究されていました。テープで音楽を 流している蔵もありましたが、これはほほえましいですね。

 酢酸は強力な殺菌力を持っています。マヨネーズが常温で保存で きるのも、このおかげです。同じPHだと、塩酸や硝酸などの無機 の酸より、酢酸やクエン酸などの有機酸の方が殺菌力は強いといい ます。家庭でも、お酢の力を見直されてはいかがでしょう。

 実は酢酸も以前紹介した「脂肪酸」の一種です。炭素数が1の脂 肪酸は「蟻酸」炭素が2個になったものが「酢酸」です。このあた りでは全然油という感じはなく、酸性もかなり強くなります。消化 の課程も、油脂を構成する脂肪酸と違い、速やかに利用できますし、 体内でいろいろと有効な働きもするようです。

 製法からもわかりますが、酒の数だけ、酢もある、といえます。 ワインが酢になれば、「ワインビネガー」ビールが酢になれば「モ ルトビネガー」日本酒が酢になれば「米酢」といった具合です。

 安い酢は「アルコール酢」といって、販売されている「醸造用ア ルコール」から作ります。これはただのアルコール溶液ですので、 できた酢も、単なる酢酸の水溶液で、とても美味しいといえたもの ではありません。

 酒粕から作ったり、モルトやコーンを使用した「粕酢」「穀物酢」 くらいから、お酢らしい味になってきます。酢のものにするなら、 米酢が美味しい、と思いますが、ドレッシングにすると、味が強過 ぎて、かえって良くないような気もします。要は適材適所、という ことでしょうか。

 販売者の立場からすると、酢というのはめったにクレームのない、 売りやすい商品なのですが、値段も安く、さっぱり量のはけない、 儲からない商品でもありました。特に最近は消費が落ちているよう です。


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